無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いて欲しい!

カントリー

文字の大きさ
55 / 62
第2章 色んな種族さん!こんにちは〜材料集め編ー空色の革布〜

第1話 令嬢達と仲良くなった件について~不機嫌な黒豹を添えて~3

しおりを挟む
……………………………………………………
第1話 令嬢達と仲良くなった件について~不機嫌な黒豹を添えて~3
……………………………………………………

ーーーー
ーーーー

40分後…

令嬢たち「「ご馳走様でした!」」

パンっと手を叩いてから、私に向けて挨拶をする。ご令嬢たちはランチを完食した。

「はい、お粗末様でした。」

全員の皿を見ると食べ残しが無く、お皿もきれいに整頓されている。…いっ以外だ。てっきり何か残すかと…。

でも食べ残しがない皿を見ると、料理を作った甲斐があって嬉しいな。


兎令嬢「ふう…とても美味しかったわ。豚汁っていう名前だけど、野菜がいっぱい入ってて、草食動物に嬉しい一品ね。」

アルパカ令嬢「ホウレン草のお浸しかしら…ぽぽ酢と出汁がマッチして、また食べたいわ。」

ローズ「えぇ…また近いうちに食べに行きましょうよ。…あらっ」

ローズ様はおもむろに腕時計を見て、はぁ…と溜息をついた。


ローズ「…名残惜しいけど、そろそろ時間ね。2人とも午後の公務も頑張るわよ。……はぁ……」

兎令嬢「…うっ…午後の公務…伯爵の相手でしたっけ…本当は参加したくないけど…一族の為…畑仕事したい。 」

アルパカ令嬢「仕方ないわよ。ローズちゃん、ミィちゃん…午後の公務が終わったら、メチル街の喫茶で女子会しましょうよ。」

アルパカ令嬢の提案に2人の令嬢は顔を明るくさせ、賛成・賛成と声を上げた。


「…………」

彼女たちの話を目の当たりにして、てっきり令嬢はお金持ちだから、快適な暮らしをしているもんだと勘違いしてしまった。

そりゃあ…毎日、相手の顔色伺ってパーティなんて…精神も体力も疲れるよね。よしっ決めた!!

彼女たちの為に、身体に優しい和食料理を考えよう。

疲れた時、ほっと一息つける…元気がでる…そんな料理を!なんせクモード王国の料理は濃い料理が多いから。


ローズ「さてと、そろそろメチル街のソユーズ屋敷にいきましょ。ブタちゃん、今日のランチとても美味しかったわ。またランチしに行くわ。」

にぱっと笑うローズ様は、私の手を取るとチュッと口づけを落とした。…ほわっコレが金持ちの挨拶なのね。ドラマでやっていたから知っている。でも、施設育ちの私には少し刺激が…

ちなみに兎令嬢とアルパカ令嬢はローズ様の両隣で、きゃあきゃあと頬を染めてはしゃいでいる。

ダーク「離せ」

瞬間、ダークさんがローズ様から私を引き剥がした。ガシッと私の二の腕を掴む手は腕力がとても強い。

…長袖で良かった。素肌だったら、痛さ倍増。痕が残っていたかもしれなかった。



ローズ「ふふっ嫉妬しすぎるとブタちゃんから逃げられるわよ。」

ダーク「………」

ローズ「じゃあブタちゃん。またランチしに行くわね。」

後ろに翻し、ローズ様は手を振りながら、食堂場を後にする。それに続いて…

アルパカ令嬢「コックさん!今日はランチをご馳走してくれてありがとう。美味しかったわ。」

兎令嬢「今度ランチする時は、お支払いするわね。またね!」

2人の令嬢も私に手を振り、ローズ様の後を追いかけた。

「ご贔屓にー。また何時でもいらしてくださいね。」

私も手を振り返して、彼女達の後ろ姿を見送る。と同時にダークさんが声をかけてきた。


ダーク「…ヨーグル。」

「えっ…あっ…何でしょう。ダークさん…ヒェ」

恐る恐るダークさんを見返すと、見た目は無表情だけど……なんだか怒っている様な…あっごめんなさいっ確実に怒っていますね!…多分ローズ様関連で。

ダーク「無闇に他の奴に愛想振りまくな。」

「はっはい!ごめんなさっ…」


チュッ


………え……??


ダーク「消毒」

驚いたのも無理がない。何とダークさんが私の手を取り、手の甲に口づけを落としたんだから。…まさか、堅物ダークさんも金持ちの挨拶をするとは…これは驚いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?

玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。 ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。 これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。 そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ! そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――? おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!? ※小説家になろう・カクヨムにも掲載

ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。 ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。 ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。 竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。 *魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。 *お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。 *本編は完結しています。  番外編は不定期になります。  次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない

斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。 襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……! この人本当に旦那さま? って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

男女比バグった世界で美女チート無双〜それでも私は冒険がしたい!〜

具なっしー
恋愛
日本で暮らしていた23歳喪女だった女の子が交通事故で死んで、神様にチートを貰い、獣人の世界に転生させられた!!気づいたらそこは森の中で体は15歳くらいの女の子だった!ステータスを開いてみるとなんと白鳥兎獣人という幻の種族で、白いふわふわのウサ耳と、神秘的な白鳥の羽が生えていた。そしてなんとなんと、そこは男女比が10:1の偏った世界で、一妻多夫が普通の世界!そんな世界で、せっかく転生したんだし、旅をする!と決意した主人公は絶世の美女で…だんだん彼女を囲う男達が増えていく話。 主人公は見た目に反してめちゃくちゃ強いand地球の知識があるのでチートしまくります。 みたいなはなし ※表紙はAIです

処理中です...