77 / 131
第5章 ネイスエル女王国編
75 水中での実戦訓練②
しおりを挟む
空を飛ぶ。想像するだけで、なんでこんなに興奮するんだろう。空を飛びたいという憧れがあった訳でもないのにな。
『フフ。空を飛ぶことを考えて興奮しておるのではないか?』
「それはそうだよ! 空を飛びたいなんて夢があった訳じゃないけど、実際に飛べるなんて聞いたらやっぱりワクワクするよ!」
『龍族にとって飛ぶことは歩くことみたいなものだが、人族ならばそうであろうな。魔物との実戦訓練で浮遊の感覚をしっかりと把握するのだぞ。水中では重力に浮力、そして水抵抗や水圧などを調整するのが肝要だ。そして陸上では重力に空気抵抗、気圧や気温などを調整する必要がある。浮遊を陸上で修行すると、失敗したときは地面に落下してしまうが、水中ならばその心配はない。心置きなく練習するとよい』
なるほどね。浮遊の魔法を水中で修行するのは、色々な配慮をしてくれた結果なんだな。本当にありがたい。
それからは探知魔法で見つけた魔物を狩りまくった。イカやカニの魔物、エイの形をした魔物など色んな水棲魔物と戦ったけど、一番手強かったのは鮫の魔物だ。
攻撃方法は噛み付きぐらいで大したことは無かったんだけど、とにかくスピードが速かった。何度も戦ったおかげで浮遊でダッシュするのが得意になったけどさ。
ルシアの説明によると、水中なら水魔法、空中なら風魔法を併用することで、さらに速く移動することができるようになるらしい。
今日の実戦訓練はこれで終わって、続きはまた明日ということになった。
ルシアの転移で宿に戻って、とても美味しい夕食をいただきました。たくさん動いたからお腹ペコペコだったんだよね。食事のあとは勉強もして就寝。充実した一日だったな!
そして朝起きると、今日は土砂降りの雨だった。
『さて、今日も実戦訓練の続きをするぞ。今日は風も強く海が荒れておる。そういった海を体験しておくのもよい修行になる。
また魔物との戦闘の際には水中で目の前に転移する練習もやってみよ。何でも慣れておかないといけないからな』
いきなり修行のレベルが上がった気がするけど、確かに目の前への転移も色んな場面で使えるようになっておいた方がいいよね。
「分かったよ。転移の練習は多くの魔力を使うから、魔道具のことも考えて魔力に気を付けるようにするよ」
『そこが狙いでもあったのだ。常時、障壁魔法を使うのは無意識に行えるレベルになっておるが、今はその約4割を魔道具に使い、浮遊魔法でも魔力を使い、探知魔法や身体強化を行いながら転移をしなければならない。魔力量の把握は当然として、複合的に魔力を使うよい訓練となろう』
「そうやって説明されると、いくつも同時に魔力を使うのはとても大変なことに聞こえるね」
『その通りだ。魔力操作が苦手な者は複数同時に魔力を使うことができないのだ。例えば障壁魔法を使いながら火魔法で攻撃することもできないというわけだ。そのためにも魔力操作の訓練は大事なのだぞ。お主が何でもないことのようにやっていることは、才能も必要だが努力の結果が形になっているということだ』
「ルシアからそう言われると成長を実感できて嬉しくなるね! よし、今日の訓練も気合いを入れてやるぞ!」
ルシアの転移で海に移動した僕は魔道具に魔力を流して、早速海中に潜った。
風が強いせいで海面から浅いところでは水の流れが速かったけど、深く潜ると穏やかな流れだ。
「さて、500mほど先に魔力反応があるね。動きが速いから鮫の魔物かも。まずはそこまで移動するよ」
浮遊の魔法を使って、魔物のところまで移動する。姿が見えてきたぞ。やっぱり鮫の魔物だ。
「ルシア、転移で接近してからの攻撃を試してみるね」
『うむ。転移は接近戦と相性が良いからな。お主の思うように試してみるとよいぞ』
僕は鮫の魔物を視界に捉え、空間を把握して鮫の魔物の側面に転移。そのままミスリルの剣を振り下ろす。見事に側面から真っ二つ。スピードが厄介な鮫の魔物を一撃で仕留めることができた。
「水中でも問題無く転移ができたよ。目をつぶらずに転移できたから攻撃までスムーズに繋げられたね」
『魔力による身体強化と武器の強化もスムーズにできていたな。
転移と斬撃の組み合わせは強力な攻撃手段となる。大量の魔力が必要となるため使いどころは考えねばならないがな』
敵にしてみれば突然近くに現れて斬られるんだから避けにくい技だよね。これも練習を続けるようにしとこう。
そのあとも魔物との実戦を重ねて、浮遊を使った移動、剣や魔法攻撃などを色々と試すことができた。午前中で一番大変だったのは、槍のように突っ込んでくる鋭い形の魚の魔物だ。50匹を超える群れだったから攻撃を避けるのが大変だった。
『ふむ。水の中での移動や戦闘にも慣れたようだな。それでは予定より少し早いが、午後から水の大龍穴に行ってみることにしよう』
おお! いよいよ水の大龍穴か。水龍様はどんな方だろう。
3つ目となる大龍穴と水龍様に会えることを想像して気持ちが高揚するのだった。
『フフ。空を飛ぶことを考えて興奮しておるのではないか?』
「それはそうだよ! 空を飛びたいなんて夢があった訳じゃないけど、実際に飛べるなんて聞いたらやっぱりワクワクするよ!」
『龍族にとって飛ぶことは歩くことみたいなものだが、人族ならばそうであろうな。魔物との実戦訓練で浮遊の感覚をしっかりと把握するのだぞ。水中では重力に浮力、そして水抵抗や水圧などを調整するのが肝要だ。そして陸上では重力に空気抵抗、気圧や気温などを調整する必要がある。浮遊を陸上で修行すると、失敗したときは地面に落下してしまうが、水中ならばその心配はない。心置きなく練習するとよい』
なるほどね。浮遊の魔法を水中で修行するのは、色々な配慮をしてくれた結果なんだな。本当にありがたい。
それからは探知魔法で見つけた魔物を狩りまくった。イカやカニの魔物、エイの形をした魔物など色んな水棲魔物と戦ったけど、一番手強かったのは鮫の魔物だ。
攻撃方法は噛み付きぐらいで大したことは無かったんだけど、とにかくスピードが速かった。何度も戦ったおかげで浮遊でダッシュするのが得意になったけどさ。
ルシアの説明によると、水中なら水魔法、空中なら風魔法を併用することで、さらに速く移動することができるようになるらしい。
今日の実戦訓練はこれで終わって、続きはまた明日ということになった。
ルシアの転移で宿に戻って、とても美味しい夕食をいただきました。たくさん動いたからお腹ペコペコだったんだよね。食事のあとは勉強もして就寝。充実した一日だったな!
そして朝起きると、今日は土砂降りの雨だった。
『さて、今日も実戦訓練の続きをするぞ。今日は風も強く海が荒れておる。そういった海を体験しておくのもよい修行になる。
また魔物との戦闘の際には水中で目の前に転移する練習もやってみよ。何でも慣れておかないといけないからな』
いきなり修行のレベルが上がった気がするけど、確かに目の前への転移も色んな場面で使えるようになっておいた方がいいよね。
「分かったよ。転移の練習は多くの魔力を使うから、魔道具のことも考えて魔力に気を付けるようにするよ」
『そこが狙いでもあったのだ。常時、障壁魔法を使うのは無意識に行えるレベルになっておるが、今はその約4割を魔道具に使い、浮遊魔法でも魔力を使い、探知魔法や身体強化を行いながら転移をしなければならない。魔力量の把握は当然として、複合的に魔力を使うよい訓練となろう』
「そうやって説明されると、いくつも同時に魔力を使うのはとても大変なことに聞こえるね」
『その通りだ。魔力操作が苦手な者は複数同時に魔力を使うことができないのだ。例えば障壁魔法を使いながら火魔法で攻撃することもできないというわけだ。そのためにも魔力操作の訓練は大事なのだぞ。お主が何でもないことのようにやっていることは、才能も必要だが努力の結果が形になっているということだ』
「ルシアからそう言われると成長を実感できて嬉しくなるね! よし、今日の訓練も気合いを入れてやるぞ!」
ルシアの転移で海に移動した僕は魔道具に魔力を流して、早速海中に潜った。
風が強いせいで海面から浅いところでは水の流れが速かったけど、深く潜ると穏やかな流れだ。
「さて、500mほど先に魔力反応があるね。動きが速いから鮫の魔物かも。まずはそこまで移動するよ」
浮遊の魔法を使って、魔物のところまで移動する。姿が見えてきたぞ。やっぱり鮫の魔物だ。
「ルシア、転移で接近してからの攻撃を試してみるね」
『うむ。転移は接近戦と相性が良いからな。お主の思うように試してみるとよいぞ』
僕は鮫の魔物を視界に捉え、空間を把握して鮫の魔物の側面に転移。そのままミスリルの剣を振り下ろす。見事に側面から真っ二つ。スピードが厄介な鮫の魔物を一撃で仕留めることができた。
「水中でも問題無く転移ができたよ。目をつぶらずに転移できたから攻撃までスムーズに繋げられたね」
『魔力による身体強化と武器の強化もスムーズにできていたな。
転移と斬撃の組み合わせは強力な攻撃手段となる。大量の魔力が必要となるため使いどころは考えねばならないがな』
敵にしてみれば突然近くに現れて斬られるんだから避けにくい技だよね。これも練習を続けるようにしとこう。
そのあとも魔物との実戦を重ねて、浮遊を使った移動、剣や魔法攻撃などを色々と試すことができた。午前中で一番大変だったのは、槍のように突っ込んでくる鋭い形の魚の魔物だ。50匹を超える群れだったから攻撃を避けるのが大変だった。
『ふむ。水の中での移動や戦闘にも慣れたようだな。それでは予定より少し早いが、午後から水の大龍穴に行ってみることにしよう』
おお! いよいよ水の大龍穴か。水龍様はどんな方だろう。
3つ目となる大龍穴と水龍様に会えることを想像して気持ちが高揚するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧井 汐桜香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます
よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」
婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。
「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」
「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」
両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。
お姉様からは用が済んだからと捨てられます。
「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」
「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」
ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。
唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。
ここから私の人生が大きく変わっていきます。
婚約破棄? めんどくさいのでちょうどよかった ――聖女もやめて、温泉でごくらくしてます
ふわふわ
恋愛
婚約破棄を告げられた聖女リヴォルタ・レーレ。
理由は、「彼女より優秀な“真の聖女”が見つかったから」。
……正直、めんどくさい。
政略、責任、義務、期待。
それらすべてから解放された彼女は、
聖女を辞めて、ただ温泉地でのんびり暮らすことを選ぶ。
毎日、湯に浸かって、ご飯を食べて、散歩して。
何もしない、何も背負わない、静かな日常。
ところが――
彼女が去った王都では、なぜか事故や災害が相次ぎ、
一方で、彼女の滞在する温泉地とその周辺だけが
異様なほど平和になっていく。
祈らない。
詠唱しない。
癒やさない。
それでも世界が守られてしまうのは、なぜなのか。
「何もしない」ことを選んだ元聖女と、
彼女に“何もさせない”ことを選び始めた世界。
これは、
誰かを働かせなくても平和が成り立ってしまった、
いちばん静かで、いちばん皮肉な“ざまぁ”の物語。
【完結】身代わり皇妃は処刑を逃れたい
マロン株式
恋愛
「おまえは前提条件が悪すぎる。皇妃になる前に、離縁してくれ。」
新婚初夜に皇太子に告げられた言葉。
1度目の人生で聖女を害した罪により皇妃となった妹が処刑された。
2度目の人生は妹の代わりに私が皇妃候補として王宮へ行く事になった。
そんな中での離縁の申し出に喜ぶテリアだったがー…
別サイトにて、コミックアラカルト漫画原作大賞最終候補28作品ノミネート
「魔法を使わない魔術師を切り捨てた国は、取り返しのつかない後悔をする
藤原遊
ファンタジー
魔法を使わない魔術師は、役に立たない。
そう判断した王国は、彼女を「不要」と切り捨てた。
派手な魔法も、奇跡も起こさない。
彼女がしていたのは、魔力の流れを整え、結界を維持し、
魔法事故が起きないよう“何も起こらない状態”を保つことだけだった。
代わりはいくらでもいる。
そう思われていた仕事は、彼女がいなくなった途端に破綻する。
魔法は暴走し、結界は歪み、
国は自分たちが何に守られていたのかを知る。
これは、
魔法を使わなかった魔術師が、
最後まで何もせずに証明した話。
※主人公は一切振り返りません。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる