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BUDDY-0-SURVIVOR
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しおりを挟む港町から少し離れた工業地帯、塩気と錆の匂いが混じる倉庫街の一角。
この朝、貸し倉庫業者の敷地に、小さな群衆が集まっていた。
「さあ、順番に見てってくれ。ロックナンバーC-12、今日の目玉だ。前の持ち主は退役軍人。年払いで契約していたが、半年以上音沙汰がない。」
業者の男が喉を鳴らし、油じみた手袋で鍵束をいじる。
「軍人の倉庫にはお宝が眠ってる場合が多い。勲章、軍服、武器……時には、戦地から持ち帰った、おみやげもあるって話だ。」
無骨なシャッターがガラリと上がり、薄暗い倉庫の中が姿を現した。
積まれた木箱、スチールケース、毛布をかけられた家具、解体途中の金属パーツ。
明らかに一般家庭のものではない。
ざわつく参加者の間を縫って、業者が声を張る。
「さて、50000Gからスタートだ!」
「50000!」
「80000!」
「12万!」
「12万6000!」
「16万!」
そこへ、不意に男の一人が声をあげた。
「……なあ、あれ見ろよ。」
その指先の先、倉庫の中央。
大きな箱の脇に、何かが滴ったような跡がある。薄黒く乾いたそれは、コンクリートの床にまだじっとりと滲んでいた。
「血……か?」
ざわ、と空気が変わる。
数人が身を乗り出す。
「おいおい、落札前に中に入るのは禁止だって言ってるだろ!」
業者の制止もむなしく、好奇心に突き動かされた客が、倉庫の奥へと足を踏み入れた。
血痕の先にある、毛布をかぶせられた大きな何かに近づいていく。
「これ、は……?」
ためらいがちに、男が布の端をつかみ、引きはがした。
ばっ。
どさり。
布の下にあったのは、若い獣人の死体だった。
手首を縛られ、天井の梁から吊るされていた体は、バランスを崩してゆっくりと横に揺れる。
乾いた耳。
かすれた毛並み。
目は閉じられていた。
「……!」
周囲が一気に静まり返る。
風が吹き込んで、天井の古い蛍光灯がぎしぎしと揺れた。
その奥ではまだ、別の倉庫で次の競売の声が上がっていた。
だが、この倉庫の中だけは、時が止まったように沈黙していた。
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