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12年目の恋物語
6.叶太と羽鳥
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オレは行き詰まっていた。
正直、何をやっていいのかもう分からない。
ハルは相変わらずで、何とか申し開きをしようにも、少しでも雰囲気を良くして告白しようにも、まるでとりつく島がない。
兄貴の声が頭の中で鳴り響く。
「そりゃ、お前、他に好きな男ができたんだろ?」
いや違う!!
絶対にそんなはずはない!!
だけど、一縷の望みをかけて確認した羽鳥先輩なる人物は、やはり男だった。
しかも学年でも万年トップの秀才で、次期生徒会長じゃないかとも言われてるらしい。
ああ、もうっ!!
昼休み、弁当を食べ終わったハルは図書館へ行った。
当然、オレは置いて行かれた。
これを「当然」と言わなきゃならないのが、心底情けない。
羽鳥先輩と会うのは決まって図書館だと言うから(志穂情報だ)、オレは女々しいと思いつつも、図書館へと向かう。
宿題でもない限り、本など借りたことないのに……。
「あっ」
ちょうど反対の通路から、噂の羽鳥先輩がやってくるのが見えた。
思わず声を上げると、先輩はオレを見て怪訝そうな顔をした。
その後、ああ、というような表情で、妙に頭の良さそうな切れ者顔に笑顔を浮かべた。
「広瀬叶太くんかな?」
え!? まさかのフルネーム。
オレは羽鳥先輩の名も顔も、最近知ったばかりだと言うのに。
逃げ出したい衝動に駆られたが、先輩相手に先に声を上げたのはこっちだ。
今さら知らん顔もできず、オレはバカみたいに、数回縦に頭を振った。
「やあ、何か用?」
口を開かなければ、間違いなく頭の良さそうな切れ者風のイケメン。なのに、口を開けば妙に笑顔が可愛くて好感度抜群……って、反則だろ!?
「えっと、あの……こんにちは」
挨拶なんかして、どうする、オレ!
先輩はクスクス笑いながら、
「こんにちは」
と返事をしてくれた。
羽鳥先輩はオレの方を見て、不思議そうな顔をする。
オレが何も言いそうにないのを感じてか、先輩の方から言葉を続けた。
「ハルちゃんのことかな?」
ハルちゃん!! ハルちゃんって呼んでるのか!!
それは、ハルと仲が良いヤツらがハルを呼ぶ愛称。
羽鳥先輩は、それほどまでにハルと仲が良いのか!?
いや、考えてみれば、お見舞いにって本を貸してよこすくらいには仲が良いはずだ。
本好きなら、ただの知り合いでも見舞いに本を届けるのは普通か!? これは、普通なのか?
……本好きの気持ち、分かんね~!!! ダメだろ、オレ。
オレが固まっているのを見て、羽鳥先輩はクスリと笑った。
……ぐぐっ。
笑うなと言いたいけど、とても言えない。恥ずかしすぎる、オレ。なぜ、ここまで動揺する!?
「キミとハルちゃんも、色々あるみたいだね」
色々……って!? なんで、あんたがそんなこと!?
「え……っと、あの……」
オレが何も言えないでいると、羽鳥先輩は顎に手を当てて、こんなことを言った。
「うーん。これは、ボクにもつけいる隙があるってことかな?」
笑顔で言われたその言葉に、オレの頭はとうとうフリーズした。
完全に目が点。続いて、動揺で目が泳ぐ。
お、お、おいおいおいおいおいおい!! つ、つ、つけいる隙~~~~っ!!?
羽鳥先輩は、また口の端に笑みを浮かべると、
「じゃ、またね」
と、オレの肩をポンと叩き、風のように、オレの横を通り過ぎた。
数秒呆然と立ち尽くした後、慌てて振り返ると、羽鳥先輩は廊下の角を曲がるところだった。
チラリとこちらを見て、先輩はニコリと爽やかな笑顔を見せオレに軽く手を上げ、そのまま見えなくなった。
さ、爽やかすぎだろ……。
これで、学年トップの秀才。
細身で、背の高さはオレと同じくらい。ピンと伸びた背筋、品が良い身のこなし。見るからに頭が良さそうで……。
こう言うタイプを好きな女の子も多いだろう。
多分、羽鳥先輩はモテルに違いない。
反対に、オレは頭はまるっきり凡人。万年平均点。だけど、身体はガッチリ鍛えてある。
羽鳥先輩とは明らかにタイプが違う。
自分で言うのもなんだけど、オレだって素材は悪くないと思う。平日の朝は走り込み、週末は道場に通って空手をする。
運動部に入るとハルとの時間が減るし、文化部には興味がないから、帰宅部。
だけど、大切な女の子を守るにはやっぱり腕力は必要だ。
だから、小学生の頃から気合いを入れて鍛えてきた。
そうするモンだって思ってた。
けど、もしかして、それは大間違いだったのか!?
ハル!! ハルは羽鳥先輩みたいな頭が良い人が好きなのか!?
「そりゃ、お前、他に好きな男ができたんだろ?」
呪いのように、兄貴の言葉が頭の中でこだまする。
違う!! 違う!! 違う!!
繰り返し、兄貴の言葉を否定しながらも、オレは何をよりどころにして良いのか分からなくなってきた。
翌日。
「なあ、斎藤」
体育の授業の帰り、オレは、またしても斎藤にぼやいていた。
「ん? なに?」
「オレ、…………ハルに」
「ん? ハルちゃんがどうした?」
既に過去、何度も愚痴っていたせいか、斎藤は軽く聞き流す気満々の生返事。
「オレ、ハルに嫌われたのかな?」
他に好きな人ができたのかな、じゃないところが、オレの悪あがき。口に出したら、本当になってしまいそうな気がして、言えなかった。
「……ケンカ? 長いよな~」
面倒くさそうに、そう聞き返しつつも、斎藤はケンカだけじゃないよなって顔。
なぜなら、斎藤はハルの隣の席で、毎日オレとハルのやり取りを見ているのだから。
ケンカしてちょっと仲違いって感じじゃないのは、よく分かっているだろう。
「そもそも、ケンカなんてしてないって」
何度も言ってるだろう、と思うけど、斎藤はまるで興味なさげに明後日の方向を見ている。
「なあ、オレ、どうすればいいと思う?」
斎藤はようやく、オレの顔をマジマジと見た。
「だからさ、オレに聞くなって」
「いや、だけど、おまえ、なんか話しやすいんだよなぁ」
今さら、以前からの友人には言いにくい……と思っていたのは最初だけ。
何気なく斎藤に話し出したら、妙に話しやすい。それは、紛れもない事実。
知り合ってようやく二ヶ月とは、とても思えない。コイツといると、まるで昔からの友だちといるような気になる。
いや、同い年なのに落ち着いていて、むしろ先輩とか兄貴とか先生とか、そういう人たちといるような気になってくるのだ。
「話しやすくなんか、ないって!」
「あるって~」
そうして、更に、
「友だちだろ~。教えろよ~」
と続けると、斎藤がうんざりしたような顔でオレを見る。そして、ため息。
つ、冷たい。
「オレ、恋愛って分かんないから」
斎藤が噛んで含めるように、オレに言う。
「いや、……正直、オレも分かんないよ」
本当に。いや、もう、本当に!!
だけど、斎藤は続ける。
「いや、オレはもっと分かんないから」
「…… 拓斗くん、冷たい」
斎藤拓斗、それがコイツのフルネーム。
オレの言葉に、斎藤がふううぅぅっと大きなため息を吐いた。
「オレ、女の子に興味ないし」
「えっ!!? なに! 斎藤、男の子好きなの!?」
「バッ!! 違うわっ!!」
斎藤が慌ててオレの口をふさいだ。
「飛躍しすぎだ! バカ広瀬っ!」
だけど、この慌て方、もしかして……。
オレを半ば羽交い締めにした腕をほどきながら、オレは斎藤の目を見る。
「別に、オレ、偏見ないよ?」
その瞬間、斎藤は口をポカンと開けて固まった。
ん? なんか、違ってた?
「……おーい。拓斗くーん」
手をひらひらっと斎藤の前にかざす。
徐々に斎藤の顔に表情が戻り、赤くなり、それから盛大に吠えた。
「おまえ、いい加減にしろよ!! 誰が男が好きだって!?」
「……あ、違ってた?」
「違うに決まっとろーが!!」
「いや、そんなの分かんないし」
「せめて、オレの言うこと聞けよ」
斎藤がオレの肩をがしっと両手で掴んだ。
「いや、だから聞いたじゃん」
「……なにを?」
「女の子に興味ないって」
「女の子に興味なかったら、男が好きってか? おかしいだろ、それ!」
「……ああ、まあ、そうかも?」
「そうかもじゃ、ないって!!」
はあああぁぁぁ、と斎藤は、盛大なため息を吐いた。
「あーもう。ハルちゃん一筋の広瀬には、分かんないかもな」
「え? なにが?」
「世の中には、女の子に夢中で、女の子しか目に入ってないヤツばっかじゃないってこと」
ゴンと頭を殴られる。
いて。
ってか、オレは女の子に夢中な訳じゃない。
「オレは、ハルが好きなだけで、他の女なんて、目に入ってないぞ!」
斎藤は更に冷たい視線をオレによこした。
正直、何をやっていいのかもう分からない。
ハルは相変わらずで、何とか申し開きをしようにも、少しでも雰囲気を良くして告白しようにも、まるでとりつく島がない。
兄貴の声が頭の中で鳴り響く。
「そりゃ、お前、他に好きな男ができたんだろ?」
いや違う!!
絶対にそんなはずはない!!
だけど、一縷の望みをかけて確認した羽鳥先輩なる人物は、やはり男だった。
しかも学年でも万年トップの秀才で、次期生徒会長じゃないかとも言われてるらしい。
ああ、もうっ!!
昼休み、弁当を食べ終わったハルは図書館へ行った。
当然、オレは置いて行かれた。
これを「当然」と言わなきゃならないのが、心底情けない。
羽鳥先輩と会うのは決まって図書館だと言うから(志穂情報だ)、オレは女々しいと思いつつも、図書館へと向かう。
宿題でもない限り、本など借りたことないのに……。
「あっ」
ちょうど反対の通路から、噂の羽鳥先輩がやってくるのが見えた。
思わず声を上げると、先輩はオレを見て怪訝そうな顔をした。
その後、ああ、というような表情で、妙に頭の良さそうな切れ者顔に笑顔を浮かべた。
「広瀬叶太くんかな?」
え!? まさかのフルネーム。
オレは羽鳥先輩の名も顔も、最近知ったばかりだと言うのに。
逃げ出したい衝動に駆られたが、先輩相手に先に声を上げたのはこっちだ。
今さら知らん顔もできず、オレはバカみたいに、数回縦に頭を振った。
「やあ、何か用?」
口を開かなければ、間違いなく頭の良さそうな切れ者風のイケメン。なのに、口を開けば妙に笑顔が可愛くて好感度抜群……って、反則だろ!?
「えっと、あの……こんにちは」
挨拶なんかして、どうする、オレ!
先輩はクスクス笑いながら、
「こんにちは」
と返事をしてくれた。
羽鳥先輩はオレの方を見て、不思議そうな顔をする。
オレが何も言いそうにないのを感じてか、先輩の方から言葉を続けた。
「ハルちゃんのことかな?」
ハルちゃん!! ハルちゃんって呼んでるのか!!
それは、ハルと仲が良いヤツらがハルを呼ぶ愛称。
羽鳥先輩は、それほどまでにハルと仲が良いのか!?
いや、考えてみれば、お見舞いにって本を貸してよこすくらいには仲が良いはずだ。
本好きなら、ただの知り合いでも見舞いに本を届けるのは普通か!? これは、普通なのか?
……本好きの気持ち、分かんね~!!! ダメだろ、オレ。
オレが固まっているのを見て、羽鳥先輩はクスリと笑った。
……ぐぐっ。
笑うなと言いたいけど、とても言えない。恥ずかしすぎる、オレ。なぜ、ここまで動揺する!?
「キミとハルちゃんも、色々あるみたいだね」
色々……って!? なんで、あんたがそんなこと!?
「え……っと、あの……」
オレが何も言えないでいると、羽鳥先輩は顎に手を当てて、こんなことを言った。
「うーん。これは、ボクにもつけいる隙があるってことかな?」
笑顔で言われたその言葉に、オレの頭はとうとうフリーズした。
完全に目が点。続いて、動揺で目が泳ぐ。
お、お、おいおいおいおいおいおい!! つ、つ、つけいる隙~~~~っ!!?
羽鳥先輩は、また口の端に笑みを浮かべると、
「じゃ、またね」
と、オレの肩をポンと叩き、風のように、オレの横を通り過ぎた。
数秒呆然と立ち尽くした後、慌てて振り返ると、羽鳥先輩は廊下の角を曲がるところだった。
チラリとこちらを見て、先輩はニコリと爽やかな笑顔を見せオレに軽く手を上げ、そのまま見えなくなった。
さ、爽やかすぎだろ……。
これで、学年トップの秀才。
細身で、背の高さはオレと同じくらい。ピンと伸びた背筋、品が良い身のこなし。見るからに頭が良さそうで……。
こう言うタイプを好きな女の子も多いだろう。
多分、羽鳥先輩はモテルに違いない。
反対に、オレは頭はまるっきり凡人。万年平均点。だけど、身体はガッチリ鍛えてある。
羽鳥先輩とは明らかにタイプが違う。
自分で言うのもなんだけど、オレだって素材は悪くないと思う。平日の朝は走り込み、週末は道場に通って空手をする。
運動部に入るとハルとの時間が減るし、文化部には興味がないから、帰宅部。
だけど、大切な女の子を守るにはやっぱり腕力は必要だ。
だから、小学生の頃から気合いを入れて鍛えてきた。
そうするモンだって思ってた。
けど、もしかして、それは大間違いだったのか!?
ハル!! ハルは羽鳥先輩みたいな頭が良い人が好きなのか!?
「そりゃ、お前、他に好きな男ができたんだろ?」
呪いのように、兄貴の言葉が頭の中でこだまする。
違う!! 違う!! 違う!!
繰り返し、兄貴の言葉を否定しながらも、オレは何をよりどころにして良いのか分からなくなってきた。
翌日。
「なあ、斎藤」
体育の授業の帰り、オレは、またしても斎藤にぼやいていた。
「ん? なに?」
「オレ、…………ハルに」
「ん? ハルちゃんがどうした?」
既に過去、何度も愚痴っていたせいか、斎藤は軽く聞き流す気満々の生返事。
「オレ、ハルに嫌われたのかな?」
他に好きな人ができたのかな、じゃないところが、オレの悪あがき。口に出したら、本当になってしまいそうな気がして、言えなかった。
「……ケンカ? 長いよな~」
面倒くさそうに、そう聞き返しつつも、斎藤はケンカだけじゃないよなって顔。
なぜなら、斎藤はハルの隣の席で、毎日オレとハルのやり取りを見ているのだから。
ケンカしてちょっと仲違いって感じじゃないのは、よく分かっているだろう。
「そもそも、ケンカなんてしてないって」
何度も言ってるだろう、と思うけど、斎藤はまるで興味なさげに明後日の方向を見ている。
「なあ、オレ、どうすればいいと思う?」
斎藤はようやく、オレの顔をマジマジと見た。
「だからさ、オレに聞くなって」
「いや、だけど、おまえ、なんか話しやすいんだよなぁ」
今さら、以前からの友人には言いにくい……と思っていたのは最初だけ。
何気なく斎藤に話し出したら、妙に話しやすい。それは、紛れもない事実。
知り合ってようやく二ヶ月とは、とても思えない。コイツといると、まるで昔からの友だちといるような気になる。
いや、同い年なのに落ち着いていて、むしろ先輩とか兄貴とか先生とか、そういう人たちといるような気になってくるのだ。
「話しやすくなんか、ないって!」
「あるって~」
そうして、更に、
「友だちだろ~。教えろよ~」
と続けると、斎藤がうんざりしたような顔でオレを見る。そして、ため息。
つ、冷たい。
「オレ、恋愛って分かんないから」
斎藤が噛んで含めるように、オレに言う。
「いや、……正直、オレも分かんないよ」
本当に。いや、もう、本当に!!
だけど、斎藤は続ける。
「いや、オレはもっと分かんないから」
「…… 拓斗くん、冷たい」
斎藤拓斗、それがコイツのフルネーム。
オレの言葉に、斎藤がふううぅぅっと大きなため息を吐いた。
「オレ、女の子に興味ないし」
「えっ!!? なに! 斎藤、男の子好きなの!?」
「バッ!! 違うわっ!!」
斎藤が慌ててオレの口をふさいだ。
「飛躍しすぎだ! バカ広瀬っ!」
だけど、この慌て方、もしかして……。
オレを半ば羽交い締めにした腕をほどきながら、オレは斎藤の目を見る。
「別に、オレ、偏見ないよ?」
その瞬間、斎藤は口をポカンと開けて固まった。
ん? なんか、違ってた?
「……おーい。拓斗くーん」
手をひらひらっと斎藤の前にかざす。
徐々に斎藤の顔に表情が戻り、赤くなり、それから盛大に吠えた。
「おまえ、いい加減にしろよ!! 誰が男が好きだって!?」
「……あ、違ってた?」
「違うに決まっとろーが!!」
「いや、そんなの分かんないし」
「せめて、オレの言うこと聞けよ」
斎藤がオレの肩をがしっと両手で掴んだ。
「いや、だから聞いたじゃん」
「……なにを?」
「女の子に興味ないって」
「女の子に興味なかったら、男が好きってか? おかしいだろ、それ!」
「……ああ、まあ、そうかも?」
「そうかもじゃ、ないって!!」
はあああぁぁぁ、と斎藤は、盛大なため息を吐いた。
「あーもう。ハルちゃん一筋の広瀬には、分かんないかもな」
「え? なにが?」
「世の中には、女の子に夢中で、女の子しか目に入ってないヤツばっかじゃないってこと」
ゴンと頭を殴られる。
いて。
ってか、オレは女の子に夢中な訳じゃない。
「オレは、ハルが好きなだけで、他の女なんて、目に入ってないぞ!」
斎藤は更に冷たい視線をオレによこした。
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