モノクロコントラスト ー黒き翼と白き記憶ー

ゆずたこぽんず

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第二章 神天祭

✦✦Episode.11 災いの神子✦✦

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✦ ✦ ✦ Episode.10 目を閉じて


✦ ✦ ✦



 祭りの会場、神天台は崖の上に切り立っている。 円形に削られた岩の広場の中央は、さらに円形状のくぼみが一つ。 広場の周りには木の柵が張り巡らされて、その横に置かれた灯は、周囲を明るく照らしている。
 クロトが新天台の頂上にたどり着いたころには、神へ捧げる《ウタ》が丁度始まったころだった。

 神天台はすでに人々に埋め尽くされ、視界は群衆の背中が見えるばかり。 遠くに見える、金色の衣装に身を包んだ進行役の天使達の中、純白のシエルだけがクロトの瞳には映らなかった。
 司祭の一人が、広場の中央へ歩み寄ると、厳かな空気の中、式辞を唱え始めた。

 「――創造神より受けがれし天の力の源よ!
  創造神が去った今、新たなる真の女神たちが我らを導き――我らの道筋となる、光を求めん!
  我ら「シルファルト、ルミナス、ノクティア」三家の元に!新たな女神が、ここに参らん!!」

 言葉と共に、シエルがその姿を現した。 まるで、本物の女神であるかのように、彼女は陽光に照らされ、輝いていた。

「おぉ、なんと、奥ゆかしい…」
「まさに、女神の名に相応しい光!」
「結婚したい…」

 その美しさに、集まっていた天使たちは皆、一様に息をのみ込んだ。
 その姿を、クロトもしっかりと目に焼き付けるように、遠くからそっと見守っている。

「ばあちゃん、これなくて残念だよな…」

 この時期…神天祭が始まると、多くの急病人がノアの医院に運ばれ、休む暇もないくらい忙しくなる。
 いつもならクロトも手伝に向かうはずが、今回ばかりは「シエルのところに行っておやり」とノアに医院から追い出されてしまった。
――シエルは静かに、唇を開いていく。

『生まれ行く春の息吹の花よ。
 輝かしい夏の民よ。
 実りを結ぶ秋の樹木よ。
 次へと繋がる、冬の吹雪よ。
 我はここに、彼ら命の精霊と共に』

「…シエル? 様子がなんか変だ 何だか…青ざめているような…?」
(シエル、どうした?)

 ――人々をかき分けて、シエルの様子を見に行くと、どことなく生気のない彼女がそこに居た。 やがて、祭事が終わると、人々の波に流されるように、クロトも神天台を後にした。


✦ ✦ ✦

――祭事は終わり、すでに日は落ちた。
 控え場に戻ったシエルを最後に見てから、何度も近くを行ったり来たりしていたが、彼女が全く姿を現さない事にしびれを切らして、暇をつぶしていたクロトは彼女を迎えに行った。 しかし、控え場の明かりは消され、中を覗いてみると、誰もいる様子がなく、シーンと静まり返っていた。

「あいつ、どこ行ったんだ?」

 どことなく、嫌な感じがしていると、後ろからぽつりと「クロト」と声がして、振り返る。 すっかり元の衣服に着替えたシエルは、オキナソウの花を握りしめ、ぼんやりと彼の後ろに立っていた。 その顔はまだ生気がなく、顔が青ざめている。

「なあ、大丈夫か…? 具合悪いのか…?」
「クロ…ト…こっちに来て…?」
(シエル、何だ? 本当に、何か、おかしいぞ…?)

 シエルはボーっとしながら、足元をふらつかせている。 クロトは、彼女の傍に歩みよって、顔を覗き込む。 目を合わせているはずなのに、焦点があっておらず、どこか遠くを見つめている。

「お前、一体何があったんだ? なぁっ…」
「何も言わないで…ついてきて欲しいの…」
「あ、おい…」


 クロトは、追いかけるようにしてシエルの後を付いて行く。 祭りの屋台は布の屋根を下ろし、半分ほどが解体されいた。 残りの半分はまた明日解体するのだろう。
 人気のない神天台の坂道で、脇に咲いた無数の白いゼラニウムの花がこの先へ行くなとざわめいている。 二人は静かに歩いて、頂上への道をゆっくりと上がっていく。
 頂上付近まで来ると、すでに祭事は終わったはずの広場から炎の光が漏れ出ているのを、クロトは見逃さなかった。

「クロト、こっちにきて…?」
(――妙な胸騒ぎがする)
「なんだ…?」

 一歩、また一歩と足を踏み出すごとに、嫌な予感が首筋を這って、背筋がゾクゾクとしてくる。 シエルに手招きされて、広場の入口へ到着すると、村の大人たちが広場の中心を取り囲むようにして集っていた。

 その異様な雰囲気に圧倒され、言い様のない恐怖が襲ってくる。
 無意識に、ノアの姿を探して、一人残らずその顔を確認していく。
 どことなく目が虚ろで生気がない人々は、皆揃って広場の中央を一点に見つめている。

(ここに、ばあちゃんは居ない……。 いや、居ない方がいいのかもしれない……)
「皆、集まったか? それでは始めるとしよう。」

 一人の大男が、広場の中央に向かって歩いてきた。 野太いその声には聞き覚えがある。

(あの時、祭りの設営を指示してくれた人だ……。 この人たちは、なぜここにいるんだ……?)
「クロト、よく来たな。こちらに寄ってくれ」

 大男に名前を呼ばれて、クロトは神天台の中央へと歩み寄る――シエルは俯いたまま、一言も発せずにクロトの後ろを静かについていく。

「クロトよ、お前は初めて見るだろう。 良く見ておきなさい」
「……」

 静寂と、人々の呼吸が入り交じり、なんとも言えない不穏な雰囲気の中、男は、広場の中央へと手を伸ばす。

「我、ノアより与えられし土の力! 今、神天の扉を解放せん……っ!」

 男の言葉に答えるように、指先からは黄色い魔方陣が現れ始め、周囲の地面がごうごうと鳴り響ていく。 地面がわずかに揺れ、砂埃が周囲に舞い始める――広場の中央。 その窪みが、左右に突然避け始めたかと思うと、巨大な大穴が眼前に現れた。

「こ……っこれは……何なんだ!? この穴は……っ!?」

 大穴の中は、あり得ない程深さを感じる。 禍々しい気配をまとった風が、穴の中心からビューっと吹き出して、重たい音を鳴らしながら――まるで、獲物が訪れるのを待っているかのように、何かを飲み込もうとして、その口をあけて、獲物を待ちわびている。

「こ、こんなものが……こんなところにあったなんて……!」
「この穴は、お前が生まれる前に作られた、それを管理していたのが、ノア様だ」
「ば、ばあちゃんが……っ!?(そんなの、聞いたこともない!!)」
「そうだ。 そして……ノア様からその力を譲り受け・・・・、現在はこの俺が管理をしている。 知らないのも無理はない、お前にその機会はなかったのだから」
「そんなの……」

  大男は、集まった人々に、顔を向け一人ずつ目で追って行く。 一人残らず顔を確認すると、ゆっくりとその口を開いた。

「皆すでに聞いているかもしれないが。 先日――災いの黒い翼を持つ奴が現れた」
(――っ!)
「ひぃ、ひいぃ……わわ、わたしはっ……村の外れで、黒い羽を拾ったんだぁっ。 それはもう恐ろしくて恐ろしくて…その感触さえ……私には恐ろしい……っ!!」

 布越しに感じたあの恐ろしい羽の感触。 村の外れで羽を拾ってきた青年は、その場でガタガタと体を震わせて、青ざめていた。

「くっ…!!」
「災いの翼、ノア様が調べてくれるって言ってたわよね!」
「ノア様は、黒い翼を持つ者の足取りが掴めないとおっしゃっていた!!」

 真横で自分の羽に怯える人々の話が聞こえ、クロトはドキリと心臓が飛び出るような感覚がし、胃の中がキリキリ痛みだす。 唐突に吐き気を覚えて「おぇ…っ」と声を漏らし、冷や汗を流しながら…腹と口を同時に押えた。
 大男は、吐き気に悶えていた彼を見据えると、「大丈夫か…?」心配そうにクロトを見据えた。

「クロト、いきなり聞いたら驚くのも無理はない」
「うっ…く…(俺のせいじゃない……この翼で産まれてきたのは、俺のせいじゃ……)」
「大丈夫、皆が居るから心配するな」

 まだ若い18歳の少年が、恐ろしい話を聞いて、身を震わせる。 年相応の反応に大男は仕方がないと言うようになだめ、ゆっくりと落ち着かせようとして背中をトントンと叩いた。

「まだその姿を見たものはいない。 だが、近いうちに何か災いが起こるやもしれん、皆気を抜かないように勤めろ!」
「ひいいぃっ!! 女神様っ!お助け、お助けを…!!」
「本当に、村に災いが訪れるの?怖いわ…!」

 ざわざわと周囲がざわめき始めたかと思うと、クロトはますます震えだし、チカチカとした閃光の中、めまいにふらついた。 青ざめた顔で耐えていたクロトの後ろで、シエルはいまだに俯いたまま、ぼんやりと立っていた。

「もうすでに、獣に噛まれた奴もいるんだぞ!災いは本当なんだ!!」
「うぇ…(今すぐに、胃の中のものをすべて吐き出してしまいたい!!)」
「いやよぉ! まだ平和に暮らしていたのよ!!」

 周囲は、怯えと悲鳴に包まれた。村人たちは叫びながらガタガタと震えている。 腰を抜かして、床に座り込む者までいる。 
 これほどまでに、恐れられていた事実に、自分はここに居てはいけない存在なのだと、改めて思い知らされた。
 微かに群衆に交じって、何かを呟く声がする。 淡い光が、群衆の中でぼんやりと見え始める――

『汝……を…ら…わせ…』
「かはっ……!! (なんで急に…? 息が…っ!)」

 突然、胸のあたりに違和感を覚えたかと思えば、締め付けられたような息苦しさに、呼吸が乱れていく。 視界は霞んで、瞼が重くなる。 クロトは立っているのがやっとだった。

「皆の物静まれ!次に、かの紋章を体に宿したものが、ここに現れた!」
「――ひぃ、わーワタシじゃない!!!やめてくれ!!」

 広場の中央に、他の村人に腕を掴まれ、引きずられるようにやって来た、男。 村の畑を耕し、子を育て…平和に暮らしていた、この男の腕に現れたかの紋章とは一体何なのか――?
 クロトの位置からは、それがどんなものか、他の村人たちの陰に隠れて見ることが出来なかった。

「ひぃ――やめてください、嫌だぁっーっ!」
「いいやだめだ、お前の腕にうっすらと、かの紋章が現れた。」
「違う!違うんだ!!ワタシは知らない!!」
「災いの神子を手助けする存在となりうる、災厄の印だ!!」
「うー、うぅう…ちがう…!! やめて、くれ…!!」
「我ら村の誓約に従いここで浄化されてもらおう」

 村人たちは一様に腕を振り上げて、大声で「浄化せよ!!浄化せよー!!!」と叫んでいる。 理性を失った獣のような瞳をして、眉間にしわを寄せながらただ、声を荒げて落ちていく男を一点に見つめていた。
 
「なんで、だよ…っ!!」

 ――落ちていく。
 断末魔のような悲鳴を上げながら、男は闇の底へ飲み込まれて沈んで行く。
 男の腕に見えたのは、自分の背中に刻まれていた――シエルが素敵だといった、あの紋章と同じモノだった。

「うわああああぁ――っ!!」
「…なんで…っ!!」
(なんで、俺のモノと同じなんだ――!!) 

 大穴の中、奈落の底へ消えていった、男の声――それでも止まらない、群衆たちが唱える呪文の声。
 背中から感じる鼓動が、痛みとなって身体を浸食し、クロトの背中の紋章は、燃えるような熱を帯びて――まるで全身が焦がされていくように、脈打っている。

「いっ…うぅうっ、あああっ!!」
「お、おい!」
「ぐっ…翼が…言う事を聞かない――っ!」

 仕舞っていた翼は、主の言う事を聞かずに体の中から外へ這い出そうとしている。 周囲に黒い光を放ちながら、大空へ羽ばたこうと全力で暴れ回っている。
  額から汗を流しながら、必死になって翼の動きを止めようと背中へ手を伸ばす。


「ぐっ…誰か‥‥(だれか、助けてくれ…。 俺の翼を、止めてくれ――シエル…っ!!)」

 霞む視界の中で、必死になって手を伸ばす。 唯一、自分の黒い翼を見ても驚くことが無かったシエル。 彼女の瞳をみて、どれだけ救われた事だろう――黒い光はじわわじわとクロトを包み込んでいく。
 無意識に求めた彼女を見て、自分の指先は、その方向をはっきりと捉えた――

「シエルっ…!!」
(認められたい、安心したい…助けて欲しい…ここに居ていいんだと。)

 手を繋げば、全て今まで通りになって、元の自分に戻れる気がして――目の前に見えた彼女は、少し離れた場所から、そっと指先を伸ばした。 そして――その瞳に閃光が走る。 
 彼女の瞳に、輝きはもうない。 そこに居るのは…他の村人たちと同じ目をした、一人の少女だった。 腕をあげて、拳を握りしめ…クロトに向かって、勢いよく指を刺す。

「彼よ――!! 彼が、災いの神子だわ!!」
「ひっ――シエル、なん…っ!」

 まるで、その場から切り取られたみたいに、全てが色を失っていく。 すべての音が消えて、静寂の中で、彼女の瞳だけが視界の中にある。 息は止まり、気力は外へ逃げていく。

 (何もかも、おしまいだ。) 
「うっ…うああああっ――!!」

 抵抗する力さえ奪われて、容赦なく吹き荒れた風に流されるように、羽が重たい音を鳴らしながら、虚空を切り裂さいて、天に向かって広がっていく――
 モノクロに広がった世界でただ一人、彼はその場で膝から崩れ落ちて行くしかなかった。
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