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3章
132話
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彼らはここアルストル帝国で魔物討伐隊として働いていた。
ひょんなことからわたしがディーンを助けたのがきっかけで知りあった。
そして、いろいろあって、彼らはわたしの護衛としてこの屋敷に住んでいる。
――いや、本当にいろいろなことがあったわ……。思わず目元を細めて遠くを見る。
「アクア?」
「大丈夫か?」
「ああ、ごめん、大丈夫よ……。ちょっと、数ヶ月前までのことを思い出していただけだから」
ディーンとバーナードも祈りを捧げ、三人で食堂に向かった。
食堂にはすでにセッティングされていた。それもそのはず。
なんと今日は、ルーカス兄さまも一緒に朝食を食べるのだ。
と、いうのも、リリィに会いに(他の聖女や聖者も気になっていたし)行きたいとルーカス兄さまに相談したら、「なら、私も行こう」とさらっと言われたのよね。
で、どうせだから一緒に朝食を食べてからにしようってことになり、神殿に行くからわたしは聖職者のローブを着たいと自分の要望を伝えると、ルーカス兄さまがこっちに来てくれることになったの。
「……陛下の口に合えば良いのですが……」
そう言ったのは料理長。
……そう、料理長を決めたのだ。
みんなでいろいろと話し合った結果、一番料理上な人に決まった。本人は『マジっすか!?』と驚いていたけれど、彼の料理の腕は確かだ。
いや、本当……この屋敷に人が集まったおかげで、最初の数ヶ月の手探りはなんだったんだってくらい、役割が決まっていった。
まずはわたし、アクア・ルックス。このルックス邸の主人だ。
その正体はなんと、大聖女ステラの孫にして王族の血を引く『リネット・アンジェリカ・ウィルモット』。
……自分でなんと、っていうとちょっと虚しいわね……。
わたしは五歳の頃、ダラム王国(現アルストル帝国の領地)に攫われた。その時、大好きだった両親や護衛を失った。その記憶を封じ込めて、ダラム王国の神殿で『アクア・ルックス』と名付けられ、聖女としてダラム王国を守っていた。……守っていた、つもり。
そしてある日突然、偽物の聖女だから追放するっ! ってダラム王国から追放された結果、このアルストル帝国にたどり着いた。
……たどり着いたというか、ダラム王国の神官長の優しさ(?)でここまで飛ばされた。
わたしの現在の役目は、『ルーカス兄さまの味方でいること』。
現帝王とはいえ、ルーカス兄さまの信頼できる味方は多くはないらしい。
ダラム王国にウィルモット家の旅行がバレていた件、見知らぬ人が突然街道でナイフを振り回していた件、わたしを襲った人たちが呪術で亡くなった件――。
ルーカス兄さまは、そのことが繋がっていると考えている。
そして、どういうわけか知らないけれど、わたしはどうやら狙われているようだ。
どうして命を狙われているのかはわからないけれど、どうあっても『アクア・ルックス』が邪魔な人がいるということ。
だけど、そんなことでめげるわたしじゃない。
わたしは戦うことを決めた。
だから現在は、家庭教師であるユーニスに週三日来てもらい、様々なことを学んでいる。
次にディーン。
彼は元魔物討伐隊の隊長で、瘴気の森と呼ばれていたところで大けがをしていた。それを助けたわたしは、ディーンの誘いに乗ってノースモア公爵家でメイドとして働くことになった。
……約十日でクビになったけどね!
まあ、それは置いといて……。ディーンは水色に近い銀色の髪と薄紫の瞳がとても似合うイケメンだ。……残念ながらわたしの好みではないのだけど、誰が見ても『この人素敵!』というだろう。多分。
そんな彼だが、実は人間ではないらしい。
魔術で作られた人間――……。それがディーンの正体だ。
ルーカス兄さまの前の陛下が、永遠の命を望んだ結果……らしいが、本人はそんなこと知らないようなので、わたしも普通に接している。
その秘密を知る人は、わたしの他にルーカス兄さま、そしてバーナードだ。
「アクア?」
ぼーっとしているように見えたのか、ディーンがわたしの目の前で手を振る。
ちらりとディーンとテーブルに視線を向けて、肩をすくめた。
「……うーん、なんというか……朝から豪勢ね……」
テーブルの上には次々と料理が乗せられていく。
朝からこんなに作ったのか……昨日、一体どれくらい仕込んだのだろう?
「そりゃあまぁ、陛下が来るってわかったら、張り切らないワケにはいかないだろうからな……」
バーナードもその量の多さにちょっと引いている。
――ルーファス・バーナード・セシル・ピアソン。
わたしに真名の誓いをした人。
……とはいえ、現在はそんなことあった? ってくらい前と同じ態度だ。そりゃあ、いきなり態度がガラっと変わったら驚くけれど、誓った後も普通に接してくれるから、あれはバーナードなりに気を遣ってくれたのかなぁ? とも考えるわけで……。
いやまあ、それはいいの。今のわたしは、なぜわたしが狙われているかが知りたいし、対処したいから。
それに……わたし自身がバーナードをどう思っているか、なんてよくわからないしね……。
ゆっくりと考えられるようになってから……なんて思っていたりする。
真名の誓い――。わたしたちを結ぶその誓いに、レディとして応えられる日がくるのかな……?
ひょんなことからわたしがディーンを助けたのがきっかけで知りあった。
そして、いろいろあって、彼らはわたしの護衛としてこの屋敷に住んでいる。
――いや、本当にいろいろなことがあったわ……。思わず目元を細めて遠くを見る。
「アクア?」
「大丈夫か?」
「ああ、ごめん、大丈夫よ……。ちょっと、数ヶ月前までのことを思い出していただけだから」
ディーンとバーナードも祈りを捧げ、三人で食堂に向かった。
食堂にはすでにセッティングされていた。それもそのはず。
なんと今日は、ルーカス兄さまも一緒に朝食を食べるのだ。
と、いうのも、リリィに会いに(他の聖女や聖者も気になっていたし)行きたいとルーカス兄さまに相談したら、「なら、私も行こう」とさらっと言われたのよね。
で、どうせだから一緒に朝食を食べてからにしようってことになり、神殿に行くからわたしは聖職者のローブを着たいと自分の要望を伝えると、ルーカス兄さまがこっちに来てくれることになったの。
「……陛下の口に合えば良いのですが……」
そう言ったのは料理長。
……そう、料理長を決めたのだ。
みんなでいろいろと話し合った結果、一番料理上な人に決まった。本人は『マジっすか!?』と驚いていたけれど、彼の料理の腕は確かだ。
いや、本当……この屋敷に人が集まったおかげで、最初の数ヶ月の手探りはなんだったんだってくらい、役割が決まっていった。
まずはわたし、アクア・ルックス。このルックス邸の主人だ。
その正体はなんと、大聖女ステラの孫にして王族の血を引く『リネット・アンジェリカ・ウィルモット』。
……自分でなんと、っていうとちょっと虚しいわね……。
わたしは五歳の頃、ダラム王国(現アルストル帝国の領地)に攫われた。その時、大好きだった両親や護衛を失った。その記憶を封じ込めて、ダラム王国の神殿で『アクア・ルックス』と名付けられ、聖女としてダラム王国を守っていた。……守っていた、つもり。
そしてある日突然、偽物の聖女だから追放するっ! ってダラム王国から追放された結果、このアルストル帝国にたどり着いた。
……たどり着いたというか、ダラム王国の神官長の優しさ(?)でここまで飛ばされた。
わたしの現在の役目は、『ルーカス兄さまの味方でいること』。
現帝王とはいえ、ルーカス兄さまの信頼できる味方は多くはないらしい。
ダラム王国にウィルモット家の旅行がバレていた件、見知らぬ人が突然街道でナイフを振り回していた件、わたしを襲った人たちが呪術で亡くなった件――。
ルーカス兄さまは、そのことが繋がっていると考えている。
そして、どういうわけか知らないけれど、わたしはどうやら狙われているようだ。
どうして命を狙われているのかはわからないけれど、どうあっても『アクア・ルックス』が邪魔な人がいるということ。
だけど、そんなことでめげるわたしじゃない。
わたしは戦うことを決めた。
だから現在は、家庭教師であるユーニスに週三日来てもらい、様々なことを学んでいる。
次にディーン。
彼は元魔物討伐隊の隊長で、瘴気の森と呼ばれていたところで大けがをしていた。それを助けたわたしは、ディーンの誘いに乗ってノースモア公爵家でメイドとして働くことになった。
……約十日でクビになったけどね!
まあ、それは置いといて……。ディーンは水色に近い銀色の髪と薄紫の瞳がとても似合うイケメンだ。……残念ながらわたしの好みではないのだけど、誰が見ても『この人素敵!』というだろう。多分。
そんな彼だが、実は人間ではないらしい。
魔術で作られた人間――……。それがディーンの正体だ。
ルーカス兄さまの前の陛下が、永遠の命を望んだ結果……らしいが、本人はそんなこと知らないようなので、わたしも普通に接している。
その秘密を知る人は、わたしの他にルーカス兄さま、そしてバーナードだ。
「アクア?」
ぼーっとしているように見えたのか、ディーンがわたしの目の前で手を振る。
ちらりとディーンとテーブルに視線を向けて、肩をすくめた。
「……うーん、なんというか……朝から豪勢ね……」
テーブルの上には次々と料理が乗せられていく。
朝からこんなに作ったのか……昨日、一体どれくらい仕込んだのだろう?
「そりゃあまぁ、陛下が来るってわかったら、張り切らないワケにはいかないだろうからな……」
バーナードもその量の多さにちょっと引いている。
――ルーファス・バーナード・セシル・ピアソン。
わたしに真名の誓いをした人。
……とはいえ、現在はそんなことあった? ってくらい前と同じ態度だ。そりゃあ、いきなり態度がガラっと変わったら驚くけれど、誓った後も普通に接してくれるから、あれはバーナードなりに気を遣ってくれたのかなぁ? とも考えるわけで……。
いやまあ、それはいいの。今のわたしは、なぜわたしが狙われているかが知りたいし、対処したいから。
それに……わたし自身がバーナードをどう思っているか、なんてよくわからないしね……。
ゆっくりと考えられるようになってから……なんて思っていたりする。
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