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事件です!生まれて初めて告白されました
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SIDE-L
冬休みも終わって3学期になりました。今更なのですが、毎日、放課後はラフと生徒会室で待ち合わせすることになりました。活動のある日もない日も。恋人同士っぽいことしてるじゃん、と思われた方、残念でした違います。12月のテストで順位が落ちたので、勉強です。それでもラフが私の勉強を気にしてくれてることや毎日会えるのは嬉しいことです。
浮かれ気分で生徒会室に向かってると
「リリー嬢」
ガブに声をかけられた。いつも共用棟で待ち伏せされてる気がする。
「先日送ったショール、ラファエル殿下から返却されました。悲しかったです。」
「申し訳ありません。やはり、婚約者のいる身ですから、頂戴するわけにはまいりません。」
「縛り付けられているのですね。可哀想に。」
「そんなことありませんわ。お気持ちはありがたくいただきますね。では、失礼します。」
立ち去ろうとしたら
「待ってください。今、生徒会室に行っても、ミュー嬢と鉢合わせですよ。さっき、彼女が生徒会室に入っていくところを見ましたよ。」
彼女がなんで生徒会室に?誰かが招いた?それは・・・・・・ラフ?逢引中なら邪魔しない方がいいよね。
私が下を向いてると
「リリー嬢、可愛らしい顔が見えませんよ。顔を上げてください。」
口説き文句みたいで戸惑う。
「ラファエル殿下はミュー嬢と仲がよろしいようですね。」
「・・・・・・私達は親の決めた婚約ですから、ラファエル殿下が他の方に心を寄せても仕方ありませんわ。」
うん。シナリオ通りなら卒業式で私はふられるのよね。あのゲームのラフルート、何回もしたから大丈夫。間違えないわ。
「秋頃はラファエル殿下とケンカされてたようで、私が入り込むスキがあるかと期待していましたよ。」
「お騒がせしました。いろいろとデリケートになってまして、たくさんの方にご迷惑をかけてしまいました。」
うん、あれは一人で突っ走ってた。今思い出しても恥ずかしい。
ん?入り込むスキ?ラフに嫌がらせしたいの?ん?ラフは私と別れたいはずだから・・・・・・
「リリー嬢、帝国に来ませんか?」
?どういうこと?返答に詰まっていたら、ガブは優しい笑みを浮かべて、
「私はあなたのことが好きです。大事にしますよ。」
さらりと告白された。
えっえっえっ!いま、なんて言った?
告白だよね。初めて告白された。でもなんで?ラフに嫌がらせ?
「申し訳ありません。私、婚約して」
「ラファエルは許婚でしょ?ラファエルがミュー嬢を選んで婚約解消を言い渡される前に、私から、帝国から婚約解消を申し出ませんか?」
そう言われ、俯いた。
わかってるわよ。これはラフと主人公が結ばれる、シナリオも全部覚えてる。そして私達は親の決めた婚約者。ラフから好きだなんて言われたことないもの。
なんか嫌な方向に話が向いてるから、話題を変えなきゃ。
「ガブリエル殿下は帰国したら、どのようなお仕事を手伝われる予定ですか?」
「リリー嬢、帝国では上級貴族は働きませんよ。私も。国に帰り、あとは優雅に過ごすだけです。」
「え?でもせっかく勉強しましたから、何か国の為に役に立ちたいと思いませんの?毎日遊ぶのって飽きちゃいそう。」
私がそういうと、会話がとまった。
そして、
「あはは、やはり、あなたは賢い。」
初めてガブの笑い声を聞いた。
これがクーデレとかいうものなのかしら。これまでに見たことのない一面で胸きゅんってなる。
――でも、ガブとの好感度が上がるとラフとの好感度が下がるのだ。いや、ラフがミューと会って、それでラフと私の好感度が下がったので、ガブと私の好感度が上がったのかもしれない。も一つの顔が見れるくらい。
生徒会室に着くと、ラフは窓から外を見てた。その背をみせたまま振り向かずに
「遅かったね。」
あれ?なんか怒ってる?
「お待たせして申し訳ありません。」
ラフはこちらを見てないけど頭を下げた。
「ガブリエル殿下と一緒にいたんだって?」
あ、バレてる。
「声をかけられたから少しお話ししました。」
自分はミューといたくせに。
ラフが振り返って私を見た。怒ってる。
「リリ、君は私の婚約者だ。面倒見がいいところは美徳だと思うけど、男性との接触は誤った印象を与えかねないから、慎んで欲しい。」
「・・・・・・」
「分かった?」
黙ったまま頷く。
お母様の言葉を思い出す。
――好かれるように努力しなきゃ。――
ここはゲームの中。最後は振られるシナリオ。でも、私がラフのこと好きだから、最後のその日まで好かれるように努力しよう。自分にいい聞かせる。
「申し訳ありません。ガブリエル殿下と言葉を交わさないようにしますね。」
これでいいのかな。ラフに好かれるように、ラフの言うとうりに。
悄然としてうつむいてると、ラフが隣りにきて私の手をとった。
「リリ、ごめんね。」
顔を上げた。目が合うと、いつもの薄い笑みを浮かべてた。何がごめんなのか分からないよ。
SIDE-R
リリの12月のテスト結果が振るわなかった為、放課後は生徒会室で一緒に勉強することにした。彼女はもっとできる人だから。こうして毎日会える口実ができたことは嬉しい。
生徒会室のドアを開けたら、室内にミュー嬢がいた。
「ラファエル様!お待ちしてました。」
身の危険を感じ、廊下に下がる。
「ミュー嬢、ここは役員以外立入禁止だからね。」
ミュー嬢は私の方に駆け寄ってきた。手をとろうとしたので、更に引き下がった。
「ラファエル様!大事な話があります。お部屋で二人きりでお話したいのですけど。」
「婚姻前の男女が部屋に二人きりでいるのはどうかと思うけどね。話があるならここで聞くよ。」
いろいろと噂のある彼女とは、怖くて部屋に二人きりになんてなれない。
ミュー嬢はしおらしさを演じるように口に拳をあてて喋り始めた。
「先程、リリー様がガブリエル殿下と楽しげに話してましたよ。」
またガブリエルか。癇に障るやつだ。しかし、ミュー嬢を早く追い出したいので、
「それで?」
短い返事をしたら、こちらが迷惑がってる気配を感じたのか、ふてぶてしい態度になった。
「いいんですかあ?ビッチな彼女をほっといて。二人で倉庫に向かってましたよ。」
彼女は、リリにあれだけ世話になっているのに、どうしてこういう行動をとるのだろうか。全く分からない。
「こちらはこちらで楽しんだ方がいいと思いますよー。」
意味深に口角を上げるミュー嬢。
ため息をついた後、彼女に言った。
「ミュー嬢はこの学園が何を教えてるか、学んでるのかい?身分社会を学ぶ場所でもあるんだよ。いいかい、君は男爵令嬢。リリは公爵令嬢で、そして私の、王太子の大事な婚約者だからね。」
ミュー嬢は上目遣いで睨んできた。
「リリは何も言わないけど、倉庫に閉じ込めたり、あらぬ噂を流したり、見えていないとでも思ってるのかい。」
声のトーンを落として話した。彼女はさすがにいたたまれなくなって、何も言わず走って逃げた。
これで寄り付かなくなってくれればいいが。
リリを待つ。今、ガブリエルと一緒なのか?あの挑戦的な帝国の王子。
中庭を見ながら心を落ちつかせる。暫くして、リリが部屋に入ってきた。
「遅かったね。」
振り向かずに言った。リリの顔を見たら怒ってしまいそうだ。
「ガブリエル殿下と一緒にいたんだって?」
「声をかけられたから少しお話ししました。」
少しじゃないだろ。大分待ったぞ。
振り返ってリリを見ると、しゅんとしている。いや、怒りたいわけじゃないのに。
「リリ、君は私の婚約者だ。面倒見がいいところは美徳だと思うけど、男性との接触は誤った印象を与えかねないから、慎んで欲しい。」
ああ、ダメだ。怒りを収められない。落ちつけ落ちつけ、冷静な行動をとるように躾られただろ。
「申し訳ありません。ガブリエル殿下と言葉を交わさないようにしますね。」
うん、そうしてくれ。いや、そうじゃないんだ。
自分の気持ちの整理がつかない。追いつかない。
リリがうつむいてる。なんとなく納得出来てないようだ。
隣りにいき、リリの手をとった。
「リリ、ごめんね。」
リリが顔を上げた。目があったので笑いかけた。
リリを帝国にとられたくないんだ。
ずっと私のそばにいて欲しいんだ。
みっともないけど、素直にそう言えば良かったのかもしれない。
冬休みも終わって3学期になりました。今更なのですが、毎日、放課後はラフと生徒会室で待ち合わせすることになりました。活動のある日もない日も。恋人同士っぽいことしてるじゃん、と思われた方、残念でした違います。12月のテストで順位が落ちたので、勉強です。それでもラフが私の勉強を気にしてくれてることや毎日会えるのは嬉しいことです。
浮かれ気分で生徒会室に向かってると
「リリー嬢」
ガブに声をかけられた。いつも共用棟で待ち伏せされてる気がする。
「先日送ったショール、ラファエル殿下から返却されました。悲しかったです。」
「申し訳ありません。やはり、婚約者のいる身ですから、頂戴するわけにはまいりません。」
「縛り付けられているのですね。可哀想に。」
「そんなことありませんわ。お気持ちはありがたくいただきますね。では、失礼します。」
立ち去ろうとしたら
「待ってください。今、生徒会室に行っても、ミュー嬢と鉢合わせですよ。さっき、彼女が生徒会室に入っていくところを見ましたよ。」
彼女がなんで生徒会室に?誰かが招いた?それは・・・・・・ラフ?逢引中なら邪魔しない方がいいよね。
私が下を向いてると
「リリー嬢、可愛らしい顔が見えませんよ。顔を上げてください。」
口説き文句みたいで戸惑う。
「ラファエル殿下はミュー嬢と仲がよろしいようですね。」
「・・・・・・私達は親の決めた婚約ですから、ラファエル殿下が他の方に心を寄せても仕方ありませんわ。」
うん。シナリオ通りなら卒業式で私はふられるのよね。あのゲームのラフルート、何回もしたから大丈夫。間違えないわ。
「秋頃はラファエル殿下とケンカされてたようで、私が入り込むスキがあるかと期待していましたよ。」
「お騒がせしました。いろいろとデリケートになってまして、たくさんの方にご迷惑をかけてしまいました。」
うん、あれは一人で突っ走ってた。今思い出しても恥ずかしい。
ん?入り込むスキ?ラフに嫌がらせしたいの?ん?ラフは私と別れたいはずだから・・・・・・
「リリー嬢、帝国に来ませんか?」
?どういうこと?返答に詰まっていたら、ガブは優しい笑みを浮かべて、
「私はあなたのことが好きです。大事にしますよ。」
さらりと告白された。
えっえっえっ!いま、なんて言った?
告白だよね。初めて告白された。でもなんで?ラフに嫌がらせ?
「申し訳ありません。私、婚約して」
「ラファエルは許婚でしょ?ラファエルがミュー嬢を選んで婚約解消を言い渡される前に、私から、帝国から婚約解消を申し出ませんか?」
そう言われ、俯いた。
わかってるわよ。これはラフと主人公が結ばれる、シナリオも全部覚えてる。そして私達は親の決めた婚約者。ラフから好きだなんて言われたことないもの。
なんか嫌な方向に話が向いてるから、話題を変えなきゃ。
「ガブリエル殿下は帰国したら、どのようなお仕事を手伝われる予定ですか?」
「リリー嬢、帝国では上級貴族は働きませんよ。私も。国に帰り、あとは優雅に過ごすだけです。」
「え?でもせっかく勉強しましたから、何か国の為に役に立ちたいと思いませんの?毎日遊ぶのって飽きちゃいそう。」
私がそういうと、会話がとまった。
そして、
「あはは、やはり、あなたは賢い。」
初めてガブの笑い声を聞いた。
これがクーデレとかいうものなのかしら。これまでに見たことのない一面で胸きゅんってなる。
――でも、ガブとの好感度が上がるとラフとの好感度が下がるのだ。いや、ラフがミューと会って、それでラフと私の好感度が下がったので、ガブと私の好感度が上がったのかもしれない。も一つの顔が見れるくらい。
生徒会室に着くと、ラフは窓から外を見てた。その背をみせたまま振り向かずに
「遅かったね。」
あれ?なんか怒ってる?
「お待たせして申し訳ありません。」
ラフはこちらを見てないけど頭を下げた。
「ガブリエル殿下と一緒にいたんだって?」
あ、バレてる。
「声をかけられたから少しお話ししました。」
自分はミューといたくせに。
ラフが振り返って私を見た。怒ってる。
「リリ、君は私の婚約者だ。面倒見がいいところは美徳だと思うけど、男性との接触は誤った印象を与えかねないから、慎んで欲しい。」
「・・・・・・」
「分かった?」
黙ったまま頷く。
お母様の言葉を思い出す。
――好かれるように努力しなきゃ。――
ここはゲームの中。最後は振られるシナリオ。でも、私がラフのこと好きだから、最後のその日まで好かれるように努力しよう。自分にいい聞かせる。
「申し訳ありません。ガブリエル殿下と言葉を交わさないようにしますね。」
これでいいのかな。ラフに好かれるように、ラフの言うとうりに。
悄然としてうつむいてると、ラフが隣りにきて私の手をとった。
「リリ、ごめんね。」
顔を上げた。目が合うと、いつもの薄い笑みを浮かべてた。何がごめんなのか分からないよ。
SIDE-R
リリの12月のテスト結果が振るわなかった為、放課後は生徒会室で一緒に勉強することにした。彼女はもっとできる人だから。こうして毎日会える口実ができたことは嬉しい。
生徒会室のドアを開けたら、室内にミュー嬢がいた。
「ラファエル様!お待ちしてました。」
身の危険を感じ、廊下に下がる。
「ミュー嬢、ここは役員以外立入禁止だからね。」
ミュー嬢は私の方に駆け寄ってきた。手をとろうとしたので、更に引き下がった。
「ラファエル様!大事な話があります。お部屋で二人きりでお話したいのですけど。」
「婚姻前の男女が部屋に二人きりでいるのはどうかと思うけどね。話があるならここで聞くよ。」
いろいろと噂のある彼女とは、怖くて部屋に二人きりになんてなれない。
ミュー嬢はしおらしさを演じるように口に拳をあてて喋り始めた。
「先程、リリー様がガブリエル殿下と楽しげに話してましたよ。」
またガブリエルか。癇に障るやつだ。しかし、ミュー嬢を早く追い出したいので、
「それで?」
短い返事をしたら、こちらが迷惑がってる気配を感じたのか、ふてぶてしい態度になった。
「いいんですかあ?ビッチな彼女をほっといて。二人で倉庫に向かってましたよ。」
彼女は、リリにあれだけ世話になっているのに、どうしてこういう行動をとるのだろうか。全く分からない。
「こちらはこちらで楽しんだ方がいいと思いますよー。」
意味深に口角を上げるミュー嬢。
ため息をついた後、彼女に言った。
「ミュー嬢はこの学園が何を教えてるか、学んでるのかい?身分社会を学ぶ場所でもあるんだよ。いいかい、君は男爵令嬢。リリは公爵令嬢で、そして私の、王太子の大事な婚約者だからね。」
ミュー嬢は上目遣いで睨んできた。
「リリは何も言わないけど、倉庫に閉じ込めたり、あらぬ噂を流したり、見えていないとでも思ってるのかい。」
声のトーンを落として話した。彼女はさすがにいたたまれなくなって、何も言わず走って逃げた。
これで寄り付かなくなってくれればいいが。
リリを待つ。今、ガブリエルと一緒なのか?あの挑戦的な帝国の王子。
中庭を見ながら心を落ちつかせる。暫くして、リリが部屋に入ってきた。
「遅かったね。」
振り向かずに言った。リリの顔を見たら怒ってしまいそうだ。
「ガブリエル殿下と一緒にいたんだって?」
「声をかけられたから少しお話ししました。」
少しじゃないだろ。大分待ったぞ。
振り返ってリリを見ると、しゅんとしている。いや、怒りたいわけじゃないのに。
「リリ、君は私の婚約者だ。面倒見がいいところは美徳だと思うけど、男性との接触は誤った印象を与えかねないから、慎んで欲しい。」
ああ、ダメだ。怒りを収められない。落ちつけ落ちつけ、冷静な行動をとるように躾られただろ。
「申し訳ありません。ガブリエル殿下と言葉を交わさないようにしますね。」
うん、そうしてくれ。いや、そうじゃないんだ。
自分の気持ちの整理がつかない。追いつかない。
リリがうつむいてる。なんとなく納得出来てないようだ。
隣りにいき、リリの手をとった。
「リリ、ごめんね。」
リリが顔を上げた。目があったので笑いかけた。
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