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【萌々香 Ⅰ】
🚱22 現状確認
しおりを挟む目標『元の世界に帰る方法を探す』
図書館や役所、神殿の文書庫とかに入らせてもらって、それらしい記述を探す。
神殿の巫女や神官、魔法士達に聞き込みする。
女神様に交信できる手段を覚えたら直談判する。
ストライキをして、ここの人達を脅すように、より良い条件を引き出すとか、何処まで役に立てば、平和へのめどが立てば、帰してもらえるのか交渉する。
「う~ん、たぶん、何処まで役に立っても、終わりはないんじゃないかな?」
「あ、あたしもそう思う」
美土里が賛成してくれた。
愛唯の意見にケチつける気はないけど、こういう他力本願な人達って、どれだけ手助けしても、「これで充分です、とても助かりました、今までありがとうございました」とは言わないと思う。
まして、美土里の力は、魔獣に傷つけられた治らない怪我を修復する可能性があると言うのだから、手放さないと思う。
そう言うと、美土里は困った顔をした。
「たぶん、あの人達にとって、私達は、女神様からもらった、生き残るための贈り物、便利アイテムなんだと思う」
そう言ってしまってから、しまったと思った。
たぶん、その考えは合ってるとは思うけど、自分達が便利アイテム扱いだと知って笑ってられる人は居ないよね。
三人とも黙ってしまった。
世界平和のために魔物や魔獣を退治して欲しいとは言うが、どれくらいかかる作業なのか、どうなれば平和になったと思えるのか、などの指針も聞かされず、終わった時に返して貰えるのかについても答えてくれず。
どう考えても、帰す気はないだろう。
それだけ切羽詰まっているのかもしれないけれど、私達はそれまで普通に暮らしていた未成年の女子だという認識はなさそうに思えた。
結局、気まずい空気のまま、寝ることになった。
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