偽りの僕を君は求めて

くれと

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恥ずべき日常

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俺の名前は「しゅんや」。

ニ十歳の大学生だ。

今や世界の誰しもがスマホにインストールしているであろうSNSアプリ「ていっター」を趣味にしている。

ていっターは160文字までの文章を打ち込んで「ていっ」と書かれた投稿ボタンを押すだけで簡単に投稿できる。日頃の鬱憤を打ち込んで「ていっ」と吐き出せるというところがストレス社会を生きる現代人の心を掴んだのだろうか、アプリは全世界で年代を問わず一躍ヒットした。

今は簡単にその時の気持ちを投稿できるという本来の使い方だけではなく、有名人がブログのような使い方をしたり企業が広報やマーケティングに活用したりもされている。

俺も元の使い方とは違う方法でアプリを楽しんでいる一人だ。まあ、あまり人には言えない使い方なのだが。

エロ垢というものがある。ていっターではアカウントのことを垢と呼ぶのだが、勉強垢や趣味垢、アイドル垢といったように個人が複数のアカウントを持っていたりして、内容によってアカウントを分けて作ったりしている。エロ垢はその名の通りエロい内容を投稿するアカウントだ。

その中には体の画像を投稿したりする者もいれば、出会いを目的とする者もいる。自らの顔や性的指向を明らかにして日常を投稿する者もいる。

俺もこのエロ垢をやっている一人だ。

俺の場合は体の一部を画像で投稿したりしていて実際に会ったりはしていない。顔も公開はしていない。

自分の体を見られるということの背徳感がストレス発散になるし、何よりもネット上のこととはいえ複数人にちやほやされるのは正直嬉しい。俺の体が好みだとか俺の体に興奮して自慰行為をしたというコメントが付いていて、それを見て俺自身も興奮してくる。

俺は変態なのだ。

因みに俺はあまり自分の性的指向について考えたことはないが、強いて言うならバイというものに区分されるのかもしれない。彼女もいたことはあるし女の体にも興奮する。正直、おっぱいも好きだ。だが、俺は一般的な男が何も感じないような男の肉体とか性器に対しても興奮する。最近は主に男で抜いている。ゲイではないと思っているのだが、正直よくわからないし特別悩んだりもしていないのであまり深く考えたことはない。

ていっターではアカウントをフォローするとその垢の投稿が流れてきて、検索しなくとも閲覧することができる。俺のフォロワーは300人を超えている。画像を投稿するとそれだけの人数に見られているということで、実際100人くらいからは何かしらの反応が来る。それだけの人数に自らの体を見られていると思うと、俺は露出狂ではないのだが知らぬ間に股間が昂ってくる。

画像の投稿だけでなく、俺はアカウント同士で一対一でやり取りをするTM(タイマンメッセージの略だ)もよくやっている。アカウントのサムネイルにしている画像や投稿している画像が好みの男を漁ってはTMを送る。頻繁にやり取りをしているアカウントもある。今日も胸筋が厚く逞しい肉体の画像を投稿している「大和」さんや爽やかな顔で体つきは細身で腹筋がきれいに割れている「類」くんにTMを送った。

俺は体つきが筋肉質でもないし、顔は載せていないが特別イケメンというわけでもない。ただ細身の体は角度によっては適度に筋肉がついているようにも見える。

そんな画像を投稿したりサムネイルにしているので、大抵は相手から返信が来る。フォロワーも毎日右肩上がりで増えていく。簡単に人気者になれるからやめられない。

返信が来たあとは軽く自己紹介みたいなことをしてから頼めば簡単に体を見せてくれる。相手によっては顔を見せてくることもある。何人もの男を容易く脱がせていくことができる自分が特別な存在に思えてくる。自分に酔っているようだ。

今日も早速返信が来た。

それもすぐに体の画像を見せてくれた。AVで見るようなわざとらしい痴態ではなく、自然な裸がたまらなくいやらしく思える。

送られてきた画像を見ながら、俺は今日もベッドの上で硬直した自らのペニスを慰めて絶頂に至った。
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