17 / 68
【囚勇02】囚われの勇者 -17歳
1話『新たな勇者』(4/4)
しおりを挟む
***
リンデルはついに決勝戦まで進んでいた。
決勝の相手は、自分よりも五つほど年上に見える整った顔の男だ。
自分より体格も良く、あの勇者専用の甲冑もきっと映えるだろう。
しかしリンデルに勝ちを譲る気はなかった。
相手の剣をギリギリまで見極めて、最小限の動きでかわす。
大振りの後はどうしても隙ができる。
その隙を確実に狙う。
リンデルの体に染み付いた動きは、九番隊で先輩や隊長達に教えられた物だ。
華はなくとも堅実なリンデルの剣に押され、対戦相手が口を開く。
「……君は、自分に勇者が務まると思ってるのか」
鍔迫り合いとなった状態で、相手はリンデルにのみ聞こえる声で話しかけた。
「その歳じゃ未熟だ若造だと反感を買うのが目に見えるだろう。ここは大人しく引き下がるべきじゃないか?」
諭すような声は、リンデルの事を思っての言葉にも聞こえた。
騎士団員には貴族の出の者も多い。
昔ほどではないにしろ、今でも四分の一ほどは貴族出身だ。
おそらくこの相手も貴族で、家の期待も過分に背負っているのだろう。
貴族はその多くが幼いころから剣の教師をつけて訓練を受けてきており、教育水準も平民出身のリンデルよりずっと高い。
彼の言う通り、自分よりも相手の方が勇者となるにふさわしいのだろう。
一瞬力がゆるんだリンデルに、相手がここぞとばかりに囁いた。
「君にはまだ次がある」
次……?
勇者の任期は最大で十五年だ。
確かに、次の新勇者を決める試験に俺はまだ出られる歳だろう。
だがそれは、その時俺が生きているなら、だ。
リンデルの脳裏を、自分を庇って魔物に食われた人々の影が過ぎる。
姉と二人、世界に取り残された日。
その日は、いつもと変わらない一日のように始まった。
リンデルには、今日の次に必ず明日が来るなんて無邪気に信じることは、もうできない。
いつもと同じ毎日が続いてくれたなら、俺はここに居るはずがない!
リンデルは剣を掴む両手にあらん限りの力を込める。
姉の涙も、あの人の血の色も、俺の中にまだ残っている。
――だから俺は今、勇者になる!
リンデルの剣が、迫り合う相手の剣を強く押しあげる。
弾かれた剣に相手の肘が弛む。
その一瞬で、リンデルは剣先を相手の首元に突き付けた。
息を呑む攻防に静まり返っていた闘技場が、熱い歓声に包まれる。
誰の目にも明らかな勝利に、観客は沸き、ルストックは青ざめた。
ある程度予測をしていたレインズですら、この先の親友の苦労を思うと何とも言えない顔になっている。
観客席の中でも、リンデルと同じ九番隊所属の面々は、やはり微妙な表情だ。
そんな中で、普段鋭い表情をあまり崩さない騎士団長だけは、輝くプラチナブロンドを揺らして満足気に口端を上げた。
「か……勝った……?」
闘技場が揺れるような歓声の中で、審判に腕を掲げるよう言われて、リンデルがようやく勝利を実感する。
観客達にその勇姿を見せるべく周囲を見渡していたリンデルが、対戦者用の通路の入り口でこちらを見ている人の姿に気付く。
あれは……。
遠目からでもわかる。
彼が纏う新緑のマントは、勇者のそれだった。
あの時自分を助けてくれた勇者の姿に、リンデルの胸が高なる。
同じ騎士団員となっても、部隊の違う勇者とは言葉を交わすことはおろか、その姿を見る事すらほとんど叶わなかった。
舞台を降りたリンデルはすぐに彼を追う。
自分の試合を見てくれていたことが嬉しい。
彼に憧れて勇者を目指してきたのだと、彼にずっと伝えたかった。
あれから七年、ようやく言葉を交わせる機会を得たことに、リンデルは胸を弾ませる。
「勇者さんっ」
背にかけられたリンデルの声に、勇者が立ち止まる。
しかし彼は振り返らなかった。
「……後悔するぞ」
低く吐き捨てられたような声に、リンデルは耳を疑った。
「え……?」
「お前はもう、自由に家にも帰れなくなる。これからの一生を、この国に縛られて生きるんだ」
一生……? 任期の十五年じゃなく……?
「勇者さん……」
リンデルは、憧れの人を呼ぶ。
勇者はリンデルを助けてくれたあの頃よりいくらか歳を重ねたものの、今も凛々しい美丈夫だった。
あの時初めて間近に見上げたその顔を、もう一度だけ、こちらに向けてほしかった。
「……私はもう勇者じゃない。これからは、お前が勇者だ」
男は言うと、リンデルを振り返ることなく歩き出す。
「この国でただ一人きり。見えない鎖に縛り続けられる、囚われの勇者だ……」
その言葉は、ずしりと重い鎖のようにリンデルに巻き付いた。
まるで、これこそが歴代の勇者による継承だったかのように。
生まれたばかりの勇者は、先代から寿ぎを貰う事も叶わず、ただ重い呪縛だけを押しつけられて立ちすくむ。
リンデルは、去ってゆく彼の背中を追う事が出来なかった。
追いついたとしても、とても会話をしてもらえるとは思えなかった。
彼の落とした言葉だけが、いつまでも耳に残る。
見えない……鎖……?
リンデルが両手を持ち上げると、確かに見えない何かがずしりと重く巻き付いたような感覚がした。
冷たい連鎖の鎖が足元から上ってくるような気がして、リンデルは小さく身震いする。
「あなたが新しい勇者様ですね」
突然近くで聞こえた声に、リンデルは慌てて顔を上げた。
声の主は小柄な青年だった。
地につきそうなほどに長いまっすぐな黒髪を深紅のリボンで一つに括り、目立たない紺色の服に身を包んでいる。
背はリンデルより頭一つ分ほど低いが、年齢はおそらく上なのだろう。
青年は美しい所作で胸に手を当て礼を捧げた。
「お初にお目にかかります。私はロッソ、勇者様の傍らに常に在る者です」
目を閉じたせいもあるのか、ロッソと名乗った青年の無表情に近い顔からは感情が読み取れない。
「え?」
きょとんとした顔のリンデルに、ロッソは続ける。
「勇者様専属の従者として、その護衛と教育を仰せつかっております」
それはつまり、騎士団長かそれより上の人から直接の任務を受けて動いている人。ということなんだろうか。
「どうぞお見知りおきを」
言われて、リンデルは慌てて返事をする。
「は、はい。よろしくお願いします……」
なんだか凄い人が来てしまったぞ。と、リンデルは思った。
勇者というのは本当に国を代表する立場なんだな……。
その日リンデルが理解できたのは、ほんのその程度だった。
***
カタンと物音がして、リンデルは顔を上げた。
どうやら机に向かったまま、うたた寝をしていたようだ。
自分の手には、読んでいたはずの手紙がまだ握られていた。
「起こしてしまいましたか?」
この声はさっき夢の中でも聞いた、ロッソの声だ。
「そこではお風邪を召してしまいます。どうぞ寝台でお休みください」
声の方を見れば、ベッドが完璧に整えられている。
ロッソは素知らぬ顔をしているが、もしかして、わざと物音を立てて俺を起こしたんだろうか。
俺が風邪をひかないように……?
「お手紙、読まれたのですね」
言われて、リンデルは頷く。
「うん。……良い報せだったよ、姉さんが結婚するらしい」
五つ年上の姉は、美人で気立ても良く昔からモテていた。
それなのにここまで結婚話が出なかったのは、きっと俺の面倒ばかり見ていたせいだ。
俺が離れたおかげで姉が良い人と出会えたのなら、それだけでも王都に出てきたかいがあった。
離れても、姉は月に一度は手紙を送ってくれたし、俺もできる限りのペースで返事を送り続けている。
これまでの手紙によると、姉の相手は姉より年上の落ち着いた誠実な人らしい。
結婚は二度目らしいが、前の奥さんは結婚後すぐに魔物に食われたのだと聞いた。
姉は俺よりずっと人を見る目もあるので、失敗するようなことはまずないだろう。
元から綺麗な姉のことだ。純白のドレスを纏う姿はきっと村一番の美人に違いない。
リンデルは、教会で皆の祝福を浴びて幸せそうに微笑む姉の姿を思い浮かべながら、ロッソが整えたベッドにうつ伏せる。
「おめでとうございます」
ロッソがいつもと同じ無表情のままで祝いの言葉を口にしつつ、リンデルに布団をかけた。
「ただ、式の日がなぁ……。夏至祭の三日後だから……」
リンデルは枕を両手で抱え込むようにして顔を押し付ける。
「……王都から三日じゃ無理だよなぁ」
リンデルの声が寂しそうに呟くのを聞いて、ロッソは「……そうですね」と小さく同意した。
姉さんのドレス姿、見たかったなぁ……。
それを言ったところで、どうしようもないけれど。
勇者は毎年夏至祭に参加する決まりだし、夏至祭の日付も結婚式の日付も、もう決まっているのだから。
ジャラリとリンデルの耳元で、見えない鎖が聞こえないはずの音を立てる。
その度、あの時の前勇者の言葉がリンデルの胸に蘇る。
見えない鎖に縛られた、囚われの勇者……か。
リンデルはついに決勝戦まで進んでいた。
決勝の相手は、自分よりも五つほど年上に見える整った顔の男だ。
自分より体格も良く、あの勇者専用の甲冑もきっと映えるだろう。
しかしリンデルに勝ちを譲る気はなかった。
相手の剣をギリギリまで見極めて、最小限の動きでかわす。
大振りの後はどうしても隙ができる。
その隙を確実に狙う。
リンデルの体に染み付いた動きは、九番隊で先輩や隊長達に教えられた物だ。
華はなくとも堅実なリンデルの剣に押され、対戦相手が口を開く。
「……君は、自分に勇者が務まると思ってるのか」
鍔迫り合いとなった状態で、相手はリンデルにのみ聞こえる声で話しかけた。
「その歳じゃ未熟だ若造だと反感を買うのが目に見えるだろう。ここは大人しく引き下がるべきじゃないか?」
諭すような声は、リンデルの事を思っての言葉にも聞こえた。
騎士団員には貴族の出の者も多い。
昔ほどではないにしろ、今でも四分の一ほどは貴族出身だ。
おそらくこの相手も貴族で、家の期待も過分に背負っているのだろう。
貴族はその多くが幼いころから剣の教師をつけて訓練を受けてきており、教育水準も平民出身のリンデルよりずっと高い。
彼の言う通り、自分よりも相手の方が勇者となるにふさわしいのだろう。
一瞬力がゆるんだリンデルに、相手がここぞとばかりに囁いた。
「君にはまだ次がある」
次……?
勇者の任期は最大で十五年だ。
確かに、次の新勇者を決める試験に俺はまだ出られる歳だろう。
だがそれは、その時俺が生きているなら、だ。
リンデルの脳裏を、自分を庇って魔物に食われた人々の影が過ぎる。
姉と二人、世界に取り残された日。
その日は、いつもと変わらない一日のように始まった。
リンデルには、今日の次に必ず明日が来るなんて無邪気に信じることは、もうできない。
いつもと同じ毎日が続いてくれたなら、俺はここに居るはずがない!
リンデルは剣を掴む両手にあらん限りの力を込める。
姉の涙も、あの人の血の色も、俺の中にまだ残っている。
――だから俺は今、勇者になる!
リンデルの剣が、迫り合う相手の剣を強く押しあげる。
弾かれた剣に相手の肘が弛む。
その一瞬で、リンデルは剣先を相手の首元に突き付けた。
息を呑む攻防に静まり返っていた闘技場が、熱い歓声に包まれる。
誰の目にも明らかな勝利に、観客は沸き、ルストックは青ざめた。
ある程度予測をしていたレインズですら、この先の親友の苦労を思うと何とも言えない顔になっている。
観客席の中でも、リンデルと同じ九番隊所属の面々は、やはり微妙な表情だ。
そんな中で、普段鋭い表情をあまり崩さない騎士団長だけは、輝くプラチナブロンドを揺らして満足気に口端を上げた。
「か……勝った……?」
闘技場が揺れるような歓声の中で、審判に腕を掲げるよう言われて、リンデルがようやく勝利を実感する。
観客達にその勇姿を見せるべく周囲を見渡していたリンデルが、対戦者用の通路の入り口でこちらを見ている人の姿に気付く。
あれは……。
遠目からでもわかる。
彼が纏う新緑のマントは、勇者のそれだった。
あの時自分を助けてくれた勇者の姿に、リンデルの胸が高なる。
同じ騎士団員となっても、部隊の違う勇者とは言葉を交わすことはおろか、その姿を見る事すらほとんど叶わなかった。
舞台を降りたリンデルはすぐに彼を追う。
自分の試合を見てくれていたことが嬉しい。
彼に憧れて勇者を目指してきたのだと、彼にずっと伝えたかった。
あれから七年、ようやく言葉を交わせる機会を得たことに、リンデルは胸を弾ませる。
「勇者さんっ」
背にかけられたリンデルの声に、勇者が立ち止まる。
しかし彼は振り返らなかった。
「……後悔するぞ」
低く吐き捨てられたような声に、リンデルは耳を疑った。
「え……?」
「お前はもう、自由に家にも帰れなくなる。これからの一生を、この国に縛られて生きるんだ」
一生……? 任期の十五年じゃなく……?
「勇者さん……」
リンデルは、憧れの人を呼ぶ。
勇者はリンデルを助けてくれたあの頃よりいくらか歳を重ねたものの、今も凛々しい美丈夫だった。
あの時初めて間近に見上げたその顔を、もう一度だけ、こちらに向けてほしかった。
「……私はもう勇者じゃない。これからは、お前が勇者だ」
男は言うと、リンデルを振り返ることなく歩き出す。
「この国でただ一人きり。見えない鎖に縛り続けられる、囚われの勇者だ……」
その言葉は、ずしりと重い鎖のようにリンデルに巻き付いた。
まるで、これこそが歴代の勇者による継承だったかのように。
生まれたばかりの勇者は、先代から寿ぎを貰う事も叶わず、ただ重い呪縛だけを押しつけられて立ちすくむ。
リンデルは、去ってゆく彼の背中を追う事が出来なかった。
追いついたとしても、とても会話をしてもらえるとは思えなかった。
彼の落とした言葉だけが、いつまでも耳に残る。
見えない……鎖……?
リンデルが両手を持ち上げると、確かに見えない何かがずしりと重く巻き付いたような感覚がした。
冷たい連鎖の鎖が足元から上ってくるような気がして、リンデルは小さく身震いする。
「あなたが新しい勇者様ですね」
突然近くで聞こえた声に、リンデルは慌てて顔を上げた。
声の主は小柄な青年だった。
地につきそうなほどに長いまっすぐな黒髪を深紅のリボンで一つに括り、目立たない紺色の服に身を包んでいる。
背はリンデルより頭一つ分ほど低いが、年齢はおそらく上なのだろう。
青年は美しい所作で胸に手を当て礼を捧げた。
「お初にお目にかかります。私はロッソ、勇者様の傍らに常に在る者です」
目を閉じたせいもあるのか、ロッソと名乗った青年の無表情に近い顔からは感情が読み取れない。
「え?」
きょとんとした顔のリンデルに、ロッソは続ける。
「勇者様専属の従者として、その護衛と教育を仰せつかっております」
それはつまり、騎士団長かそれより上の人から直接の任務を受けて動いている人。ということなんだろうか。
「どうぞお見知りおきを」
言われて、リンデルは慌てて返事をする。
「は、はい。よろしくお願いします……」
なんだか凄い人が来てしまったぞ。と、リンデルは思った。
勇者というのは本当に国を代表する立場なんだな……。
その日リンデルが理解できたのは、ほんのその程度だった。
***
カタンと物音がして、リンデルは顔を上げた。
どうやら机に向かったまま、うたた寝をしていたようだ。
自分の手には、読んでいたはずの手紙がまだ握られていた。
「起こしてしまいましたか?」
この声はさっき夢の中でも聞いた、ロッソの声だ。
「そこではお風邪を召してしまいます。どうぞ寝台でお休みください」
声の方を見れば、ベッドが完璧に整えられている。
ロッソは素知らぬ顔をしているが、もしかして、わざと物音を立てて俺を起こしたんだろうか。
俺が風邪をひかないように……?
「お手紙、読まれたのですね」
言われて、リンデルは頷く。
「うん。……良い報せだったよ、姉さんが結婚するらしい」
五つ年上の姉は、美人で気立ても良く昔からモテていた。
それなのにここまで結婚話が出なかったのは、きっと俺の面倒ばかり見ていたせいだ。
俺が離れたおかげで姉が良い人と出会えたのなら、それだけでも王都に出てきたかいがあった。
離れても、姉は月に一度は手紙を送ってくれたし、俺もできる限りのペースで返事を送り続けている。
これまでの手紙によると、姉の相手は姉より年上の落ち着いた誠実な人らしい。
結婚は二度目らしいが、前の奥さんは結婚後すぐに魔物に食われたのだと聞いた。
姉は俺よりずっと人を見る目もあるので、失敗するようなことはまずないだろう。
元から綺麗な姉のことだ。純白のドレスを纏う姿はきっと村一番の美人に違いない。
リンデルは、教会で皆の祝福を浴びて幸せそうに微笑む姉の姿を思い浮かべながら、ロッソが整えたベッドにうつ伏せる。
「おめでとうございます」
ロッソがいつもと同じ無表情のままで祝いの言葉を口にしつつ、リンデルに布団をかけた。
「ただ、式の日がなぁ……。夏至祭の三日後だから……」
リンデルは枕を両手で抱え込むようにして顔を押し付ける。
「……王都から三日じゃ無理だよなぁ」
リンデルの声が寂しそうに呟くのを聞いて、ロッソは「……そうですね」と小さく同意した。
姉さんのドレス姿、見たかったなぁ……。
それを言ったところで、どうしようもないけれど。
勇者は毎年夏至祭に参加する決まりだし、夏至祭の日付も結婚式の日付も、もう決まっているのだから。
ジャラリとリンデルの耳元で、見えない鎖が聞こえないはずの音を立てる。
その度、あの時の前勇者の言葉がリンデルの胸に蘇る。
見えない鎖に縛られた、囚われの勇者……か。
0
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる