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1章:旅人として
困っている人を見かけたら? ☆7☆
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それから少しの時間、村人たちと会話した。
話し終えてから男性に顔を向けると、彼はぽかんと呆気に取られているようだった。
「なんじゃ、その顔は。それで、そなたの家はどこなんじゃ?」
「あ、いや……よそ者がこんなにすぐ村の人たちと話せるとは思わなくて」
ハッと我に返った男性が、思ったことを口にするとシュエは両手を腰に当てて胸を張る。
「それはまぁ、わらわじゃからな! このシュエ、人間のことを慈しんでおるから、それを感じ取ったのじゃろう」
「そ、そうかい」
言葉の意味が、わかるのにわからないような感覚に陥り、男性は緩やかに頭を左右に振った。
十歳くらいの少女に、『人間のことを慈しんでいる』といわれ、混乱したのだ。
話し方からもそう感じた男性は、ゆっくりと自宅へ足を進める。村の中心から少し離れたところにある家に向かう。
「ここがうちだよ」
「お邪魔しまーす!」
玄関の扉を勢いよく開けるシュエに、リーズは「シュエ!」と慌てて彼女の名を呼ぶ。
ツカツカと勢いよくベッドに伏せる女性のもとにいき、突然のことに驚く女性がわずかに開き、言葉を発しようしたが男性に止められた。
「ちょいと失礼するぞ」
シュエは身を屈ませ、ベッドの下を見る。
そこに置いてあった芻狗を見つけ、イヤそうに眉根を寄せてからそれを引っ張り出す。
「これが悪夢の原因じゃろうな」
男性を振り返り、芻狗を見せると彼は驚いたように目を大きく見開き、「なんでそんなものが、うちに……?」と、呆然としていた。
「あの、あなたたちはいったい……?」
女性がベッドから身体を起こし、シュエたちを見る。
そして、彼女の手にある芻狗を見て首を傾げた。
「わらわはシュエ。旅人じゃ。そっちはお供のリーズじゃ」
「間違いではないですが……。突然押し入ってしまい、すみません」
リーズがシュエの隣に立ち、詫びるように胸元に手を当てて頭を下げる。
「ああ、いえ、ええと」
「母さん、具合は大丈夫?」
「え、ええ。なんだかいつもよりはいい気がするわ。それで、その旅人さんが、うちになんの用でしょうか?」
「なに、興味深い話を聞いたのでな。ちぃと確認をしに」
芻狗に視線を落としてから、シュエは女性に視線を移す。そして、にこりと微笑み、芻狗をリーズへ渡した。
「うちには、なにもありませんが……?」
「そんなことはない。現にこれがあったではないか」
リーズが持つ芻狗を指して、シュエは肩をすくめる。
「この村の家は、すべて鍵がないのですか?」
玄関に視線を向けて、男性たちに問うリーズ。
彼は小さくうなずいた。小さな村だから、家に鍵をかけるという習慣がないらしい。
話し終えてから男性に顔を向けると、彼はぽかんと呆気に取られているようだった。
「なんじゃ、その顔は。それで、そなたの家はどこなんじゃ?」
「あ、いや……よそ者がこんなにすぐ村の人たちと話せるとは思わなくて」
ハッと我に返った男性が、思ったことを口にするとシュエは両手を腰に当てて胸を張る。
「それはまぁ、わらわじゃからな! このシュエ、人間のことを慈しんでおるから、それを感じ取ったのじゃろう」
「そ、そうかい」
言葉の意味が、わかるのにわからないような感覚に陥り、男性は緩やかに頭を左右に振った。
十歳くらいの少女に、『人間のことを慈しんでいる』といわれ、混乱したのだ。
話し方からもそう感じた男性は、ゆっくりと自宅へ足を進める。村の中心から少し離れたところにある家に向かう。
「ここがうちだよ」
「お邪魔しまーす!」
玄関の扉を勢いよく開けるシュエに、リーズは「シュエ!」と慌てて彼女の名を呼ぶ。
ツカツカと勢いよくベッドに伏せる女性のもとにいき、突然のことに驚く女性がわずかに開き、言葉を発しようしたが男性に止められた。
「ちょいと失礼するぞ」
シュエは身を屈ませ、ベッドの下を見る。
そこに置いてあった芻狗を見つけ、イヤそうに眉根を寄せてからそれを引っ張り出す。
「これが悪夢の原因じゃろうな」
男性を振り返り、芻狗を見せると彼は驚いたように目を大きく見開き、「なんでそんなものが、うちに……?」と、呆然としていた。
「あの、あなたたちはいったい……?」
女性がベッドから身体を起こし、シュエたちを見る。
そして、彼女の手にある芻狗を見て首を傾げた。
「わらわはシュエ。旅人じゃ。そっちはお供のリーズじゃ」
「間違いではないですが……。突然押し入ってしまい、すみません」
リーズがシュエの隣に立ち、詫びるように胸元に手を当てて頭を下げる。
「ああ、いえ、ええと」
「母さん、具合は大丈夫?」
「え、ええ。なんだかいつもよりはいい気がするわ。それで、その旅人さんが、うちになんの用でしょうか?」
「なに、興味深い話を聞いたのでな。ちぃと確認をしに」
芻狗に視線を落としてから、シュエは女性に視線を移す。そして、にこりと微笑み、芻狗をリーズへ渡した。
「うちには、なにもありませんが……?」
「そんなことはない。現にこれがあったではないか」
リーズが持つ芻狗を指して、シュエは肩をすくめる。
「この村の家は、すべて鍵がないのですか?」
玄関に視線を向けて、男性たちに問うリーズ。
彼は小さくうなずいた。小さな村だから、家に鍵をかけるという習慣がないらしい。
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