悪役令嬢 エタった小説の主役の座をヒロインから奪い返します!

青井りか

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番外編

アリア

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  サウスプール公領のお城で私は産まれました。
 おじい様、おばあ様、お父様、お母様、レオ兄様、妹のエマと愛情いっぱいに育ってきました。

 レオ兄様が王都にある王立学院に入園するのを機に、家族5人、王都の別邸で暮らすことになりました。

 6歳の夏、王宮で子供向けのお茶会がありました。11月から王太子のルイ殿下が王立学院に入園するので、年の近い上級貴族の子息令嬢が集められたのです。私とレオ兄様が招かれました。ガーデンパーティで、国王陛下、妃殿下、王太子ルイ殿下、第二王子ルカ殿下にご挨拶させていただきました。太陽の光が彼の金髪を輝かせて、青い瞳は深い湖みたいな色をしていて、お人形さんみたいだと思いました。

 11月、王立学院に入学しました。ルイ殿下と同じクラスになりました。殿下の周りにはいつも人が集まっていて、私も時々、その輪に混ざってみました。殿下は博識で、私達が知らない話をしてくれて楽しませてくれました。

 10歳の時、私とルイ殿下の婚約が決まりました。ルイ殿下からのご指名だったそうです。それから少しの間、昨日まで他人だったクラスメイトが婚約者という特別な存在になったこと、たくさんの令嬢達の中から自分が選ばれたことで、なんだか気恥しい気持ちでいっぱいで、学院での授業が身に入りませんでした。週末は王妃教育が始まり、学院での勉強より、さらに深い知識を身につけていくことになりました。

 11歳の時、ルイ殿下に一緒に生徒会役員をやらないかと誘われました。「一緒に」という言葉がとても嬉しくて、すぐに頷きました。この頃からクラスの勉強の成績の優劣が出始め、ルイ殿下はいつも1番でした。私はどんなに勉強しても彼をぬくことが出来ませんでした。運動面も優れていて、いつも目立って人の中心にいました。
 そんな彼が「アリア」と私の名前を呼び捨てにして、手を差し伸べてくれ、彼の隣りに居させてくれることで、私は優越感に浸っていたんだと思います。
 彼のそばにいたくて、彼に頼まれたことは何でもしました。生徒会のお仕事も家に持ち帰ってレオ兄様や侍女のサラに手伝ってもらったこともありました。

 12年生になって、転校生が入ってきました。ピンク色の髪に茶色い瞳、屈託のない笑顔、奔放な性格でたくさんの男性を魅了しました。そう、ルイ殿下も。
 彼女は平民出自の為、マナーがなっていませんでした。大きな声で彼女に注意することで、自分を誇示していたんだと思います。

 そんな私をルイ殿下が疎ましく思っても仕方のないことでした。気づいた時にはルイ殿下の隣にはピンク色の髪の彼女がいて、友達も潮が引くようにいなくなりました。

 私はひとりぼっちになったのです。

 それでも私は王太子の婚約者として、凛とした態度を保ち、通園しました。
 泣かない。
 でも寂しいのです。ルイ殿下はもう私を見てくださることはないのでしょうか。
 寂しい。寂しい。寂しい。。。
 このまま眠っていたいだけです。ずっと。



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