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秋やなぁ
第5話 繁雄と英雄とインタビュー
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ぶさいくな黒猫が、ぶみゃあと鳴いた。
紅輔は目を瞬く。黒猫はでっぷりした背を見せ、そのまま歩いていく――も、少し進んだところで、くるりと顔だけ紅輔に向けて、
「ぶみゃー」
と、もう一度鳴いた。
〝何べん言わせればわかんねん、早よついてこいやワレぇ〟……いかにも、そう言いたそうな金目だった。
他に宛てもなく、紅輔もつられて歩き出す。彼は既に三〇分道に迷って、この八奈結び商店街の入り口まで三度戻ってきたところだった。内心、猫にも縋りたい思いだったのだ。
ここに限らず紅輔がひとりで出かけたときはまっすぐ目的地にたどり着いたためしはないのだが、それというのも気が急く性分に加え、道を聞いても無意識に自分の進みたい方向に認知を歪めてしまうからだった。だから彼は外出したとき、ほとんど景色を眺めることなどしなかった。常にスタートとゴール、それしか目に入ってなかった。
しかし黒猫はそのまるまる太った体型ゆえか、のったりと歩んでいく。一般に猫といえば機敏な動作をするものだと紅輔は思っていたが、目の前の黒猫はあっさり車に轢かれてしまいそうな鈍重加減だ。塀に飛び乗れるかも危うい。
今までの紅輔ならとっくに見限って、また猪突猛進に走り出すところだったが、なぜかそのときは、黒猫の一歩後ろをゆっくりとついていった。
「あれ、兄ちゃん、この前の野球大会の……」
ふと声を掛けられて、足を止める。パン屋の前で掃き掃除をしていた主人と思しき高齢の男性が、気安い笑みを投げかけてきた。
「最後の一球、ズバンと決まったなぁ。めっちゃカッコよかったで!」
「……ども」
普段は自画自賛ばかりしている紅輔だが、こうも素朴に、しかしまっすぐ褒められるのには実のところ慣れていない。結果照れてしまってはすっ葉な返事しかしなかったが、パン屋の主人は気にも留めず手を振って、自らの仕事に戻った。黒猫もご丁寧に立ち止まっていたが、見届けてまた歩き出す。それについていきながら、紅輔の脳裏には先週の出来事が浮かび上がってきた。
八奈結び運動会午後の部、野球大会は、紅組の勝利に終わった。
体力と集中の限界に臨み、紅輔の放った決死の一球は繁雄のバットを掻い潜った。見事キャッチャーミットに収まった瞬間、スリーアウトが告げられ、そこで試合は終了。そのままベンチから駆け寄ってきた仲間たちにもみくちゃにされて、そこからのことは――よく、憶えていない。
その後なぜか、町内会と商店街理事会の合同打ち上げに招かれ、大勢の見知らぬ人間に囲まれ野球大会での健闘を称えられた。酔った輩が酒を進めてくるのを葵がブロックしながら、紅輔は繁雄の姿を視線で探した。すると彼もまた、大人たちに囲まれて、談笑していた。
だがそれはゲストというよりも、商店街の一員としてだ。そんな彼の姿を見て紅輔は、なんと話しかけていいかわからなくなった。マウンドと打席の距離よりも近いはずなのに、ずっと遠くに感じた。そしてそのとき、今日の試合で賭けていたことに最早頓着していない自分に、紅輔は気づいた。それよりもっと重たいものが、胸に圧し掛かっていたから。
そんなこんなで当日は解散したのだが、その後颯太から連絡が入る。
『改めて打ち上げするらしいから来いや。場所は、繁雄の店やって』
そうして、運動会から一週間後の今日、紅輔は再び八奈結びを訪れていたのだった。
集合時間には、とっくに遅れている。だが焦りよりも強い憂鬱な気持ちが足取りを重くして、だからこんな黒猫の散歩に付き合ってしまっているのかもしれない。それは今日が来るまで何度も自問して、答の出ない問いのためだった。
自分はその打ち上げに、参加する資格はあるのだろうか。
今更、という思いは、自分にもある。繁雄が選んだ道に土足で立ち入って、彼の生活を乱してしまったのは他ならぬ紅輔自身だ。そのことの意味から、ずっと紅輔は目を背けていた。己の傷と向かい合うのに必死で。
だがそれは、言い訳にはならない。その傷の痛みからようやく少し立ち直って、彼は初めて自分のしでかしたことがどういうものだったのか、その意味に気付いたのだ。そして――どうやればそれに贖えるのか、今の彼にはまだ、わからない。
「ぶみゃー!」
黒猫がひと際大きく鳴いた。それに気づいて紅輔は俯かせていた顔を上げる。
「……いや、ほんまに連れてこんでもええやないか……」
「ぶみゃっ?! フーっ!!」
心外な、と言わんばかりに、黒猫は紅輔の脚をぺしぺし尻尾で叩いた。それからフンッと鼻を逸らしてどこかへと去っていく。
そうして紅輔はひとり、繁雄のうどん屋の前に立っていた。
ふー……と、ひとつ、大きく息を吐いた。そして意を決し、引き戸に手をかけ――
「ひなたまどセンセ?」
ようとしたところで、内側から誰かが先に戸を開いた。
所在を失くした右手を下げたところで、紅輔は下からの視線に気づく。彼の腰ほどまでしかない小さなおかっぱ髪の女児が、人形のような目で彼を凝視していた。
「……」少し考えてから彼女は手を打ち、「こーすけさん」
少女の独特なテンポに毒を抜かれながら、どう返したらいいかわからず素っ気なく返してしまう紅輔である。
「……せや。文句あっか」
「あらへん。けど、ひなたまどセンセは?」
「……? あの猫、そないな名前なんか? もうどっか行ったで」
「そう……」
少女は無表情な中に、しょんぼりとした趣を漂わせた。微妙な気まずさに紅輔が頬を掻いていると、
「美也、こっちに来なさい。バカが伝染る」
店内からそんな声が聞こえてきた。それは顔を見ずとも誰のものかわかる。昔から一切変わりない、いけ好かない天敵の声。
「なんや……おまえの妹かいな、モヤシ」
店内に入って紅輔が奥を覗くと、果たして予想通りの人物が、人の悪い薄ら笑いを浮かべていた。
千十世は店の奥のテーブル席に腰かけながら、一分の隙もない満面の笑みを紅輔に投げつける。
「そうだけど、忘れてくれて構わないよ。君に関わるとろくなことにならないから」
「おい千十世、今日はそうゆうんナシや言うたばかりやろ」
カウンターの中には、呆れ顔の繁雄がいた。キャッチャーヘルメットとプロテクター、それからユニフォーム……ではなくて、黒の手ぬぐいに前掛け、安いTシャツとジーンズの出で立ち。
昔とまったく変わった風貌の元相棒は、昔とまったく一緒の笑顔を紅輔に向けた。
「なんや、えらい遅かったやんけ。まーた道迷っとったんやろ?」
「ん……ま、まぁ、せやな……」
「ですからあれほど申したではないですか、兄上!」
紅輔の声を遮ったのは葵だった。手前側のテーブル席に座っている彼女は、これ見よがしのため息を吐く。
「家を出る前にきちんとルート確認しておくようにと……わざわざLINNEで地図もお送りしましたのに。もうっ、せっかくシゲ様がこうして……」
「まぁまぁ、葵ちゃん、落ち着いて」
ぷりぷりしている葵を、隣に座っているなずながなだめる。対面に腰かけ頬杖をついていた颯太が、どうでもよさそうにあくびした。
「そない言うんやったら、おまえが一緒に引っ張ってきたらよかったやろ」
「そういうわけにもいきません」葵はツンと唇を尖らせる。「ワタクシ、町内会や商店街の方々にお詫びとお礼周りに伺わなければならなかったんですもの。紅輔と一緒では、この会までに間に合わなくなってしまいます」
「とか言って、お兄ちゃんの子守り卒業しようとしてるんだよね。あーなんてキレイな兄妹愛なんだろーイイハナシダナー」
奥のテーブル席から、千十世のチャチャが入る。葵は女狐の笑みでそれに応戦した。
「あら、なんのことでしょう? さっぱり心当たりがございませんが」
「しらばっくれてもいいけどさ、このくらいの嫌味は言わせてほしいもんだね」
千十世は、ふん、と鼻を鳴らした。
「ホント、腹立たしいよ……結局ぜんぶ、君の手の内だったなんてね」
「あら、昔から申しておりますでしょう? ワタクシはいつだって、みんながしあわせであれるようにと願っているだけですわ」
勝ち誇ったように、葵が胸を反らす。千十世は面白くなさそうに顔を逸らし、隣に腰かけてきた美也の頭を撫でた。
「……なんや、よー意味わからんが」
咳払いをして、繁雄が場を仕切り直す。そして立ちっぱなしの紅輔に向かって、ビシッと人差し指を突き付けた。
「紅輔、とりあえずそこ座れ」
「な、なんやねんいったい」
繁雄に満ちる謎の気迫に、紅輔は従わざるを得ない。指定されたカウンター席、繁雄の正面に腰かける。するとカウンターの中で繁雄は両腕を組んで、彼には珍しく芝居がかった調子で始めた。
「おまえ、言うてくれたやんな? なんや、『こんなシケた店でチマチマうどんこさえとる』やったかなぁ?」
「そ、それは……」
それはこの店に最初に来た際、間違いなく自分が口走ってしまった言葉だ。侮辱以外何物でもないそれを、繁雄が憶えているのは当然と言える。
口だけの謝罪で許されるとは、紅輔も思わない。だがそれでも、と口を開いた矢先、
「よっしゃ、そんならシケた店どうかきっちり確かめてもらおうやんけ」
「……は?」
怪訝な返答を意にも介さず、繁雄は機敏に動き出した。
手を洗い、準備してあったうどんをひと玉、熱湯が揺らめく鍋の中にそっと沈める。そして、壁に吊るしてあったてぼを手に取ると再びコンロの前に立って、じっと鍋の水面を眺めた。
その一連の動作には、口の挟めない緊張感がある。紅輔は戸惑ったまま、それを見ていることしかできない。まるで、永遠に続くかのように思えた沈黙が狭い店内を満たして――均衡が、崩れた。
なめらかな動きで、繁雄はてぼを大鍋に入れる。そして熱湯の中で踊っていたうどんを抜かりなくすべてその中に収めると、さっと引き上げた。それからチャッ、チャッと宙で振って、水を切る。その流れにのどこにも、淀みがない。
繁雄はどんぶりにうどんを静かに流し入れると、大鍋の隣に据えてある寸胴鍋の前に立った。そしてお玉で三度、どんぶりの中へだしを注ぎ込む。お玉のふちから零れ落ちるだしは、澄んだ琥珀色をしていた。
「――ほれ、試してみい」
ことり、と繁雄は出来上がったどんぶりを紅輔の前に差し出した。
やわらかく湯気が立ち上る、何の変哲もないただのかけうどん。薬味の類すらも添えられていない。
困惑して箸も握れない紅輔の背に、
「早よ食べてみろや」
颯太が、そう声を掛けた。
「食べたら、全部わかる」
「……」
肩越しに振り返ると、颯太は決して冗談を口にしているのではないのがわかった。葵が、ひとつ頷く。そしてどこか誇らしげになずなも。千十世は目を瞑って居眠りの振りをしていたが、美也は両手を握ってポンポンを振る真似をしていた。
紅輔は視線を正面に戻す。繁雄が、何も言わずに待っている。このうどんを食べない限り、話は先に進まないらしい。
カウンターに備え付けられていた割り箸入れから一膳拝借し、おそるおそるだしの中へとその先をつける。そしてうどんを一本つまみ上げ、思い切ってちゅるりと啜った。
「……!」
噛むと、ほどよいコシを感じた。つるりとした舌ざわりに目が覚めるようで、思わずろくに噛まないまま飲みこんでしまう。
そのまま、また一口、うどんを啜り上げる。太すぎない麺はよくスープを絡ませ、カツオの香ばしい風味で口の中をいっぱいにした。濃くはないがだしをしっかりとってあるからか、しっかりとした食べ応えがある。ごくんと飲みこむと、舌先に小麦のほのかな風味が残った。
目新しさはどこにもない。だが――ひとつひとつ確かに重ねられた手仕事の織りなす、まろくやさしい味わいは、紅輔の心を綻ばせた。
次を、次をと求めてしまう。
気づけば紅輔はひたすら夢中に、うどんを啜り続けた。麺がなくなると、どんぶりに口をつけてスープを最後の一滴まで飲み干してしまった。
こつん、とカウンターテーブルにどんぶりを下ろしてから、ふう、と満足のため息が漏れた。
これが、この店の――繁雄の、うどん。
彼が数ある選択肢の中から選び取るのを決めた道。
その味は彼がその選択を後悔などしていないと、はっきりと示してきた。この二年――いや、そのずっと前から彼が極めた覚悟の重みを、紅輔に伝えてきた。
鼻がツンとして、彼は何も言えないでいる。そこで、俺な、と繁雄が口を開いた。
「一個、めっちゃ楽しみにしとることがあんねん」
そしてらしくなく、いたずらに口角を上げた。
「ほら、よーあるやろ? すごい活躍したプロの野球選手が話題になって、テレビニュースで取りあげられるヤツ」
「は……?」唐突な話題に、紅輔は目を丸くする。「なんの、話やねん?」
「あれでな、その選手所縁の地とかを訪ねてみましたーとかって、ワイドショーでようやってるやん」
「繁雄、せやからなんの、」
「あれにな、俺もいつか出たい。そんでカメラの前でドヤ顔で言うたんねん」
ふん、と彼は胸を張る。
「『ああ、紅輔やったらうちのうどん、よお食いに来ましたよ』ってな」
紅輔は、二の句が継げない。
繁雄はまっすぐ、自分を見つめてくる。
それは何度も何度も、マウンド上の彼を励ましてくれた、勇気づけてくれた眼差しだった。
魂の底から祈りを紡ぐように、彼は言う。
「おまえは……球界の歴史っちゅう歴史に、名前を刻み込む男や。さっさとその夢、叶えてこい。ほんで世界中で有名になったら……」
そこで、繁雄はくしゃりと笑った。
「せやなぁ、『八奈結び商店街にめっちゃうまいうどん屋あるんや』って、宣伝でもしてもらおか。それで全部、チャラにしたるわ」
ツン、と紅輔はまた鼻の頭が熱くなるのを感じた。
もう、彼が自分の球を受けてくれることはない――それでも。
揺るぎない信頼を、示してくれた。
おまえならできると、背を押してくれた。
自らも、選んだ道の先で闘いながら。
紅輔は、うつむいた。ぎりっ、と奥歯を鳴らし、これまで立ち止まっていた己を噛み砕く。
それに応えられないなら、今度こそ友達でいる資格などない!
「……一〇年、待っとれ。この店入りきらんほど客が来るよう……バリッバリに宣伝したる!」
「はは! 紅輔はそうやないとな!」
繁雄の笑い声が弾けた。つられて、紅輔も思いきり笑う。そしてそれに呼応するように、ガララッ! とけたたましく引き戸が開いて、
「シゲオ、買うてきたで! お、なんやコースケやっと来たか!」
両手に買い物袋をぶら下げた和希が帰還した。
「おお、すまんかったな和希」
「ほんまやで!」カウンター越しに袋を繁雄に渡しながら、和希が唇を尖らせる。「たこ焼きパーティやのにタコ買い忘れるとか、どんだけやねん! ホンマ、シゲオはうちがおらんとな! しゃーなしやでホンマ!」
「はは、せやなぁ……って、おいおまえ!」
買い物袋の中身を改めていた繁雄の顔が、すぐさま般若面になる。
「頼んどったんと関係ないもんまで買って来よって! ゴーヤとかグミとか、あとこれガムか?! なんに使うねん!!」
「えー、入れたら楽しいやん? なー、チトセ!」
「ねー♪」
「おまえが主犯か千十世ェ!!」
繁雄の怒号が飛んできても、千十世はどこ吹く風で舌をぺろりと出す。
「ただたこ焼き焼くんじゃつまんないじゃない。ロシアンルーレットやろーよ」
「アホか、こないなもん食べ物粗末にするだけ――」
「まぁまぁ、いいじゃありませんかシゲ様!」
強引かつしなやかに葵が割り込む。
「多少ギャンブル性があった方が盛り上がりますわ! もっと面白くするために、そうです、王様ゲームの要素なども取り入れて」
「おーさまの、げーむ?」
「み、みっちゃんは知らんでええ、知らんでええ!!」
首を傾げる美也になずなが声を張り上げフォローする。颯太がうんざり、という具合でぼやいた。
「なんでもええから食えるもんにしてくれや、腹が減ってしゃーな……」
「当たりを引いた人は誰とでも任意で一日デートできるなんて言うのはどうでしょう?」
「……まぁ、ええんやないかやっても」
「裏切ったか颯太!!」
常識派の颯太が葵にコロリとやられて、繁雄は頭を抱えた。
どたばたと、おのおのが銘々、好き勝手にやっている。それでよくって、それが当たり前で――その中に、自分もいる。こんな空気に長らく触れていなかった。紅輔はぼんやりとそう実感しながら、ただこの光景を眺めていた。
だが誰かが腕を小突いてきたので、そちらを見遣る。そこには和希が勝気な笑顔を満面に浮かべて自分を見上げていた。
「っちゅうわけで、勝負やコースケ! ウチが絶対一番やからな!」
無邪気に言い放つ彼女に、心が昂揚する。
「ハッ、アホ抜かせ! 野球でもなんでも、一番になるんは俺や!」
その宣言を聞いて、千十世は不機嫌そうに顔を背ける。葵はふっとため息を漏らす。颯太は心ここにあらずとなずなを見ていて、そのなずなは美也の隣に席を移し、王様ゲームの説明を強いられている。
そして――そして、繁雄は、
「ああもうわかったわかった! せやからちょっと静かにせぇおまえら!」
苦笑を押し隠すように、誰よりもやかましい声でそう言った。
天高く、馬は肥え、どこかで黒猫がぶみゃあと鳴く。
そんな八奈結び商店街の、ある秋の日のことだった。
紅輔は目を瞬く。黒猫はでっぷりした背を見せ、そのまま歩いていく――も、少し進んだところで、くるりと顔だけ紅輔に向けて、
「ぶみゃー」
と、もう一度鳴いた。
〝何べん言わせればわかんねん、早よついてこいやワレぇ〟……いかにも、そう言いたそうな金目だった。
他に宛てもなく、紅輔もつられて歩き出す。彼は既に三〇分道に迷って、この八奈結び商店街の入り口まで三度戻ってきたところだった。内心、猫にも縋りたい思いだったのだ。
ここに限らず紅輔がひとりで出かけたときはまっすぐ目的地にたどり着いたためしはないのだが、それというのも気が急く性分に加え、道を聞いても無意識に自分の進みたい方向に認知を歪めてしまうからだった。だから彼は外出したとき、ほとんど景色を眺めることなどしなかった。常にスタートとゴール、それしか目に入ってなかった。
しかし黒猫はそのまるまる太った体型ゆえか、のったりと歩んでいく。一般に猫といえば機敏な動作をするものだと紅輔は思っていたが、目の前の黒猫はあっさり車に轢かれてしまいそうな鈍重加減だ。塀に飛び乗れるかも危うい。
今までの紅輔ならとっくに見限って、また猪突猛進に走り出すところだったが、なぜかそのときは、黒猫の一歩後ろをゆっくりとついていった。
「あれ、兄ちゃん、この前の野球大会の……」
ふと声を掛けられて、足を止める。パン屋の前で掃き掃除をしていた主人と思しき高齢の男性が、気安い笑みを投げかけてきた。
「最後の一球、ズバンと決まったなぁ。めっちゃカッコよかったで!」
「……ども」
普段は自画自賛ばかりしている紅輔だが、こうも素朴に、しかしまっすぐ褒められるのには実のところ慣れていない。結果照れてしまってはすっ葉な返事しかしなかったが、パン屋の主人は気にも留めず手を振って、自らの仕事に戻った。黒猫もご丁寧に立ち止まっていたが、見届けてまた歩き出す。それについていきながら、紅輔の脳裏には先週の出来事が浮かび上がってきた。
八奈結び運動会午後の部、野球大会は、紅組の勝利に終わった。
体力と集中の限界に臨み、紅輔の放った決死の一球は繁雄のバットを掻い潜った。見事キャッチャーミットに収まった瞬間、スリーアウトが告げられ、そこで試合は終了。そのままベンチから駆け寄ってきた仲間たちにもみくちゃにされて、そこからのことは――よく、憶えていない。
その後なぜか、町内会と商店街理事会の合同打ち上げに招かれ、大勢の見知らぬ人間に囲まれ野球大会での健闘を称えられた。酔った輩が酒を進めてくるのを葵がブロックしながら、紅輔は繁雄の姿を視線で探した。すると彼もまた、大人たちに囲まれて、談笑していた。
だがそれはゲストというよりも、商店街の一員としてだ。そんな彼の姿を見て紅輔は、なんと話しかけていいかわからなくなった。マウンドと打席の距離よりも近いはずなのに、ずっと遠くに感じた。そしてそのとき、今日の試合で賭けていたことに最早頓着していない自分に、紅輔は気づいた。それよりもっと重たいものが、胸に圧し掛かっていたから。
そんなこんなで当日は解散したのだが、その後颯太から連絡が入る。
『改めて打ち上げするらしいから来いや。場所は、繁雄の店やって』
そうして、運動会から一週間後の今日、紅輔は再び八奈結びを訪れていたのだった。
集合時間には、とっくに遅れている。だが焦りよりも強い憂鬱な気持ちが足取りを重くして、だからこんな黒猫の散歩に付き合ってしまっているのかもしれない。それは今日が来るまで何度も自問して、答の出ない問いのためだった。
自分はその打ち上げに、参加する資格はあるのだろうか。
今更、という思いは、自分にもある。繁雄が選んだ道に土足で立ち入って、彼の生活を乱してしまったのは他ならぬ紅輔自身だ。そのことの意味から、ずっと紅輔は目を背けていた。己の傷と向かい合うのに必死で。
だがそれは、言い訳にはならない。その傷の痛みからようやく少し立ち直って、彼は初めて自分のしでかしたことがどういうものだったのか、その意味に気付いたのだ。そして――どうやればそれに贖えるのか、今の彼にはまだ、わからない。
「ぶみゃー!」
黒猫がひと際大きく鳴いた。それに気づいて紅輔は俯かせていた顔を上げる。
「……いや、ほんまに連れてこんでもええやないか……」
「ぶみゃっ?! フーっ!!」
心外な、と言わんばかりに、黒猫は紅輔の脚をぺしぺし尻尾で叩いた。それからフンッと鼻を逸らしてどこかへと去っていく。
そうして紅輔はひとり、繁雄のうどん屋の前に立っていた。
ふー……と、ひとつ、大きく息を吐いた。そして意を決し、引き戸に手をかけ――
「ひなたまどセンセ?」
ようとしたところで、内側から誰かが先に戸を開いた。
所在を失くした右手を下げたところで、紅輔は下からの視線に気づく。彼の腰ほどまでしかない小さなおかっぱ髪の女児が、人形のような目で彼を凝視していた。
「……」少し考えてから彼女は手を打ち、「こーすけさん」
少女の独特なテンポに毒を抜かれながら、どう返したらいいかわからず素っ気なく返してしまう紅輔である。
「……せや。文句あっか」
「あらへん。けど、ひなたまどセンセは?」
「……? あの猫、そないな名前なんか? もうどっか行ったで」
「そう……」
少女は無表情な中に、しょんぼりとした趣を漂わせた。微妙な気まずさに紅輔が頬を掻いていると、
「美也、こっちに来なさい。バカが伝染る」
店内からそんな声が聞こえてきた。それは顔を見ずとも誰のものかわかる。昔から一切変わりない、いけ好かない天敵の声。
「なんや……おまえの妹かいな、モヤシ」
店内に入って紅輔が奥を覗くと、果たして予想通りの人物が、人の悪い薄ら笑いを浮かべていた。
千十世は店の奥のテーブル席に腰かけながら、一分の隙もない満面の笑みを紅輔に投げつける。
「そうだけど、忘れてくれて構わないよ。君に関わるとろくなことにならないから」
「おい千十世、今日はそうゆうんナシや言うたばかりやろ」
カウンターの中には、呆れ顔の繁雄がいた。キャッチャーヘルメットとプロテクター、それからユニフォーム……ではなくて、黒の手ぬぐいに前掛け、安いTシャツとジーンズの出で立ち。
昔とまったく変わった風貌の元相棒は、昔とまったく一緒の笑顔を紅輔に向けた。
「なんや、えらい遅かったやんけ。まーた道迷っとったんやろ?」
「ん……ま、まぁ、せやな……」
「ですからあれほど申したではないですか、兄上!」
紅輔の声を遮ったのは葵だった。手前側のテーブル席に座っている彼女は、これ見よがしのため息を吐く。
「家を出る前にきちんとルート確認しておくようにと……わざわざLINNEで地図もお送りしましたのに。もうっ、せっかくシゲ様がこうして……」
「まぁまぁ、葵ちゃん、落ち着いて」
ぷりぷりしている葵を、隣に座っているなずながなだめる。対面に腰かけ頬杖をついていた颯太が、どうでもよさそうにあくびした。
「そない言うんやったら、おまえが一緒に引っ張ってきたらよかったやろ」
「そういうわけにもいきません」葵はツンと唇を尖らせる。「ワタクシ、町内会や商店街の方々にお詫びとお礼周りに伺わなければならなかったんですもの。紅輔と一緒では、この会までに間に合わなくなってしまいます」
「とか言って、お兄ちゃんの子守り卒業しようとしてるんだよね。あーなんてキレイな兄妹愛なんだろーイイハナシダナー」
奥のテーブル席から、千十世のチャチャが入る。葵は女狐の笑みでそれに応戦した。
「あら、なんのことでしょう? さっぱり心当たりがございませんが」
「しらばっくれてもいいけどさ、このくらいの嫌味は言わせてほしいもんだね」
千十世は、ふん、と鼻を鳴らした。
「ホント、腹立たしいよ……結局ぜんぶ、君の手の内だったなんてね」
「あら、昔から申しておりますでしょう? ワタクシはいつだって、みんながしあわせであれるようにと願っているだけですわ」
勝ち誇ったように、葵が胸を反らす。千十世は面白くなさそうに顔を逸らし、隣に腰かけてきた美也の頭を撫でた。
「……なんや、よー意味わからんが」
咳払いをして、繁雄が場を仕切り直す。そして立ちっぱなしの紅輔に向かって、ビシッと人差し指を突き付けた。
「紅輔、とりあえずそこ座れ」
「な、なんやねんいったい」
繁雄に満ちる謎の気迫に、紅輔は従わざるを得ない。指定されたカウンター席、繁雄の正面に腰かける。するとカウンターの中で繁雄は両腕を組んで、彼には珍しく芝居がかった調子で始めた。
「おまえ、言うてくれたやんな? なんや、『こんなシケた店でチマチマうどんこさえとる』やったかなぁ?」
「そ、それは……」
それはこの店に最初に来た際、間違いなく自分が口走ってしまった言葉だ。侮辱以外何物でもないそれを、繁雄が憶えているのは当然と言える。
口だけの謝罪で許されるとは、紅輔も思わない。だがそれでも、と口を開いた矢先、
「よっしゃ、そんならシケた店どうかきっちり確かめてもらおうやんけ」
「……は?」
怪訝な返答を意にも介さず、繁雄は機敏に動き出した。
手を洗い、準備してあったうどんをひと玉、熱湯が揺らめく鍋の中にそっと沈める。そして、壁に吊るしてあったてぼを手に取ると再びコンロの前に立って、じっと鍋の水面を眺めた。
その一連の動作には、口の挟めない緊張感がある。紅輔は戸惑ったまま、それを見ていることしかできない。まるで、永遠に続くかのように思えた沈黙が狭い店内を満たして――均衡が、崩れた。
なめらかな動きで、繁雄はてぼを大鍋に入れる。そして熱湯の中で踊っていたうどんを抜かりなくすべてその中に収めると、さっと引き上げた。それからチャッ、チャッと宙で振って、水を切る。その流れにのどこにも、淀みがない。
繁雄はどんぶりにうどんを静かに流し入れると、大鍋の隣に据えてある寸胴鍋の前に立った。そしてお玉で三度、どんぶりの中へだしを注ぎ込む。お玉のふちから零れ落ちるだしは、澄んだ琥珀色をしていた。
「――ほれ、試してみい」
ことり、と繁雄は出来上がったどんぶりを紅輔の前に差し出した。
やわらかく湯気が立ち上る、何の変哲もないただのかけうどん。薬味の類すらも添えられていない。
困惑して箸も握れない紅輔の背に、
「早よ食べてみろや」
颯太が、そう声を掛けた。
「食べたら、全部わかる」
「……」
肩越しに振り返ると、颯太は決して冗談を口にしているのではないのがわかった。葵が、ひとつ頷く。そしてどこか誇らしげになずなも。千十世は目を瞑って居眠りの振りをしていたが、美也は両手を握ってポンポンを振る真似をしていた。
紅輔は視線を正面に戻す。繁雄が、何も言わずに待っている。このうどんを食べない限り、話は先に進まないらしい。
カウンターに備え付けられていた割り箸入れから一膳拝借し、おそるおそるだしの中へとその先をつける。そしてうどんを一本つまみ上げ、思い切ってちゅるりと啜った。
「……!」
噛むと、ほどよいコシを感じた。つるりとした舌ざわりに目が覚めるようで、思わずろくに噛まないまま飲みこんでしまう。
そのまま、また一口、うどんを啜り上げる。太すぎない麺はよくスープを絡ませ、カツオの香ばしい風味で口の中をいっぱいにした。濃くはないがだしをしっかりとってあるからか、しっかりとした食べ応えがある。ごくんと飲みこむと、舌先に小麦のほのかな風味が残った。
目新しさはどこにもない。だが――ひとつひとつ確かに重ねられた手仕事の織りなす、まろくやさしい味わいは、紅輔の心を綻ばせた。
次を、次をと求めてしまう。
気づけば紅輔はひたすら夢中に、うどんを啜り続けた。麺がなくなると、どんぶりに口をつけてスープを最後の一滴まで飲み干してしまった。
こつん、とカウンターテーブルにどんぶりを下ろしてから、ふう、と満足のため息が漏れた。
これが、この店の――繁雄の、うどん。
彼が数ある選択肢の中から選び取るのを決めた道。
その味は彼がその選択を後悔などしていないと、はっきりと示してきた。この二年――いや、そのずっと前から彼が極めた覚悟の重みを、紅輔に伝えてきた。
鼻がツンとして、彼は何も言えないでいる。そこで、俺な、と繁雄が口を開いた。
「一個、めっちゃ楽しみにしとることがあんねん」
そしてらしくなく、いたずらに口角を上げた。
「ほら、よーあるやろ? すごい活躍したプロの野球選手が話題になって、テレビニュースで取りあげられるヤツ」
「は……?」唐突な話題に、紅輔は目を丸くする。「なんの、話やねん?」
「あれでな、その選手所縁の地とかを訪ねてみましたーとかって、ワイドショーでようやってるやん」
「繁雄、せやからなんの、」
「あれにな、俺もいつか出たい。そんでカメラの前でドヤ顔で言うたんねん」
ふん、と彼は胸を張る。
「『ああ、紅輔やったらうちのうどん、よお食いに来ましたよ』ってな」
紅輔は、二の句が継げない。
繁雄はまっすぐ、自分を見つめてくる。
それは何度も何度も、マウンド上の彼を励ましてくれた、勇気づけてくれた眼差しだった。
魂の底から祈りを紡ぐように、彼は言う。
「おまえは……球界の歴史っちゅう歴史に、名前を刻み込む男や。さっさとその夢、叶えてこい。ほんで世界中で有名になったら……」
そこで、繁雄はくしゃりと笑った。
「せやなぁ、『八奈結び商店街にめっちゃうまいうどん屋あるんや』って、宣伝でもしてもらおか。それで全部、チャラにしたるわ」
ツン、と紅輔はまた鼻の頭が熱くなるのを感じた。
もう、彼が自分の球を受けてくれることはない――それでも。
揺るぎない信頼を、示してくれた。
おまえならできると、背を押してくれた。
自らも、選んだ道の先で闘いながら。
紅輔は、うつむいた。ぎりっ、と奥歯を鳴らし、これまで立ち止まっていた己を噛み砕く。
それに応えられないなら、今度こそ友達でいる資格などない!
「……一〇年、待っとれ。この店入りきらんほど客が来るよう……バリッバリに宣伝したる!」
「はは! 紅輔はそうやないとな!」
繁雄の笑い声が弾けた。つられて、紅輔も思いきり笑う。そしてそれに呼応するように、ガララッ! とけたたましく引き戸が開いて、
「シゲオ、買うてきたで! お、なんやコースケやっと来たか!」
両手に買い物袋をぶら下げた和希が帰還した。
「おお、すまんかったな和希」
「ほんまやで!」カウンター越しに袋を繁雄に渡しながら、和希が唇を尖らせる。「たこ焼きパーティやのにタコ買い忘れるとか、どんだけやねん! ホンマ、シゲオはうちがおらんとな! しゃーなしやでホンマ!」
「はは、せやなぁ……って、おいおまえ!」
買い物袋の中身を改めていた繁雄の顔が、すぐさま般若面になる。
「頼んどったんと関係ないもんまで買って来よって! ゴーヤとかグミとか、あとこれガムか?! なんに使うねん!!」
「えー、入れたら楽しいやん? なー、チトセ!」
「ねー♪」
「おまえが主犯か千十世ェ!!」
繁雄の怒号が飛んできても、千十世はどこ吹く風で舌をぺろりと出す。
「ただたこ焼き焼くんじゃつまんないじゃない。ロシアンルーレットやろーよ」
「アホか、こないなもん食べ物粗末にするだけ――」
「まぁまぁ、いいじゃありませんかシゲ様!」
強引かつしなやかに葵が割り込む。
「多少ギャンブル性があった方が盛り上がりますわ! もっと面白くするために、そうです、王様ゲームの要素なども取り入れて」
「おーさまの、げーむ?」
「み、みっちゃんは知らんでええ、知らんでええ!!」
首を傾げる美也になずなが声を張り上げフォローする。颯太がうんざり、という具合でぼやいた。
「なんでもええから食えるもんにしてくれや、腹が減ってしゃーな……」
「当たりを引いた人は誰とでも任意で一日デートできるなんて言うのはどうでしょう?」
「……まぁ、ええんやないかやっても」
「裏切ったか颯太!!」
常識派の颯太が葵にコロリとやられて、繁雄は頭を抱えた。
どたばたと、おのおのが銘々、好き勝手にやっている。それでよくって、それが当たり前で――その中に、自分もいる。こんな空気に長らく触れていなかった。紅輔はぼんやりとそう実感しながら、ただこの光景を眺めていた。
だが誰かが腕を小突いてきたので、そちらを見遣る。そこには和希が勝気な笑顔を満面に浮かべて自分を見上げていた。
「っちゅうわけで、勝負やコースケ! ウチが絶対一番やからな!」
無邪気に言い放つ彼女に、心が昂揚する。
「ハッ、アホ抜かせ! 野球でもなんでも、一番になるんは俺や!」
その宣言を聞いて、千十世は不機嫌そうに顔を背ける。葵はふっとため息を漏らす。颯太は心ここにあらずとなずなを見ていて、そのなずなは美也の隣に席を移し、王様ゲームの説明を強いられている。
そして――そして、繁雄は、
「ああもうわかったわかった! せやからちょっと静かにせぇおまえら!」
苦笑を押し隠すように、誰よりもやかましい声でそう言った。
天高く、馬は肥え、どこかで黒猫がぶみゃあと鳴く。
そんな八奈結び商店街の、ある秋の日のことだった。
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