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以心
しおりを挟む「さっき、俺はおばさんにも同じことをしました。……これが本当に美里に歩んでほしい道だと思ってますかって」
「……」
「試すようなことしてごめんなさい……。でも、おばさんのあいつを尊重したいって気持ちは本物だから、これぐらいしないと本音が聞けないと思ったんです。でも信じてください! こんなことをしなくても、俺にはなんとなくそんな感じはしてましたから」
「……どういうこと?」
「おばさんがもしも本気であいつの意思を尊重するんなら、そもそもこの話は俺にしなかったと思うんです。俺のことを好いてくれてても、何もかもが終わった後で話すこともできた。だけどそうはしなかった。……美里と一緒になって冷たくあたるだけで、あいつの意思はほぼ間違いなく尊重されてたはずなのに……そうはしなかった」
「……」
「おばさんは俺にこの話をしてくれた。……おばさんも本当は気づいてるんじゃないかって思えたんです。あいつの考えは間違ってるって。俺なら……もしかしたらその考えを変えられるんじゃないかって……」
「……」
「だけど、残り少ない時間であいつの決断を否定することはできない。だから単なる事前報告として、おばさんのあいつへの尊重とは別に、俺への感謝としてただ俺に美里の気持ちを教えてくれただけかもしれない……」
「……」
「おばさんの本音はどっちですか……?」
「……そうね。確かに、友次くんのいう通りよ。私もおかしいって何度も思ったわ。だけどね、繰り返しになるけど、そのことをあの子と話しても、美里はもう自分のことよりも友次くんのことを優先して考えるようになってしまったの。今更、友次くんがあの子になにかをいっても、それは変わらないと思うわ」
「……今の俺は、おばさんからはどう見えてますか?」
「……え?」
「おばさんから見て、今の俺は不幸に見えますか? ……俺は今、幸せです。大好きな美里と付き合えて、あいつが大変な時に側にいれて、心の支えになれて、俺は十分に幸せなんです」
「友次くん……」
「だから……今度は俺が幸せを返す番なんです! ……おばさん、もう一度聞きます。おばさんは……これが本当に美里に歩んでほしい道だと思ってますか?」
「……」
「ここで離れることは俺にとってもあいつにとっても間違ってるんです。だけど今ならまだ間に合う! おばさんは、今でも、あいつのために俺なら正しい道を選べると信じてるから話してくれたんじゃないんですか!?」
「……」
「あいつが俺を想う気持ちから俺と別れようとするなら、俺はあいつを想う気持ちから別れないだけです。それに、あいつが考える『俺の傷が広がらないように別れる』ってのも、俺がそんなことないっていえば、あいつのその考えなんてただの見当違いなんですよ」
「……」
「俺、こう見えて、強いですから。だからずっと美里の側にいることができたんです。……だからおばさん、美里の幸せのために、俺を美里と会わせてください。必ず……俺の想いを届けて見せますから。あいつを……俺が最後まで幸せにしますから」
「……」
「……」
「病院まで送るわ。……ついてきて」
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