夏の熱さをおそれているか

阿沙🌷

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✿初稿

2.

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「まじ俺、今日ラッキーなの。さっき花荻くんが出たもん、わ~い、若いオス、若いオス、若いオス!」
「うちのに変なことしないでくださいね」
「ベッドの中にお持ち帰りしちゃうとか?」
「そういうことは控えてください」
「あはは、前にあったもんね。前の担当だっけ? 俺がすこ~し、しゃぶろうとしただけで」
「退職しました。それ、犯罪ですからね」
「その一歩手前ですぅ。同意がない子を誘ったりはしませんの~」
 どうだか。いや、そういう方面で松葉――いや松宮はしっかりしている。手を出す相手はちゃんと選ぶ人間というべきか。
「あなたがいつもそういう態度だから、いつまでたっても、ぼくがあなたの担当をしていなければならないんですよ」
「あ~、そういえば、そうだねぇ。ベテランとか大御所には新人育成かねて若い編集つかせるもんねぇ」
 松宮はデビューしてから数年。年月だけでいえば新人から中堅くらいだろうが、この編集部はほぼ松宮のまんがに食わせてもらっているといえるような状態だ。他の編集者の勉強にならないかと担当編集を千尋と交換したことがあるのだが、長く持って一ヶ月、最速は一日でギブアップしていった。
「それができないんですよ、あなたの場合。すぐに編集者をつぶす」
「あは。俺、ちーちゃんがいい!」
「勝手にいっていてください」
「それじゃあ、ほかの出版社にいこうかなぁ」
「知ってますよ、他社で挿絵の仕事、受けていたの」
「あは、バレた」
「とがめはしませんが、それでこちらの締切を守れないというのなら」
「お尻ぺんぺんでもする? あ、いや、ちーちゃんのほうがしてほしい側だっけ?」
 頭にきたので、わざと音を立てて乱暴に受話器を置いた。少しの沈黙。編集部内に重たい空気が流れる。
「あの……千尋さん……?」
 不安げに花荻が話しかけてきた。ちょうどそのとき、また電話が鳴った。
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