竜人族の末っ子皇女の珍☆道☆中

秋月一花

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1章:旅人として

困っている人を見かけたら? ☆3☆

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「それと、私も反省しなければなりませんね」
「リーズが反省? なぜじゃ?」
「姫さまの勉学の時間まで、調整しませんでしたから。すっかり陛下たちが手配しているものだと思い、口を出しませんでした」

 シュエがリーズの漆黒の瞳から、逃げるように俯く。

 その頭の上にポンと片手を乗せて、くしゃりと撫でてから「いきましょう」と歩き出した。

 引っ張られるようにシュエの足も動く。

 鬱蒼うっそうとした森林をてくてくと歩く。会話はない。

 ただ黙って歩いていると、ふとシュエが顔を上げて「あ」と短い声をこぼす。

「のぅ、リーズよ。……あの怪鳥、わらわたちと同じ方向に飛んでいないか?」
「え?」

 すっと空を飛んでいる怪鳥をすシュエ。指先を追って視線を動かすと――……

「あ、あ~……。窫窳あつゆの次は畢方ひっぽうですか。……姫さま、なにか引き寄せていません?」
「わらわではなく、おぬしかもしれんぞ、リーズ」

 どこからどう見ても怪鳥だった。

 一見鶴のように見えるが、足は一本しかなく、青い地肌に赤い斑点という特徴がしっかりと目視でき、さらに白いくちばしが確認できた。

 どこからどう見ても火災を招く怪鳥であった。

「……あれ、家々を焼きはらうヤツじゃよな……」
「ちょうど進行方向に、村だか町がありますねぇ……」

 シュエとリーズは顔を見合わせる。

 そして、シュエの目がきらりと光った。翠色の瞳が燃え上がるように輝くのを見て、彼は呆れたように、まるで仕方ないなぁとばかりに息を吐く。

「どうやら、目的はわらわたちと同じところのようじゃの?」
「そのようですね」
「ならば、先に倒さねば被害が出るということじゃな?」
「……そのようですね」

 シュエはにっと白い歯を見せる。

 リーズはそれだけで、彼女がなにをしたいかを理解した。してしまった。

「まったく、無茶するんですから」
「今夜の宿は! 絶対にほしいのじゃ!」

 パタパタと手を大きく動かし、倒したいとアピールするシュエ。三日も野宿が続いたのだ。そろそろ布団でゆっくりと眠りたい。

 そう主張するシュエに対し、ちらりと畢方に視線を向けると、重々しく息を吐いた。

「一撃で仕留められますか?」
「うむ! まだ『ヒッポウ』と鳴いていないから、不意打ちすればいけるじゃろ」

 おそらくまだどの家を燃やすのか悩んでいるのだろう。

 畢方がその名の通りの泣き声を出すと、妖火が村里を襲う。そういう不吉な怪鳥なのだ。

「では、一気にいきますよ」
「よし、わらわを飛ばしてくれ!」
「かしこまりました」
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