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仕事
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「それじゃ。行ってくる」
「行ってらっしゃい…で良いのか?島影」
「そうだよ。いってきまーす」
まるで夫婦のような会話をしたがあくまで相手はファンタロイドである。俺はドアを開け家を出る。ちゃんと買い出しはしてある。ライフにはやるべき事を教えた。
やはり見送りをしてくれる人間が居るのは良いな
完璧すぎる。理想の生活過ぎている
[新着メッセージが届きました]
車に乗りスマホを確認すると柿崎から連絡が届いていた。
〈お前そういやファンタロイド買ったって言ってたな?〉
〈あぁそれがどうかしたか?〉
またこいつの事だからそんな金使って大丈夫か?とか色々聞いてくるんだろうな
〈どんな感じになったんだ?〉
返信が速い。俺はライフが昨日服を試着したときに撮った写真の一枚を送った
〈ほれ。可愛いだろ〉
柿崎が珍しく俺に厳しくしない辺り柿崎もファンタロイドを買おうか真剣に悩んでるんだろうな
柿崎は俺の会社の同期であり幼馴染みで小中高同じな上に趣味も漫画製作となにかと俺と通ずる物があり。何年間も一緒に活動しているいわば親友と呼べるべき存在だ。
柿崎も漫画のなかのうちの子をファンタロイドにしようか俺に聞いてきたことがあるのだ
〈ライフさんじゃん!めっちゃ可愛いな…今度会わせてくれ〉
〈もろちん。次のお互い都合の良い休み辺りで大丈夫か?〉
〈あぁ〉
〈お前もファンタロイド買うのか?〉
〈めっちゃ悩んでる。欲しいかもしれない〉
〈今度ライフに会ってみてから決めて良いんじゃね?〉
〈そうする〉
さて長話しちゃいけない。仕事に行かなきゃ…
俺の今の仕事は工場のアルバイト。シフト制で割と短時間の作業でそこそこのお金を得れるからやってはいるのだが…もしかしなくても二体目のファンタロイドを買いたくなってしまったために正社員に戻ろうか悩んでいる。小説家として売れるのは半ば絶望しかけてるしな…
【ライフ視点】
ガチャン…
島影が行ってしまった…俺一人ですべてやらなきゃならない。気を引き閉めよう
さて…何から始めようか…風呂掃除?掃除機?食器洗い?
俺は不器用だから一番壊しやすくて集中しなきゃいけない食器洗いから始めるか…。それとも一番楽な掃除機から行こうか…悩むところだ。
俺はまず食器洗いからはじめることにした。
こうやって食器洗いを一人で淡々とこなしているのはまた虚無感がある…汚れた皿をスポンジで洗い。水をかけて乾かす。これと言って難しい動作があるわけではない
スポンジで洗い水をかける…スポンジで洗って水をかけ……あ。すべっt……
パリンッ!!
あぁ…やってしまった。しかもこれは俺の皿じゃない…島影の皿…どうしよう…。
とりあえず割れたお皿を拾って集めないと…
「痛ッ…」
割れた破片で手を切った…いつもなら傷くらいなら能力で治せるけど…ここの世界じゃそういうわけにもいかない…
迂闊だった…この世界では傷ひとつを治すのにかなりの時間を費やさなきゃいけないんだった。
とりあえず止血しなき……あ…
ドンッ!!
止血しようとティッシュ箱まで向かおうとすると皿の破片を踏んで情けなく転んだ。痛い…とりあえず血を止めなきゃ…
ティッシュを指に巻いて白いティッシュがじんわり赤くなっていくのを感じる。
情けない…皿洗いでここまでヘマをかますなんて…体が思うように馴染まない…。
痛みは昔から味わってきたから別に気にならないが島影の皿を割ったという罪悪感はとても痛い…。
とりあえず皿を片付けないと…
俺は皿を島影が教えてくれたゴミ箱に丁寧に入れていった。
残った皿…洗うか
~~~
「ただいま~」
さて、ライフはちゃんとお手伝いしてくれたかな…
「…島影」
ライフの声に元気がない。いつもの気力がなくも少し圧があるがそこがまた可愛いライフの声が萎れてる。あぁ…そういうことか
キッチンを見ると割れた皿が袋に詰められており辺りには少量の血がそちらこちらに飛び散っていた。風呂場を見ると綺麗にこそされてたがシャワーヘッドが地味に曲がっていた。多分力みすぎちゃったのだろうか
居間に戻ってソファーに座り込んでるライフに話しかけた
「…ライフ」
「…すまない…島影の大事な皿…割ってしまった…」
俺がライフに声を発するとライフは即座に俺に謝った…
ライフの手にはティッシュが巻かれており赤くじんわり広がってっていた。多分破片を拾う際に傷ついたんだろう
「…ほんとにすまない…俺何にも出来なかった…こんな簡単なことすらも…出来なくて」
声が震えている。悲しみと罪悪感なのだろう…人が本当に申し訳ないと思っているときは必然と声が出にくくなり震える事がある。ライフは今。自分の失態を勇気を出して俺に伝えてくれているのだ…。
初めから俺は怒るつもりはなかったしこうなることも割と想像はついてたが本当になるとは思ってなかった。そしてこんな反応をしてくるとも思ってなかった…。
「大丈夫…ライフは頑張ってくれたよ。俺はそれだけで充分幸せなんだよ?それよりその手。今絆創膏貼るから待ってて!」
「………」
ライフは黙りこくってしまった。
俺は救急箱を取り出すと傷口に消毒をして絆創膏を巻いた。
「これでよしっと…」
「島影…その…」
「…ん?」
「…ありがとう…俺…もっと島影の支えになれるように頑張る…から……」
…このありがとうのために俺は明日も生きようと思う。
ファンタロイド…人間のように作られた新人類…もしかしたら本当にその通りかも知れない…
「行ってらっしゃい…で良いのか?島影」
「そうだよ。いってきまーす」
まるで夫婦のような会話をしたがあくまで相手はファンタロイドである。俺はドアを開け家を出る。ちゃんと買い出しはしてある。ライフにはやるべき事を教えた。
やはり見送りをしてくれる人間が居るのは良いな
完璧すぎる。理想の生活過ぎている
[新着メッセージが届きました]
車に乗りスマホを確認すると柿崎から連絡が届いていた。
〈お前そういやファンタロイド買ったって言ってたな?〉
〈あぁそれがどうかしたか?〉
またこいつの事だからそんな金使って大丈夫か?とか色々聞いてくるんだろうな
〈どんな感じになったんだ?〉
返信が速い。俺はライフが昨日服を試着したときに撮った写真の一枚を送った
〈ほれ。可愛いだろ〉
柿崎が珍しく俺に厳しくしない辺り柿崎もファンタロイドを買おうか真剣に悩んでるんだろうな
柿崎は俺の会社の同期であり幼馴染みで小中高同じな上に趣味も漫画製作となにかと俺と通ずる物があり。何年間も一緒に活動しているいわば親友と呼べるべき存在だ。
柿崎も漫画のなかのうちの子をファンタロイドにしようか俺に聞いてきたことがあるのだ
〈ライフさんじゃん!めっちゃ可愛いな…今度会わせてくれ〉
〈もろちん。次のお互い都合の良い休み辺りで大丈夫か?〉
〈あぁ〉
〈お前もファンタロイド買うのか?〉
〈めっちゃ悩んでる。欲しいかもしれない〉
〈今度ライフに会ってみてから決めて良いんじゃね?〉
〈そうする〉
さて長話しちゃいけない。仕事に行かなきゃ…
俺の今の仕事は工場のアルバイト。シフト制で割と短時間の作業でそこそこのお金を得れるからやってはいるのだが…もしかしなくても二体目のファンタロイドを買いたくなってしまったために正社員に戻ろうか悩んでいる。小説家として売れるのは半ば絶望しかけてるしな…
【ライフ視点】
ガチャン…
島影が行ってしまった…俺一人ですべてやらなきゃならない。気を引き閉めよう
さて…何から始めようか…風呂掃除?掃除機?食器洗い?
俺は不器用だから一番壊しやすくて集中しなきゃいけない食器洗いから始めるか…。それとも一番楽な掃除機から行こうか…悩むところだ。
俺はまず食器洗いからはじめることにした。
こうやって食器洗いを一人で淡々とこなしているのはまた虚無感がある…汚れた皿をスポンジで洗い。水をかけて乾かす。これと言って難しい動作があるわけではない
スポンジで洗い水をかける…スポンジで洗って水をかけ……あ。すべっt……
パリンッ!!
あぁ…やってしまった。しかもこれは俺の皿じゃない…島影の皿…どうしよう…。
とりあえず割れたお皿を拾って集めないと…
「痛ッ…」
割れた破片で手を切った…いつもなら傷くらいなら能力で治せるけど…ここの世界じゃそういうわけにもいかない…
迂闊だった…この世界では傷ひとつを治すのにかなりの時間を費やさなきゃいけないんだった。
とりあえず止血しなき……あ…
ドンッ!!
止血しようとティッシュ箱まで向かおうとすると皿の破片を踏んで情けなく転んだ。痛い…とりあえず血を止めなきゃ…
ティッシュを指に巻いて白いティッシュがじんわり赤くなっていくのを感じる。
情けない…皿洗いでここまでヘマをかますなんて…体が思うように馴染まない…。
痛みは昔から味わってきたから別に気にならないが島影の皿を割ったという罪悪感はとても痛い…。
とりあえず皿を片付けないと…
俺は皿を島影が教えてくれたゴミ箱に丁寧に入れていった。
残った皿…洗うか
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「ただいま~」
さて、ライフはちゃんとお手伝いしてくれたかな…
「…島影」
ライフの声に元気がない。いつもの気力がなくも少し圧があるがそこがまた可愛いライフの声が萎れてる。あぁ…そういうことか
キッチンを見ると割れた皿が袋に詰められており辺りには少量の血がそちらこちらに飛び散っていた。風呂場を見ると綺麗にこそされてたがシャワーヘッドが地味に曲がっていた。多分力みすぎちゃったのだろうか
居間に戻ってソファーに座り込んでるライフに話しかけた
「…ライフ」
「…すまない…島影の大事な皿…割ってしまった…」
俺がライフに声を発するとライフは即座に俺に謝った…
ライフの手にはティッシュが巻かれており赤くじんわり広がってっていた。多分破片を拾う際に傷ついたんだろう
「…ほんとにすまない…俺何にも出来なかった…こんな簡単なことすらも…出来なくて」
声が震えている。悲しみと罪悪感なのだろう…人が本当に申し訳ないと思っているときは必然と声が出にくくなり震える事がある。ライフは今。自分の失態を勇気を出して俺に伝えてくれているのだ…。
初めから俺は怒るつもりはなかったしこうなることも割と想像はついてたが本当になるとは思ってなかった。そしてこんな反応をしてくるとも思ってなかった…。
「大丈夫…ライフは頑張ってくれたよ。俺はそれだけで充分幸せなんだよ?それよりその手。今絆創膏貼るから待ってて!」
「………」
ライフは黙りこくってしまった。
俺は救急箱を取り出すと傷口に消毒をして絆創膏を巻いた。
「これでよしっと…」
「島影…その…」
「…ん?」
「…ありがとう…俺…もっと島影の支えになれるように頑張る…から……」
…このありがとうのために俺は明日も生きようと思う。
ファンタロイド…人間のように作られた新人類…もしかしたら本当にその通りかも知れない…
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