悪役令嬢 エタった小説の主役の座をヒロインから奪い返します!

青井りか

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姫川亜弓ですが演技はできなくってよ

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 ベッドサイドにあったなんじゃこりゃな雑なプロットを見つけた。いや、プロットというより指示書。
 立ち上がってドレッサーまで走る。走れるほど広い部屋なのにもびっくりだ。鏡に映るのは腰まである金髪縦ロールに赤い瞳。長いまつ毛の桃花眼とうかがん。瞳が赤くて、白目の部分が桃色を帯びてて綺麗。肌は透き通るような真っ白で、指が細くて長い。で、胸がぼーーん。び、美人じゃん。あれ、あれ、なんだっけ。そう!姫川亜弓だ!でも、髪重くない?

 その時、部屋にメイドさんが入ってきた。誰?プロットを見るが書いていない。 
「お嬢様!お目覚めですか!大丈夫ですか?」
 私は玄関の大理石で滑って転んで頭打って、3日間意識不明で寝てたらしい。
 父、母、兄、妹みたいな人達が駆けつけ、良かった良かったというが、あなた誰?状態。しんどいからと解散してもらって、部屋にいたメイドさんに、悩みを相談しやすいのは誰かきいてみた。兄ね。ありがとう。そして最後に、「あなたのお名前、なんだったかしら?」サラさん、お名前を知らなくてごめんなさい。

 もうさ、この後の展開は想像通りだから読んでもおもしろくないじゃん。だから兄と話したことを箇条書きね。

・とりあえず、記憶喪失ということで
 とりあえずじゃなくアリアの記憶なし
・部屋付きのメイドはサラさん、家庭教師はエリン伯爵夫人
・相談はのレオに
 兄って言っちゃダメなんだって
・ルイ殿下と10歳の時に見初められ婚約
・25日が卒業式

 きた先輩、私の事コミュ力高いって褒めてくれたけど、無理です無理です無理です、見ため姫川亜弓でも演技はできません。
 シャペロンっていう外出時のマナーの先生をする職業もあるそうなんです。私、アリアはもうシャペロンの必要はなかったのですが、緊急事態なのでエリン伯爵夫人にお願いするそうです。シャペロン、なんやねん。こういう基礎知識もない。私、やっていけないと思う。
 きた先輩、うらみます!


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     弾劾裁判まであと13日
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