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・Day6/Chapter1 忍びて
90.
しおりを挟むおいおいおいおい。
青年は、眼の前で始まったその光景に、ぎょっとして身をすくませた。
「あ、その……おやめくださいませ。じ、自分でいたします……」
恥じらうように身をよじる使用人が藤滝の、あの男の腕の中にいる。
抱止めらられたかたちで、耳朶を男に噛まれて使用人は、短く、うめいた。
服の上からさっと男の手が愛撫を加えただけで、ズボンの前が窮屈そうに膨らんでいる。
「なんだ、俺のいうことが聞けないのか?」
「い、いえ、そんな……あっ」
藤滝の手が、ズボンのふくらみの上に乗った。そのまま、ゆっくりとそこに刺激を与えられて、使用人は身もだえ始めた。
「お、お許しください、お許しを……」
「まだだ」
「あ、ああっ、ご、主人さまっ」
びくびくと全身を震わせて、藤滝にすがる使用人は必死で彼に乞う。
「どうした? ここを触られただけで、こんんなにして」
「あ、も、もう、お許しを……」
ひいっと甲高い声で鳴いて、びくりと使用人の身体が、大きく跳ねた。その後、使用人の身体からは、崩れおちるように力が抜けていった。
「早いものだな」
藤滝は、にやりと笑いながら、使用人の後頭部を掴んで、自身の中心へと誘導した。
ほうけた顔の使用人は、夢中になって、彼のホックを唇で下ろした。下着の中から、支配者の雄を取り出すと、喜ぶようにそれに舌を這わせ始めた。
青年は息を飲んだ。
こんな時間に、こんな場所でおっぱじめてるなんて。それも相手はたしかに見目はいい男であるが、使用人で――。
こんな行為、見たくないはずなのに、なぜか、眼が離せない。じっと彼らの様子を覗くことに青年は意識が向いていた。
「はあ、あん……んんっ……」
じゅるじゅると水音を立てながら、食らいつく使用人の腰が揺れ始める。そこに自らの手を伸ばそうとした使用人はその手首を男に掴まれて離された。
「集中しろ」
低い声で命じられて、使用人がうめきながら男を更に奥まで迎え入れた。
身体が兆していて、つらいはずだ。自分を慰めようとして回した腕を主に奪われて、それでも愉悦とばかりに雄を己の中に迎え入れる。
男の手が、彼の手首から離れた。途端、後頭部を掴まれて、強引に男が腰を使い始めた。
「んぶっ!」
苦し気にうめく使用人の声が、青年の耳冴えもを犯す。
頭を押さえられて逃げられないようにされて、その状態で強引に抜き差しをされる苦しさ。呼吸が出来なくて、酸欠のなか、自分が肉の器にでもなったかのように、無理矢理にされる哀しみ。
ふと、青年の体内に起こりが芽生えた。
自分がされているわけでもないのに、ただ彼らの行為を見ているだけで、なぜか身体が熱くなる。
「ふざけんな、こ、こんな……」
昨夜さんざんに弄ばれて、弱り切っていたはずのそこが兆していた。
痛いくらいに膨らみ、青年は、そっと自身へと手を伸ばす。
「んんん~~ッ!」
部屋では、男と使用人がまだもつれあっていた。
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