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2章
110話
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「……アクアさま、私もご一緒してもよろしいですか?」
「え?」
「お茶会ということは、他の令嬢たちも来るでしょうから」
……多分、男性は参加しないから、ディーンたちはなにかあった時に対応が遅れるとは思う。わたしはじっと彼女を見つめる。彼女もわたしの目を見つめた。ユーニスはそのままにこっと微笑みを浮かべて、目を伏せてもう一度お茶を飲んだ。
「あのね、ユーニス。わたし、今回は『王族』として、ではなく、参加しようと思っていたの」
「と、言うと?」
「マクファーソン家は、元ダラム王国の国境近くでしょう?」
聞いたのはディーンたちからだけど……。それを聞いた時に、わたしは今回、『王族』としての姿ではなく、聖職者のローブを着て行こうと思っていたのだ。わたしの今の身分は聖職者ではないけれど……、お母さまたちを祈るのには、ぴったりな格好だと思うし……、なにより、聖職者のローブを着ると、気持ちが強くなれる気がした。
ドレス姿も優雅だな、とは思うけど……。
「……それは、ますますついて行きたくなりましたわ」
「へ?」
「私は『王族』としてのアクアさまは知っておりますが、聖職者としてのアクアさまは存じておりませんから」
楽しそうにいわれて、びっくりした。……王族としてのわたし? と首を傾げた。確かに貴族教育を受けている時はドレス姿だ。ドレスとハイヒールに慣れるために。ダンスもハイヒールで踊らないと、慣れないし……。
ああ、でもルーカス陛下がリードしてくれたダンスはとても踊りやすかった。
「……まぁ、別に構いませんが……。あ、待って。ルーカス兄さまに聞いてみます」
「そうですね、お許しが頂けたら……」
わたしがすいすいと空中に文字を書いてそっと手の中に閉じ込める。手を広げると連絡鳥が飛んでいく。返事はすぐに来た。大丈夫みたい。
「……アクアさまは本当に、ルーカス陛下に特別扱いされていますね」
「そう?」
「ええ、こんなにすぐに返事が来るのですから」
「……ははは……」
判断基準そこなのかな? ……でも、確かに返事が来るの早いよね……。ルーカス陛下も忙しいだろうから、あんまり負担掛けないようにしなくちゃなぁ……。
「えっと、では、お茶会の日付なのですが――……」
そこからはとんとん拍子に話が進んだ。転移石を使えばあっという間に辿り着くけれど、ササとセセに外の世界を見せるという目的もあるし、わたしもこの国のことを知りたいからのんびりと馬車の旅になる。楽しみだ。
「……ユーニス、本当について来て良いの?」
「構いませんよ。アクアさまの教育も、週に一回ですし……」
本当はもっと来たいのですが……と頬に手を添えるユーニスに、わたしは肩をすくめた。
「そんなにわたしに会いたいの?」
なんて、思わず自意識過剰なことを口にしてみると、ユーニスは一瞬目を丸くしてそれから、「そうですね」と優雅に笑う。
「アクアさまに教えたいことが、山のようにありますから」
「……ほ、ほどほどでお願いしまーす……」
「それはアクアさま次第ですわ」
確かに貴族の教育は受けていないけどね、覚えることが大量で先に覚えた内容から抜けて行っちゃいそう……。
……それにしても、本当に優雅だ。カップを持つ角度から始まって、口のつけ方、クッキーを摘む仕草でさえ……。わたしが見惚れていると、「アクアさまも出来るようになりますよ」と優しくいわれた。
「ユーニスは……どうしてわたしの家庭教師になろうと思ったの?」
「ルーカス陛下に頼まれたのもありますが……、個人的に、シャーリーさまとの交友関係もありましたから」
「え、そうだったの?」
わたしの記憶には全然ない……。
「はい。シャーリーさまはいつも優しく接してくれました。私のことを、友人だと言ってくれましたし……。ただ、アクアさまが産まれた頃に私も出産しまして、中々会えなくなってしまいました」
膝の上で手を組んで目を閉じた。……どこか、後悔しているように見えた。
「ユーニス……?」
「旅行のこと、聞いていたのです。少しの間、家族で旅行してくるから、お土産とお土産話を待っていて、と……」
「……そっか」
訃報を聞いた時、とても驚いただろう。そして、悲しみに暮れたのだろう。……それにしても、ユーニスもお母さまと仲が良かったのか……。……一体どうやって知り合ったんだろうなぁ……。
「……わたしにも、友人が出来ますかね?」
「出来ると思いますよ。……どのような令嬢が集まっているかでも、変わりますが……」
「まぁ、そうだよね……」
でも、友人が出来るのならとっても嬉しい。女友達いないもの……。屋敷で一緒に暮らしているメイドたちは、どちらかといえば家族のようなものだし。
わたしは期待と不安で胸がドキドキし始めた。……お茶会はまだ先だというのに、気が早いかもしれないね。
「え?」
「お茶会ということは、他の令嬢たちも来るでしょうから」
……多分、男性は参加しないから、ディーンたちはなにかあった時に対応が遅れるとは思う。わたしはじっと彼女を見つめる。彼女もわたしの目を見つめた。ユーニスはそのままにこっと微笑みを浮かべて、目を伏せてもう一度お茶を飲んだ。
「あのね、ユーニス。わたし、今回は『王族』として、ではなく、参加しようと思っていたの」
「と、言うと?」
「マクファーソン家は、元ダラム王国の国境近くでしょう?」
聞いたのはディーンたちからだけど……。それを聞いた時に、わたしは今回、『王族』としての姿ではなく、聖職者のローブを着て行こうと思っていたのだ。わたしの今の身分は聖職者ではないけれど……、お母さまたちを祈るのには、ぴったりな格好だと思うし……、なにより、聖職者のローブを着ると、気持ちが強くなれる気がした。
ドレス姿も優雅だな、とは思うけど……。
「……それは、ますますついて行きたくなりましたわ」
「へ?」
「私は『王族』としてのアクアさまは知っておりますが、聖職者としてのアクアさまは存じておりませんから」
楽しそうにいわれて、びっくりした。……王族としてのわたし? と首を傾げた。確かに貴族教育を受けている時はドレス姿だ。ドレスとハイヒールに慣れるために。ダンスもハイヒールで踊らないと、慣れないし……。
ああ、でもルーカス陛下がリードしてくれたダンスはとても踊りやすかった。
「……まぁ、別に構いませんが……。あ、待って。ルーカス兄さまに聞いてみます」
「そうですね、お許しが頂けたら……」
わたしがすいすいと空中に文字を書いてそっと手の中に閉じ込める。手を広げると連絡鳥が飛んでいく。返事はすぐに来た。大丈夫みたい。
「……アクアさまは本当に、ルーカス陛下に特別扱いされていますね」
「そう?」
「ええ、こんなにすぐに返事が来るのですから」
「……ははは……」
判断基準そこなのかな? ……でも、確かに返事が来るの早いよね……。ルーカス陛下も忙しいだろうから、あんまり負担掛けないようにしなくちゃなぁ……。
「えっと、では、お茶会の日付なのですが――……」
そこからはとんとん拍子に話が進んだ。転移石を使えばあっという間に辿り着くけれど、ササとセセに外の世界を見せるという目的もあるし、わたしもこの国のことを知りたいからのんびりと馬車の旅になる。楽しみだ。
「……ユーニス、本当について来て良いの?」
「構いませんよ。アクアさまの教育も、週に一回ですし……」
本当はもっと来たいのですが……と頬に手を添えるユーニスに、わたしは肩をすくめた。
「そんなにわたしに会いたいの?」
なんて、思わず自意識過剰なことを口にしてみると、ユーニスは一瞬目を丸くしてそれから、「そうですね」と優雅に笑う。
「アクアさまに教えたいことが、山のようにありますから」
「……ほ、ほどほどでお願いしまーす……」
「それはアクアさま次第ですわ」
確かに貴族の教育は受けていないけどね、覚えることが大量で先に覚えた内容から抜けて行っちゃいそう……。
……それにしても、本当に優雅だ。カップを持つ角度から始まって、口のつけ方、クッキーを摘む仕草でさえ……。わたしが見惚れていると、「アクアさまも出来るようになりますよ」と優しくいわれた。
「ユーニスは……どうしてわたしの家庭教師になろうと思ったの?」
「ルーカス陛下に頼まれたのもありますが……、個人的に、シャーリーさまとの交友関係もありましたから」
「え、そうだったの?」
わたしの記憶には全然ない……。
「はい。シャーリーさまはいつも優しく接してくれました。私のことを、友人だと言ってくれましたし……。ただ、アクアさまが産まれた頃に私も出産しまして、中々会えなくなってしまいました」
膝の上で手を組んで目を閉じた。……どこか、後悔しているように見えた。
「ユーニス……?」
「旅行のこと、聞いていたのです。少しの間、家族で旅行してくるから、お土産とお土産話を待っていて、と……」
「……そっか」
訃報を聞いた時、とても驚いただろう。そして、悲しみに暮れたのだろう。……それにしても、ユーニスもお母さまと仲が良かったのか……。……一体どうやって知り合ったんだろうなぁ……。
「……わたしにも、友人が出来ますかね?」
「出来ると思いますよ。……どのような令嬢が集まっているかでも、変わりますが……」
「まぁ、そうだよね……」
でも、友人が出来るのならとっても嬉しい。女友達いないもの……。屋敷で一緒に暮らしているメイドたちは、どちらかといえば家族のようなものだし。
わたしは期待と不安で胸がドキドキし始めた。……お茶会はまだ先だというのに、気が早いかもしれないね。
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