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[同人誌/本編]
青檸邂逅の章 サンプル2(R-18部)
※こちらはR-18シーンのサンプルのため「サンプル1」とは繋がっておりません。ご了承ください。
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ひょいと抱き上げられて寝室へと運ばれる。
彼はツカサを優しくベッドに下ろすと、慈しむように金糸へと軽く口付けた。
「緊張してるね。別に喰い殺すわけじゃないんだから肩の力を抜いていいよ」
「―――――」
そんなことを言われても。
こちとら淫魔をも無遠慮に祓い続けてきた身なのだ。襲われたこともなければそのような雰囲気に陥ったこともない。緊張するのは当然だろう。
平静を保とうとすればするほど、これから待ち受けている行為を本能が拒む。
「達観した物言いばかりだと思ってたけど、年相応の反応で可愛いところもあるじゃないか」
「うるさい。やるならさっさとしてくれ」
「ツカサがそんな様子じゃ味わうものも味わえないって」
強張る体を解すように幾度となく体が擦られる。
パジャマ越しに触れる手付きからツカサへの配慮を感じられ、下心の感じられない愛撫にようやく緊張が和らいできたころ。彼の口付けが施される範囲が広がり、髪だけでなく額や頬などにも優しいキスを落とされた。
「落ち着いてきた?」
「いちいち聞くな。羞恥でまた緊張が高まる」
「ふふ、それは困るなぁ」
顔の横にかかる髪をかき分けられ、露わになった耳元にも唇を添えられる。
「へぇ、こっちだけピアス付けてるんだ」
「片側だけなのはお互い様だろう」
「オレは右側だからツカサとは逆だけどね」
アサハがピアスを着けていることは初日に気付いていた。ラテ色の中から覗く滴は空から零れ落ちた涙のようにとても煌いていて、悪魔には似つかわしくないほどに美しい。
「なぜ、右側な――ん、っ」
耳朶を甘く食んでいたそれに口を塞がれる。薄く柔らかい唇が何度も触れ合うだけのキスを交わされ、リップ音を立ててから彼は一度離れた。
「内緒。それを知るにはもっとオレのことを知ってからかな」
「そうか。だったらどうでもい――うっ」
喋る気がないのならこちらも興味を持たないと告げるつもりが、唇をぺろりと舐められて妙な声が漏れる。クスリと笑われたのが癪で仕返しをしたいのに、どのようなアクションを取れば良いかも分からず、とにかく為されるがままを受け入れるしかない。
形を確かめるように舌で縁をなぞられ僅かな隙間に先が差し込まれると、やはり嫌悪感からか全身がぞわりと粟立った。反射的に背けそうになった顔をガッチリと抑えられて執拗に舐められる。
「こら、逃げない。往生際が悪いなあ」
強引に口をこじ開けられてねじ込まれる舌。ぬめりとザラつきを同時に感じたツカサは後頭部を枕に押し付け、今できる最大の拒否反応を示した。
口内を蹂躙する舌を思い切り噛んでやりたいのに、口の端に差し込まれた指に阻まれて閉じることすらかなわない。まるで別の生き物のように暴れまわる舌使いはとにかくツカサの舌を誘い出すかの如く、何度も何度も戸惑うその先端や裏などを含めた全体を擦り続ける。
「っ……は、……ま、て……」
「んー?」
貪るような口付けにだんだん息が苦しくなってきた。
頭がぼーっとして、より多くの酸素を求めようと口を開くと、好機とばかりに角度を変えてさらに深くまで舌が伸びてくる。息も絶え絶えな少年の訴えを聞きつつも、行為はやめようとしない悪魔の腕や背中をとにかく叩いて中断を求めた。
「ああ、苦しかった? そういうときは鼻で呼吸しないともたないよ」
本当にキスすら未経験なんだねぇ、と薄く笑われると共に鼻の頭に優しいキスが落ちる。
放っておけと言いたいのに、呼吸を整えるので精いっぱいでツカサは潤いを帯びた瞳でキッと睨みつけた。
「も、う……、充分…だろう……!」
「何言ってんの。まだまだこれからだよ」
楽しそうに目を細めた悪魔の口角が上がる。
こんな拷問のような時間があと何十分も続くなんて。考えるだけでテンションは急降下した。
露骨に嫌な顔をして不服を示すと、への字に閉ざした唇を指がなぞる。
また舌を絡めるキスが来るのか――そう身構えたが、今度はリップ音を立てて数回啄むだけに留まった。キス一つとってもこんなにバリエーションがあるのかと冷静さが保たれたままの頭の隅でふと思う。それから指手の愛撫とともに行われていた口付けは徐々に下へと移っていった。
「っ……」
「ああ、それと。ここからは我慢しようだとか快楽に抵抗しようだとか、余計なことを考えないで身を任せること。いいね?」
「―――、……?」
強く念を押されたところで素直ではないツカサにそれができるか甚だ疑問ではあるが。
ここで無意味に意地を張っても仕方ないので、よく分からないままひとまず頷いておく。
「ん。いい子だ」
いつの間にか開けさせられて露わになっていた胸元。舌が喉から鎖骨にかけて滑り、一帯を幾度となく吸われて小さな声が出る。
「……ぅ…、っ」
残りのボタンもすべて外され、胸、腹、腋などを手が這う。
昨日は何も感じなかったのに。どういうわけか先程から体が勝手に小さくビクついて仕方ない。
快楽を引き出すために長くキスをされたからか? それとも昨晩は精力を喰らうことを目的とした触り方だったからか? 小さな反応を繰り返す体とは裏腹に余裕の残る頭は分析を試みていた。
「バッ――!! そんなとこ舐めるな!!」
胸の突起を捏ねられるのはまだいい。だが、存分に咥内を蹂躙した舌でそこをなぶられると、くすぐったさに身を捩りたくなる。――ああ、何だろう。さっきまで弄ばれた舌も、乳首も、数々の刺激を受けたせいか少しジンジンする。
「んん、…っ……、ぉぃ…、聞いてるのか…っ」
「聞いてるよ?」
「――ッ」
カリ、と歯を立てられて喉で声を押し殺す。浮きかけた腰を意地でベッドに押しつけ、アサハの顔を引き離そうと頭を力強く鷲掴むも彼は攻め手を緩めはしない。
それどころか唾液でたっぷり濡らされたそこをわざとらしく音を立てて吸われ、ツカサは軽く仰け反りながら奥歯を噛みしめた。
「今日のツカサの体は従順だね。昨日の反応が嘘みたいだ」
「知、るか……っ」
「知らないわけないだろう? ――ほら、ここだってしっかり勃ってるのに」
「ん……ッ」
下半身の張り詰めたかたちを確かめるよう、指と手のひらで滑らかにひと撫でされる。布越しに触れられて生じた弱い刺激。くぐもった声が漏れる。
――おかしい。やっぱり何かがおかしい。
昨日のアレがツカサのありのままの反応だったとしたなら、今の状態は何なのだ。いくら快楽を齎す行為が初回と言えど、こんな気持ちの悪い触り方をされてここまで敏感になるはずがない。
「ああ、こんなに濡らして……。そんなに気持ち良かった?」
パジャマのズボンだけを下ろされると、下腹部の主張はよりいっそう顕著になる。
膨らみの辺りだけ明らかに滲んでおり、触れられることを待ち望んでいたそこはすでに限界を訴えていた。
だが、自分が感じていると認めたくない一心でツカサは頭を左右に振る。
「良いわけあるか……っ…。不快極まりない…に、決まってるだろ……!」
「ハハ、口は素直じゃないなあ」
快楽に身を委ねることはせず、断固として理性を手放そうとしない少年。そんな彼の健気な様子にアサハは目を細めて、下着の上からやさしく唇で挟んだ。
「ッ――は、」
唾液を布地にしみ込まされて、じゅぷ、と卑猥な音が響くたびにツカサの口から湿度を帯びた吐息が零れる。
生地がじっとりと濡れて張り付く感覚が気持ち悪いはずなのに。
散々弄られて高められた体が欲の解放を望み、愛撫を受ける腰が無意識に揺れてしまう。
(……く、そっ…)
まだ果てたくないのに。脳のどこか一点から、じわりと痺れに近い感覚が徐々に広がってくる。
吐息交じりの声も意思だけでは抑えが効かず、手の甲で強引に口を塞いで耐え忍ぶ。
――もう、限界だった。
「我慢はダメだって、言ったよね?」
太腿を擦る手が止まり、秘部を覆っていた最後の一枚が取り払われる。
露わになった先端から溢れ出る透明な液をアサハは掬うように舐め、やがて舌で受け止める芯を奥の方まで咥え込まれる。突如訪れたダイレクトな刺激にツカサは目を瞑るも、手と併せてひたすら攻め立てられては抗えない。
荒い息が零れる。呻きにも似た艶めかしい声が混じる。
「……は……ッ…、……もう、…で、る……っ」
「ん。出るじゃなくてイク、ね」
「言、うわけ、ない――ッ、ぁあ…ッ」
気分がだんだんと昂り、欲が一点に集まるのを感じる。熱を孕んだ浅い呼吸が繰り返される。
「―――――ッ」
くしゃり、とラテ色の髪を一房掴んだ瞬間にツカサは果てた。
生温かい口内で最後の一滴まで精液が啜られる。すべてを吐き出すよう手と舌に促されて腰が震えた。
「っん……、は…ぁ……」
アサハが離れたのが先か、ツカサから余韻が抜けたのが先か。
手放しかけた理性が戻り、少年は体の内側に溜めた息を深く、長く吐き出した。
(ようやく終わった……)
好き勝手に弄ばれてありとあらゆる痴態を晒したが、たった一度の色事で片足の自由が戻ったことを考えると、代償としても安い方だと思う。あの悪魔から持ち掛けてきた提案をツカサは呑んだのだし、約束は果たせたのだからこれで上出来と呼吸を整える合間に自分に言い聞かせるのだが。
「なっ――!?」
膝で引っかかっていた衣類をすべて剥ぎ取られ、両足をさらに開かされる。
「もう充分に喰らっただろう!? まだ足りないのか!」
「何言ってるの。本番はこれからでしょ?」
「はあ!?」
声が裏返るのも当然だ。あれだけの快楽を引き出しておいて、まだ続きをするつもりだなんて馬鹿げている。
足を閉じて抵抗しようにも体が割り込まれているせいでどうにもならない。
アサハは舌の上に留めていた白濁を自らの指に絡ませてツカサの後孔へと触れた。
「ぃゃ……ま、待て! 待て待て待て――ひ、ぅっ」
少年の制止を求める声も虚しく、ぬるりとした粘性の液体が塗りつけられて情けない声が出た。
「ハイハイ、待たないからねー」
初めは第一関節くらいまでだろうか。固い穴の緊張を解すように、つぷ、つぷ…と単調なリズムで出し入れを繰り返される。快楽などあるはずもなく、ただ違和感だけが募っていく。
「き、もち…」
「ん? これ好き?」
「わる、すぎ……」
「……。そんなことだろうと思った」
少しずつ体の強張りは和らいできたが、後孔の筋肉を解される感覚には未だ慣れない。
眉根を寄せ、小さな呻き声を上げるツカサは顔を背けて合間に不満を吐くことしかできない。
出口として使用される秘所に少年の白濁と悪魔の唾液が混ざった粘液が落とされ、初めての異物を拒む力が弱まるまでなおも弄り続けられた。
第二関節や指の根元までスムーズに受け入れられるようになるまで、どのくらいの時間が掛かったことか。アサハの細くて骨ばった指が内壁を擦るたびに、刺激を受けたそこが勝手に収縮の反応を返す。
「まだ…かかるのか」
窄まりに触れられた頃に比べればもう何ともなくなってきた。
ナカに異物がある違和感を除けばいちいち声を堪えるほどでもなくなり、余裕を取り戻し始めたツカサは丁寧に解し続ける悪魔に問いかける。
「初めてだし、指一本しか入ってないからねえ。直接舐められればもう少し早いけど――」
「絶っ対にやめろ」
尻穴を舐められるなんて恥も恥だ。
尻に顔を近づくことを想像するだけで悪寒が背筋を奔るというのに、舐めるどころか舌まで挿入されかねない提案は猶のこと羞恥で頭が沸きそうになる。
少年が本気の声音で断固拒否を唱えることは想定済みだったのだろう。「でしょ?」と小さく笑った青年は弄る手を止めずに会話を続けた。
「強引にブチ込んでもいいけど、優しくするって言ったからね」
「くっ……」
指一本で受け入れ限界な状態で突っ込まれたら間違いなく裂ける。ひとたび切れるだけでも痛いのに毎回痛みに耐えながら排泄をするハメになるなんて御免だ。どれだけ準備に時間がかかろうとツカサの身に負担のない方法で進めてもらうしかなく、その決定権は残念なことに目の前の悪魔にあることを思い知った。
「そろそろ気持ちよくなる頃だと思うから、それまで辛抱してね」
「……どうだかな」
一度精を吐き出したそこは、あれからまったく反応していない。
このまま何事もなく終わればいいのにと内心で願った直後のことだった。
「ひァ…ッ!?」
ナカでぐるりと回された指が腹側の一点を掠める。何が起きたか把握する間もなくぎゅっと中が引き締まって自分の声とは思えない甲高い悲鳴が出た。
「ふふ。ほらね? だんだんと良くなってきた」
ひとたび違う反応を見せるとこれだ。楽しそうな笑みを浮かべて悪魔は執拗にその一点を何度も何度も押し上げる。抽挿に慣れて柔らかくなった秘所にさらに指が加わり、増した体積がナカを擦り続けた。
「なん、なッ――ん、ぁ…あッ」
「吸い付くように締め付けて……可愛いね。また感じてきちゃった?」
「し…らな……ッあ!」
勃ちあがりかけたそこに唇が添えられ、滲み始めた先端を舌が優しく撫でる。
内側と外側、二箇所同時に攻め手を受けるとは思っておらず、刺激を受けるたびにビクビクと跳ねる腰が止まらない。
後孔からは指先に絡ませて塗り込まれた唾液の音が。前からは再び溢れ出るものを啜る音が。それぞれから卑らしい音が響いて、ツカサを耳からも犯していく。
「ゃ……め、ろ…。は、なせ……っ」
「今度はしっかり戴かないとね」
――ダメだ。全然聞く耳を持っていない。
射精を促す手付きと舌の動きに息が乱れる。ぐぷ、と熱を持った芯を深くまで咥え込まれ、全体を包む温かさと柔らかさにいよいよ二度目の限界を迎えようとしていた。
「だ、め……だ、って……ッ」
腰が跳ねる。自制が利かない。押し寄せる甘い波が高みへと昇り詰めていく。
「あ、ぁッ――」
根元の刺激とキツい吸い付きを受け、大きく仰け反ったところにトドメの一押しが加えられる。
これまで感じたことのない鋭い感覚。下腹部が受けたそれは一気に脳天へと届き、ツカサは目を見開いた。
「だめ、だ、――また、…で…る……ッ」
中で指が蠢くのを感じる。どうにか快楽を和らげようと腰を退くツカサだったが、反応が顕著にみられるそこを狙う二本は決して逃してくれなかった。
押し上げられるたびに、抑えの利かない声が零れ落ち、内側から直接的な刺激を受けた先端は、悪魔の求める汁を溢れさせる。そんな甘い、あまい、感覚が――脳のリソースを、うばっていく。
「んんッ……く、っ………は、…ッ……ん、んっ……」
腰の揺れが止まらない。下半身が蕩けてしまった感覚に包まれる。
ひっきりなしに与えられる感覚を振り払うようにツカサは淡い金糸を乱しながら左右に首を横に振る。しかし、それを悪趣味な男が受け入れるはずもなく、終いには充分に弄んだその場所に軽く爪を立てたのだ。刹那、極度に張りつめた何かが弾けた気がした。
「~~~~~ッ!!」
絶頂に達し、殺しきれない嬌声とともにツカサは爆ぜる。
またもや青年の口内に放った欲の証。アサハがようやく顔を上げたかと思えば、満足気な笑みを浮かべて喉を鳴らした。飲み込み終えた自らの口の端をぺろりと舐める仕草を食事の終了と捉えたツカサはようやく訪れた収束に安堵する――のだが。
「ッ!?」
後孔に挿しこまれた指が入口を広げ、さらに新たな指が添えられる。
息も絶え絶えなまま余韻に浸っていた少年の上体が予測していなかった事態に起き上がり、反動で押し込まれた体積に少年は息を呑んだ。
「な、何回すれば気が済むんだ!?」
「嫌だな。全然足りないに決まってるだろ?」
「ふ、ざけるな…っ…!!」
こちらは初めにキスで法力を吸われ、さらに二回も絶頂を迎えているのだ。
再び刺激を与えられたところで出し尽くした精は吐き出しようもない。仰け反ったり体を強張らせたりといった反応を繰り返したからか、全身に疲労が滲み始めているのも感じる。おまけに呼吸もまともに整っていないのだ。続きをするにしても立て続けは困ると中断を求めるものの。
「せめてッ……休憩を挟んでからにっ、しろ!」
「それだけ吠える元気があるなら大丈夫だよ」
「そういう問題じゃ――! ッは…っ」
余韻が続くということはまだ快楽の残滓が抜けきっていないということ。
敏感な状態で、先と同じ箇所を刺激されたらどうなることか。細長い三本が体内でバラバラと動き、締めつける内壁をさらに解していく。
「初めてなのにこんなに柔らかくして奥まで咥え込んで……。やっぱりツカサは優秀だね」
「ち、が…ッ、……僕…の、意思じゃ、……な…いっ!」
「だから、余計な抵抗しないの」
「はッ……、は…っ――ん、んっ」
起こした上体を再び寝かされ、ナカをかき混ぜられながら優しく口付けられる。
舌は絡まない。湿った吐息を零すために薄く開かれた唇をいたずらに食まれ続けるだけ。だが、それだけであるがゆえに却って意識は刺激を与えられるただ一点に向いてしまう。
「――さて、もう充分かな」
「んく、ッ」
引き抜かれる間際に指が後孔のフチを掻き、そんな刺激にさえビクンと跳ねる体が忌まわしい。
意思を介さない少年の素直な反応に微笑んだアサハはこちらの唇を一舐めしてからゆっくりと離れる。秘孔を弄り続けた方とは別の手で淡い金の髪をくしゃりと撫でた――と思った次の瞬間。
「――!!」
ぬめる熱いナニかが、嫌というほどに慣らされてヒクつく箇所に宛てがわれる。
指を突っ込まれた時点で自分の役割は何となく悟っていた。最終的に行き着くところまで進むことがあるのなら、昼間に調べていた通りの展開になることも充分に覚悟していた。
――が、予想に反していたことが一つだけある。
「ま、待って、くれ……」
不安が顕著にあらわれ、おずおずと翳した手のひらとともに弱々しい声音が漏れる。
尻が挟んだ感覚が捉えた熱棒。固い芯を持ったソレの大きさに心臓が早鐘を打つ。
このまま受け入れてはならないと理性が必死に訴える。コイツのサイズは間違いなく、デカい。
「はは、そうだね。見ない方が賢明かも」
「笑うところじゃな――待て待て待て!! 本当にムリだ!! 落ち着け!!」
ぐに、と押し付けられると嫌な汗が滲む。断頭台にでも登った気分だ。いや、登るだけならまだいい。もはや死までのカウントダウンが迫っていた。
「ツカサの方こそ落ち着いて。しっかり慣らしたんだし大丈夫だよ、たぶん」
(ああ、もうだめだ……)
何を言ったってコイツは聞きやしない。初めての相手に突っ込むサイズじゃないだろうと内心で恨み言を連ねる。己の平常心を保つにはそれしか方法がなかった。
「ッ……っ、…」
ゆっくりと、ゆっくりと。少しずつ押し広げられていく感覚。
痛みはない――がいつ切れるか分からない恐怖は絶えず続き、ツカサは早くカリまで収まりきることを願うばかり。
「はは、やっぱりキツいね……」
「わか…てたなら、最…初から、するな……!」
「ごもっとも」
「ぁあッ――く、っ……」
ぐぷりと挿し込まれて呻き声が上がる。規格外と思えるサイズを受け入れたそこは元のかたちに戻ろうと収縮を繰り返し、異物に阻まれて締めきれない違和感に唇を引き結んで悶えた。
「大丈夫? 痛くない?」
「へ、き……」
圧迫感は半端ないが痛みはない。ツカサは枕元のシーツを握りしめて、こくこくと頷く。
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サンプルは以上になります。
続きは「快刀祓魔譚-青檸邂逅の章」でお楽しみください。
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ひょいと抱き上げられて寝室へと運ばれる。
彼はツカサを優しくベッドに下ろすと、慈しむように金糸へと軽く口付けた。
「緊張してるね。別に喰い殺すわけじゃないんだから肩の力を抜いていいよ」
「―――――」
そんなことを言われても。
こちとら淫魔をも無遠慮に祓い続けてきた身なのだ。襲われたこともなければそのような雰囲気に陥ったこともない。緊張するのは当然だろう。
平静を保とうとすればするほど、これから待ち受けている行為を本能が拒む。
「達観した物言いばかりだと思ってたけど、年相応の反応で可愛いところもあるじゃないか」
「うるさい。やるならさっさとしてくれ」
「ツカサがそんな様子じゃ味わうものも味わえないって」
強張る体を解すように幾度となく体が擦られる。
パジャマ越しに触れる手付きからツカサへの配慮を感じられ、下心の感じられない愛撫にようやく緊張が和らいできたころ。彼の口付けが施される範囲が広がり、髪だけでなく額や頬などにも優しいキスを落とされた。
「落ち着いてきた?」
「いちいち聞くな。羞恥でまた緊張が高まる」
「ふふ、それは困るなぁ」
顔の横にかかる髪をかき分けられ、露わになった耳元にも唇を添えられる。
「へぇ、こっちだけピアス付けてるんだ」
「片側だけなのはお互い様だろう」
「オレは右側だからツカサとは逆だけどね」
アサハがピアスを着けていることは初日に気付いていた。ラテ色の中から覗く滴は空から零れ落ちた涙のようにとても煌いていて、悪魔には似つかわしくないほどに美しい。
「なぜ、右側な――ん、っ」
耳朶を甘く食んでいたそれに口を塞がれる。薄く柔らかい唇が何度も触れ合うだけのキスを交わされ、リップ音を立ててから彼は一度離れた。
「内緒。それを知るにはもっとオレのことを知ってからかな」
「そうか。だったらどうでもい――うっ」
喋る気がないのならこちらも興味を持たないと告げるつもりが、唇をぺろりと舐められて妙な声が漏れる。クスリと笑われたのが癪で仕返しをしたいのに、どのようなアクションを取れば良いかも分からず、とにかく為されるがままを受け入れるしかない。
形を確かめるように舌で縁をなぞられ僅かな隙間に先が差し込まれると、やはり嫌悪感からか全身がぞわりと粟立った。反射的に背けそうになった顔をガッチリと抑えられて執拗に舐められる。
「こら、逃げない。往生際が悪いなあ」
強引に口をこじ開けられてねじ込まれる舌。ぬめりとザラつきを同時に感じたツカサは後頭部を枕に押し付け、今できる最大の拒否反応を示した。
口内を蹂躙する舌を思い切り噛んでやりたいのに、口の端に差し込まれた指に阻まれて閉じることすらかなわない。まるで別の生き物のように暴れまわる舌使いはとにかくツカサの舌を誘い出すかの如く、何度も何度も戸惑うその先端や裏などを含めた全体を擦り続ける。
「っ……は、……ま、て……」
「んー?」
貪るような口付けにだんだん息が苦しくなってきた。
頭がぼーっとして、より多くの酸素を求めようと口を開くと、好機とばかりに角度を変えてさらに深くまで舌が伸びてくる。息も絶え絶えな少年の訴えを聞きつつも、行為はやめようとしない悪魔の腕や背中をとにかく叩いて中断を求めた。
「ああ、苦しかった? そういうときは鼻で呼吸しないともたないよ」
本当にキスすら未経験なんだねぇ、と薄く笑われると共に鼻の頭に優しいキスが落ちる。
放っておけと言いたいのに、呼吸を整えるので精いっぱいでツカサは潤いを帯びた瞳でキッと睨みつけた。
「も、う……、充分…だろう……!」
「何言ってんの。まだまだこれからだよ」
楽しそうに目を細めた悪魔の口角が上がる。
こんな拷問のような時間があと何十分も続くなんて。考えるだけでテンションは急降下した。
露骨に嫌な顔をして不服を示すと、への字に閉ざした唇を指がなぞる。
また舌を絡めるキスが来るのか――そう身構えたが、今度はリップ音を立てて数回啄むだけに留まった。キス一つとってもこんなにバリエーションがあるのかと冷静さが保たれたままの頭の隅でふと思う。それから指手の愛撫とともに行われていた口付けは徐々に下へと移っていった。
「っ……」
「ああ、それと。ここからは我慢しようだとか快楽に抵抗しようだとか、余計なことを考えないで身を任せること。いいね?」
「―――、……?」
強く念を押されたところで素直ではないツカサにそれができるか甚だ疑問ではあるが。
ここで無意味に意地を張っても仕方ないので、よく分からないままひとまず頷いておく。
「ん。いい子だ」
いつの間にか開けさせられて露わになっていた胸元。舌が喉から鎖骨にかけて滑り、一帯を幾度となく吸われて小さな声が出る。
「……ぅ…、っ」
残りのボタンもすべて外され、胸、腹、腋などを手が這う。
昨日は何も感じなかったのに。どういうわけか先程から体が勝手に小さくビクついて仕方ない。
快楽を引き出すために長くキスをされたからか? それとも昨晩は精力を喰らうことを目的とした触り方だったからか? 小さな反応を繰り返す体とは裏腹に余裕の残る頭は分析を試みていた。
「バッ――!! そんなとこ舐めるな!!」
胸の突起を捏ねられるのはまだいい。だが、存分に咥内を蹂躙した舌でそこをなぶられると、くすぐったさに身を捩りたくなる。――ああ、何だろう。さっきまで弄ばれた舌も、乳首も、数々の刺激を受けたせいか少しジンジンする。
「んん、…っ……、ぉぃ…、聞いてるのか…っ」
「聞いてるよ?」
「――ッ」
カリ、と歯を立てられて喉で声を押し殺す。浮きかけた腰を意地でベッドに押しつけ、アサハの顔を引き離そうと頭を力強く鷲掴むも彼は攻め手を緩めはしない。
それどころか唾液でたっぷり濡らされたそこをわざとらしく音を立てて吸われ、ツカサは軽く仰け反りながら奥歯を噛みしめた。
「今日のツカサの体は従順だね。昨日の反応が嘘みたいだ」
「知、るか……っ」
「知らないわけないだろう? ――ほら、ここだってしっかり勃ってるのに」
「ん……ッ」
下半身の張り詰めたかたちを確かめるよう、指と手のひらで滑らかにひと撫でされる。布越しに触れられて生じた弱い刺激。くぐもった声が漏れる。
――おかしい。やっぱり何かがおかしい。
昨日のアレがツカサのありのままの反応だったとしたなら、今の状態は何なのだ。いくら快楽を齎す行為が初回と言えど、こんな気持ちの悪い触り方をされてここまで敏感になるはずがない。
「ああ、こんなに濡らして……。そんなに気持ち良かった?」
パジャマのズボンだけを下ろされると、下腹部の主張はよりいっそう顕著になる。
膨らみの辺りだけ明らかに滲んでおり、触れられることを待ち望んでいたそこはすでに限界を訴えていた。
だが、自分が感じていると認めたくない一心でツカサは頭を左右に振る。
「良いわけあるか……っ…。不快極まりない…に、決まってるだろ……!」
「ハハ、口は素直じゃないなあ」
快楽に身を委ねることはせず、断固として理性を手放そうとしない少年。そんな彼の健気な様子にアサハは目を細めて、下着の上からやさしく唇で挟んだ。
「ッ――は、」
唾液を布地にしみ込まされて、じゅぷ、と卑猥な音が響くたびにツカサの口から湿度を帯びた吐息が零れる。
生地がじっとりと濡れて張り付く感覚が気持ち悪いはずなのに。
散々弄られて高められた体が欲の解放を望み、愛撫を受ける腰が無意識に揺れてしまう。
(……く、そっ…)
まだ果てたくないのに。脳のどこか一点から、じわりと痺れに近い感覚が徐々に広がってくる。
吐息交じりの声も意思だけでは抑えが効かず、手の甲で強引に口を塞いで耐え忍ぶ。
――もう、限界だった。
「我慢はダメだって、言ったよね?」
太腿を擦る手が止まり、秘部を覆っていた最後の一枚が取り払われる。
露わになった先端から溢れ出る透明な液をアサハは掬うように舐め、やがて舌で受け止める芯を奥の方まで咥え込まれる。突如訪れたダイレクトな刺激にツカサは目を瞑るも、手と併せてひたすら攻め立てられては抗えない。
荒い息が零れる。呻きにも似た艶めかしい声が混じる。
「……は……ッ…、……もう、…で、る……っ」
「ん。出るじゃなくてイク、ね」
「言、うわけ、ない――ッ、ぁあ…ッ」
気分がだんだんと昂り、欲が一点に集まるのを感じる。熱を孕んだ浅い呼吸が繰り返される。
「―――――ッ」
くしゃり、とラテ色の髪を一房掴んだ瞬間にツカサは果てた。
生温かい口内で最後の一滴まで精液が啜られる。すべてを吐き出すよう手と舌に促されて腰が震えた。
「っん……、は…ぁ……」
アサハが離れたのが先か、ツカサから余韻が抜けたのが先か。
手放しかけた理性が戻り、少年は体の内側に溜めた息を深く、長く吐き出した。
(ようやく終わった……)
好き勝手に弄ばれてありとあらゆる痴態を晒したが、たった一度の色事で片足の自由が戻ったことを考えると、代償としても安い方だと思う。あの悪魔から持ち掛けてきた提案をツカサは呑んだのだし、約束は果たせたのだからこれで上出来と呼吸を整える合間に自分に言い聞かせるのだが。
「なっ――!?」
膝で引っかかっていた衣類をすべて剥ぎ取られ、両足をさらに開かされる。
「もう充分に喰らっただろう!? まだ足りないのか!」
「何言ってるの。本番はこれからでしょ?」
「はあ!?」
声が裏返るのも当然だ。あれだけの快楽を引き出しておいて、まだ続きをするつもりだなんて馬鹿げている。
足を閉じて抵抗しようにも体が割り込まれているせいでどうにもならない。
アサハは舌の上に留めていた白濁を自らの指に絡ませてツカサの後孔へと触れた。
「ぃゃ……ま、待て! 待て待て待て――ひ、ぅっ」
少年の制止を求める声も虚しく、ぬるりとした粘性の液体が塗りつけられて情けない声が出た。
「ハイハイ、待たないからねー」
初めは第一関節くらいまでだろうか。固い穴の緊張を解すように、つぷ、つぷ…と単調なリズムで出し入れを繰り返される。快楽などあるはずもなく、ただ違和感だけが募っていく。
「き、もち…」
「ん? これ好き?」
「わる、すぎ……」
「……。そんなことだろうと思った」
少しずつ体の強張りは和らいできたが、後孔の筋肉を解される感覚には未だ慣れない。
眉根を寄せ、小さな呻き声を上げるツカサは顔を背けて合間に不満を吐くことしかできない。
出口として使用される秘所に少年の白濁と悪魔の唾液が混ざった粘液が落とされ、初めての異物を拒む力が弱まるまでなおも弄り続けられた。
第二関節や指の根元までスムーズに受け入れられるようになるまで、どのくらいの時間が掛かったことか。アサハの細くて骨ばった指が内壁を擦るたびに、刺激を受けたそこが勝手に収縮の反応を返す。
「まだ…かかるのか」
窄まりに触れられた頃に比べればもう何ともなくなってきた。
ナカに異物がある違和感を除けばいちいち声を堪えるほどでもなくなり、余裕を取り戻し始めたツカサは丁寧に解し続ける悪魔に問いかける。
「初めてだし、指一本しか入ってないからねえ。直接舐められればもう少し早いけど――」
「絶っ対にやめろ」
尻穴を舐められるなんて恥も恥だ。
尻に顔を近づくことを想像するだけで悪寒が背筋を奔るというのに、舐めるどころか舌まで挿入されかねない提案は猶のこと羞恥で頭が沸きそうになる。
少年が本気の声音で断固拒否を唱えることは想定済みだったのだろう。「でしょ?」と小さく笑った青年は弄る手を止めずに会話を続けた。
「強引にブチ込んでもいいけど、優しくするって言ったからね」
「くっ……」
指一本で受け入れ限界な状態で突っ込まれたら間違いなく裂ける。ひとたび切れるだけでも痛いのに毎回痛みに耐えながら排泄をするハメになるなんて御免だ。どれだけ準備に時間がかかろうとツカサの身に負担のない方法で進めてもらうしかなく、その決定権は残念なことに目の前の悪魔にあることを思い知った。
「そろそろ気持ちよくなる頃だと思うから、それまで辛抱してね」
「……どうだかな」
一度精を吐き出したそこは、あれからまったく反応していない。
このまま何事もなく終わればいいのにと内心で願った直後のことだった。
「ひァ…ッ!?」
ナカでぐるりと回された指が腹側の一点を掠める。何が起きたか把握する間もなくぎゅっと中が引き締まって自分の声とは思えない甲高い悲鳴が出た。
「ふふ。ほらね? だんだんと良くなってきた」
ひとたび違う反応を見せるとこれだ。楽しそうな笑みを浮かべて悪魔は執拗にその一点を何度も何度も押し上げる。抽挿に慣れて柔らかくなった秘所にさらに指が加わり、増した体積がナカを擦り続けた。
「なん、なッ――ん、ぁ…あッ」
「吸い付くように締め付けて……可愛いね。また感じてきちゃった?」
「し…らな……ッあ!」
勃ちあがりかけたそこに唇が添えられ、滲み始めた先端を舌が優しく撫でる。
内側と外側、二箇所同時に攻め手を受けるとは思っておらず、刺激を受けるたびにビクビクと跳ねる腰が止まらない。
後孔からは指先に絡ませて塗り込まれた唾液の音が。前からは再び溢れ出るものを啜る音が。それぞれから卑らしい音が響いて、ツカサを耳からも犯していく。
「ゃ……め、ろ…。は、なせ……っ」
「今度はしっかり戴かないとね」
――ダメだ。全然聞く耳を持っていない。
射精を促す手付きと舌の動きに息が乱れる。ぐぷ、と熱を持った芯を深くまで咥え込まれ、全体を包む温かさと柔らかさにいよいよ二度目の限界を迎えようとしていた。
「だ、め……だ、って……ッ」
腰が跳ねる。自制が利かない。押し寄せる甘い波が高みへと昇り詰めていく。
「あ、ぁッ――」
根元の刺激とキツい吸い付きを受け、大きく仰け反ったところにトドメの一押しが加えられる。
これまで感じたことのない鋭い感覚。下腹部が受けたそれは一気に脳天へと届き、ツカサは目を見開いた。
「だめ、だ、――また、…で…る……ッ」
中で指が蠢くのを感じる。どうにか快楽を和らげようと腰を退くツカサだったが、反応が顕著にみられるそこを狙う二本は決して逃してくれなかった。
押し上げられるたびに、抑えの利かない声が零れ落ち、内側から直接的な刺激を受けた先端は、悪魔の求める汁を溢れさせる。そんな甘い、あまい、感覚が――脳のリソースを、うばっていく。
「んんッ……く、っ………は、…ッ……ん、んっ……」
腰の揺れが止まらない。下半身が蕩けてしまった感覚に包まれる。
ひっきりなしに与えられる感覚を振り払うようにツカサは淡い金糸を乱しながら左右に首を横に振る。しかし、それを悪趣味な男が受け入れるはずもなく、終いには充分に弄んだその場所に軽く爪を立てたのだ。刹那、極度に張りつめた何かが弾けた気がした。
「~~~~~ッ!!」
絶頂に達し、殺しきれない嬌声とともにツカサは爆ぜる。
またもや青年の口内に放った欲の証。アサハがようやく顔を上げたかと思えば、満足気な笑みを浮かべて喉を鳴らした。飲み込み終えた自らの口の端をぺろりと舐める仕草を食事の終了と捉えたツカサはようやく訪れた収束に安堵する――のだが。
「ッ!?」
後孔に挿しこまれた指が入口を広げ、さらに新たな指が添えられる。
息も絶え絶えなまま余韻に浸っていた少年の上体が予測していなかった事態に起き上がり、反動で押し込まれた体積に少年は息を呑んだ。
「な、何回すれば気が済むんだ!?」
「嫌だな。全然足りないに決まってるだろ?」
「ふ、ざけるな…っ…!!」
こちらは初めにキスで法力を吸われ、さらに二回も絶頂を迎えているのだ。
再び刺激を与えられたところで出し尽くした精は吐き出しようもない。仰け反ったり体を強張らせたりといった反応を繰り返したからか、全身に疲労が滲み始めているのも感じる。おまけに呼吸もまともに整っていないのだ。続きをするにしても立て続けは困ると中断を求めるものの。
「せめてッ……休憩を挟んでからにっ、しろ!」
「それだけ吠える元気があるなら大丈夫だよ」
「そういう問題じゃ――! ッは…っ」
余韻が続くということはまだ快楽の残滓が抜けきっていないということ。
敏感な状態で、先と同じ箇所を刺激されたらどうなることか。細長い三本が体内でバラバラと動き、締めつける内壁をさらに解していく。
「初めてなのにこんなに柔らかくして奥まで咥え込んで……。やっぱりツカサは優秀だね」
「ち、が…ッ、……僕…の、意思じゃ、……な…いっ!」
「だから、余計な抵抗しないの」
「はッ……、は…っ――ん、んっ」
起こした上体を再び寝かされ、ナカをかき混ぜられながら優しく口付けられる。
舌は絡まない。湿った吐息を零すために薄く開かれた唇をいたずらに食まれ続けるだけ。だが、それだけであるがゆえに却って意識は刺激を与えられるただ一点に向いてしまう。
「――さて、もう充分かな」
「んく、ッ」
引き抜かれる間際に指が後孔のフチを掻き、そんな刺激にさえビクンと跳ねる体が忌まわしい。
意思を介さない少年の素直な反応に微笑んだアサハはこちらの唇を一舐めしてからゆっくりと離れる。秘孔を弄り続けた方とは別の手で淡い金の髪をくしゃりと撫でた――と思った次の瞬間。
「――!!」
ぬめる熱いナニかが、嫌というほどに慣らされてヒクつく箇所に宛てがわれる。
指を突っ込まれた時点で自分の役割は何となく悟っていた。最終的に行き着くところまで進むことがあるのなら、昼間に調べていた通りの展開になることも充分に覚悟していた。
――が、予想に反していたことが一つだけある。
「ま、待って、くれ……」
不安が顕著にあらわれ、おずおずと翳した手のひらとともに弱々しい声音が漏れる。
尻が挟んだ感覚が捉えた熱棒。固い芯を持ったソレの大きさに心臓が早鐘を打つ。
このまま受け入れてはならないと理性が必死に訴える。コイツのサイズは間違いなく、デカい。
「はは、そうだね。見ない方が賢明かも」
「笑うところじゃな――待て待て待て!! 本当にムリだ!! 落ち着け!!」
ぐに、と押し付けられると嫌な汗が滲む。断頭台にでも登った気分だ。いや、登るだけならまだいい。もはや死までのカウントダウンが迫っていた。
「ツカサの方こそ落ち着いて。しっかり慣らしたんだし大丈夫だよ、たぶん」
(ああ、もうだめだ……)
何を言ったってコイツは聞きやしない。初めての相手に突っ込むサイズじゃないだろうと内心で恨み言を連ねる。己の平常心を保つにはそれしか方法がなかった。
「ッ……っ、…」
ゆっくりと、ゆっくりと。少しずつ押し広げられていく感覚。
痛みはない――がいつ切れるか分からない恐怖は絶えず続き、ツカサは早くカリまで収まりきることを願うばかり。
「はは、やっぱりキツいね……」
「わか…てたなら、最…初から、するな……!」
「ごもっとも」
「ぁあッ――く、っ……」
ぐぷりと挿し込まれて呻き声が上がる。規格外と思えるサイズを受け入れたそこは元のかたちに戻ろうと収縮を繰り返し、異物に阻まれて締めきれない違和感に唇を引き結んで悶えた。
「大丈夫? 痛くない?」
「へ、き……」
圧迫感は半端ないが痛みはない。ツカサは枕元のシーツを握りしめて、こくこくと頷く。
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サンプルは以上になります。
続きは「快刀祓魔譚-青檸邂逅の章」でお楽しみください。
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