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2.機械の友
12_上昇
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広間の中央、エレベーターの中に入ると……エレベーターの中も全てガラス張りで出来ていて、360度どこを見回しても、ただの大広間だった。 ガラス張りのドアは、音もたてずに閉まっていく。
体が浮遊する感じがして、一気に見えていた物が豆粒のように小さく足元に消えて行った。 そして――視界が一瞬にして暗転したかと思えば、パッと明るくなって……見たことも無いような、壮大な自然が外に広がっているのが見えた。
「す……すげぇ!なんだこれ……ジャングル!?」
「360度展望台へようこそ。 アマゾンでもジャングルでも、はたまた花火でも!想像すれば思った場所に、どんな映像にも切り替えられます!」
「これ、全部映像なの!?すげぇ~!」
「塔の頂上までは時間がかかるからね、酔って吐かれても困るし」
俺が、頭の中で恐竜が居た想像すると――目の前には壮大なジャングルと、空を飛ぶ恐竜たちが現れた。 その迫力に、身が震え――今度は熱気にまみれたサーキット……それから、夕日が沈む間際の海辺など……夢だった場所をいくつも想像した。
ふと、悪い気を起こして……大人な魅惑の世界を想像してみる――と、それは不可能なのか、画面にでかでかとエラーの文字が表示された。
「ちえっ……」
「残念ながら、今のレント様のご年齢では、ご想像の映像を表示することは出来ませんね~何を想像したのか知りませんけど、ふふっ!」
「全く、君って奴は……」
ゼロワンはクスクスと笑って、ゼロツーは、ふっとため息をついていた。 仕方なく、近所にあった公園のイメージを沸かせてみる……そして、今じゃ懐かしくなった自分の部屋……。
「あっ、なんか泣けて来たかも」
「あぁ、先日のレント様のお部屋――懐かしいですねぇ~」
「うぅ……ぐすっ……」
「今度は泣いてるの!?君って情緒不安定!?もう……こういう時って、ヨシヨシするんでしょ?ヨシヨシ……」
俺はボロボロと泣きながら――そんな俺をゼロワンとゼロツーは隣で静かに慰めてくれた。 崩壊した部屋――土の中に埋まった家……この世界に変わる前に、俺の家に一体何があったのか……想像するだけで、胸が張り裂けそうだった。
それでも、ここまで来た。 訳も分からずに、ただ泣いている訳にもいかない……俺は、グッと拳を握りしめ、すっと息を吸い込んで、フーッと吐き出した。
「もうすぐ、アグレー博士に会えるんだな」
「えぇ、もう間もなくです」
「まぁ、そう緊張しないでよ。 博士も君の顔を見たら喜ぶよ、きっとね」
「そっか、俺にあったら……嬉しいのか」
もう、15分くらいは上昇していただろうか。 かなり長い間……このエレベーターの中に閉じ込められている気がする。 それでも、閉塞感を感じないのは、360度展望台のおかげか、隣にいる二人が和やかになるよう、務めてくれているおかげなのか。 想像とは違って――気分はそれほど悪くなかった。
「それにしても、どんな奴なんだろうな、アグレーって」
「アグレー博士は、君が作り出した、いわば分身であり――君の意思を継ぐものだ」
「でも最近、ちょっとね……疲れてきちゃったみたいで、なんかおかしいんだよねぇ」
「最近ちょっとおかしい……?ゼロワン、それは違う。 彼はいつだっておかしい。 そうプログラムされているから……」
「でも、博士は……」
ゼロワンが何を言おうとしたのか。 ゼロツーとの会話を遮るように、エレベータの浮遊が停止した。 そして――周りに流れていた映像は消え、ついに――ガラス張りのドアが横にスライドして開きだした。
「……」
「……」
しばらくの沈黙の後、一足先にゼロツーがエレベータの外へ出た。 続いて、ゼロワンも外へ出る。 そして――俺を待つように振り返り……俺の顔を見て、ニコリと笑った。
「ようこそ」
「ルズイールサマタギア本部へ」
俺はエレベーターの中から、一歩……外へ踏み出した。 周りの空気は、下に居た時と違って、随分と住んでいる。 それが、本当の空気なのか、空調の設定でそうなっているのかは不明だったが……。 俺は、息をのんで、目の前にたった一つある部屋のドアの前に、静かに立った。
体が浮遊する感じがして、一気に見えていた物が豆粒のように小さく足元に消えて行った。 そして――視界が一瞬にして暗転したかと思えば、パッと明るくなって……見たことも無いような、壮大な自然が外に広がっているのが見えた。
「す……すげぇ!なんだこれ……ジャングル!?」
「360度展望台へようこそ。 アマゾンでもジャングルでも、はたまた花火でも!想像すれば思った場所に、どんな映像にも切り替えられます!」
「これ、全部映像なの!?すげぇ~!」
「塔の頂上までは時間がかかるからね、酔って吐かれても困るし」
俺が、頭の中で恐竜が居た想像すると――目の前には壮大なジャングルと、空を飛ぶ恐竜たちが現れた。 その迫力に、身が震え――今度は熱気にまみれたサーキット……それから、夕日が沈む間際の海辺など……夢だった場所をいくつも想像した。
ふと、悪い気を起こして……大人な魅惑の世界を想像してみる――と、それは不可能なのか、画面にでかでかとエラーの文字が表示された。
「ちえっ……」
「残念ながら、今のレント様のご年齢では、ご想像の映像を表示することは出来ませんね~何を想像したのか知りませんけど、ふふっ!」
「全く、君って奴は……」
ゼロワンはクスクスと笑って、ゼロツーは、ふっとため息をついていた。 仕方なく、近所にあった公園のイメージを沸かせてみる……そして、今じゃ懐かしくなった自分の部屋……。
「あっ、なんか泣けて来たかも」
「あぁ、先日のレント様のお部屋――懐かしいですねぇ~」
「うぅ……ぐすっ……」
「今度は泣いてるの!?君って情緒不安定!?もう……こういう時って、ヨシヨシするんでしょ?ヨシヨシ……」
俺はボロボロと泣きながら――そんな俺をゼロワンとゼロツーは隣で静かに慰めてくれた。 崩壊した部屋――土の中に埋まった家……この世界に変わる前に、俺の家に一体何があったのか……想像するだけで、胸が張り裂けそうだった。
それでも、ここまで来た。 訳も分からずに、ただ泣いている訳にもいかない……俺は、グッと拳を握りしめ、すっと息を吸い込んで、フーッと吐き出した。
「もうすぐ、アグレー博士に会えるんだな」
「えぇ、もう間もなくです」
「まぁ、そう緊張しないでよ。 博士も君の顔を見たら喜ぶよ、きっとね」
「そっか、俺にあったら……嬉しいのか」
もう、15分くらいは上昇していただろうか。 かなり長い間……このエレベーターの中に閉じ込められている気がする。 それでも、閉塞感を感じないのは、360度展望台のおかげか、隣にいる二人が和やかになるよう、務めてくれているおかげなのか。 想像とは違って――気分はそれほど悪くなかった。
「それにしても、どんな奴なんだろうな、アグレーって」
「アグレー博士は、君が作り出した、いわば分身であり――君の意思を継ぐものだ」
「でも最近、ちょっとね……疲れてきちゃったみたいで、なんかおかしいんだよねぇ」
「最近ちょっとおかしい……?ゼロワン、それは違う。 彼はいつだっておかしい。 そうプログラムされているから……」
「でも、博士は……」
ゼロワンが何を言おうとしたのか。 ゼロツーとの会話を遮るように、エレベータの浮遊が停止した。 そして――周りに流れていた映像は消え、ついに――ガラス張りのドアが横にスライドして開きだした。
「……」
「……」
しばらくの沈黙の後、一足先にゼロツーがエレベータの外へ出た。 続いて、ゼロワンも外へ出る。 そして――俺を待つように振り返り……俺の顔を見て、ニコリと笑った。
「ようこそ」
「ルズイールサマタギア本部へ」
俺はエレベーターの中から、一歩……外へ踏み出した。 周りの空気は、下に居た時と違って、随分と住んでいる。 それが、本当の空気なのか、空調の設定でそうなっているのかは不明だったが……。 俺は、息をのんで、目の前にたった一つある部屋のドアの前に、静かに立った。
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