アゲハ。

凪海 三月

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森波 小壬李

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 中学2年の春。
 まず始めのクラス替え。
 皆は必ず言うのは、誰と同じだとか、誰と違うとか、アイツと同じだったとか。
 たとえ誰かが嫌な思いをしたとしてもそこから一週間はその話題で持ちきりのような大きなイベント。
 けどそれは一般論であって、私には関係の無いこと。
 皆からしたらこのイベントは当たりくじとハズレくじのある、いわば一つのバクチであって。
 私からしたら当たりくじもハズレくじも無い、学生生活を送れば当たり前にくる、いわば摂理でしかない。


 1年の夏の手前からだっけ。 
 きっかけはトイレに行ってたから。
 今思うとホントくだらない。 
 部活中でストレスを抱え始めた発言力の強い奴らが誰かを虐めようってなってその時トイレに行ってていなかった私を虐めるっていう。
 もちろん私でも流石に嫌だった。  
 私は家ではいわゆる虐待になっていて虐めも虐待も受けていたらそりゃ嫌になるわけであって。
 だから私は抵抗した。
 けどすぐにやめた。
 だんだんその反応を面白がってることに気づいた。
 だから何も抵抗しないで先生にも言わなかった。
 そしたら次は何も言わないし何も仕返ししないからストレス発散に、って変わった。
 けど皆が変わったと同時に私も変わってた。
 嫌だとか苦しいだとか無くなって。
 人の慣れと言うのは怖いものでいつの間にか虐めも虐待もそれが日常ってなっていた。
 もちろん嬉しい、楽しい、とは思わないし無くなるならそれはそれでいいのかもしれないけど、先生だって親だって当てにならない。
 先生なんて相談されなきゃ動かないし、相談しても動くかなんて5%未満に等しい。
 現に虐められてた時、私と目があっても小走りに逃げた。
 大人は虐めは無くしましょう、とかいってるけど実際、面倒事を凄く嫌って。
 要は偽善者であって。
 
 もうこんな世界に振り回されるのが本能的に面倒だったのかな。
 その時から私は感情自分を殆どなくした。
 
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