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アレフ達と別れてから初めてのダンジョンです!
なな。『フィルタさんの魔剣に刻まれ倒れ込んだ所に、アネッタさんの爆裂魔法を連続して喰らったレッサースプリガンは、起き上がれる事なく絶命した』
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フィルタさんの魔剣に刻まれ倒れ込んだ所に、アネッタさんの爆裂魔法を連続して喰らったレッサースプリガンは、起き上がれる事なく、絶命した。
魔獣なら有効素材を解体して利用するところだけれど、巨大でも人型をした妖精。解体することに躊躇がある。
ギレウォッタさんにどうするのか訊こうとしたけど、レッサースプリガンの遺体の輪郭がぼやけ、拡がった煙のように魔素に還ると、収束していき、大きな魔石になって転がった。
「宝石みたいですね」
「これだけ大きければ、魔石道具の核にしても強力だし、付与魔法の触媒にしてもいいと思うわ」
そう言って、アネッタさんが私の手のひらに乗せた。はい?
「あの?」
「今回のリーダーはコハクちゃんよ? だから、ね?」
「いえいえ、あれを斃して通路を開いてくださったのは、フィルタさんとアネッタさんですから、これはお二人のものです!」
慌てて、手のひらにいっぱいの、子供の遊具程もある魔石をアネッタさんに押し付けた。
「俺は、この剣と、森人の剣があるからいい。魔道具ならギレウォッタ、魔石装身具ならアネッタが使えばいい」
「だそうだよ、アネッタ。斃したのは二人なんだから、これはアネッタが使いな」
ちらっとこちらを見る、アネッタさん。私は思いっきり首を縦に振った。
「これなら、咒具符でも護身符でも、いいものが作れそうだわ」
にっこり微笑みながら、腰のポーチにしまったのを見て、改めて階段の方を見る。
「階下は、覗いてもよく見えませんね。結構降りるのかな」
「うん。結構深そうだね。見える範囲で魔道のトラップはなさそうだよ」
魔素や霊気が色で見えるという魔導ゴーグルで確認するギレウォッタさんに、チルちゃんも〈例の魔力の痕跡はこの下に続いてるにゃ。ボクのセンサーの範囲に物理的罠もなさそうだにゃ〉と請け負ってくれたので、アネッタさんの呼吸とフィルタさんの剣の手入れが整い次第、降りることになった。
〈ボクが先に降りるニャ! 変な罠があっても、僕なら死なないニャ〉
そう言って、背中にケルピーちゃん入り瓶を埋めたまま、ぴょこぴょこ降り始める。
「チットちゃん、気持ちはありがたいけど、ケルピーちゃんのお水が飛び出しちゃってるよ」
〈ニャ? ケルピー、水操れるなら身に纏って離さない・出来るニャ?〉
縦横に伸び縮みしてケルピーちゃんに提案するチットちゃんを、フィルタさんが背後から抱き上げ、私の肩に乗せると、
「俺が行くからいい。何か飛んできても対処出来る」
と、階段を降り始めた。
「まあね、妖精くんは小さいから、私達の身体の高さにないと反応しない罠もあるかもしれないからね。ありがとう」
ギレウォッタさんもチットちゃんを労って、階段を降り始めた。
フィルタさんの魔剣に刻まれ倒れ込んだ所に、アネッタさんの爆裂魔法を連続して喰らったレッサースプリガンは、起き上がれる事なく、絶命した。
魔獣なら有効素材を解体して利用するところだけれど、巨大でも人型をした妖精。解体することに躊躇がある。
ギレウォッタさんにどうするのか訊こうとしたけど、レッサースプリガンの遺体の輪郭がぼやけ、拡がった煙のように魔素に還ると、収束していき、大きな魔石になって転がった。
「宝石みたいですね」
「これだけ大きければ、魔石道具の核にしても強力だし、付与魔法の触媒にしてもいいと思うわ」
そう言って、アネッタさんが私の手のひらに乗せた。はい?
「あの?」
「今回のリーダーはコハクちゃんよ? だから、ね?」
「いえいえ、あれを斃して通路を開いてくださったのは、フィルタさんとアネッタさんですから、これはお二人のものです!」
慌てて、手のひらにいっぱいの、子供の遊具程もある魔石をアネッタさんに押し付けた。
「俺は、この剣と、森人の剣があるからいい。魔道具ならギレウォッタ、魔石装身具ならアネッタが使えばいい」
「だそうだよ、アネッタ。斃したのは二人なんだから、これはアネッタが使いな」
ちらっとこちらを見る、アネッタさん。私は思いっきり首を縦に振った。
「これなら、咒具符でも護身符でも、いいものが作れそうだわ」
にっこり微笑みながら、腰のポーチにしまったのを見て、改めて階段の方を見る。
「階下は、覗いてもよく見えませんね。結構降りるのかな」
「うん。結構深そうだね。見える範囲で魔道のトラップはなさそうだよ」
魔素や霊気が色で見えるという魔導ゴーグルで確認するギレウォッタさんに、チルちゃんも〈例の魔力の痕跡はこの下に続いてるにゃ。ボクのセンサーの範囲に物理的罠もなさそうだにゃ〉と請け負ってくれたので、アネッタさんの呼吸とフィルタさんの剣の手入れが整い次第、降りることになった。
〈ボクが先に降りるニャ! 変な罠があっても、僕なら死なないニャ〉
そう言って、背中にケルピーちゃん入り瓶を埋めたまま、ぴょこぴょこ降り始める。
「チットちゃん、気持ちはありがたいけど、ケルピーちゃんのお水が飛び出しちゃってるよ」
〈ニャ? ケルピー、水操れるなら身に纏って離さない・出来るニャ?〉
縦横に伸び縮みしてケルピーちゃんに提案するチットちゃんを、フィルタさんが背後から抱き上げ、私の肩に乗せると、
「俺が行くからいい。何か飛んできても対処出来る」
と、階段を降り始めた。
「まあね、妖精くんは小さいから、私達の身体の高さにないと反応しない罠もあるかもしれないからね。ありがとう」
ギレウォッタさんもチットちゃんを労って、階段を降り始めた。
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