教え上手な龍のおかげでとんでもないことになりました

明日真 亮

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第6章 怨恨渦巻く陰謀編

104 アクアとリアナ

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 宰相様のカレーを堪能した昨晩は、ウェンディが来たかと思ったら、アクアまで来て大変だった。

 アクアたちが帰ったあとも宰相様は感動して「アクア様にお会いできるなんて、私は何たる果報者なのだ!」と叫んでたね。

 そんなわけで、約束通り朝から神殿に来てるんだけど……。

「エレノア! ここの味付けはどうやればいいの? クリスタ! あとでアップルパイの焼き方教えてよ!」

 アクアがもう夕食の準備を始めてるんだよね。お昼ごはんはルシアがピザを用意することになったから、夕食に全力を注いでる状況だ。

「ねえ、ルシア」
『どうしたのだ?』
「折角だから、眷属の誰かと稽古をしたいんだよね。アクアにお願いしてきてもいいかな」
『アクアが構わないのならいいではないか。強者との実戦練習はよい修行だぞ』
「うん。それならアクアにお願いしてみるよ」

 ルシアをもてなす準備で忙しいから断られるかも知れないけど、お願いしてみよう。そうしてアクアにお願いしてみると、

「いいわよ。エレノアとクリスタが手伝いに来てくれたからね。でもウェンディは困るわね。色々と手伝ってもらいたいし。リアナでいいかしら?」
「もちろんだよ! 僕も稽古で色々と試したいことがあるんだ。ありがとう。すごく助かるよ!」
「あなたって、本当に修行が好きなのね。分かったわ。リアナ! あなたはレンの稽古に付き合ってあげなさい!」

 意外にもあっさりと稽古を認めてくれた。アクアの僕への嫌悪感も少しは消えたのかな?

 そして僕とリアナはこの前のトレーニングルームで実戦練習をすることにした。

「あのさ、リアナにお願いがあるんだけど」
「レン様のお願い?」
「リアナたちって普通に飛べるんでしょ? 僕も浮遊の練習をしたから、陸上戦と空中戦を交えて実戦形式で稽古をしたいんだけど」
「レン様、もう飛べるようになったんだ! この前までは飛べなかったはずなのにすご~い! 分かった! 私も飛ぶことにするね!」

 リアナは戦闘特化ということで、魔法攻撃が多彩だし、威力も強いし、速度も速い。

「行くよ~」

 リアナが円盤状のウォーターカッターを飛ばしてくる。次々に何十個も四方八方から狙ってくるから厄介極まりない。

 前回はファイアーボールをぶつけながら躱したんだけど、今回は躱す方向に空中という選択肢が増えた。

 今回はウォーターボールをぶつけながら、隙間を縫うように空中に浮かんで躱す。しかし、そこにはリアナが待ち構えていて、爪を振り下ろされる。

 意図して作られた隙間だったな。僕がそっちに逃げることも想定済みね。

 僕はその爪の斬撃を剣で弾き返す。僕もそうくることは想定の1つだよ。

「流石、レン様!」

 リアナが爪を弾かれてニコニコしてる。そういえば、前回は魔法攻撃だけで、爪の攻撃をされることなく負けたんだったな。

 それからしばらくは剣と爪の空中戦。いや、リアナの動きが速すぎる! 飛ぶ速度も爪の攻撃も速い! 対応するだけで精一杯だ。

 このままではまずいと思った僕は、床に下りて火、風、水で作った槍をそれぞれ10本ずつリアナを目がけて飛ばす。

「うわ! レン様、そんなことまでできるんだ!」

 複数の属性攻撃を水魔法だけで防ぐのは難しいんじゃないかと思ったんだけど、その読みは当たったみたい。

 リアナのウォーターウォールを火と風の槍が突き破って、ウォーターランスがリアナに命中!

 リアナが治癒しながら空中から下りてきた。

「レン様、すごいね! 3つの属性魔法をあの威力で同時に使えるなんて。魔力操作がよっぽど上手くないとできないよ!」
「3つ同時にボールを作って出す練習もやってるからね。練習というか遊びみたいな感覚だけどさ」
「レン様の素質は空の紋章の所有者だから驚かないけど、レン様の一番すごいところは練習が好きってところだね。それでルシア様が指導してるんだから、強くなるに決まってるよ!」
「ありがとう。でも、もっと頑張らないとね! それにしてもリアナの飛ぶスピードとか方向転換とか速すぎるよね。龍族だから当たり前なのかも知れないけど」
「生まれたときから飛べるからね。一応、龍魔法で飛んでるんだけど、魔法を使ってるというよりも、ただ飛んでるって感じ。レン様で言えば障壁魔法を使ってるのに似てるんじゃないかな」
「ああ、なるほど。確かに障壁魔法を使うのは当たり前になってるから、意識しないでも使えてるもんね。そういう感じか」
「レン様は時空間魔法で飛んでるんだけど、ずっと飛んでたら似たような感じになると思うよ。飛ぶのは当たり前って」
「そうだね! 僕もみんなに負けないように訓練を続けていくよ!」

 リアナとの実戦訓練は、ルシアが用意したピザを食べたあとも続けた。
 リアナから水魔法の効果的な使い方を教えてもらえたのがすごくためになったね。強力な攻撃魔法も教えてもらったし。教えてもらった中で、飲める水を作るっていうのは地味だけど、便利な魔法だ。旅をするのに重宝するね。さらに浄化された水ほど治癒魔法との相性もいいらしい。

 そうして修行を続けていたらウェンディがやってきた。

「レン様、リアナ、夕食の準備が整いました。ダイニングにお越しください」

 もうそんな時間か。

 僕はリアナとウェンディと一緒にダイニングルームへ移動した。
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