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✿初稿
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「あ、忘れてた」
竹野少年の背中を眺めていたら、彼のことを思い出した。新崎迅人。
やってしまったな、と千尋はその場にうづくまった。
「あとで謝らないと」
彼はひとりでコンビニまで行って三人分の朝ごはんを調達してくれたのだ。あのとき、時刻は七時を回っていた。爆睡の守谷は食堂の仕込みに遅れておばさんにしかられただろう。自分も、集中しすぎていて時をわすれていた。
書斎には入ってきてほしくなかった。書き物しているときは、声をかけてほしくなかった。
でも、だからといって、ぶってはいけない、いけなかったのに、手が――。
違う、手のせいにしてはだめだ。ほら、そういうところだ、だからこんなことになっているんじゃないか。
遠い、遠い、まだ遠い。
世界は自分の回りを高速でかけぬけていく。ひとが、だめだ。ひとが、まだだめなのだ。どうして、その輪のなかに入って行けないんだろう。どこか遠い。本当に遠くて、遠い。このままだと、だめになる。
ぶるり、と腰のポケットにいれていたものが震えた。
――今日はやっぱりホテルに行くことにした。大丈夫。昨日今日、泊めてくれてありがとう。
守谷から届いていたメールに、千尋はぎゅっと手を握りしめた。ああ、ほら、遠くなっていく。
竹野少年の背中を眺めていたら、彼のことを思い出した。新崎迅人。
やってしまったな、と千尋はその場にうづくまった。
「あとで謝らないと」
彼はひとりでコンビニまで行って三人分の朝ごはんを調達してくれたのだ。あのとき、時刻は七時を回っていた。爆睡の守谷は食堂の仕込みに遅れておばさんにしかられただろう。自分も、集中しすぎていて時をわすれていた。
書斎には入ってきてほしくなかった。書き物しているときは、声をかけてほしくなかった。
でも、だからといって、ぶってはいけない、いけなかったのに、手が――。
違う、手のせいにしてはだめだ。ほら、そういうところだ、だからこんなことになっているんじゃないか。
遠い、遠い、まだ遠い。
世界は自分の回りを高速でかけぬけていく。ひとが、だめだ。ひとが、まだだめなのだ。どうして、その輪のなかに入って行けないんだろう。どこか遠い。本当に遠くて、遠い。このままだと、だめになる。
ぶるり、と腰のポケットにいれていたものが震えた。
――今日はやっぱりホテルに行くことにした。大丈夫。昨日今日、泊めてくれてありがとう。
守谷から届いていたメールに、千尋はぎゅっと手を握りしめた。ああ、ほら、遠くなっていく。
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