エリートオメガ受佐美の秘密

TERRA

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エリートオメガ受佐美の秘密

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夜のオフィス。
昼間の喧騒が嘘のように静まり返り、フロア全体に蛍光灯の冷たい光がぼんやりと広がっている。

窓の外では高層ビル群が無言で瞬き、都会の夜を形作っていた。

受佐美は深くため息をつき、書類をひとまとめにする。
「悪いな、こんな時間まで。」

「いやっ。」
攻田は椅子の背にもたれかかりながら笑う。
「次のプロジェクトも参加させてもらえて光栄なんで。バリバリ働きますよっ。」

受佐美は小さく目を細めた。
「やる気があるのはいいが、終電がなくなるぞ? お前も今日はもう帰れ。」

パソコンをシャットダウンし、立ち上がろうとしたその時。

不意に背後から、微かに湿り気を帯びた笑い声が聞こえた。

「先輩。」
「……?」

振り返る間もなく、攻田の手が乱暴にスーツの袖を掴んできた。
いつもの朗らかな笑顔はもうどこにもなく、目の奥にじっとりとした光が宿っている。

「そろそろ抑制剤、切れる時間ですよね。」

「……は?」

一瞬、時間が止まる。受佐美の目が見開かれると、攻田はポケットから例の薬を取り出し、無言のままその錠剤を見せつける。

「なっ……。」

声がかすれる。

攻田はゆっくりと近づき、低くささやいた。

「俺……信じてたのに。」

受佐美の表情が強張る。

「……憧れてたのに……。」

攻田の声がひどく静かで、それがかえって不気味に響く。

「素性隠してるなんて……最低です。」

息が詰まりそうな沈黙。
受佐美の胸がかすかに上下し、冷たい汗が背を伝う。
夜のオフィスには、コピー機の電源が落ちる電子音だけが無遠慮に鳴り響いていた。
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