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襲撃①
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町に到着した。
町の形はその全体が円形の城壁に囲われており、東西南北にある4つの門により出入りすることが出来る。
始めの草原、と名付けた僕の目覚めた場所はその町の南東に位置している。
僕たちは南門に到着した。
門を通過する際、ロイが門番に一礼するのを見て、僕も一礼する。
2人の門番はお互いに顔を見合わせた後、僕に視線を向けた。
僕たちが門を通り過ぎてもその視線は切れることが無かった。
病院に着く。
ロイに診察の受付を済ませてくる言われた僕は、軽く返事をして待合室で空いている席を探す。
待合室にはさまざまな理由で診察を待つ人とその付き添いが大勢いた為、いくら見渡しても空いてる席は無かった。
隅の方に一か所だけ人がいない、壁に寄りかかれそうなスペースを見つけた僕はそこへ向かった。
壁に背中を預けた僕は深呼吸をして頭の中を整理した。
この世界では、僕はハルという人物に転移している。
でも、中身は違う世界から来た別人だということをロイや周りの人に説いても信じてもらえるだろうか。
仮に信用を得ても、そこからどう話を進めるのか思いつかない。
むしろ変に疑われてしまうことは、この小説世界の完結(クリア)するのに支障をきたしてしまう恐れもある。
これまで冒険してきた3つ物語の経験通りに、僕はハルとして完結させようと心に決めた。
気持ちの整理がついた僕は何となく待合室を見渡した。
すると、近くに座っている首に赤いバンダナを巻いている男と左手に包帯を巻いた女の子の会話が聞こえてきた。
特にすることもない僕は、無意識にその会話に耳を傾けた。
「あんな小さい魔物なら一人で倒せると思ったの~。ほんとドジふんじゃった。もう最悪~」
「コアを持っていない時は戦ったらダメだって何度も言ってるだろ。今回で一体何度目の怪我だよ」
「そんなの分かってるよ~。でも弱っていたから倒せると思ってね~。判断ミスした~」
「本当に反省しているんだろうな。前にも言ったけど自分の命は大切にする約束だろ?ホルマが襲われてるって聞いた時は全身逆立つくらいに心配したんだぞ」
「うう~そんなに怒らないでよね反省してるんだから~。それと逆立つって何~?逆立ちでもしてたのかな~?」
「うるさいよ何でも言いだろ。とにかくマナの補給でコアを持っていない時は魔物とは絶対に戦うなよ?頼むぜまったく」
(やっぱり本当に魔物なんて出るのかこの世界は)
引き続き聞き耳を立てていると、会話をしている2人のもとにカチューシャを付けた少女が寄ってきた。
「お姉ちゃんいた!あのねお姉ちゃん、さっきは助けてくれてありがと~!でもね、怪我させちゃった・・・ごめんねお姉ちゃん」
少女は涙を浮かべて、左手を包帯で巻いた女の子に向かって頭を垂れた。
「心配しないで大丈夫だよ~。お医者さんもすぐ治るって言ってたよ~。それにねお嬢ちゃん、魔物を倒すのが私のお仕事だからね。だからもう気にしないでね~。いい?分かった~?」
そう言って包帯を巻いた女の子は少女の頭を撫でた。
「ありがと~お姉ちゃん!」
少女は女の子のお腹に飛びつきうずくまった。
包帯の女の子とバンダナの男はその少女を見ながら微笑んだ。
僕も少女を見て微笑んでいるところ、ロイが戻ってきた。
町の形はその全体が円形の城壁に囲われており、東西南北にある4つの門により出入りすることが出来る。
始めの草原、と名付けた僕の目覚めた場所はその町の南東に位置している。
僕たちは南門に到着した。
門を通過する際、ロイが門番に一礼するのを見て、僕も一礼する。
2人の門番はお互いに顔を見合わせた後、僕に視線を向けた。
僕たちが門を通り過ぎてもその視線は切れることが無かった。
病院に着く。
ロイに診察の受付を済ませてくる言われた僕は、軽く返事をして待合室で空いている席を探す。
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隅の方に一か所だけ人がいない、壁に寄りかかれそうなスペースを見つけた僕はそこへ向かった。
壁に背中を預けた僕は深呼吸をして頭の中を整理した。
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でも、中身は違う世界から来た別人だということをロイや周りの人に説いても信じてもらえるだろうか。
仮に信用を得ても、そこからどう話を進めるのか思いつかない。
むしろ変に疑われてしまうことは、この小説世界の完結(クリア)するのに支障をきたしてしまう恐れもある。
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特にすることもない僕は、無意識にその会話に耳を傾けた。
「あんな小さい魔物なら一人で倒せると思ったの~。ほんとドジふんじゃった。もう最悪~」
「コアを持っていない時は戦ったらダメだって何度も言ってるだろ。今回で一体何度目の怪我だよ」
「そんなの分かってるよ~。でも弱っていたから倒せると思ってね~。判断ミスした~」
「本当に反省しているんだろうな。前にも言ったけど自分の命は大切にする約束だろ?ホルマが襲われてるって聞いた時は全身逆立つくらいに心配したんだぞ」
「うう~そんなに怒らないでよね反省してるんだから~。それと逆立つって何~?逆立ちでもしてたのかな~?」
「うるさいよ何でも言いだろ。とにかくマナの補給でコアを持っていない時は魔物とは絶対に戦うなよ?頼むぜまったく」
(やっぱり本当に魔物なんて出るのかこの世界は)
引き続き聞き耳を立てていると、会話をしている2人のもとにカチューシャを付けた少女が寄ってきた。
「お姉ちゃんいた!あのねお姉ちゃん、さっきは助けてくれてありがと~!でもね、怪我させちゃった・・・ごめんねお姉ちゃん」
少女は涙を浮かべて、左手を包帯で巻いた女の子に向かって頭を垂れた。
「心配しないで大丈夫だよ~。お医者さんもすぐ治るって言ってたよ~。それにねお嬢ちゃん、魔物を倒すのが私のお仕事だからね。だからもう気にしないでね~。いい?分かった~?」
そう言って包帯を巻いた女の子は少女の頭を撫でた。
「ありがと~お姉ちゃん!」
少女は女の子のお腹に飛びつきうずくまった。
包帯の女の子とバンダナの男はその少女を見ながら微笑んだ。
僕も少女を見て微笑んでいるところ、ロイが戻ってきた。
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