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1章:旅人として
海の近くの街で ☆15☆
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ものの数分で桃を食べやすいように切り、フォークを用意して戻ってきた。
薄暗かったので灯りをともし、シュエの前に一口サイズの桃が乗った皿を置き、フォークも渡す。
シュエはリーズに「ありがとう」とお礼を伝えてから、フォークを桃に差してぱくりと食べた。
濃厚な甘みにとろけるような食感。程よく熟されている桃はとても美味しい。
リーズはシュエのためにいろいろな食べ物を用意してくれている。
おそらく、この世界の料理がシュエの口に合わない場合を想定して。それが過保護だということに、きっと彼は気付いていた。
自分を気遣ってくれるのはありがたいが、まるで繊細なガラス細工を扱うように接されても、と小さく息を吐く。
「美味しいですか?」
「うむ、甘くてとろける桃は絶品じゃな」
柔らかく問いかけられ、シュエはぱっと笑みを浮かべて答える。
リーズが満足げに目元を細めるのを見て、彼女は桃を食べ進めた。
桃を食べ終えて満足すると、扉を軽く叩く音が聞こえ、リーズが立ち上がる。
後ろ姿を眺めながら、ふと受付で彼が話していたことを思い出す。誰かがこの部屋にきたのだろう。
シュエが扉に視線をやると、一人の青年が入ってきた。
彼はシュエに気付くと、近付いて膝をつき、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「翠竜国第一皇女、竜欣怡さまにご挨拶申し上げます。第一王子に仕えております、杜宇航でございます」
「あ、門番の」
「はい。姫さまがこの街に立ち寄られるようだとお聞きして、第一皇子から文を預かっております」
宇航が懐から手紙を取り出す。
両手で差し出され、シュエは「兄上から?」と怪訝そうに眉間に皺を刻みながらも受け取り、ちらりとリーズを見上げる。
彼が小さくうなずくのを見て、そっと手紙を開いて確認した。
つらつらと綴られた文章に目を通し、最後まで読んでから眉間に深い皺を刻み、それを癒すように親指と人差し指で揉むように眉間を摘まみ、重々しく息を吐く。
「姫さま?」
「あー、ちょっと待っておれ。今、兄上に返事を書くから」
リーズに視線を移すと、彼は普段持ち歩いている鞄から便箋と封筒、万年筆を取り出した。
テーブルの上に置いて、手紙を綴る。すらすらと文字を書いていく姿を、リーズと宇航が見守っている。
書き終わり、右手をぷらぷらと揺らしてから手紙を封筒に入れて、宇航に差し出す。
「これを兄上に頼む」
「かしこまりました」
シュエから手紙を受け取り、宇航は真摯なまなざしをシュエに向けたまま、首を縦に動かした。
薄暗かったので灯りをともし、シュエの前に一口サイズの桃が乗った皿を置き、フォークも渡す。
シュエはリーズに「ありがとう」とお礼を伝えてから、フォークを桃に差してぱくりと食べた。
濃厚な甘みにとろけるような食感。程よく熟されている桃はとても美味しい。
リーズはシュエのためにいろいろな食べ物を用意してくれている。
おそらく、この世界の料理がシュエの口に合わない場合を想定して。それが過保護だということに、きっと彼は気付いていた。
自分を気遣ってくれるのはありがたいが、まるで繊細なガラス細工を扱うように接されても、と小さく息を吐く。
「美味しいですか?」
「うむ、甘くてとろける桃は絶品じゃな」
柔らかく問いかけられ、シュエはぱっと笑みを浮かべて答える。
リーズが満足げに目元を細めるのを見て、彼女は桃を食べ進めた。
桃を食べ終えて満足すると、扉を軽く叩く音が聞こえ、リーズが立ち上がる。
後ろ姿を眺めながら、ふと受付で彼が話していたことを思い出す。誰かがこの部屋にきたのだろう。
シュエが扉に視線をやると、一人の青年が入ってきた。
彼はシュエに気付くと、近付いて膝をつき、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「翠竜国第一皇女、竜欣怡さまにご挨拶申し上げます。第一王子に仕えております、杜宇航でございます」
「あ、門番の」
「はい。姫さまがこの街に立ち寄られるようだとお聞きして、第一皇子から文を預かっております」
宇航が懐から手紙を取り出す。
両手で差し出され、シュエは「兄上から?」と怪訝そうに眉間に皺を刻みながらも受け取り、ちらりとリーズを見上げる。
彼が小さくうなずくのを見て、そっと手紙を開いて確認した。
つらつらと綴られた文章に目を通し、最後まで読んでから眉間に深い皺を刻み、それを癒すように親指と人差し指で揉むように眉間を摘まみ、重々しく息を吐く。
「姫さま?」
「あー、ちょっと待っておれ。今、兄上に返事を書くから」
リーズに視線を移すと、彼は普段持ち歩いている鞄から便箋と封筒、万年筆を取り出した。
テーブルの上に置いて、手紙を綴る。すらすらと文字を書いていく姿を、リーズと宇航が見守っている。
書き終わり、右手をぷらぷらと揺らしてから手紙を封筒に入れて、宇航に差し出す。
「これを兄上に頼む」
「かしこまりました」
シュエから手紙を受け取り、宇航は真摯なまなざしをシュエに向けたまま、首を縦に動かした。
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