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出会い
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今日も俺はご満悦だ。
俺の名前は「しゅんや」。二十歳の暇を持て余した大学生。
エロ垢をやっていてフォロワー数は300人ちょっと。
好みの男を探して個人的なやり取りができるTMを送るのが趣味だ。
今もTMのやり取りをして体の画像を見せ合っているところだ。
細身の体だが胸筋や腹筋がしっかりと見て取れる男の子らしい体をした19歳の「けんと」に今日もたまらなくいやらしい姿を見せてもらって俺のペニスははちきれんばかりに膨張して脈打っている。先走りでそれはべとべとに濡れていて、パンツにいやらしい沁みをつけている。このまま慰めてしまいたいが、もう少しえっちな気分になってから果てたいところだ。
再び男を漁り始めると、肌は焼けていて適度に筋肉があり逞しく、それでいて肉付きもよく不快なほど筋肉がつきすぎていない体の画像をサムネイルにしている垢が目に留まった。垢名は「T」。
この手ののアカウントは年齢やイニシャルと思われるアルファベットを垢名にしている者も多い。人には明かせない内容のアカウントであるため、匿名性を持たせようとするものなのだろう。彼もその手の者のようだ。
フォロワー数は2000人を超えている。よほど人気のアカウントなのだろう。
フォロワーの数は言うなればそれだけ興味を持たれているということだ。人気度の表れと言ってもいい。フォローをしていれば検索をしなくても勝手にそのアカウントの投稿が流れてくる。それだけその垢の投稿に関心がある、見逃したくないということだ。
一体どんなことをしてこんなにもフォロワー数を稼いだのだろうか。彼のアカウントには投稿画像は見当たらず、ツイートも殆ど残っていない。あるのは自撮りと思われるサムネイルのみだ。
そこまで人気を集める何かを隠し持っているのだろうか。気になる。
この男にもっと際どい画像を見せて欲しい。でも、ここまでフォロワー数が多い男に自分が構ってもらえるだろうか。これまでは無視されたりすることはなかったが、今回は正直わからない。
それでも、体は好みだしフォロワーを稼ぐことのできる何かにも興味がある。俺のペニスも時折触ったりしながらスマホをいじっていたからもう限界だ。この男に決めよう。
俺は体を見せてもらえればラッキーだなというぐらいの気持ちで送ってみた。
「こんばんは」
まずは挨拶だ。いきなり「体見せて」と送っても唐突すぎる。この辺は通常の人間関係と同様で、挨拶とかそういった礼儀はわきまえなければならない。
いつもは返信が返ってくるのだが、フォロワー数が多いアカウントだけに返ってこないかもしれないと思いつつ、期待して少し待ってみる。
因みに、いつもはこの後、「こんばんは」と返ってきて俺は「えっちな体ですね」と返す。そのまま見せ合いまで持って行くのだ。相手も喜んで見せてくれるし俺の画像も見たいと言ってくれる。
少しするとTMの通知がきた。それは、Tからだった。
まさか、本当に返信が来るとは…。
「こんばんは。何歳ですか?」
いつもと違う流れだ。挨拶の後に向こうから話を振ってきた。会話の主導権を握りたいタイプなのだろうか。何となくやりづらそうだなと感じつつ返信をしてみた。
「20です」
1分以内に返信は返ってきた。
「今年20?」
「そうです」
「じゃあ、一緒。タメだ!」
俺と同い年ということに親近感を覚えたようだ。俺にとってはそんなことはどうでもいいのだが…。俺はそんなことよりもこの後どうもっていこうかということに悩んでいた。俺のペニスはお預けをくらっていて我慢の限界だ。
「偶然ですね」
話の腰を折るのもなと思い、適当に話を合わせる。
「エロ垢慣れてるの?」
「いや、そんなには」
「経験あんまりない?」
「まあ」
「会ったりしたことは?」
「ない」
それは本当のことだ。俺はていっターで誰かに会ったりしたことはない。最近はSNSで出会って飲みに行ったりエッチをしたりする者も多いようだが、俺は見ず知らずの人間といきなり会ってご飯に行ったりそういうことをしたりする程愚かではないつもりだ。SNSの世界の中だけで楽しめればそれでいいのだ。実際に会ったりとかは求めていない。
そもそもTはなぜ俺にこんなことを聞くのだろうか。俺は嫌な予感を感じていた。
「誘われたりしないの?」
「え?」
「他の人から会おうって言われたりしない?」
「言われたことはあるけど」
これも嘘ではない。実際に会うことこそないものの、体を見せてあげたりした後に会いたいと言われることはある。だが、それも徹底して断り続けているのだ。ただ実際にはきっぱりと断るというよりも、はぐらかしたり無視したりして回避しているのだが。
「何で会わないの?」
「なんか怖いし」
「なんで笑」
「会ったことない人に会うとか怖いよ」
「そんなことないやろ笑」
自分は経験豊富だという語り口だ。これがフォロワー2000人の余裕なのか。
「体見たいな」
お!待っていた流れだ。まさか向こうからこの申し出があるとは思ってもみなかった。ずっと関係ない話が続いていてどう持って行こうかと思案していたからちょうどよかった。
「いいよ。見せ合いできる?」
「うん」
俺は自分の体の画像を送った。その後、すぐにTからも送られてきた。
焼けて適度に筋肉のついた厚みのある肉体は性器の上すれすれまで映っていてすごく際どい。腰の辺りの日焼け跡や僅かにに画像に入り込んでいる陰毛が男らしくていらやしい。Tの体を画面越しに舐め回すように眺めながらペニスを硬直させていると、Tから返信が来た。
「会お?」
「え?」
「会おうよ」
「んー」
「犯したい」
「は?」
「会って犯したい」
「犯したい」という言葉に俺はすごくどきっとした。こんなに直接的な表現で求められたことはない。こんなことは初めてだ。
心を騒つかせてもたもたしていると、返信をする前にTからメッセージが来た。
「どこに住んでるの?」
このままTは俺と会う約束をこぎつけるつもりらしい。
でも、俺はこのアプリで誰とも会うつもりはない。それは相手がどれだけ魅力的であっても揺るがないだろう。
近年、SNSが普及したことで現代人はより充実した生活を送ることができるようになった。だが、それと同時にそれをきっかけとした犯罪が増えていることも事実だ。簡単に人々が繋がれるようになったことで、そこに漬け込む者も増えるようになり犯罪にもより遭遇するようになったのだ。
最近ではネット上で少し接した程度で相手のことを深く知った気になる者も多いようだ。でも、それはすごく危険なことだ。顔も知らない、会ったこともない相手のことをどうして理解できるだろうか。どれだけ優しい言葉をかけてきたとしても、その実、何が目的なのかはわからない。相手のことを何も知らないのに信用するなんてできるはずもないのだ。
もちろん、俺はTとも会うつもりはない。ただ、彼の「犯したい」という言葉に心が騒めいているのも事実だ。
Tに言ったように、俺もこの手の誘いは幾度となく受けたことがある。だが、「今度、飯でもどう?」とか「よかったら遊びたいな」のような下心が見え透いているにも関わらずそれを隠しているような、何の魅力も感じさせない誘い文句が殆どだった。
そんな有象無象の中で、Tの直接的すぎる言葉は俺にとってはすごく魅力的に感じられた。単なる文字の羅列でしかないのに、たったの四文字の言葉なのに、雄の色香を漂わせて俺のことを本能的に求めていることが伝わってくる。その文字を見つめていると、知らぬ間に俺の体は熱を帯びていった。
Tはこういうことに慣れていて何の気なしに言っているのだろうし、単なる体目当てで口説いてきているのだ。そんなことだって、わかっている。
それでも、俺にはどこか響くものがあった。ネットで被害に遭った者に対しては恐れ知らずだなと呆れていたのに、そんな者達と変わらないことを考えているということに正直失望している。そんな人間にだけはなるつもりはなかったのに。今日の俺はどこかおかしいようだ。
もう今日はこのことは考えたくない。
俺は自分の中で膨れ上がりつつある感情から逃れようとするように、アプリを閉じてベッドの上に横たわった。
俺の名前は「しゅんや」。二十歳の暇を持て余した大学生。
エロ垢をやっていてフォロワー数は300人ちょっと。
好みの男を探して個人的なやり取りができるTMを送るのが趣味だ。
今もTMのやり取りをして体の画像を見せ合っているところだ。
細身の体だが胸筋や腹筋がしっかりと見て取れる男の子らしい体をした19歳の「けんと」に今日もたまらなくいやらしい姿を見せてもらって俺のペニスははちきれんばかりに膨張して脈打っている。先走りでそれはべとべとに濡れていて、パンツにいやらしい沁みをつけている。このまま慰めてしまいたいが、もう少しえっちな気分になってから果てたいところだ。
再び男を漁り始めると、肌は焼けていて適度に筋肉があり逞しく、それでいて肉付きもよく不快なほど筋肉がつきすぎていない体の画像をサムネイルにしている垢が目に留まった。垢名は「T」。
この手ののアカウントは年齢やイニシャルと思われるアルファベットを垢名にしている者も多い。人には明かせない内容のアカウントであるため、匿名性を持たせようとするものなのだろう。彼もその手の者のようだ。
フォロワー数は2000人を超えている。よほど人気のアカウントなのだろう。
フォロワーの数は言うなればそれだけ興味を持たれているということだ。人気度の表れと言ってもいい。フォローをしていれば検索をしなくても勝手にそのアカウントの投稿が流れてくる。それだけその垢の投稿に関心がある、見逃したくないということだ。
一体どんなことをしてこんなにもフォロワー数を稼いだのだろうか。彼のアカウントには投稿画像は見当たらず、ツイートも殆ど残っていない。あるのは自撮りと思われるサムネイルのみだ。
そこまで人気を集める何かを隠し持っているのだろうか。気になる。
この男にもっと際どい画像を見せて欲しい。でも、ここまでフォロワー数が多い男に自分が構ってもらえるだろうか。これまでは無視されたりすることはなかったが、今回は正直わからない。
それでも、体は好みだしフォロワーを稼ぐことのできる何かにも興味がある。俺のペニスも時折触ったりしながらスマホをいじっていたからもう限界だ。この男に決めよう。
俺は体を見せてもらえればラッキーだなというぐらいの気持ちで送ってみた。
「こんばんは」
まずは挨拶だ。いきなり「体見せて」と送っても唐突すぎる。この辺は通常の人間関係と同様で、挨拶とかそういった礼儀はわきまえなければならない。
いつもは返信が返ってくるのだが、フォロワー数が多いアカウントだけに返ってこないかもしれないと思いつつ、期待して少し待ってみる。
因みに、いつもはこの後、「こんばんは」と返ってきて俺は「えっちな体ですね」と返す。そのまま見せ合いまで持って行くのだ。相手も喜んで見せてくれるし俺の画像も見たいと言ってくれる。
少しするとTMの通知がきた。それは、Tからだった。
まさか、本当に返信が来るとは…。
「こんばんは。何歳ですか?」
いつもと違う流れだ。挨拶の後に向こうから話を振ってきた。会話の主導権を握りたいタイプなのだろうか。何となくやりづらそうだなと感じつつ返信をしてみた。
「20です」
1分以内に返信は返ってきた。
「今年20?」
「そうです」
「じゃあ、一緒。タメだ!」
俺と同い年ということに親近感を覚えたようだ。俺にとってはそんなことはどうでもいいのだが…。俺はそんなことよりもこの後どうもっていこうかということに悩んでいた。俺のペニスはお預けをくらっていて我慢の限界だ。
「偶然ですね」
話の腰を折るのもなと思い、適当に話を合わせる。
「エロ垢慣れてるの?」
「いや、そんなには」
「経験あんまりない?」
「まあ」
「会ったりしたことは?」
「ない」
それは本当のことだ。俺はていっターで誰かに会ったりしたことはない。最近はSNSで出会って飲みに行ったりエッチをしたりする者も多いようだが、俺は見ず知らずの人間といきなり会ってご飯に行ったりそういうことをしたりする程愚かではないつもりだ。SNSの世界の中だけで楽しめればそれでいいのだ。実際に会ったりとかは求めていない。
そもそもTはなぜ俺にこんなことを聞くのだろうか。俺は嫌な予感を感じていた。
「誘われたりしないの?」
「え?」
「他の人から会おうって言われたりしない?」
「言われたことはあるけど」
これも嘘ではない。実際に会うことこそないものの、体を見せてあげたりした後に会いたいと言われることはある。だが、それも徹底して断り続けているのだ。ただ実際にはきっぱりと断るというよりも、はぐらかしたり無視したりして回避しているのだが。
「何で会わないの?」
「なんか怖いし」
「なんで笑」
「会ったことない人に会うとか怖いよ」
「そんなことないやろ笑」
自分は経験豊富だという語り口だ。これがフォロワー2000人の余裕なのか。
「体見たいな」
お!待っていた流れだ。まさか向こうからこの申し出があるとは思ってもみなかった。ずっと関係ない話が続いていてどう持って行こうかと思案していたからちょうどよかった。
「いいよ。見せ合いできる?」
「うん」
俺は自分の体の画像を送った。その後、すぐにTからも送られてきた。
焼けて適度に筋肉のついた厚みのある肉体は性器の上すれすれまで映っていてすごく際どい。腰の辺りの日焼け跡や僅かにに画像に入り込んでいる陰毛が男らしくていらやしい。Tの体を画面越しに舐め回すように眺めながらペニスを硬直させていると、Tから返信が来た。
「会お?」
「え?」
「会おうよ」
「んー」
「犯したい」
「は?」
「会って犯したい」
「犯したい」という言葉に俺はすごくどきっとした。こんなに直接的な表現で求められたことはない。こんなことは初めてだ。
心を騒つかせてもたもたしていると、返信をする前にTからメッセージが来た。
「どこに住んでるの?」
このままTは俺と会う約束をこぎつけるつもりらしい。
でも、俺はこのアプリで誰とも会うつもりはない。それは相手がどれだけ魅力的であっても揺るがないだろう。
近年、SNSが普及したことで現代人はより充実した生活を送ることができるようになった。だが、それと同時にそれをきっかけとした犯罪が増えていることも事実だ。簡単に人々が繋がれるようになったことで、そこに漬け込む者も増えるようになり犯罪にもより遭遇するようになったのだ。
最近ではネット上で少し接した程度で相手のことを深く知った気になる者も多いようだ。でも、それはすごく危険なことだ。顔も知らない、会ったこともない相手のことをどうして理解できるだろうか。どれだけ優しい言葉をかけてきたとしても、その実、何が目的なのかはわからない。相手のことを何も知らないのに信用するなんてできるはずもないのだ。
もちろん、俺はTとも会うつもりはない。ただ、彼の「犯したい」という言葉に心が騒めいているのも事実だ。
Tに言ったように、俺もこの手の誘いは幾度となく受けたことがある。だが、「今度、飯でもどう?」とか「よかったら遊びたいな」のような下心が見え透いているにも関わらずそれを隠しているような、何の魅力も感じさせない誘い文句が殆どだった。
そんな有象無象の中で、Tの直接的すぎる言葉は俺にとってはすごく魅力的に感じられた。単なる文字の羅列でしかないのに、たったの四文字の言葉なのに、雄の色香を漂わせて俺のことを本能的に求めていることが伝わってくる。その文字を見つめていると、知らぬ間に俺の体は熱を帯びていった。
Tはこういうことに慣れていて何の気なしに言っているのだろうし、単なる体目当てで口説いてきているのだ。そんなことだって、わかっている。
それでも、俺にはどこか響くものがあった。ネットで被害に遭った者に対しては恐れ知らずだなと呆れていたのに、そんな者達と変わらないことを考えているということに正直失望している。そんな人間にだけはなるつもりはなかったのに。今日の俺はどこかおかしいようだ。
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