💘Purple Violet⚜️💐 堅物実直なノンケ親友への想いを、27年越しに伝えてテンパるゆるふわ一途イケメンのお話

良音 夜代琴

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番外編

ハロウィンの夜に (後編)

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家に着いて、これでようやく着替えられると思ったら、着替えるよりも早く覆い被さってきたルスに、俺はあっという間にベッドに押し倒された。

あー……。
そーゆーことか……。

つまり、ルスは向こうにいた時から、俺のこの姿にムラムラしてたって事か?

チリチリするような視線にルスを見上げれば、ルスの小さな黒い瞳は、隠す必要のなくなった劣情をたっぷり纏わせて俺を見つめていた。
ルスの眼差しに射抜かれて、俺の喉がごくりと音を立てる。

「レイ、可愛いな……」
愛しげな囁きに、どうしようもなく顔が熱くなる。

俺の解きかけていたローブの紐を、ルスのごつごつした手がそっと解いて、やたらとゆっくり前を開く。
それからルスは、膝ほどまでしかないヒラヒラしたスカート姿の俺を、隅々までねっとりと眺める。

うううううぅぅぅ……いつまで視姦する気なんだよ……。
もう脱がすなら一気に脱がしてくれよ!!

「っ……」
俺は耐えきれなくなって、顔を覆う。

ギシ、とベッドが軋んで、ルスが俺に身体を寄せる気配がする。
ルスのあったかい手がスカートの下から差し込まれて、俺の太ももをゆるく撫でた。
思わず小さく肩が揺れる。

もっ……。
もしかして、ルス、このまま……。
この格好の俺と、するつもりなのか……?

顔を覆った指の間からチラとルスをうかがうと、ルスは口端を持ち上げて悪戯っぽく笑った。

うん、すげー楽しそうだ。

……やっぱあれかな、ルスは男より女の方が好きなんだろうしな。
だから俺の事も、女物の服着てる方が、好きなのかな……。

なんだか胸に隙間風が吹き込むような寒さを感じて、俺は顔を覆った手のひらの中でそっと目を伏せた。

俺の太ももを撫で回していたルスの手が、服の上から俺のモノを撫でる。

「レイ……?」
ルスが心配そうな声で俺を呼んだ。

きっと俺のが、ルスが思ったよりしょんぼりしてたんだろうな。

ルスの温かい指が俺の顔を覆う手に優しく絡みついて、一本ずつ丁寧に解いてゆく。

「どうしたんだ?」
ルスの柔らかい唇が、俺を慰めるように額に目尻に鼻先に落とされた。

こういう時は正直に話すのが身のためだと、俺も最近は十分理解している。
そうじゃなきゃ、ルスは俺の身体に直接尋ねてくるからな。

「えっとさ……ルスはやっぱ……女としたいよな……?」

俺の言葉にルスは「そんなことか」と苦笑した。
なんだよ。簡単に言ってくれるけどさ、俺にとっちゃ『そんなこと』じゃねーんだよ。

ルスは俺の半眼に気づいたのか、態度を改めて俺の手を恭しく持ち上げると、俺の指先に口付けて言う。
「俺が抱きたいと思うのは、お前だけだ」
言葉通りの欲を浮かべた眼差しで見つめられて、俺の胎の奥が小さく疼く。

「ん……だからさ、俺は女にはなれねーけど、せめて、ルスの側では女装してる方が、ルスは嬉しいのかなって……」

ルスは一瞬ポカンとした顔をして、それからニヤリと意地悪く笑った。
「ふむ。それはそれで、そそられる提案だな」
ルスの顔が俺の耳元に寄せられる。
「お前は、俺のために毎日そんな格好をしてくれると言うのか……?」
ルスの甘く囁くような声が耳から入ると、身体中が熱を持つ。

ま、毎日……!?
って事は、何着か買わないとだよな……。
俺が覚悟を決めて小さく頷くと、ルスはクスクスと笑い出した。

「まったく、お前の献身にもまいったものだ」
「なっ、なんだよ、笑うなよっ」
俺は真剣なんだぞ、と俺が真っ赤な顔で文句を言うと、ルスは小さな瞳をスッと細めた。

「お前にはハッキリ言っておく必要があるな」
ルスはベッドの壁際に背を預けて俺を膝に手招く。
俺がルスの膝の上に横抱きにおさまると、ルスは俺を覗き込むようにして、ゆっくりと諭すように言う。

「いいか。第一に、俺はその服を良いと思っているわけじゃない」
「え……」
「いつもと違った服を着ている『お前』を良いと思っているんだ」
ルスが俺の横髪に口付ける。
「……っ」
「それに俺は、女だろうと男だろうと、だれかれ構わず抱きたいわけではない」
「ん……」
それはまあ、分かるんだけどさ……。
「可愛いお前だから、抱きたくてたまらなくなるんだ……」
熱い息を吐いて、ルスが俺を胸の内へと抱きすくめる。
「あまり容易く自信を失くしてくれるな。俺がどれほどお前を愛しているのか、そろそろ分かってくれないか?」

……そう、だよな……。
俺がこんな風にすぐ不安になってちゃ、ルスだって自分の気持ちは信じられないのかって不安になるよな。

「ごめん、俺、ルスを疑ってるわけじゃ……」
ルスの唇がそっと俺の口を塞いで、ゆっくり離れる。
「ああ、分っている。お前が素直に話してくれてよかったよ」
そう言ってルスは俺の頭を撫でた。

ホッとした俺のすぐそばで、ルスのそれが力強く反り返っているのに気付く。

えっと……。もしかして、ルスのって、この会話中ずっと勃ってた……のか?

「お前は何も心配しなくていい。これからお前には、たっぷり、分からせてやるからな」

言いながら、ルスは俺を膝から下ろすと手早く自分の衣服を脱ぎ捨てた。
八つに分かれたムキムキの腹筋を背景に、ルスのものが力強くそそり立っている。
ルスは服を脱いだ拍子にハラリと前に零れた黒髪を後ろへ撫で付けながら、ギラついた目で俺を見据えている。

まるで獲物を前にした獣のような、野生味溢れるルスの色香に、俺はクラクラしてしまう。

な、なんか俺、もしかして……元からやる気満々だったルスに、さらに油をそそいだんじゃないか……?

俺は、薄々返事を予想しつつも引き攣る顔で尋ねる。
「えっと……、な、何を……?」

「俺がどれだけお前を愛しているかを、お前の身体と心が理解するまで、何度でも刻み込んでやる」
宣言と同時に飛びかかってきたルスを、俺は両腕を広げて受け入れる。

あー、これは今夜は寝かせてもらえねーやつだな……。
下手すりゃ昼までか……? 明後日大丈夫かな……。

頭の隅でそう思いながらも口元を緩ませてしまう俺の身体は、もうとっくにルスに作り変えられてしまっていた。

俺を残さず食い尽くそうと襲いかかるルスに、俺の背にぞくりと熱が走る。
ああ、このまま本当に、俺を全部食べてくれたらいいのに……。
ルスの一部になれたら、それはどんなに幸せだろう。
そんな思いが胸をよぎって、俺は上がる息の合間に小さく苦笑した。


ふと、今日子どもたちが揃って口にしていた言葉が耳に蘇る。

お菓子か悪戯か。

俺たちは子どもたちにお菓子だけを与えてきたけど、俺がルスから欲しいのは、甘い愛だけじゃない。
ルスが与えてくれるなら、俺はお菓子も悪戯も全て欲しいと願ってしまう。

ああそうか……。

俺はきっと、あの頃から……。

ルスが魔物を前にした時にだけ垣間見せる、憎悪の籠った剥き出しの殺意。
あの危うさに、あの深い闇にもまた、俺はどうしようもなく惹かれていたんだ……。

いつもの優しくて頼もしくて理性的なルスも、俺を失う事に怯えて俺の全てを欲しがるルスも、俺にはどちらもが愛しくてたまらない。

「ルス……、っ、ん……っ、全部、愛してる、よ……」
ルスの丹念な愛撫に震えながら俺が伝えた言葉に、ルスは微笑んで「俺もお前の全てを心から愛している」と応えて唇で俺を撫でてくれる。

心が満たされて温まれば、身体にも更なる熱が広がる。
「ぁ、あ、ぁあ……っ」
「レイ……」
俺の名を愛しげに呼んで、ルスが深く口付ける。

俺に愛を刻んでくれるという男の甘い陵虐の罠に、俺は身も心も惜しまず全てを差し出した。
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