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第5章 ネイスエル女王国編
85 眷属の4人と練習試合
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「いや~、めちゃくちゃ疲れた。けどとても楽しかったし、勉強になったよ。みんなありがとうね!」
途中で昼食休憩も挟んで、アクア様の眷属である4人の女の子との練習試合も無事に終わった。
リアナさんはウォーターランスなどの攻撃魔法が多彩で、攻めきれずに負け。
シンシアさんは治癒魔法特化ということだったけど、棒術が見事で、僕の剣術の稽古に最適の相手だった。もっと戦いたかったけど、判定で引き分け。
カレンさんは魔法と短剣の攻撃を巧みに組み合わせて上手な戦い方だった。今の僕の戦い方に一番似ていてすごく勉強になった。善戦したんだけど、判定負け。
ウェンディさんは魔法も爪による攻撃もレベルが違っていて完敗。魔力の操作がとにかく上手い。とても緻密な操作で水魔法による防御は速いし、鋭いウォーターカッターで切り裂かれたかと思ったら、すぐに治癒魔法で治してくれるほどの余裕。ウェンディさんに転移からの斬撃も試してみたけど、視線を読まれて出現場所を予測され、斬撃を受け止められてしまった。僕の転移を警戒してたにしても見事な対応だった。いや、勉強になりました。
「レン様。私たちは大龍穴にいる眷属のみなさまの中で一番若く、修行中の身でありますが、龍界全体の龍族の中で弱い方ではありません。今の時点で私たちと戦えるレン様は人族では規格外の強さと言っても間違いないでしょう。レン様の努力と才能、それを導かれるルシア様の修行でどれだけ強くなられるかを想像すると楽しみで仕方ありません」
ウェンディさんから励ましの言葉をもらって、さらにやる気が出てくるな。
「それと、レン様は空の紋章の所有者ですから、全ての属性魔法が使えます」
「えっ? そうなの? 火の加護と風の加護以外は無いんだけど?」
「もちろん五大属性龍の皆様から加護をいただければその属性の魔法はスムーズに使えますし、それ以外の加護も付与されたりしますけど、レン様の場合は加護が無いと属性魔法が使えないということはありません。ですので、いくつか水魔法をお教えしますね!」
そうだったんだ。加護が無い属性の魔法は使えないと思ってたよ。
このあと4人からいくつかの水魔法を教えてもらった。攻撃魔法と防御魔法に水中移動を補助する魔法、あとは治癒魔法と水魔法を組み合わせて使う方法だ。
「さすがレン様。覚えるのが早いです! 特に治癒魔法は練習を続ければ欠損も治せるようになりますから便利ですよ」
おお~! そうなんだ。それは練習しないといけないね。何が起こるか分かんないし。
そうやってウェンディさんたちから色々と教わっていたら、ルシアとアクア様がやってきた。
『随分とためになる修行だったようだな』
「そうなんだよ。練習試合もすごく勉強になったし、水魔法も教えてもらったし、とても身になる修行だった。
それでルシアの方はもう終わったの?」
『うむ。龍脈の流れに何も問題は無かった。エネルギーがきめ細やかな調整で運用されていた。水の大龍穴の確認は完了だ』
「ルシア様、お褒めいただき心から感謝いたします」
アクア様が感無量といった表情だ。
『それではネイスエルの女王と約束しておるから、食事に行くとしよう。レン、準備はよいな』
「うん。特に用意するものはないからね。王宮に着いたら着替えだけはしようかな」
そう言ってルシアと出発しようとすると、アクア様がルシアに近づいて来る。
「ルシア様、食事のあとの予定はどうされるのですか?」
『お主も知ってるように我の趣味はグルメだ。当初の予定通り今から3日間はネイスエルでグルメ三昧の予定だぞ』
「その3日のあとはどうされるのですか?」
アクア様の表情が不安そうに見えるな……。
『うむ。そのあとは次の大龍穴の確認だ。土の大龍穴に行こうと思っておる』
「えっ? ルシア様。今から王宮に行かれたらもうこちらには来られないのですか?」
『そうなるな。水の大龍穴は全く問題が無かったからな。引き続き管理を頼むぞ』
「管理はもちろんお任せください。ですが、このままのお別れはあまりにも寂しすぎます。せめて3日後にもう1回お立ち寄りくださいませ」
アクア様が潤んだ瞳でルシアにお願いをしている。見ている僕にも寂しい気持ちが伝わってくるよ。
『その気持ちは嬉しいが、そうできない理由があるのだ』
「理由とは何でございましょう」
『レンは人族ゆえ、ここに来るためにはナディアに無理を言って、海に潜れる魔道具を作ってもらったのだ』
「ナディア様にそのためだけの魔道具を作っていただいたのですか!」
『うむ』
やっぱりアクア様もナディア様のことを知ってるんだ。改めてすごい方なんだな。
『しかし急ぎで無理に作ってもらったため、使用期限が決まっており、3日後には来れないというわけだ。
お主の気持ちは嬉しかったが、そういうわけだ。すまないな』
「そんな……」
アクア様が俯いてしまった。大丈夫かな……。と思ったら、徐にこっちを見て睨んでる。あっ! 僕のせいでルシアが来れないから、怒りの矛先が僕に向いてる? めちゃくちゃ睨まれてますけど!
「ルシア様!!」
ルシアに会えないと言われたアクア様の怒りの声が神殿に鳴り響いた。
途中で昼食休憩も挟んで、アクア様の眷属である4人の女の子との練習試合も無事に終わった。
リアナさんはウォーターランスなどの攻撃魔法が多彩で、攻めきれずに負け。
シンシアさんは治癒魔法特化ということだったけど、棒術が見事で、僕の剣術の稽古に最適の相手だった。もっと戦いたかったけど、判定で引き分け。
カレンさんは魔法と短剣の攻撃を巧みに組み合わせて上手な戦い方だった。今の僕の戦い方に一番似ていてすごく勉強になった。善戦したんだけど、判定負け。
ウェンディさんは魔法も爪による攻撃もレベルが違っていて完敗。魔力の操作がとにかく上手い。とても緻密な操作で水魔法による防御は速いし、鋭いウォーターカッターで切り裂かれたかと思ったら、すぐに治癒魔法で治してくれるほどの余裕。ウェンディさんに転移からの斬撃も試してみたけど、視線を読まれて出現場所を予測され、斬撃を受け止められてしまった。僕の転移を警戒してたにしても見事な対応だった。いや、勉強になりました。
「レン様。私たちは大龍穴にいる眷属のみなさまの中で一番若く、修行中の身でありますが、龍界全体の龍族の中で弱い方ではありません。今の時点で私たちと戦えるレン様は人族では規格外の強さと言っても間違いないでしょう。レン様の努力と才能、それを導かれるルシア様の修行でどれだけ強くなられるかを想像すると楽しみで仕方ありません」
ウェンディさんから励ましの言葉をもらって、さらにやる気が出てくるな。
「それと、レン様は空の紋章の所有者ですから、全ての属性魔法が使えます」
「えっ? そうなの? 火の加護と風の加護以外は無いんだけど?」
「もちろん五大属性龍の皆様から加護をいただければその属性の魔法はスムーズに使えますし、それ以外の加護も付与されたりしますけど、レン様の場合は加護が無いと属性魔法が使えないということはありません。ですので、いくつか水魔法をお教えしますね!」
そうだったんだ。加護が無い属性の魔法は使えないと思ってたよ。
このあと4人からいくつかの水魔法を教えてもらった。攻撃魔法と防御魔法に水中移動を補助する魔法、あとは治癒魔法と水魔法を組み合わせて使う方法だ。
「さすがレン様。覚えるのが早いです! 特に治癒魔法は練習を続ければ欠損も治せるようになりますから便利ですよ」
おお~! そうなんだ。それは練習しないといけないね。何が起こるか分かんないし。
そうやってウェンディさんたちから色々と教わっていたら、ルシアとアクア様がやってきた。
『随分とためになる修行だったようだな』
「そうなんだよ。練習試合もすごく勉強になったし、水魔法も教えてもらったし、とても身になる修行だった。
それでルシアの方はもう終わったの?」
『うむ。龍脈の流れに何も問題は無かった。エネルギーがきめ細やかな調整で運用されていた。水の大龍穴の確認は完了だ』
「ルシア様、お褒めいただき心から感謝いたします」
アクア様が感無量といった表情だ。
『それではネイスエルの女王と約束しておるから、食事に行くとしよう。レン、準備はよいな』
「うん。特に用意するものはないからね。王宮に着いたら着替えだけはしようかな」
そう言ってルシアと出発しようとすると、アクア様がルシアに近づいて来る。
「ルシア様、食事のあとの予定はどうされるのですか?」
『お主も知ってるように我の趣味はグルメだ。当初の予定通り今から3日間はネイスエルでグルメ三昧の予定だぞ』
「その3日のあとはどうされるのですか?」
アクア様の表情が不安そうに見えるな……。
『うむ。そのあとは次の大龍穴の確認だ。土の大龍穴に行こうと思っておる』
「えっ? ルシア様。今から王宮に行かれたらもうこちらには来られないのですか?」
『そうなるな。水の大龍穴は全く問題が無かったからな。引き続き管理を頼むぞ』
「管理はもちろんお任せください。ですが、このままのお別れはあまりにも寂しすぎます。せめて3日後にもう1回お立ち寄りくださいませ」
アクア様が潤んだ瞳でルシアにお願いをしている。見ている僕にも寂しい気持ちが伝わってくるよ。
『その気持ちは嬉しいが、そうできない理由があるのだ』
「理由とは何でございましょう」
『レンは人族ゆえ、ここに来るためにはナディアに無理を言って、海に潜れる魔道具を作ってもらったのだ』
「ナディア様にそのためだけの魔道具を作っていただいたのですか!」
『うむ』
やっぱりアクア様もナディア様のことを知ってるんだ。改めてすごい方なんだな。
『しかし急ぎで無理に作ってもらったため、使用期限が決まっており、3日後には来れないというわけだ。
お主の気持ちは嬉しかったが、そういうわけだ。すまないな』
「そんな……」
アクア様が俯いてしまった。大丈夫かな……。と思ったら、徐にこっちを見て睨んでる。あっ! 僕のせいでルシアが来れないから、怒りの矛先が僕に向いてる? めちゃくちゃ睨まれてますけど!
「ルシア様!!」
ルシアに会えないと言われたアクア様の怒りの声が神殿に鳴り響いた。
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