57 / 151
13年目のやさしい願い
23.最期の願い1
しおりを挟む
例の女の子。カナが助けたという子。
カナに彼女と直接話してもらわない限り、何も解決しないと思った。
見ているだけでも気持ちの良い終わり方じゃなかったけど、そちらは、とにかく片がついた。
同じように、一ヶ谷くんにも自分の口から話さないと、何も変わらないと思った。カナが一ヶ谷くんを追い払っているだけじゃ、いつまで経っても、何も変わらないから。
……なのに、結局、最後まで話せなかった。
「ハル!? 大丈夫か?」
カナが背中をさすってくれる。
気持ち悪い。
心臓がイヤな感じに拍動を打つ。
また不整脈。
また……と思った。最近、以前より不整脈が出やすくなっている。
息苦しい。
なんで私は、いつも、こうなんだろう。
ああ、でも、最後までは聞いてあげられなかったけど、言わなきゃいけないことは言えたんだ。
そう思うと、少しだけホッとした。
「斎藤、先生呼んできて」
「了解!」
「志穂、救急車!」
「分かった!」
いいよ。大丈夫だから。
……と思うのは気持ちだけで、実際には、ぜんぜん大丈夫じゃなかった。
気持ち悪い。……吐く。
目尻から涙がこぼれ落ちた。
「ハル、我慢しないでいいから、吐いて」
支えられ、背中をさすってもらいながら、絞り出すように、胃の中身をぜんぶ戻した。
苦しくて、ただ苦しくて。
ごめんね、いつもこんなことばっかりで、ごめんね、
そう思いながら、わたしの意識はゆっくりと暗転した。
◇ ◇ ◇
夢を見た。
ずっとずっと、忘れていた。
忘れたふりをして、心の奥にしまい込んでいた悲しい記憶。
思い出したくない。忘れていたかったのに……。
そう思いながら、わたしはまた子どもになって、瑞希ちゃんの病室にいた。
「瑞希ちゃん、大丈夫?」
「……ん。ちょっと、なんか……動悸が、」
珍しく、二人同じ時期に入院していた。
食事の後、おしゃべりしている時、顔色が急激に悪くなり、瑞希ちゃんはそのまま丸くなり苦しそうに胸を押さえた。
「瑞希ちゃん!!」
わたしは、慌ててナースコールを押した。
すぐに、慌ただしく看護師さんが入ってきて、やがて、先生たちも駆け込んできた。
「外に出ていなさい」
そう言われて、後ろ髪を引かれながらも病室の外に出た。
自分にできることなど何もないと分かっていても、その場を離れられなかった。どうすれば良いか分からなくて、ドアの外、廊下で呆然と立ち尽くした九歳のわたし。
遠くでガラガラと音がしたと思ったら、病室に、見慣れた機械がいくつも運び込まれて行った。心電図モニターや酸素はまだしも、電気ショックの機械が運び込まれるというのが、どういうことか、小学生のわたしにも十分理解できた。
……瑞希ちゃん!
両手を組み合わせて、祈るくらいしか、わたしにできることはなかった。
どれほどの時間、そこで立ち尽くしただろう?
しばらく後、険しい表情で病室を出て来た看護師さんが、わたしの元にやってきた。
「瑞希ちゃんが、どうしても話したいって」
看護師さんに、躊躇いがちに声をかけられた。
まだほんの子どものわたしが、これから起こるかもしれない事態を理解しているのか、受け止められるのか、測っているのだと思った。
物心がついた頃から、病院はわたしにとって、第二の家と言えるくらいに、なじみの場所だった。
特別室という、少しだけ隔離された場所。だけど、総合病院に長く入院すれば、人の死には何度も出会う。
瑞希ちゃんは、今、死の淵にいる。
子どもだったわたしにも、それは、ひしひしと感じられた。
そして、瑞希ちゃんが、そこから戻ってこられるかは、わたしには分からなかった。
ただ、戻って来てと、心から願うしかできなかった。
今、瑞希ちゃんがどんな状態にしろ、会いたいと言ってくれているのなら、会わない理由はない。
迷うことなく、わたしは看護師さんの差し出した手を取った。
「瑞希ちゃん」
酸素マスクを、心電図計を、何本もの点滴をつけられて……瑞希ちゃんは、さっきまでと同じベッドに横たわっていた。
同じはずなのに、まるで別の部屋のようだった。
ピッピッピッピッ
機械の音が鳴り響く室内、瑞希ちゃんの枕元に、導かれた。
苦しそうに力なく横たわっていたけど、わたしを呼んでくれと言うだけあって、瑞希ちゃんの意識はしっかりしていた。わたしを見ると口元を緩めて、小さくほほ笑んでくれた。
ごめんね。
パパも、ママも、裕也くんも、間に合わないみたいで。
急だったから、手紙も残せなかった。
瑞希ちゃんは、ささやくように、途切れ途切れに、そんなことを話した。
考えたくもなかったけど、瑞希ちゃんの命の灯が消えかかっているのが、肌で感じられた。
まるで手のひらにすくった砂が、サラサラと指の間からこぼれるように、瑞希ちゃんの命が急激に流れ出しているのを感じた。
瑞希ちゃんは、とても息苦しそうで、しゃべらない方が良いよ……って、普通なら絶対に言うって状態なのに、お医者様も看護師さんも、誰一人として、瑞希ちゃんがしゃべるのを止めなかった。
裕也くんに、伝えてくれる?
わたしは、瑞希ちゃんの血の気のない手を握りしめて、「うん」と頷いた。
まるで氷のように冷たい手だった。
暖めてあげたくて、少しでも暖めてあげたくて、両手で包み込むように、瑞希ちゃんの手を握った。
なのに、わたしの手は小さくて、瑞希ちゃんの手を暖めるには、ぜんぜん足りなくて、自分の無力さを突きつけられた気がして、やるせない想いが胸に押し寄せた。
一瞬、まるで遠くを見るような目をして、それから瑞希ちゃんは言った。
忘れていいよ。
幸せになって。
そう言うと、瑞希ちゃんは一仕事終えたとでもいうような、どこかホッとしたような顔をした。
それから、瑞希ちゃんはわたしの目を見て言った。
こんなこと頼んで、ごめんね。
大好きだったよ、陽菜ちゃん。
「瑞希ちゃん!」
まるで最期の言葉。お別れの言葉だった。
だけど、瑞希ちゃんの命の灯は、その時には消えなかった。
瑞希ちゃんは、わたしに微笑むと、眠るように目をつむった。
瑞希ちゃんの意識が途絶えた後、わたしは病室から出された。
わたしと話した後は、一度も目覚めないまま、
瑞希ちゃんは夕刻、ようやく駆けつけた両親と裕也くんに見取られて……天国に旅立った。高校二年生……まだ十七歳だった。
翌朝、瑞希ちゃんが亡くなったことを知らされたわたしは、泣いて泣いて泣いて泣いて、目が溶けるんじゃないかってくらいに泣いて、入院中だったのにムリを言って、外泊許可を取って、パパにお通夜に連れて行ってもらった。
棺の中の瑞希ちゃんは、とても綺麗で、裕也くんは、赤い目をしていたけど、とても落ち着いた声でわたしに、
「来てくれて、ありがとう」
って言った。
言わなきゃって、思った。もう会えないかもしれないって、思ったから。
瑞希ちゃんの家は遠くて、病院に来る用事がなくなったら、もう会えない。
忘れていいよ。
幸せになって。
瑞希ちゃんの最期の言葉を継げると、裕也くんは、号泣した。
「忘れられるわけない! 瑞希なしに、幸せなんてっ」
「オレより長生きするって、言ったじゃないか!」
「オレに診察させてやるってっ、早く一人前になれって……」
「こんなに早くに別れることになるのなら、もっと側にいればよかった」
裕也くんの囁くような小さな声。
嗚咽と共に絞り出される悲しい言葉。
周りの人は、号泣する裕也くんを見てすすり泣いた。
遺影の中の瑞希ちゃんは、輝くような笑顔で。それは、いつか見せてもらった、裕也くんとのデートの時の写真。
瑞希ちゃんの隣には、本当は裕也くんがいたはずだったのに、つないでいた手は、ほどかれて、二度と戻らない……。
わたしは、ポロポロと涙をこぼし、ただ、立ち尽くすしかできなかった。
わたしの告げた言葉で裕也くんが号泣する。その姿を目の当たりにしても、幼いわたしにできることは何もなかった。
カナに彼女と直接話してもらわない限り、何も解決しないと思った。
見ているだけでも気持ちの良い終わり方じゃなかったけど、そちらは、とにかく片がついた。
同じように、一ヶ谷くんにも自分の口から話さないと、何も変わらないと思った。カナが一ヶ谷くんを追い払っているだけじゃ、いつまで経っても、何も変わらないから。
……なのに、結局、最後まで話せなかった。
「ハル!? 大丈夫か?」
カナが背中をさすってくれる。
気持ち悪い。
心臓がイヤな感じに拍動を打つ。
また不整脈。
また……と思った。最近、以前より不整脈が出やすくなっている。
息苦しい。
なんで私は、いつも、こうなんだろう。
ああ、でも、最後までは聞いてあげられなかったけど、言わなきゃいけないことは言えたんだ。
そう思うと、少しだけホッとした。
「斎藤、先生呼んできて」
「了解!」
「志穂、救急車!」
「分かった!」
いいよ。大丈夫だから。
……と思うのは気持ちだけで、実際には、ぜんぜん大丈夫じゃなかった。
気持ち悪い。……吐く。
目尻から涙がこぼれ落ちた。
「ハル、我慢しないでいいから、吐いて」
支えられ、背中をさすってもらいながら、絞り出すように、胃の中身をぜんぶ戻した。
苦しくて、ただ苦しくて。
ごめんね、いつもこんなことばっかりで、ごめんね、
そう思いながら、わたしの意識はゆっくりと暗転した。
◇ ◇ ◇
夢を見た。
ずっとずっと、忘れていた。
忘れたふりをして、心の奥にしまい込んでいた悲しい記憶。
思い出したくない。忘れていたかったのに……。
そう思いながら、わたしはまた子どもになって、瑞希ちゃんの病室にいた。
「瑞希ちゃん、大丈夫?」
「……ん。ちょっと、なんか……動悸が、」
珍しく、二人同じ時期に入院していた。
食事の後、おしゃべりしている時、顔色が急激に悪くなり、瑞希ちゃんはそのまま丸くなり苦しそうに胸を押さえた。
「瑞希ちゃん!!」
わたしは、慌ててナースコールを押した。
すぐに、慌ただしく看護師さんが入ってきて、やがて、先生たちも駆け込んできた。
「外に出ていなさい」
そう言われて、後ろ髪を引かれながらも病室の外に出た。
自分にできることなど何もないと分かっていても、その場を離れられなかった。どうすれば良いか分からなくて、ドアの外、廊下で呆然と立ち尽くした九歳のわたし。
遠くでガラガラと音がしたと思ったら、病室に、見慣れた機械がいくつも運び込まれて行った。心電図モニターや酸素はまだしも、電気ショックの機械が運び込まれるというのが、どういうことか、小学生のわたしにも十分理解できた。
……瑞希ちゃん!
両手を組み合わせて、祈るくらいしか、わたしにできることはなかった。
どれほどの時間、そこで立ち尽くしただろう?
しばらく後、険しい表情で病室を出て来た看護師さんが、わたしの元にやってきた。
「瑞希ちゃんが、どうしても話したいって」
看護師さんに、躊躇いがちに声をかけられた。
まだほんの子どものわたしが、これから起こるかもしれない事態を理解しているのか、受け止められるのか、測っているのだと思った。
物心がついた頃から、病院はわたしにとって、第二の家と言えるくらいに、なじみの場所だった。
特別室という、少しだけ隔離された場所。だけど、総合病院に長く入院すれば、人の死には何度も出会う。
瑞希ちゃんは、今、死の淵にいる。
子どもだったわたしにも、それは、ひしひしと感じられた。
そして、瑞希ちゃんが、そこから戻ってこられるかは、わたしには分からなかった。
ただ、戻って来てと、心から願うしかできなかった。
今、瑞希ちゃんがどんな状態にしろ、会いたいと言ってくれているのなら、会わない理由はない。
迷うことなく、わたしは看護師さんの差し出した手を取った。
「瑞希ちゃん」
酸素マスクを、心電図計を、何本もの点滴をつけられて……瑞希ちゃんは、さっきまでと同じベッドに横たわっていた。
同じはずなのに、まるで別の部屋のようだった。
ピッピッピッピッ
機械の音が鳴り響く室内、瑞希ちゃんの枕元に、導かれた。
苦しそうに力なく横たわっていたけど、わたしを呼んでくれと言うだけあって、瑞希ちゃんの意識はしっかりしていた。わたしを見ると口元を緩めて、小さくほほ笑んでくれた。
ごめんね。
パパも、ママも、裕也くんも、間に合わないみたいで。
急だったから、手紙も残せなかった。
瑞希ちゃんは、ささやくように、途切れ途切れに、そんなことを話した。
考えたくもなかったけど、瑞希ちゃんの命の灯が消えかかっているのが、肌で感じられた。
まるで手のひらにすくった砂が、サラサラと指の間からこぼれるように、瑞希ちゃんの命が急激に流れ出しているのを感じた。
瑞希ちゃんは、とても息苦しそうで、しゃべらない方が良いよ……って、普通なら絶対に言うって状態なのに、お医者様も看護師さんも、誰一人として、瑞希ちゃんがしゃべるのを止めなかった。
裕也くんに、伝えてくれる?
わたしは、瑞希ちゃんの血の気のない手を握りしめて、「うん」と頷いた。
まるで氷のように冷たい手だった。
暖めてあげたくて、少しでも暖めてあげたくて、両手で包み込むように、瑞希ちゃんの手を握った。
なのに、わたしの手は小さくて、瑞希ちゃんの手を暖めるには、ぜんぜん足りなくて、自分の無力さを突きつけられた気がして、やるせない想いが胸に押し寄せた。
一瞬、まるで遠くを見るような目をして、それから瑞希ちゃんは言った。
忘れていいよ。
幸せになって。
そう言うと、瑞希ちゃんは一仕事終えたとでもいうような、どこかホッとしたような顔をした。
それから、瑞希ちゃんはわたしの目を見て言った。
こんなこと頼んで、ごめんね。
大好きだったよ、陽菜ちゃん。
「瑞希ちゃん!」
まるで最期の言葉。お別れの言葉だった。
だけど、瑞希ちゃんの命の灯は、その時には消えなかった。
瑞希ちゃんは、わたしに微笑むと、眠るように目をつむった。
瑞希ちゃんの意識が途絶えた後、わたしは病室から出された。
わたしと話した後は、一度も目覚めないまま、
瑞希ちゃんは夕刻、ようやく駆けつけた両親と裕也くんに見取られて……天国に旅立った。高校二年生……まだ十七歳だった。
翌朝、瑞希ちゃんが亡くなったことを知らされたわたしは、泣いて泣いて泣いて泣いて、目が溶けるんじゃないかってくらいに泣いて、入院中だったのにムリを言って、外泊許可を取って、パパにお通夜に連れて行ってもらった。
棺の中の瑞希ちゃんは、とても綺麗で、裕也くんは、赤い目をしていたけど、とても落ち着いた声でわたしに、
「来てくれて、ありがとう」
って言った。
言わなきゃって、思った。もう会えないかもしれないって、思ったから。
瑞希ちゃんの家は遠くて、病院に来る用事がなくなったら、もう会えない。
忘れていいよ。
幸せになって。
瑞希ちゃんの最期の言葉を継げると、裕也くんは、号泣した。
「忘れられるわけない! 瑞希なしに、幸せなんてっ」
「オレより長生きするって、言ったじゃないか!」
「オレに診察させてやるってっ、早く一人前になれって……」
「こんなに早くに別れることになるのなら、もっと側にいればよかった」
裕也くんの囁くような小さな声。
嗚咽と共に絞り出される悲しい言葉。
周りの人は、号泣する裕也くんを見てすすり泣いた。
遺影の中の瑞希ちゃんは、輝くような笑顔で。それは、いつか見せてもらった、裕也くんとのデートの時の写真。
瑞希ちゃんの隣には、本当は裕也くんがいたはずだったのに、つないでいた手は、ほどかれて、二度と戻らない……。
わたしは、ポロポロと涙をこぼし、ただ、立ち尽くすしかできなかった。
わたしの告げた言葉で裕也くんが号泣する。その姿を目の当たりにしても、幼いわたしにできることは何もなかった。
1
あなたにおすすめの小説
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
フッてくれてありがとう
nanahi
恋愛
【25th Anniversary CUP】にて、最終ランキング3位に入りました。投票してくださった皆様、読んでくださった皆様、ありがとうございました!
「子どもができたんだ」
ある冬の25日、突然、彼が私に告げた。
「誰の」
私の短い問いにあなたは、しばらく無言だった。
でも私は知っている。
大学生時代の元カノだ。
「じゃあ。元気で」
彼からは謝罪の一言さえなかった。
下を向き、私はひたすら涙を流した。
それから二年後、私は偶然、元彼と再会する。
過去とは全く変わった私と出会って、元彼はふたたび──
自信家CEOは花嫁を略奪する
朝陽ゆりね
恋愛
「あなたとは、一夜限りの関係です」
そのはずだったのに、
そう言ったはずなのに――
私には婚約者がいて、あなたと交際することはできない。
それにあなたは特定の女とはつきあわないのでしょ?
だったら、なぜ?
お願いだからもうかまわないで――
松坂和眞は特定の相手とは交際しないと宣言し、言い寄る女と一時を愉しむ男だ。
だが、経営者としての手腕は世間に広く知られている。
璃桜はそんな和眞に憧れて入社したが、親からもらった自由な時間は3年だった。
そしてその期間が来てしまった。
半年後、親が決めた相手と結婚する。
退職する前日、和眞を誘惑する決意をし、成功するが――
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
32歳、恋愛未経験の私に彼氏ができました。お相手は次期社長で完璧王子なのに、なぜか可愛い。
さくしゃ
恋愛
32歳、恋愛未経験の私に彼氏ができました。お相手は次期社長で完璧王子なのに、なぜか可愛い。
「甘酒って甘くないんだ!」
ピュアで、
「さ、さお…ふしゅうう」
私の名前を呼ぼうとして呼べなくて。
だけど、
「し、しゅ…ふしゅうう」
それは私も同じで。
不器用な2人による優しい恋愛物語。
果たして私たちは
「さ…ふしゅぅぅ」
下の名前で呼び合えるのでしょうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる