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1.5章 会合
No.6 ヘルハイ
しおりを挟む「それで、ヘルハイから緊急信号があったと?」
「ヘルハイっていうのか?ラヴェイラが言うには、南アメリカのブラジル北部で緊急信号があったんだと。」
「みなみあめりか…?ぶらじる…?」
「大陸と国の名前だよ。それで、ガーディアンズ本部の南に支部があるんだって。」
「そういえば、ありましたネェ…地球人軍団の本部の下にも。」
「そこを全滅させるためにNo.6とNo.8が言ったはずだったんだけど---」
「緊急信号が送られたところを見ると、何か想定外のことが起きたということデスか…ところで、」
「?」
「ナゼ、ワタシを誘ったんデスか!?タダでさえ忙しいのに!」
「いや、ついでに前言ったインスピレーション満載の面白い場所に連れて行こうと思って…」
「それなら仕方ないデスネ!きっとゼスタート様も許してくださるデショウ!」
と自己完結したレブキーを見る間もなく、変幻したフェルゴールは、慣れないパネルで転送する場所の座標合わせに苦戦している。
「それで…アナタの言う面白いところとはどんなところなのデス。」
「ちょっと、待って…今、座標を…できた!まあ、行ってからのお楽しみだ。」
フェルゴールがパネルをそうしながら、説得する…説得?なんか話をはぐらかされたような…
「さて、行こっか。アマゾンへ。」
「…あまぞん?」
♢♢♢
ピュピュイン
どうやら転送は成功したみたいだった。
「うおっ…慣れないな、これは…。ってうわあああああ!?!?誰ッ…!?」
「ん?」
隣には緑の髪の頭にゴーグルを付け、灰色の瞳にフチなしメガネをかけた白衣の青年がいた。
「そういえば、アナタはワタシの変幻を見るのは初めてでしたネ。どうデスか…ワタシの地球人の姿は…?」
いや派手…です。
とは言えない。
日本人だった感性故か。
「いいと思います。」
そう言うことにした。
イケメンではあるし。
「さて、あまぞんとやらはどこデス?」
「え、No.6はいいんですか!?心配じゃないんですか!?そのためにここに来たのに!」
「なにを言っているのデス…ヘルハイが心配?ノー。ヘルハイは大丈夫デス。絶対に。今回の緊急信号もどうせくだらないことデスヨ。」
「そんな…証拠なんて…」
「アナタ、もう少し同胞を信用してみてはどうデス?ゼスタート様の創造されたヒトケタに敗北などあり得ないことデス。」
「でも、
「まあ、信用していた地球人との諍いがあったようデスので、難しいかとは思いますが。…どうしマシタ?」
「いや、びっくりして…ヒトケタに信用という言葉があったなんて…」
「カカカ…まあ、信用というよりは同じ境遇だからこそデスネ。カタチは違えど、アナタだってそうデス。」
嬉しかった。今の自分に感情や心なんてあるのかはわからないけど、確かに自分の奥で氷が溶けて、暖かいものを感じた。
ごうっと、強い気迫とオーラを感じた。
次の瞬間、カッと、白くまばゆい光が光った。
そして--
ビガアアアアアアンン!!!
…ゴロゴロ…
雷鳴が轟いた。
「フム。すぐそこデスネ、ヘルハイは。」
今、遠目でも見えた。
ここ、アマゾンに白い雷が落ちたのを。
♢♢♢
「待てや!」
「ウチのファミリーの情報の一端を握っといて、無事で帰れる思うなよ!」
「待てっていってんだろ!?」
全く同じ姿をした角を生やした、赤い肌の鬼人が迫る。
白スーツを着た金髪碧眼の青年は、襲撃を華麗にかわし、逃げている。
「全く…おや?」
(あれはレブキーと…誰?だけど…なんでここに…?)
「仕方ない…!もう背を向ける訳にはいきませんね!」
「お、ようやく足を止めたか、チキュウジン!」
ピクリと、彼のこめかみが動いた。
「おい、口には気をつけた方がいいです…よ?」
ごうっと気迫とオーラが噴き出す。
「な…ぐ…!」
(バカな…なんだ!これは!)
「ボクはヒトケタのヘルハイ。地球人などという下等生物と一緒にするんじゃない…!」
彼は手を振り下ろした、
「落白雷」
カッ
「ガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
ビガアアアアアアンン!!!
…ゴロゴロ…
「おや、なかなか頑丈。」
「ナメるな…!オゥレはファミリーの一員なんだッ!ファーザーの為にも、負ける訳にはいかないッ!」
「ハハッ、大丈夫ですよ。貴方が味わうのは敗北ではなく、“死”なのですから」
「死ぬのはてめえだあぁ!分身アバター!」
ボンボンと煙と共に赤い肌の鬼人の分身が増えていく。
「これから死んでしまうようなセリフをどうも!」
分身の攻撃が彼に、ヘルハイに迫る。
だが、彼は避けようともせず相手を見据える。
「なぜ避けない!」
「避ける必要がないからね。」
パチチ
ヘルハイの髪が白雷で逆立つ。
「白雷の矢」
ビュン
「がは…」
ヘルハイの“白雷の矢”が貫いたのは、数十いる中の本体だった。
分身が次々と消えていく
「雷の速さに敵う訳ないでしょう?」
「もう終わったみたいデスネ。」
「やあ、レブキー。そちらの方は初めてですけど…人間、いや何者?」
「デベルクですよ。彼は。」
「デベルク…?デベルクが、変幻を?」
「はじめまして、No.6。No.31、ゼスタート様に頂いた名をフェルゴールと言います。よろしくお願いします。」
「ご丁寧にありがとう。でも、そこまでかしこまらなくてもいいよ。ハハッ、どこか地球人らしいね…キミ。」
「それはそうデス。フェルゴールは地球人から創られたデベルクなのデスから。」
「創られたって…キミが創ったのでしょう。全く…フェルゴール、キミも随分と数奇な運命を辿ったみたいだね。」
「…」
「自己紹介をしよう。ボクはヘルハイ。よろしくね、フェルゴール。」
笑みを浮かべて、手を差し伸べたヘルハイに応じるように、フェルゴールは握手した。
「…!」
「あの、どうか…しましたか…?」
「キミとは、長い付き合いになりそうな気がする。」
「え…」
「それにしても、まさかレブキーがデベルクを名前で呼んで、引きこもりのレブキーが外に出てくるなんて…今日は雷でも降るのかな?」
「雷降らせているのはアナタデス。ワタシはここ、あまぞんという、インスピレーションが満載で、面白いという場所に興味があって来たのデス!ああ、あとフェルゴールは色々とトクベツなのデスヨ。なにせ、ヴァルハーレとゲンブが…ハッ!」
「どうしたの?」
「ワタシ、今日は帰りません。帰ったら、アイツらに何されるかわかりません…!」
「?」
「…フェルゴール!」
「え!なに!?」(びっくりした…)
「一体どこがワンダフルでインタレスティングな…」
「そこら中にいるよ。ほら、」
「…!なんと!」
太陽が地を照らし、草木は生い茂り、動物の鳴き声がこだまする。
鳥が飛び、魚が飛び跳ね、獣の動く音が聞こえる。
「美しい、自然…デスネ…」
「きっと、雷の音が止んだから動物も出てきたんだろう。」
「ワタシしばらく帰りません!」
「え!?」
「先に、帰っててクダサイ!!」
そう言うなり、瞬く間にレブキーの姿が見えなくなった。
「行っちゃったね…」
「そう、ですね。あの、」
「そういえば、なんで緊急信号なんて…」
「えっ!ボク緊急信号なんて…あ。」
「どうしたんですか…」
「通信と間違えちゃった…かも…」
「…」
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