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第5章 ネイスエル女王国編
84 幻術魔法を覚える
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アクア様たちがお風呂に乱入してきたことで、龍族の常識が人族と全く違うところを見つけたわけだけど、その話の流れからルシアの魔法講座を受けることができた。
ルシアの衣服はどうなっているかというと、幻術魔法ではなく、変身魔法を使っているそうだ。
変身魔法とはその名の通り、別の何かに変身する魔法なんだけど、衣服の場合は皮膚の一部だけを変身しているらしい。変身だから触ってもきちんと衣服の感触がするそうで、実際に浴槽の中でルシアの右腕だけを衣服に変身させて触らせてもらったら服の感触だった。お風呂の中で右腕だけ衣服になってるのは奇妙過ぎる光景だったけどね……。
そして変身魔法が自分に作用するのに対して、幻術魔法は他人に作用する魔法だ。
同じように衣服を例にすると、幻術魔法を使えば、裸なのに他人には服を着ているように見せられるというわけだ。
視覚や聴覚などに作用させて、相手を錯覚させる魔法。
使いやすい例としては、人の形をした魔力を放出して幻術魔法を使う。相手には人に見えるように錯覚させることことで、囮に使ったり、大人数がいるように見せかけたりできるというわけだ。
ルシアの龍の瞳は変身魔法じゃなく、幻術魔法で人族の目に見えるようにしてるそうだ。
その流れから僕も幻術魔法を習って、空の紋章が他人からは見えないようにする効果をかけた。
感覚としては空の紋章に他人からは見えない小さな障壁を張ってる感覚だね。障壁魔法に慣れてるから、簡単に使うことができた。これで手袋生活から解放されることになったよ。
お風呂から上がったあとは、それぞれの客室で就寝。海の底だからか、とても静かな環境でぐっすりと眠ることができた。
そして翌朝。
「このだし巻き卵がおすすめなんです!」
神殿の中にあるダイニングルームで7人そろって朝ごはん。いつもは眷属の4人で料理当番を回しているそうなんだけど、今日は当番のリアナさんとアクア様が2人で作ったそうだ。
そしてアクア様が作っただし巻き卵をルシアの口元にニコニコと差し出すアクア様。ルシアも苦笑いを浮かべながら口を開けてるよ。
『ほう。美味いな!』
ルシアが驚いたような、でもしっかりとした笑顔で美味しそうに食べている。
「良かったです~! 以前、ルシア様に食事をお出ししたときから修行を積んで参りましたので。こちらの鯖の塩焼きもお試しください」
アクア様が輝かんばかりの笑顔で、焼き立ての鯖の塩焼きをルシアの前に持ってくる。
僕の目の前にもだし巻き卵と鯖の塩焼きが置いてあるからいただいてみよう。
「美味しい!! だし巻き卵の出汁の加減が絶妙だし、鯖は脂が乗ってる最高のもので、薬味との相性がバッチリだよ!」
ルシアが美味しそうに食べてるのがよく分かる。ものすごく美味しい!
「あなたのために作ったんじゃないんだからね! ルシア様のために心を込めて作ったんだから! 別にあなたが食べてもいいけど、勘違いしないでよね!」
勘違いとは、何をどう勘違いすると思われてるのだろうか……。大丈夫です。何も勘違いしませんから。
でもアクア様を見ると笑顔だから真剣に怒ってるわけではなさそうだな。
美味しい朝食を食べ終わったあとは、ルシアとアクア様は大龍穴の確認へ、僕たちは練習試合だ。
「レン様! トレーニングルームがありますので、そこで練習試合を行いましょう。こちらです」
ウェンディさんについていくと、広々とした部屋があって、運動をするための色んな道具が置いてある。普通はここでリフレッシュのための運動をしているそうだ。稽古用の武器も各種揃っていたので、その中から剣を借りた。
「ここなら試合にもってこいです。私たちは水龍ですので治癒が得意です。どれだけ怪我をしても大丈夫ですよ!」
怪我はしたくないし、させたくないけど、治癒魔法が得意なのは安心だな。
そして戦う順番はリアナさん、シンシアさん、カレンさん、ウェンディさんに決まった。
ちなみにウェンディさんが一番強くて、次がリアナさんらしい。リアナさんは戦闘特化、シンシアさんは治癒特化、カレンさんとウェンディさんはどちらも上手なバランス型ということだ。
「それではレン様対リアナの試合を行います。審判はウェンディです。始め!」
早速、練習試合が始まった。とりあえず剣で攻めてみよう。僕はリアナさんに接近して上から斬りつける。
リアナさんは右手の爪で剣を受け止め、左手の爪を僕のお腹を狙って突き出してきた。それは読んでたから、後ろに下がって躱した。
「レン様もリアナも速いです! さあ次の攻撃はどうなるのか!」
ウェンディさんって審判だけじゃなく、実況もするのね。
次は魔法攻撃だ。僕は無詠唱で30個のファイアーボールをリアナさんに飛ばす。
「これはやばいかも」
リアナさんが一言つぶやくと、ファイアーボールは半分以上が命中。ダメージ有りか?
しかし、リアナさんの周りを包み込むように水の壁が現れていた。それがファイアーボールの攻撃を防いだようだ。
「おっと! レン様のファイアーボールをリアナのウォーターウォールが見事に防いだ。でも実はギリギリのタイミングだったのはここだけの話」
……ウェンディさん、実況楽しそうですね。
さて、準備運動はこれぐらいで、そろそろ本気でいきますか。リアナさんも今からが本番みたいだし。
リーフさん以来の龍族との試合に僕はワクワクしていた。
ルシアの衣服はどうなっているかというと、幻術魔法ではなく、変身魔法を使っているそうだ。
変身魔法とはその名の通り、別の何かに変身する魔法なんだけど、衣服の場合は皮膚の一部だけを変身しているらしい。変身だから触ってもきちんと衣服の感触がするそうで、実際に浴槽の中でルシアの右腕だけを衣服に変身させて触らせてもらったら服の感触だった。お風呂の中で右腕だけ衣服になってるのは奇妙過ぎる光景だったけどね……。
そして変身魔法が自分に作用するのに対して、幻術魔法は他人に作用する魔法だ。
同じように衣服を例にすると、幻術魔法を使えば、裸なのに他人には服を着ているように見せられるというわけだ。
視覚や聴覚などに作用させて、相手を錯覚させる魔法。
使いやすい例としては、人の形をした魔力を放出して幻術魔法を使う。相手には人に見えるように錯覚させることことで、囮に使ったり、大人数がいるように見せかけたりできるというわけだ。
ルシアの龍の瞳は変身魔法じゃなく、幻術魔法で人族の目に見えるようにしてるそうだ。
その流れから僕も幻術魔法を習って、空の紋章が他人からは見えないようにする効果をかけた。
感覚としては空の紋章に他人からは見えない小さな障壁を張ってる感覚だね。障壁魔法に慣れてるから、簡単に使うことができた。これで手袋生活から解放されることになったよ。
お風呂から上がったあとは、それぞれの客室で就寝。海の底だからか、とても静かな環境でぐっすりと眠ることができた。
そして翌朝。
「このだし巻き卵がおすすめなんです!」
神殿の中にあるダイニングルームで7人そろって朝ごはん。いつもは眷属の4人で料理当番を回しているそうなんだけど、今日は当番のリアナさんとアクア様が2人で作ったそうだ。
そしてアクア様が作っただし巻き卵をルシアの口元にニコニコと差し出すアクア様。ルシアも苦笑いを浮かべながら口を開けてるよ。
『ほう。美味いな!』
ルシアが驚いたような、でもしっかりとした笑顔で美味しそうに食べている。
「良かったです~! 以前、ルシア様に食事をお出ししたときから修行を積んで参りましたので。こちらの鯖の塩焼きもお試しください」
アクア様が輝かんばかりの笑顔で、焼き立ての鯖の塩焼きをルシアの前に持ってくる。
僕の目の前にもだし巻き卵と鯖の塩焼きが置いてあるからいただいてみよう。
「美味しい!! だし巻き卵の出汁の加減が絶妙だし、鯖は脂が乗ってる最高のもので、薬味との相性がバッチリだよ!」
ルシアが美味しそうに食べてるのがよく分かる。ものすごく美味しい!
「あなたのために作ったんじゃないんだからね! ルシア様のために心を込めて作ったんだから! 別にあなたが食べてもいいけど、勘違いしないでよね!」
勘違いとは、何をどう勘違いすると思われてるのだろうか……。大丈夫です。何も勘違いしませんから。
でもアクア様を見ると笑顔だから真剣に怒ってるわけではなさそうだな。
美味しい朝食を食べ終わったあとは、ルシアとアクア様は大龍穴の確認へ、僕たちは練習試合だ。
「レン様! トレーニングルームがありますので、そこで練習試合を行いましょう。こちらです」
ウェンディさんについていくと、広々とした部屋があって、運動をするための色んな道具が置いてある。普通はここでリフレッシュのための運動をしているそうだ。稽古用の武器も各種揃っていたので、その中から剣を借りた。
「ここなら試合にもってこいです。私たちは水龍ですので治癒が得意です。どれだけ怪我をしても大丈夫ですよ!」
怪我はしたくないし、させたくないけど、治癒魔法が得意なのは安心だな。
そして戦う順番はリアナさん、シンシアさん、カレンさん、ウェンディさんに決まった。
ちなみにウェンディさんが一番強くて、次がリアナさんらしい。リアナさんは戦闘特化、シンシアさんは治癒特化、カレンさんとウェンディさんはどちらも上手なバランス型ということだ。
「それではレン様対リアナの試合を行います。審判はウェンディです。始め!」
早速、練習試合が始まった。とりあえず剣で攻めてみよう。僕はリアナさんに接近して上から斬りつける。
リアナさんは右手の爪で剣を受け止め、左手の爪を僕のお腹を狙って突き出してきた。それは読んでたから、後ろに下がって躱した。
「レン様もリアナも速いです! さあ次の攻撃はどうなるのか!」
ウェンディさんって審判だけじゃなく、実況もするのね。
次は魔法攻撃だ。僕は無詠唱で30個のファイアーボールをリアナさんに飛ばす。
「これはやばいかも」
リアナさんが一言つぶやくと、ファイアーボールは半分以上が命中。ダメージ有りか?
しかし、リアナさんの周りを包み込むように水の壁が現れていた。それがファイアーボールの攻撃を防いだようだ。
「おっと! レン様のファイアーボールをリアナのウォーターウォールが見事に防いだ。でも実はギリギリのタイミングだったのはここだけの話」
……ウェンディさん、実況楽しそうですね。
さて、準備運動はこれぐらいで、そろそろ本気でいきますか。リアナさんも今からが本番みたいだし。
リーフさん以来の龍族との試合に僕はワクワクしていた。
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