BL短編書き散らかし

智紗人

文字の大きさ
12 / 36

ホールド My Hand 二

しおりを挟む
 近くの公園まで歩いて、よごれを…ううう…うんちを落とす。

 まだ吹き出すのをやめない、隣の人物を桜太朗はみる。
 お口チャック、とジェスチャーをするが、伝わらない。

 逆に、口の前で人さし指を立てた姿をみて、それだ…、と間違いを認め、いそいそと靴を洗う。

「ねえ、今日おーたろうさんに会えて良かった」

「この状況で…?」


 桜太朗の片足は今、すぐそばにいる人物のキレイで高そうなスニーカーの上に置かせてもらっている。

 しかも、水飲み場で靴を洗う桜太朗の服が濡れないように、後ろにひっぱってくれている。

「足ここ…服濡れるから」と自然にやるとこが、気遣いのかたまり…。

 まあ、でも会えて良かったって……アレか、…溝にハマってうんちを踏んだ所みたんだもんな。

 その考えを見透かしたように、控えめな笑い声がした。

「ふ…うん、ひさしぶりに笑った」

「…よかったね」
「また、会いたいんだけど」

 急なストレートな物言いに現代っ子が…と照れた心の中の荒んだ親父が言う。

「それは…」

 どういう意味で?
 ……おれも、と言いたい所だが、言ってもいいのか?なんだか言うとヤバい気がするんだよな…後戻り不可みたいな、そんな気が。今更だけど…

 いや、そこまで深く考えすぎても、と桜太朗は思った。
 動けなくなるのは…つらい。


『おれも、おれもー』
 軽い感じで返すか…、

『へえー、うれぴー』
 流すか、

『わかる…おれら何か繋がってる感じするもんな…!こう、ハートと、ハートで!』

 ………………。



 えええええい
「俺もそう、思ってた。友だちになってください」

 いったあああおーたろうくん!!!

「……」

 ……無言、……、乙。
 もう1人の自分が、肩に手を乗せ、首を振りながら、なぜか慰めてくる。

「あ、もう靴洗い終わったわ、足と服ありがとうな」

 無かったことにした。
 たった今おれの人間関係も……

「ごめん、…」

 唐突に謝られた。

「なにが…?」

 さっきの友だちになって下さい発言に…?

「…なんでも、…連絡先、交換しない?」

「…おう」

 気のせいか一色くんのテンションが下がった。
 しかし、すぐ戻った。

「おーたろうさんって桜ってかくんだ…?」

「そう、サクラくんも?」

「オレはこう」

「…へえ、紗来良。キレイいい名前」

「ありがと」

「さー坊って呼んでも」「それ以外」

 何で?
「そう呼ぶやつがいるから……他のがいい」

「…くら坊、…さっくー、くらさく、さら坊…、いっさ……いっさく…?」

「……」

「なにがいい?」




 それから連絡先を交換した後わかれた。

 アイアム カムバック 現実に

 なんか夢から現実に戻ってきた…って感じだ。

 しかし届いたメッセージが夢じゃない事を告げています。

〔次、いつ会いますか?〕

 さっそくか…さっそくなのか

 無意識に嬉しさと浮き立つ心を抑えようとする。
 と同時に、ニヤけきった顔も物理的に手で抑えた。

 なんと返すか悩みながらも桜太朗の目尻はさがっている。


 またメッセージがきた。
〔おーたろう、スルーすんな〕

そういえば返事、していなかった。
と、友とのやりとりを見返す。

前半のくだらないやり取りの先。

〔この占いガチ当たるんだけど…おまえらコレみろ〕

 占い好きの友にうながされリンク先を開いてみる。

 普通の星座占いと……
 生年月日を使って簡単に計算して、出た数字で自分のタイプがわかるらしい…

 とりあえず今日の運勢があるので、桜太朗は見てみる。


〔今日のラッキーアイテム ★靴★〕
〔冒険を恐れず、素直にじぶんの心の行きたい先へ一歩踏み出しましょう。どこに行きたいか内面を深く見つめてみることも◯〕
























しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

政略結婚したかった

わさび
BL
御曹司 朝峰楓× 練習生 村元緋夏 有名な事務所でアイドルを目指して練習生をしている緋夏だが、実は婚約者がいた。 二十歳までにデビューしたら婚約破棄 デビューできなかったらそのまま結婚 楓と緋夏は隣同士に住む幼馴染で親はどちらも経営者。 会社のために勝手に親達が決めた政略結婚と自分の気持ちで板挟みになっている緋夏だったが____

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

【完結】  同棲

蔵屋
BL
 どのくらい時間が経ったんだろう 明るい日差しの眩しさで目覚めた。大輝は 翔の部屋でかなり眠っていたようだ。 翔は大輝に言った。  「ねぇ、考えて欲しいことがあるんだ。」  「なんだい?」  「一緒に生活しない!」 二人は一緒に生活することが出来る のか?  『同棲』、そんな二人の物語を  お楽しみ下さい。

処理中です...