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第02話 喜劇王 石見源五郎丸の最期
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「爺ィいいいい~~~~~!」
真っ青になって老人にしがみつく源外を見て、野次馬の間に衝撃が走った。
ーーあの爺さん、死んでいるのか?
「爺、死ぬんじゃない、目を覚ませえェええええ~~~~~!」
滂沱の涙と鼻水を垂れ流す源外を見て、多くの野次馬が老人の死を確信した。
ーー爺さん、気の毒に……。
源外の御付きとして、彼が幼稚園の砌より登下校時には必ず姿を見せた老人なだけに、その姿を見知った者も少なくなく、その中には雨の日に傘を貸してもらった者や、転倒して膝を擦り剥いたときに絆創膏を貼ってもらった者や、熱中症で倒れたとき、リムジンで病院へ搬送してもらった者なども含まれており、その忘れ難い柔和な微笑みと相俟って、生徒の間に惜別の情を催させるには十分な存在だった。
「うおおおおお~! 爺ぃ、爺ぃ、なぜ死んだあああああ~! わしを置いてなぜ死んだあああああ~!」
源外の慟哭が闇の中へ木霊した。
遅刻した高校生がさわやかに目を覚ますこの時刻に、なぜか背景は月のない夜空のように真っ黒になったから不思議だ。
ついでに源外の頭上からスポットライトのごとき光が射せば、ああ、あれこそが天国へと通じる階段なのだと、誰もが老人の冥福を祈らずにはいられなかった。
そんなしめやかな状況下にあって、冷静に観察力を行使するものは、不意に老人の鼻腔から鼻提灯が膨らむのを目撃した。
----パチン!
その破裂音は余りにも小さく、老人を抱きかかえる源外以外に聴こえたかどうか……。
たぶん近間の数名のみが視認したに過ぎない、余りにも小さい、しかし余りにも大きな希望の灯火……。
源外が泣き止んだ。その口元がみるみる微笑みで綻んでゆく。
「爺ぃ!」
老人が眩し気に眼を見開いた。
「……ああ、これはお坊ちゃま。お早うございます」
そう言って寝ぼけ眼で辺りを見回すと、ようやく状況を理解したのだろう。慌てて礼服の乱れを整えると、硬い表情で威厳を取り繕ってコホンと軽い咳払いを一つ……。
「なんだあ、おまえ、生きてたのかあ!」
大泣きしてしていたのが気恥ずかしくなったのか、源外は照れ笑いを浮かべながら、憧れのドラえもんのポケットを真似て造った四次元バックパック、そこから取り出したハリセンで老人の頭をパチンと一発張ったからたまらない!
老人はウーンと呻き声を立てて再びシートに倒れ込んだ。
「ああ、爺ぃ、爺ぃ……」
あんまり源外が爺ぃ、爺ぃ、言うもんだから、作者は彼が痔を患っているのではと疑ってみたのだが、どうやらその心配はないようだ。
ついでに言い添えると、彼の発明品たる四次元バックパックには、ドラえもんのポケットのような機能はなく、ただ単に他のバックより多めに物が入るだけという話。
だいたい西暦20✕✕年の時代に、そんな便利なもん出来る訳ない。
それはともかくハリセンの一撃で石見が死亡すれば、源外は間違いなく殺人罪に問われる。
目撃者は多数。言い逃れは出来ない。
「爺ぃ、目を覚ましてくれ!」
その期待に応えて石見がうっすらと目を開いた。
「お坊っちゃま、あなた様の御付きにしていただき、わたくしめはとても幸せでした。独身のわたくしに子供を持つ親の気持ちを教えてくれたのは、あなた様なのですから……」
「爺……」
源外の目から大粒の涙が零れた。
「向後よりは、あの世から、あなた様の成長を見守らせていただきます。それでは末永くお幸せに……」
途切れ途切れに呟く石見の視線は既に虚空をさ迷っていた。
今度こそ最期だろうという、周囲の期待と不安に応えるべく、石見はウッと小さく呻くと、カッと双眼を見開いて、天を掴み取らんばかりに勢いで、震える右腕を差し伸ばし、
「諸君、喝采したまえ。喜劇は終わった……」
その言葉を最後に静かに息を引き取った。
「ああ、爺……」
源外の両腕が力強く老人の身体を抱きしめる。その脳裏には十五年に渡る老人との思い出が、走馬灯となって駆け巡っていたはずだ。
感極まった源外は心の丈を吐き出すべく、大口を開けて思い切り空気を吸い込んだ。そして……。
「爺ィいいいい~~~~~!」
その絶叫はそれを発した者の志半ばで倒れ、いや、途切れ、その続きの部分は人々の心の奥底にのみ響く木霊となった。
源外の顔が、リムジンのサイドガラスにベッタリと押し付けられている。
それは顕微鏡のスライドに載せられた雪見大福類の、あの白くて丸くてぷにぷにした原生生物を想起させる。
まっ、女子高生から見たら間違いなく顔を背ける代物だ。
だが最も注目すべきは、そのサイドガラスに蜘蛛の巣状の罅が入っていることだ。
それはアクリル製の強化ガラスで造られており、たとえ銃弾が撃ち込まれても割れない構造だった。
つまり源外は銃弾を上回る破壊力でサイドガラスに頭を打ち付けられたことになる。そんな未知なる力がこの世に存在するのだろうか? それも車内という閉ざされた空間の中で……。
まるで密室ミステリーのごとき展開だが、そうなるとまずは犯人捜しよりも先に、そんな未知の力を後頭部に喰らった源外の命が心配だ。
彼はといえば、半ば潰れた双眼は焦点を失い、鼻は豚鼻のように鼻腔を上向きに丸く潰れ、歪んだ唇からは一筋の涎が滴り落ち、頭上には二匹の蠅が僕天使のごとく飛び回るという、追突現場の犠牲者そのままの惨状なのだが、ーーさあ、みんなで彼を応援しよう。がんばれ源外! 負けるな源外! 立ち上がれ源外! 生きるのだ源外! 地球の運命は、君の、君の双肩にかかっている。
ーーその原因を探ってゆけば、彼の後頭部を容赦なく踏みしだく細く長く美しい御々足に辿り着く。
「源外君、君はまだそんなことをやっているのですか?」
普段の冷静な口調にわずかばかりの怒りが加われば、愛輝の十文キックは本家の十六文キックを遥かに凌駕する破壊力を発揮する。
それは今のところ源外だけが体感した脅威であり、他者にとっては見聞のみによる想像の域を出ない脅威だ。
それ故に人はその行為を愛と呼ぶ(源外だけはDVと呼ぶ)。
源外が踏まれるのを見て、ちょっぴり羨ましいと思うM系男子生徒がいたことも事実だ。だがそんな彼らも源外の垂れ流す鼻水と涎が赤く滲んでいくのを目撃して、あっさりと先の願いを翻した。
愛輝さん、ちょっとやり過ぎ……。源外君、かわいそう……。おい、誰か止めろよ! ーー等々、野次馬の間に同情と憐憫の輪が広がっていった。
だが場の空気を読まないことにかけては源外とドッコイドッコイの、しかも感情に一旦火が付くと暴走の止まらない性格の愛輝なので、攻撃は当然のごとく続行された。
ーーどわっ、どほっ、どぺしっ、ひでぶぅ~、ひえ~、お赦しを~! と
泣きわめく源外にもいよいよ最期の時が訪れた。
(爺、待っておれよ。わしもすぐに冥府へ逝くぞ……)
なんか戦国武将が腹切り間際に辞世の句を詠むような、そんな雰囲気を醸し出している源外だが、当人が何を考えているかは一向に分からない。
お断りしておくが、先に書いたト書きの心理描写は、あくまで科学者よりも戦国武将を愛する作者の勝手な憶測である。
ーーげろげろげろ~~~~~!(ケロ〇軍曹のような感じで)
突然、口から大量の吐瀉物を撒き散らした源外。それは木綿豆腐(絹ごし豆腐でも可)を塗りたくったようにサイドガラス一面を覆い尽くし、固唾を飲んで見守る野次馬に集団パニックを誘発した。
ーー(犬にしか聴こえない悲鳴)~~~~~!
耐えられなくなった一人の女子高生が声にならない超音波サイクルの悲鳴を上げた。
数名の生徒が口を押えて屈み込んだのは、バス旅行の貰いゲロと同様の現象かと思われる。
辺りに漂う血と吐瀉物の臭いに、爺の死臭と加齢臭が加われば、そこはもう地獄の世界。
晴れ渡った空が、いつしか血で染めたように真っ赤になったのを見れば、その場にいた全員が鷹の爪団の戦闘員に、いや、鷹の団が引きずり込まれたのと同様の魔界へと引きずり込まれたのは明白だった。
その証拠に、見よ! 愛輝は蝶が孵化するがごとく、背中から十二枚の透明な羽を生やし始めたではないか……。
おお、なんという美しさ! なんという気高さ! なんという神々しさ!
H・ハイネなら、彼女の美を讃える詩を即座に百編は詠んだはずだ。
今や彼女は学園の天使から冥界の堕天使へと華麗に変貌を遂げたのだ。そう、サタンやルシファーのように……。
その氷のごとき冷酷な瞳に映る源外はというと、サイドガラスに吐瀉物塗れの顔を押し付けたまま、ゴキブリの断末魔のごとくぴくぴくと手足を痙攣させている。
生身の人間が魔界の生物レベルの攻撃に晒されれば、その作品が自然主義を標榜する限り、まず間違いなく絶命する。
源外はプレス機(ター〇ネーターを圧殺した)並みの圧力をガンガン後頭部に受け続けたのだ。
誰の目にもその死は明らかだった。
真っ青になって老人にしがみつく源外を見て、野次馬の間に衝撃が走った。
ーーあの爺さん、死んでいるのか?
「爺、死ぬんじゃない、目を覚ませえェええええ~~~~~!」
滂沱の涙と鼻水を垂れ流す源外を見て、多くの野次馬が老人の死を確信した。
ーー爺さん、気の毒に……。
源外の御付きとして、彼が幼稚園の砌より登下校時には必ず姿を見せた老人なだけに、その姿を見知った者も少なくなく、その中には雨の日に傘を貸してもらった者や、転倒して膝を擦り剥いたときに絆創膏を貼ってもらった者や、熱中症で倒れたとき、リムジンで病院へ搬送してもらった者なども含まれており、その忘れ難い柔和な微笑みと相俟って、生徒の間に惜別の情を催させるには十分な存在だった。
「うおおおおお~! 爺ぃ、爺ぃ、なぜ死んだあああああ~! わしを置いてなぜ死んだあああああ~!」
源外の慟哭が闇の中へ木霊した。
遅刻した高校生がさわやかに目を覚ますこの時刻に、なぜか背景は月のない夜空のように真っ黒になったから不思議だ。
ついでに源外の頭上からスポットライトのごとき光が射せば、ああ、あれこそが天国へと通じる階段なのだと、誰もが老人の冥福を祈らずにはいられなかった。
そんなしめやかな状況下にあって、冷静に観察力を行使するものは、不意に老人の鼻腔から鼻提灯が膨らむのを目撃した。
----パチン!
その破裂音は余りにも小さく、老人を抱きかかえる源外以外に聴こえたかどうか……。
たぶん近間の数名のみが視認したに過ぎない、余りにも小さい、しかし余りにも大きな希望の灯火……。
源外が泣き止んだ。その口元がみるみる微笑みで綻んでゆく。
「爺ぃ!」
老人が眩し気に眼を見開いた。
「……ああ、これはお坊ちゃま。お早うございます」
そう言って寝ぼけ眼で辺りを見回すと、ようやく状況を理解したのだろう。慌てて礼服の乱れを整えると、硬い表情で威厳を取り繕ってコホンと軽い咳払いを一つ……。
「なんだあ、おまえ、生きてたのかあ!」
大泣きしてしていたのが気恥ずかしくなったのか、源外は照れ笑いを浮かべながら、憧れのドラえもんのポケットを真似て造った四次元バックパック、そこから取り出したハリセンで老人の頭をパチンと一発張ったからたまらない!
老人はウーンと呻き声を立てて再びシートに倒れ込んだ。
「ああ、爺ぃ、爺ぃ……」
あんまり源外が爺ぃ、爺ぃ、言うもんだから、作者は彼が痔を患っているのではと疑ってみたのだが、どうやらその心配はないようだ。
ついでに言い添えると、彼の発明品たる四次元バックパックには、ドラえもんのポケットのような機能はなく、ただ単に他のバックより多めに物が入るだけという話。
だいたい西暦20✕✕年の時代に、そんな便利なもん出来る訳ない。
それはともかくハリセンの一撃で石見が死亡すれば、源外は間違いなく殺人罪に問われる。
目撃者は多数。言い逃れは出来ない。
「爺ぃ、目を覚ましてくれ!」
その期待に応えて石見がうっすらと目を開いた。
「お坊っちゃま、あなた様の御付きにしていただき、わたくしめはとても幸せでした。独身のわたくしに子供を持つ親の気持ちを教えてくれたのは、あなた様なのですから……」
「爺……」
源外の目から大粒の涙が零れた。
「向後よりは、あの世から、あなた様の成長を見守らせていただきます。それでは末永くお幸せに……」
途切れ途切れに呟く石見の視線は既に虚空をさ迷っていた。
今度こそ最期だろうという、周囲の期待と不安に応えるべく、石見はウッと小さく呻くと、カッと双眼を見開いて、天を掴み取らんばかりに勢いで、震える右腕を差し伸ばし、
「諸君、喝采したまえ。喜劇は終わった……」
その言葉を最後に静かに息を引き取った。
「ああ、爺……」
源外の両腕が力強く老人の身体を抱きしめる。その脳裏には十五年に渡る老人との思い出が、走馬灯となって駆け巡っていたはずだ。
感極まった源外は心の丈を吐き出すべく、大口を開けて思い切り空気を吸い込んだ。そして……。
「爺ィいいいい~~~~~!」
その絶叫はそれを発した者の志半ばで倒れ、いや、途切れ、その続きの部分は人々の心の奥底にのみ響く木霊となった。
源外の顔が、リムジンのサイドガラスにベッタリと押し付けられている。
それは顕微鏡のスライドに載せられた雪見大福類の、あの白くて丸くてぷにぷにした原生生物を想起させる。
まっ、女子高生から見たら間違いなく顔を背ける代物だ。
だが最も注目すべきは、そのサイドガラスに蜘蛛の巣状の罅が入っていることだ。
それはアクリル製の強化ガラスで造られており、たとえ銃弾が撃ち込まれても割れない構造だった。
つまり源外は銃弾を上回る破壊力でサイドガラスに頭を打ち付けられたことになる。そんな未知なる力がこの世に存在するのだろうか? それも車内という閉ざされた空間の中で……。
まるで密室ミステリーのごとき展開だが、そうなるとまずは犯人捜しよりも先に、そんな未知の力を後頭部に喰らった源外の命が心配だ。
彼はといえば、半ば潰れた双眼は焦点を失い、鼻は豚鼻のように鼻腔を上向きに丸く潰れ、歪んだ唇からは一筋の涎が滴り落ち、頭上には二匹の蠅が僕天使のごとく飛び回るという、追突現場の犠牲者そのままの惨状なのだが、ーーさあ、みんなで彼を応援しよう。がんばれ源外! 負けるな源外! 立ち上がれ源外! 生きるのだ源外! 地球の運命は、君の、君の双肩にかかっている。
ーーその原因を探ってゆけば、彼の後頭部を容赦なく踏みしだく細く長く美しい御々足に辿り着く。
「源外君、君はまだそんなことをやっているのですか?」
普段の冷静な口調にわずかばかりの怒りが加われば、愛輝の十文キックは本家の十六文キックを遥かに凌駕する破壊力を発揮する。
それは今のところ源外だけが体感した脅威であり、他者にとっては見聞のみによる想像の域を出ない脅威だ。
それ故に人はその行為を愛と呼ぶ(源外だけはDVと呼ぶ)。
源外が踏まれるのを見て、ちょっぴり羨ましいと思うM系男子生徒がいたことも事実だ。だがそんな彼らも源外の垂れ流す鼻水と涎が赤く滲んでいくのを目撃して、あっさりと先の願いを翻した。
愛輝さん、ちょっとやり過ぎ……。源外君、かわいそう……。おい、誰か止めろよ! ーー等々、野次馬の間に同情と憐憫の輪が広がっていった。
だが場の空気を読まないことにかけては源外とドッコイドッコイの、しかも感情に一旦火が付くと暴走の止まらない性格の愛輝なので、攻撃は当然のごとく続行された。
ーーどわっ、どほっ、どぺしっ、ひでぶぅ~、ひえ~、お赦しを~! と
泣きわめく源外にもいよいよ最期の時が訪れた。
(爺、待っておれよ。わしもすぐに冥府へ逝くぞ……)
なんか戦国武将が腹切り間際に辞世の句を詠むような、そんな雰囲気を醸し出している源外だが、当人が何を考えているかは一向に分からない。
お断りしておくが、先に書いたト書きの心理描写は、あくまで科学者よりも戦国武将を愛する作者の勝手な憶測である。
ーーげろげろげろ~~~~~!(ケロ〇軍曹のような感じで)
突然、口から大量の吐瀉物を撒き散らした源外。それは木綿豆腐(絹ごし豆腐でも可)を塗りたくったようにサイドガラス一面を覆い尽くし、固唾を飲んで見守る野次馬に集団パニックを誘発した。
ーー(犬にしか聴こえない悲鳴)~~~~~!
耐えられなくなった一人の女子高生が声にならない超音波サイクルの悲鳴を上げた。
数名の生徒が口を押えて屈み込んだのは、バス旅行の貰いゲロと同様の現象かと思われる。
辺りに漂う血と吐瀉物の臭いに、爺の死臭と加齢臭が加われば、そこはもう地獄の世界。
晴れ渡った空が、いつしか血で染めたように真っ赤になったのを見れば、その場にいた全員が鷹の爪団の戦闘員に、いや、鷹の団が引きずり込まれたのと同様の魔界へと引きずり込まれたのは明白だった。
その証拠に、見よ! 愛輝は蝶が孵化するがごとく、背中から十二枚の透明な羽を生やし始めたではないか……。
おお、なんという美しさ! なんという気高さ! なんという神々しさ!
H・ハイネなら、彼女の美を讃える詩を即座に百編は詠んだはずだ。
今や彼女は学園の天使から冥界の堕天使へと華麗に変貌を遂げたのだ。そう、サタンやルシファーのように……。
その氷のごとき冷酷な瞳に映る源外はというと、サイドガラスに吐瀉物塗れの顔を押し付けたまま、ゴキブリの断末魔のごとくぴくぴくと手足を痙攣させている。
生身の人間が魔界の生物レベルの攻撃に晒されれば、その作品が自然主義を標榜する限り、まず間違いなく絶命する。
源外はプレス機(ター〇ネーターを圧殺した)並みの圧力をガンガン後頭部に受け続けたのだ。
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