オレとアイツの関係に名前なんていらない

こうらい ゆあ

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 コンビニから戻って来た海斗カイトに手を引かれ、2人揃って早足気味にオレの家に戻った。
 今日初めてしゃべった相手なのに、コイツに触れられるのが嫌じゃなかった。
 玄関の扉が閉まると同時にまたキスをされて、頭の中がフワフワするくらい深い口付けを何度もした。
 耳を手で抑えられながらキスをされると、口内を犯される水音が頭の中に響いて変な気分になってくる。
「ん、ン……ふ、ぁ……」

「ちぃ、パンツにシミができてる。そんなに気持ち良かった?」
 いつの間にかズボンのチャックが下ろされ、オレの下着が丸見えになってしまっている。
 キスをされる度に苦しいくらい張り詰め、先走りでシミを作ってしまった下着を見られて、羞恥心と期待で心臓が痛い。
「プリンの甘い匂いに混じって、ちぃのえっちな匂いがする」
 クスクス笑いながらオレの股間を下着越しに躊躇なく触れてくる海斗カイト

「ぁっ……ま、って……」
 ちょっと触れられただけでもビクビクしてしまうオレの態度に、にんまりと笑みを浮かべ、そっと囁いてくる。
「ベッド行こ?ちぃ、初めてだろうから優しくしてあげる」
 男同士でこんなこと間違ってるってわかってるのに、拒絶できない。
 ベッドに押し倒され、汚れたパーカーもズボンも全部脱がされてしまった。
「っ……、ヤダ。こんな、恰好」
 何も身に着けていない状態にされ、お尻を突き出すように四つん這いの恰好にさせられ、慌てて拒絶の言葉を口にする。

「大丈夫。優しくするから……」
 何が優しくするのか理解できない。
 さっき買ってきたと思われるジェルっぽいのをお尻の大切な場所に塗り付けられ、指でゆっくり解される。
 本来出すだけの場所を海斗カイトの指がゆっくりと出たり挿ったりしてくる。
「うぅっ、きもち、わるぃ……。抜け、よぉ……」
 気持ち悪いはずなのに、それだけじゃない感覚がする。
「おかしいなぁ……前に本で見た時はこの辺に……」
 指で何かを探るようにナカをクチュクチャと掻きまわされる。
 怖いし気持ち悪いのに、腰を下げることもできない。

「んっ……ぃ、ゃっ……ひぁっ」
 不意にペニスの裏側の一点を指先が掠めた瞬間、今までとは全然違うビリビリとした感覚が全身を駆け巡る。
「あ、あった♪ちぃの良いところはここだ」
 オレの反応を見て、海斗カイトが嬉しそうな声を出し、執拗にそこばかりを責めてくる。
「あっ、アッ……ひっ、ソコッ!ダメっ……頭、ヘン……な、るぅ……」
 同じ場所をコリコリと引っ掻くように刺激されると、触ってもいないペニスから先走りが止めどなく溢れ出てしまう。
 無意識に声が出てしまい、脚もガクガクと震えてしまう。
 気持ち悪いはずなのに、さっきからイキそうなくらい気持ち良くて仕方ない。

「やっ……あっ、アッ……んぅっ」
 自分の口から出ているはずなのに、甘く切なく喘ぐ声を抑えることができない。
「ちぃ、気付いてる?もう3本も挿ってるんだよ。初めてなのにココで感じてるなんて、才能あるね」
 海斗カイトの嬉しそうな言葉を否定したいのに、オレの口から出るのは甘い喘ぎ声だけ。
 その間もオレのナカを犯す指は水音を増し、胸の突起も反対の手で散々弄られてしまう。
 女の子でもないのに、男なのに、胸を弄られるとビクビクと身体が震えてしまうくらい気持ちいい。

「ちぃ、挿れていい?」
 海斗カイトの長い指がゆっくり引き抜かれ、代わりに熱くて硬いものがアナルに押し当てられる。
 同じ男だからそれが何なのかわかってしまう。
 でも、同じ男だからこそ、こんなの間違ってるって、頭ではわかってるのに……
「ん……ァッ、や、だ……」
 なんとか拒絶の言葉を口にしたのに、海斗カイトはオレの言葉を無視してググっと力を入れて腰を押し進めてくる。
「ふぁっ、ッ……イ、いたっ」
 指とは質量も熱さも全然違う物体がオレの中に押し込まれる。
 内臓を押し上げられるような圧迫感に呼吸が出来ない。
 苦しくて、痛くて、目の端に涙を浮かべるも海斗カイトは抜いてくれない。

「ッ……ちぃ、もうちょっと力抜いて?ちぃも……ツラいだろ?一緒に、気持ち良く……なろ?」
 苦し気な海斗カイトの声に、オレも身体の力を抜きたいけど、抜き方がわからない。
 痛みから泣きそうになっていると、海斗カイトの手がオレのペニスを包み上下に擦り上げる。
「ひゃあっ、アッ……やっ、まッ!」
 ペニスへの愛撫のお陰か身体の力が抜け、ナカが犯しやすくなったのか海斗カイトが腰を打ち付けてくる。
 さっき触られただけでイッてしまった場所を海斗カイトのペニスが擦り上げてくる度に、全身を快楽が駆け巡る。
「あっ、んンッ!ダメッ!いって……イってるぅ……とま、て……止まって……」
 射精しているのに、海斗カイトが止まってくれないから突かれる度に先端から精が飛び散る。
 さっきからイってるのに、イクのが止まらない。
「アッ、あっ……やらっ、イ……く、イって……ッ――!」
 一際強く奥を抉るように突き上げられ、ナカに海斗カイトのモノが吐き出されるのを感じた。

 海斗カイトのペニスが抜かれた後、浴室に連れて行かれて、シャワーを浴びながらまた抱かれる。
 ベッドに戻ってからも何度も身体を求められ、何も出なくなるまでイかされてしまった。
 
 今日、初めて喋った相手に、オレは何度も抱かれた。
 男なのに、童貞なのに……
 童貞を卒業するより先に、処女を失ってしまった。


 初めてなのに、アイツの太くて大きいので何度も突き上げられて、女子みたいな声で鳴かされた。
 挿れる場所じゃないのに、アイツのが出たり挿ったりすると気持ち良くてしかたなかった。
 何度もイかされて、気を失って、起きたら部屋も身体も綺麗にされてた……

 あんなサイテーな出会いだったのに、オレは今でもこの関係を続けている。
 男にも、女にも、どちらの性にもモテやがる海斗カイトのカモフラージュとしての恋人。
 オレたちはただ身体の関係があるだけの、それ以上でもそれ以下でもない。
 でも、アイツと一緒に居るせいで、海斗カイトに好意を持っている人たちに恨まれ嫉まれる。
 アイツのせいで、基本的に誰もオレとは関わり合いになろうとはしない。
 それは、オレにとって都合がいいはずなのに……

 オレとアイツの間には、偽りの関係しかない。
 だから、この関係には名前なんてない。


 ただ、アイツに抱かれたあの日。
 アイツのせいでオレはひとりでイくこともできなくなった。
 だから、この関係はしかたなく……しかたなく、この関係を続けている。
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