オレとアイツの関係に名前なんていらない

こうらい ゆあ

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 海斗カイトが出て行ってからどれくらい経っただろう。
 本当はすぐにでもシャワーを浴びたかったのに、身体がダル過ぎて動けなかった。
 少しでもお腹に力を入れたら、ナカに出されたモノが溢れ出てしまう。
 でも、ずっとこうやってベッドの上に丸まっていると、お腹が痛くなってきた気がする。
 そういえば、前に何かで書いてたかも……
 中出しされたら、腹痛とか下痢になるって……
 動きたくないけど、アイツのせいで腹痛で苦しむなんて嫌だ。
 それに、汗とか色んな汁で汚された身体のままでいるなんて嫌だ。
  
「ホント……最悪」
 はぁぁぁと盛大な溜息を漏らし、震える脚で浴室に向かった。
 浴室に行く途中、脚を一歩踏み出しただけでも、ナカに出された精液が太ももを伝って滴り落ちる。
「っ……アイツ、人の身体のこと何も考えてないのかよ」
 今まで暴かれたことのない場所を犯されたこともあり、気を抜くとその場にヘタリ混んでしまいそうになる。
 それでも、心の底から嫌いになれない自分がいて、自分自身にすら嫌気がする。
「……あんな奴、嫌いになれたらいいのに……なんで……」


 やっと辿り着いた浴室で、頭から少し熱い目のお湯を浴びる。
 泣き腫らした目にお湯が当ると、ちょっとヒリヒリして痛い。
 でも、それ以上に胸が痛くて、また涙が溢れ出しそうになる。
「普段はちゃんとゴムしてたくせに……病人相手なら何したっていいってことかよ」
 タイル地の壁に手を付き、反対の手で自らのアナルに指を指し込んでゆっくり掻き出す。
 さっきまでコレよりも太いモノがずっぽり刺さってたせいか、オレの指を2本挿れたくらいでは痛みすら感じない。
「くっ……」
 体温で少し固まってしまった精子を掻き出す行為に目をギュッと瞑って耐える。
「んぅ……ッ、さい……あく……」

 感じたくないのに、ペニスはゆったりと頭を持ち上げてしまう。
 ただの後処理でしかないのに、なぜかさっきの切なげなアイツの顔がチラつく。
『ちぃ、可愛い』
『ちぃ、良い子。……ココ、そんな好き?』
『千鶴、可愛い』
 いつも耳元で囁かれるアイツの声が頭の中で再生され、出された精液を掻き出すだけの行為なのに身体が熱くなってしまう。

「ふぁっ、アッ……かい、とぉ……」
 海斗カイトの指を思い出して、前立腺を指先で軽く引っ掻く。
 もう出すものもないくらいさっきイッたのに、自慰する手を止められない。
「アっ、あぁっ……かぃ、とぉ……かい、と……」

『ちぃ、動いていい?」
 切なげに哀願する海斗カイトの声を思い出した瞬間、ビクンッと身体を震わせて中イキしてしまった。
 さっきもアイツはあんな声でオレのことを抱いてた。
 夢の中でもずっと……
 夢だと思ってたから、オレも素直に『好き』だと言った。
 いつもだったら絶対口にしないことを、素直に口にしていた。
『離れないで……。そばにいて……。好きだから、一緒にいて……』
 夢の中だから、自分の素直な気持ちと口にしたはずなのに……

「はぁ……はぁ……はぁ……、まさか……あれ、夢じゃないのか?」
 寝ている最中に犯される前に見た夢。
 もしあれが、夢じゃなくて現実だったなら……

 自分からたくさんキスを強請ってしまった。
 自分から何度も『好き』だと口にした。
 海斗カイトに甘えて抱き着いて、自分から身体を繋げたくて腰を下ろした。
 全部、全部が夢だと思ってたから……

 夢だと思っていたモノが、全て現実だったかもしれない事実に頭が沸騰しそうなくらい恥ずかしくてパニックになる。
「ぅっ、わぁぁぁぁっ!?」
 両手で自らの頬を包みながら、その場に座り込み、夢の内容をひとつひとつ確認する。

「う、ウソだろ……あれも、これも……全部、夢じゃなかったのか?」
 降り注ぐシャワーのお湯を頭から浴び、全身はポカポカなのに頭が痛くてしかたない。
 あれだけ海斗カイトのことをひどく罵ったのに、原因は全て自分だった。
 確かに、最後は海斗カイトもちょっとは悪いと思うけど、原因は自分にある。
 逆上せてしまうくらいシャワーを浴びて、自己嫌悪と罪悪感でいっぱいになりながら浴室を出た。


 どれくらい学校を休んでいたのか記憶が曖昧だ。
 今日が何日なのかもわからない。
 スマホを見ればわかるんだろうけどあ、海斗カイトからの連絡がきていたらと思うと怖くて見ることができなかった。

 風邪薬は、最後に飲んだのがいつかも覚えてない。
 もしあったとしても、とっくに消費期限も切れてしまっている。
 今から買いに行こうにも、これ以上動く元気は湧いてこない。

 仕方なくアイツが持って来てくれたと思わしき解熱剤の箱を手に取るも、その場に崩れ落ちそうになった。
「……バ海斗カイト……なんでコレ選んでんだよ……」
 パッケージに書かれた文字にはコッソリと【坐薬】と記載されていた。
 嫌だけど、今はコレに頼るしか方法はない。
 箱から薬を取り出し、銀色の袋を開けて、白い弾丸の様な薬をひとつ取り出す。
 四つん這いになり、海斗カイトのペニスと自分の指で散々解して柔らかくなったアナルに、ゆっくりと薬を挿入する。
 指先でぐっと追い込むと、スルリと簡単に飲み込み、身体の熱でじんわりとカプセルが溶け出すのがわかる。
「はぁ……ぁ、こんなので、感じてなんか……ない」
 微かに震える身体を抱きしめ、シーツに丸まりながら眠った。

「全部、アイツのせいだ……全部、全部……アイツのせいだ。海斗カイトなんて、好きになりたくなかった。誰も、好きになんて……なりたくなかったのに……。バ海斗カイトなんて……嫌いになりたいのに……」
 自分に言い聞かせるように何度も呟く。
 でも、オレのことを愛し気に呼ぶアイツの顔が頭から離れない。
 オレは、アイツにとってオナホ以下の存在でしかないのに……
 この気持ちを捨てることができない。
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