79 / 131
第5章 ネイスエル女王国編
77 王宮での交渉
しおりを挟む
「湖に潜りたい? それはダメだ。湖に入ることは法律で禁じられている」
僕たちは王宮に付くと、王宮の入り口で門番をしている男性を見つけ話をしている。
「でも僕たちはどうしても潜らないと行けないんです。誰か許可を出せる人はいないのでしょうか?」
「許可……か。湖に潜るのは女王様と人魚だけだからな。例外は聞いたことが無いし、許可となると女王様しか考えられないが、いきなり女王様にお伺いを立てるとか無理だな」
湖に潜るのは女王様の許可がいるのか。それはハードルが高い話だな。何か方法は無いものかな。一応聞いてみよう。
「ちなみにですが、女王様にお願いする手順としてはどのようなことが考えられますか?」
門番の男性が腕組みして考えてくれている。威圧的にダメとは言わずに、こうやって考えてくれる当り、親切な人なんだろうな。
「まず湖に潜るという許可が出るとは思えない。それでもお願いするというのなら手紙でも書いてもらって預かるぐらいかな。ただし、いつ返事が来るかも分からないし、女王様のところに手渡される約束もできないけどな」
手紙か。確かにウェスタール王国で王様にお願いがあるとしてもいきなり会うなんて無理だし、手紙も届くかどうかは分かんないよね。
「王宮に知り合いとかはいないのか? それなら少しは可能性があるかも知れないぞ」
王宮に知り合い……いや、いないです。ルシアにもいないだろうな。水龍様とは知り合いだろうけど。
そうやって、門番の男性と話をしていると、遠くの方から女性が走ってくるのが見える。
さっき、受付施設のところで用紙を渡してくれた女性だ。
「そこのお2人お待ちくださ~い!」
僕たちのことかな? 何かやらかした? 少し息を切らしながら魚人の女性が駆け寄ってきた。
「ふぅ~。追いつきました。Cランクハンターのレンさんとルシアさんで間違いないですね?」
「はい。そうですけど……」
「レンさんは用紙に本名も記入してありましたが、レアンデル=アリウスというお名前で間違いないですか?」
「はい。そうです」
「ウェスタール王国の名門貴族であるアリウス家の方でしょうか?」
「名門かどうかは分かりませんが、父はランバート=アリウスで、僕は長男になります」
受付用紙の名前の欄にはレンという名前を書いたけど、王宮の許可も兼ねているというから本名も書いたんだけど、まずかったかな。
「やはりアリウス家のご子息でしたか! ランバート様の武名はネイスエル女王国にも届いています。お時間があるようでしたら、王宮でお茶でも召し上がられませんか?」
父上ってそんなに有名だったの? 確かにレオーネ陛下もご存知だったけどさ。
『せっかくのお誘いだ。お茶をいただこうではないか』
「それでは、よろしくお願いします」
ルシアが僕に目で合図をしてきたけど、僕にも分かってるよ。せっかく王宮に入れるチャンスだもんね。
僕たちは受付の女性について王宮の中へと入って行った。後ろで門番の人が「きちんとコネがあってよかったな!」みたいなことを言ってたようだけど、こんな展開になることは予想してませんでしたよ。
僕たちは10人ぐらいは入れる応接室みたいな部屋に通されると、コーヒーとお茶菓子を出されて、椅子に座ってまったりとくつろいでいる。案内してくれた女性が誰かを連れてくるらしく、それを待っている状態だ。
「一体、誰が来るんだろうね?」
まあ、ルシアはそういうことに興味は無いと思うけど、独り言のように呟いてみた。するとドアがノックされて、部屋に2人入ってきた。案内してくれた女性とガッチリとした体格の魚人の男性だ。見た目的に鮫の魚人に間違いないだろう。
「お待たせしました。お連れしたのは、ザック=ガレオス伯爵です。受付から王宮に連絡したところ、どうしてもアリウス家の方に会ってみたいと言われまして」
「お初にお目にかかる。王宮警備隊長を務めるザック=ガレオスと申す。君の父であるランバート殿の武名は聞き及んでいる。そんな方の子息が来られていると聞いて、失礼ながら呼び出してもらった訳だ。
質問なのだが、この国に来たのは視察なのか? それともただの観光か?」
あ~。なるほど。父上のことを知っていて、突然その息子らしき者が現れたから、その目的を知りたいってことかな。
「視察ではありません。観光というのは少し含まれてるところもありますが、正確にはこちらにいる父の知人に教わりながら、修行の旅をしているところです」
ここでもルシアと作った設定を伝えることにした。実際にルシアに教わりながら修行の旅をしてるんだけどね。
「修行の旅……その若さで修行の旅に出されるとは流石はアリウス家! 自分の子どもを甘やかさず、外の世界で強さを身に付けさせるとは武門の鑑のような教育ですな」
ガレオス伯爵がものすごく頷いてる。どう見ても武闘派という雰囲気だもんな。厳しい修行などの話は大好きなんだろうな。
「それで1つお願いがあるのです」
「お願いとは?」
「こちらにいる父の知人であるルシアさんからの提案で、女王様から湖に潜る許可をいただきたいのです」
『我はルシアと言う。水龍とは知り合いでな。久しぶりに会いに来たのだ。それには湖に潜っていくのが早いゆえ、許可がいるのならもらいたい』
「水龍様と知り合い? 湖に潜りたい? 馬鹿を申すな! 水龍アクア様は女王様しかお会いできない神聖なお方。そのようなお願いなど聞ける訳がなかろう!」
あ~、怒っちゃったね。この反応は予想してたけどさ。さて、どうすることにしますかね。
僕たちは王宮に付くと、王宮の入り口で門番をしている男性を見つけ話をしている。
「でも僕たちはどうしても潜らないと行けないんです。誰か許可を出せる人はいないのでしょうか?」
「許可……か。湖に潜るのは女王様と人魚だけだからな。例外は聞いたことが無いし、許可となると女王様しか考えられないが、いきなり女王様にお伺いを立てるとか無理だな」
湖に潜るのは女王様の許可がいるのか。それはハードルが高い話だな。何か方法は無いものかな。一応聞いてみよう。
「ちなみにですが、女王様にお願いする手順としてはどのようなことが考えられますか?」
門番の男性が腕組みして考えてくれている。威圧的にダメとは言わずに、こうやって考えてくれる当り、親切な人なんだろうな。
「まず湖に潜るという許可が出るとは思えない。それでもお願いするというのなら手紙でも書いてもらって預かるぐらいかな。ただし、いつ返事が来るかも分からないし、女王様のところに手渡される約束もできないけどな」
手紙か。確かにウェスタール王国で王様にお願いがあるとしてもいきなり会うなんて無理だし、手紙も届くかどうかは分かんないよね。
「王宮に知り合いとかはいないのか? それなら少しは可能性があるかも知れないぞ」
王宮に知り合い……いや、いないです。ルシアにもいないだろうな。水龍様とは知り合いだろうけど。
そうやって、門番の男性と話をしていると、遠くの方から女性が走ってくるのが見える。
さっき、受付施設のところで用紙を渡してくれた女性だ。
「そこのお2人お待ちくださ~い!」
僕たちのことかな? 何かやらかした? 少し息を切らしながら魚人の女性が駆け寄ってきた。
「ふぅ~。追いつきました。Cランクハンターのレンさんとルシアさんで間違いないですね?」
「はい。そうですけど……」
「レンさんは用紙に本名も記入してありましたが、レアンデル=アリウスというお名前で間違いないですか?」
「はい。そうです」
「ウェスタール王国の名門貴族であるアリウス家の方でしょうか?」
「名門かどうかは分かりませんが、父はランバート=アリウスで、僕は長男になります」
受付用紙の名前の欄にはレンという名前を書いたけど、王宮の許可も兼ねているというから本名も書いたんだけど、まずかったかな。
「やはりアリウス家のご子息でしたか! ランバート様の武名はネイスエル女王国にも届いています。お時間があるようでしたら、王宮でお茶でも召し上がられませんか?」
父上ってそんなに有名だったの? 確かにレオーネ陛下もご存知だったけどさ。
『せっかくのお誘いだ。お茶をいただこうではないか』
「それでは、よろしくお願いします」
ルシアが僕に目で合図をしてきたけど、僕にも分かってるよ。せっかく王宮に入れるチャンスだもんね。
僕たちは受付の女性について王宮の中へと入って行った。後ろで門番の人が「きちんとコネがあってよかったな!」みたいなことを言ってたようだけど、こんな展開になることは予想してませんでしたよ。
僕たちは10人ぐらいは入れる応接室みたいな部屋に通されると、コーヒーとお茶菓子を出されて、椅子に座ってまったりとくつろいでいる。案内してくれた女性が誰かを連れてくるらしく、それを待っている状態だ。
「一体、誰が来るんだろうね?」
まあ、ルシアはそういうことに興味は無いと思うけど、独り言のように呟いてみた。するとドアがノックされて、部屋に2人入ってきた。案内してくれた女性とガッチリとした体格の魚人の男性だ。見た目的に鮫の魚人に間違いないだろう。
「お待たせしました。お連れしたのは、ザック=ガレオス伯爵です。受付から王宮に連絡したところ、どうしてもアリウス家の方に会ってみたいと言われまして」
「お初にお目にかかる。王宮警備隊長を務めるザック=ガレオスと申す。君の父であるランバート殿の武名は聞き及んでいる。そんな方の子息が来られていると聞いて、失礼ながら呼び出してもらった訳だ。
質問なのだが、この国に来たのは視察なのか? それともただの観光か?」
あ~。なるほど。父上のことを知っていて、突然その息子らしき者が現れたから、その目的を知りたいってことかな。
「視察ではありません。観光というのは少し含まれてるところもありますが、正確にはこちらにいる父の知人に教わりながら、修行の旅をしているところです」
ここでもルシアと作った設定を伝えることにした。実際にルシアに教わりながら修行の旅をしてるんだけどね。
「修行の旅……その若さで修行の旅に出されるとは流石はアリウス家! 自分の子どもを甘やかさず、外の世界で強さを身に付けさせるとは武門の鑑のような教育ですな」
ガレオス伯爵がものすごく頷いてる。どう見ても武闘派という雰囲気だもんな。厳しい修行などの話は大好きなんだろうな。
「それで1つお願いがあるのです」
「お願いとは?」
「こちらにいる父の知人であるルシアさんからの提案で、女王様から湖に潜る許可をいただきたいのです」
『我はルシアと言う。水龍とは知り合いでな。久しぶりに会いに来たのだ。それには湖に潜っていくのが早いゆえ、許可がいるのならもらいたい』
「水龍様と知り合い? 湖に潜りたい? 馬鹿を申すな! 水龍アクア様は女王様しかお会いできない神聖なお方。そのようなお願いなど聞ける訳がなかろう!」
あ~、怒っちゃったね。この反応は予想してたけどさ。さて、どうすることにしますかね。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧井 汐桜香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます
よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」
婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。
「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」
「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」
両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。
お姉様からは用が済んだからと捨てられます。
「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」
「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」
ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。
唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。
ここから私の人生が大きく変わっていきます。
婚約破棄? めんどくさいのでちょうどよかった ――聖女もやめて、温泉でごくらくしてます
ふわふわ
恋愛
婚約破棄を告げられた聖女リヴォルタ・レーレ。
理由は、「彼女より優秀な“真の聖女”が見つかったから」。
……正直、めんどくさい。
政略、責任、義務、期待。
それらすべてから解放された彼女は、
聖女を辞めて、ただ温泉地でのんびり暮らすことを選ぶ。
毎日、湯に浸かって、ご飯を食べて、散歩して。
何もしない、何も背負わない、静かな日常。
ところが――
彼女が去った王都では、なぜか事故や災害が相次ぎ、
一方で、彼女の滞在する温泉地とその周辺だけが
異様なほど平和になっていく。
祈らない。
詠唱しない。
癒やさない。
それでも世界が守られてしまうのは、なぜなのか。
「何もしない」ことを選んだ元聖女と、
彼女に“何もさせない”ことを選び始めた世界。
これは、
誰かを働かせなくても平和が成り立ってしまった、
いちばん静かで、いちばん皮肉な“ざまぁ”の物語。
「魔法を使わない魔術師を切り捨てた国は、取り返しのつかない後悔をする
藤原遊
ファンタジー
魔法を使わない魔術師は、役に立たない。
そう判断した王国は、彼女を「不要」と切り捨てた。
派手な魔法も、奇跡も起こさない。
彼女がしていたのは、魔力の流れを整え、結界を維持し、
魔法事故が起きないよう“何も起こらない状態”を保つことだけだった。
代わりはいくらでもいる。
そう思われていた仕事は、彼女がいなくなった途端に破綻する。
魔法は暴走し、結界は歪み、
国は自分たちが何に守られていたのかを知る。
これは、
魔法を使わなかった魔術師が、
最後まで何もせずに証明した話。
※主人公は一切振り返りません。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる