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1章
56話:モフモフぷにぷにパーティー! 2
周りを見渡すとわたしの作ったゴーレムを嬉しそうに持っているコボルトの子どもや大人たち……。……そんなに欲しかったのか、これ。こんなに喜んでくれるとは……本当、なんだか心が和むわ。癒される……。
「アクアのゴーレム!」
「たくさん!」
「お守り!」
……うん? お守り? どういうこと? と首を傾げると、長老がゴーレムの頭を撫でながら話し掛けて来た。
「神力のゴーレム、コボルトたちを守る」
「……、神力のゴーレム?」
ゴーレムを作る時に使うのは土魔法で、神力は使っていないと思っていたけど……。自分で気付かないうちに使っていたってことなのかな。
「神力のゴーレム、これだけあれば魔物に襲われる心配もない」
「コボルトたち、安全に暮らせる」
「ありがとう、アクア」
「ど、どういたしまして……?」
……もしかして、神殿でゴーレム作った時に好評だったのって、神力のゴーレムだったから……? なるほど、だから神官長がなにもいわなかったのか、長年の謎が今解けた! そういえば確かに神殿の周りって魔物の被害がなかったわ。……わたしが結界を張っていたから、と思ったけど、結界が破れた後も被害はなさそうだったし、……すごいな、ゴーレム。いやこの場合すごいのってもしかして、わたし? なんて、ね。
「土魔法を使う時にも神力使ってたんだ……」
「もしかして、気付いていなかったのか?」
「うん……」
小声で呟いた言葉。それを聞いたバーナードに問われてうなずく。彼は「ふぅん」とだけいって、あとはなにも喋らなかった。ディーンはひょいとわたしが作ったゴーレムを見て、……睨めっこでもしているかのようにじーっと、見つめていた、が正しいかも。
「コボルトたちって、神力に敏感なの? オレ、さっぱりわからないや」
「俺もわからない」
ディーンの言葉に同調するようにバーナードが肩をすくめる。コボルトたちは楽しそうに「そりゃそうだ」と笑った。
「コボルトの鼻は、とても良い!」
「匂いでわかる!」
「人間には無理!」
……なるほど、匂いでわかる……、神力に匂いなんてあるの!? とびっくりしていると、子どものコボルトがジャンプして来た。おっと! と抱きとめると、すんすんとわたしの匂いを嗅ぐ。ひぇ、ちょっと……ううん、かなり恥ずかしいし、首元に顔を埋められてくすぐったーい!
だってモフモフの毛がわたしの首元をくすぐっているんだもん! 変な笑い声が出そうになるのを堪えていると、大人のコボルトがばりっと抱っこしていたコボルトを引き離した。そしてその子にげんこつを落した。ごちん! という中々に痛そうな音に、うわぁ、と小さく声を漏らす。大人のコボルトは頭を下げて謝ってきた。どうやら自分の子らしい。
「申し訳ない、うちの子が」
「あ、いえいえ……」
「あとでたっぷり説教する!」
「うわーん!」
げんこつを落されたコボルトが頭を押さえて泣き出した。相当痛かったんだろうなぁと思っていると、「自業自得!」と怒られていた。その様子を見て、思わずクスクスと笑ってしまった。あの子にとっては笑い事ではないんだろうけど、ついね。
「……アクア」
「なぁに、長老」
「アクアはコボルトたちを助けてくれた恩人。コボルト、受けた恩は忘れない。だから、アクアに恩返しする」
「……?」
長老の言葉に目を瞬かせてこてんと首を傾げる。長老は「ふぉっふぉっ」と笑い、ちらりとコボルトたちに視線を向けると、手を上げているコボルトたちが……。え、なに、どういうこと。
「アクアの役に立ちたいと、傍にいたいと願う者らじゃ」
「えっ?」
ざっと数えただけで二十人(匹?)近くいる。大人と子どもそれぞれだ。
「アクア、恩人。恩返し!」
「いっぱい遊ぶ!」
「人間の世界、見てみたい!」
……最後のは多分、コボルトたちが本当に願っていたことなんだろうなぁと思う。
だって、コボルトたちって森の中で暮らしていて、あまり人里には近付かなかったから。人懐っこい子が行商に来ていたくらい。その子はあちこちを旅しているみたいなのよね。……旅、か。それも良いなぁ。
「コボルトたち、連れて行ってくれる……?」
キューン、と切なそうに鳴かれて、わたしは――……。もちろん今すぐOKを出したい。出したい、けど――。これ、わたしの一存で決めちゃダメなやつ――……! どうしよう、とディーンに視線を向けて助け舟を求めると、ディーンはちょっとだけ困ったように眉を下げて、「……陛下に聞いてみようか」と案を出してくれた。
長老に、わたしひとりでは決められないことを伝えると、待っているといってくれたので、ほっとした。一度、戻らないといけないよね……ああでも、このモフモフぷにぷににもっと囲まれていたい……というか、全然遊び足りないから、ディーンとバーナードに頼み込んでコボルトたちと満足するまで遊んでから帰ることにした。まだまだ遊び足りない!
……それに、実をいうと『遊ぶ』というのが初めてだったりする。ほら、五歳の頃から聖女として育てられていたから……。たまーに息抜きのために魔法を使って遊ぶくらいしかなくて、それもほとんどひとりで遊んでいたから、こんな風にコボルトたちとワイワイ楽しめるのってすっごく楽しみだったんだよね……!
まぁ、もちろん、ディーンとバーナードも遊びに巻き込んで、目いっぱい遊んじゃおうとは思っていた。こんなに歓迎してくれているんだし!
コボルトたちに「遊ぼう!」と声を掛けると、わぁいとみんな集まって来てくれた。
「アクアのゴーレム!」
「たくさん!」
「お守り!」
……うん? お守り? どういうこと? と首を傾げると、長老がゴーレムの頭を撫でながら話し掛けて来た。
「神力のゴーレム、コボルトたちを守る」
「……、神力のゴーレム?」
ゴーレムを作る時に使うのは土魔法で、神力は使っていないと思っていたけど……。自分で気付かないうちに使っていたってことなのかな。
「神力のゴーレム、これだけあれば魔物に襲われる心配もない」
「コボルトたち、安全に暮らせる」
「ありがとう、アクア」
「ど、どういたしまして……?」
……もしかして、神殿でゴーレム作った時に好評だったのって、神力のゴーレムだったから……? なるほど、だから神官長がなにもいわなかったのか、長年の謎が今解けた! そういえば確かに神殿の周りって魔物の被害がなかったわ。……わたしが結界を張っていたから、と思ったけど、結界が破れた後も被害はなさそうだったし、……すごいな、ゴーレム。いやこの場合すごいのってもしかして、わたし? なんて、ね。
「土魔法を使う時にも神力使ってたんだ……」
「もしかして、気付いていなかったのか?」
「うん……」
小声で呟いた言葉。それを聞いたバーナードに問われてうなずく。彼は「ふぅん」とだけいって、あとはなにも喋らなかった。ディーンはひょいとわたしが作ったゴーレムを見て、……睨めっこでもしているかのようにじーっと、見つめていた、が正しいかも。
「コボルトたちって、神力に敏感なの? オレ、さっぱりわからないや」
「俺もわからない」
ディーンの言葉に同調するようにバーナードが肩をすくめる。コボルトたちは楽しそうに「そりゃそうだ」と笑った。
「コボルトの鼻は、とても良い!」
「匂いでわかる!」
「人間には無理!」
……なるほど、匂いでわかる……、神力に匂いなんてあるの!? とびっくりしていると、子どものコボルトがジャンプして来た。おっと! と抱きとめると、すんすんとわたしの匂いを嗅ぐ。ひぇ、ちょっと……ううん、かなり恥ずかしいし、首元に顔を埋められてくすぐったーい!
だってモフモフの毛がわたしの首元をくすぐっているんだもん! 変な笑い声が出そうになるのを堪えていると、大人のコボルトがばりっと抱っこしていたコボルトを引き離した。そしてその子にげんこつを落した。ごちん! という中々に痛そうな音に、うわぁ、と小さく声を漏らす。大人のコボルトは頭を下げて謝ってきた。どうやら自分の子らしい。
「申し訳ない、うちの子が」
「あ、いえいえ……」
「あとでたっぷり説教する!」
「うわーん!」
げんこつを落されたコボルトが頭を押さえて泣き出した。相当痛かったんだろうなぁと思っていると、「自業自得!」と怒られていた。その様子を見て、思わずクスクスと笑ってしまった。あの子にとっては笑い事ではないんだろうけど、ついね。
「……アクア」
「なぁに、長老」
「アクアはコボルトたちを助けてくれた恩人。コボルト、受けた恩は忘れない。だから、アクアに恩返しする」
「……?」
長老の言葉に目を瞬かせてこてんと首を傾げる。長老は「ふぉっふぉっ」と笑い、ちらりとコボルトたちに視線を向けると、手を上げているコボルトたちが……。え、なに、どういうこと。
「アクアの役に立ちたいと、傍にいたいと願う者らじゃ」
「えっ?」
ざっと数えただけで二十人(匹?)近くいる。大人と子どもそれぞれだ。
「アクア、恩人。恩返し!」
「いっぱい遊ぶ!」
「人間の世界、見てみたい!」
……最後のは多分、コボルトたちが本当に願っていたことなんだろうなぁと思う。
だって、コボルトたちって森の中で暮らしていて、あまり人里には近付かなかったから。人懐っこい子が行商に来ていたくらい。その子はあちこちを旅しているみたいなのよね。……旅、か。それも良いなぁ。
「コボルトたち、連れて行ってくれる……?」
キューン、と切なそうに鳴かれて、わたしは――……。もちろん今すぐOKを出したい。出したい、けど――。これ、わたしの一存で決めちゃダメなやつ――……! どうしよう、とディーンに視線を向けて助け舟を求めると、ディーンはちょっとだけ困ったように眉を下げて、「……陛下に聞いてみようか」と案を出してくれた。
長老に、わたしひとりでは決められないことを伝えると、待っているといってくれたので、ほっとした。一度、戻らないといけないよね……ああでも、このモフモフぷにぷににもっと囲まれていたい……というか、全然遊び足りないから、ディーンとバーナードに頼み込んでコボルトたちと満足するまで遊んでから帰ることにした。まだまだ遊び足りない!
……それに、実をいうと『遊ぶ』というのが初めてだったりする。ほら、五歳の頃から聖女として育てられていたから……。たまーに息抜きのために魔法を使って遊ぶくらいしかなくて、それもほとんどひとりで遊んでいたから、こんな風にコボルトたちとワイワイ楽しめるのってすっごく楽しみだったんだよね……!
まぁ、もちろん、ディーンとバーナードも遊びに巻き込んで、目いっぱい遊んじゃおうとは思っていた。こんなに歓迎してくれているんだし!
コボルトたちに「遊ぼう!」と声を掛けると、わぁいとみんな集まって来てくれた。
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