聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

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【萌々香 Ⅰ】

🚱25 朝食を

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 もち麦とか大麦のような穀類を塩と木の実、何かの獣肉と煮込んだリゾット風な朝食も薄味で。美土里の祈りでちょっと旨味が出たのがありがたかった。

 食事の後、取り敢えず、魔物や魔獣がどんなものなのか、一度遠くから見てみるという提案がなされる。

「いきなり出会い頭に殺されちゃったりしないでしょうね?」
「瘴気の薄い、弱い小物しか現れない、見通しの良い草原で遠目に見るだけですから。上級神官や魔法士達もお供いたしますので」

 今日も交渉は愛唯あおいだ。
 美土里は強気で交渉できるタイプじゃないし、私に至っては、言葉が通じないから無理だ。

 ──通じた方が良い?

 ううん、このままでいいワ。私は、聞いてて判るンやし。

 ──わかった


 愛唯あおいも、どんなものなのか気にはなるのだろうし、相手を知らなければどうしていいのかの予測も立てられないだろうし、結局は手頃な魔獣を見に行くことになった。


 愛唯あおいに寝間着と言われた、巫女にお借りした白衣を脱ぎ、たたんで寝台の上に置くと、元々着て来た服に着替える。
 抗菌吸汗速乾性素材、素晴らしいよね。脱いで寝台の端に掛けて置いたら、生乾き臭もなく綺麗に乾いてる。

 ──それだけじゃないよ! ボクたちが水を抜くのを手伝ったし、風の子や光の子も綺麗に乾くよう服の上で転がったんだからね?

 寝てる間に、精霊達が乾燥機の代わりをしてくれてたらしい。
 みんな、いい子だね。

 ──もっとお手伝いしたら、ご褒美くれる?

 ご褒美? なにか、あげられるものあるかな。

 ──精神力や生命力をそのままもらったら、モモカが疲れちゃうから、使わない魔力、食べてもいい?

 魔力を食べる?

 ──うん、マホーシ 魔法士 が、精霊に語りかけて魔法を使う訳だけど、その効果量に見合った分だけ、その人の内包魔力を、少しだけ精神力や生命力と混ぜて分けてもらうんだよ、ボクたち

 ああ。よくあるRPGゲームのMPと マジックポイント 同じ事か。
 魔法を使う行動力も、体力(HP)から使って生命力と共有するものゲームもあったから、そう考えると理に適ってるのかも?

 うん、気を失ったり衰弱したり、動けなくならない程度ならいいよ。give-and-take
 そこは、ちゃんと魔法の効果値と吸い取る魔力は等価にしてくれるんでしょう?

 ──もちろんさ! ボクたちは、他の生き物のように、騙したり嘘はつかないよ

 精霊は正直者らしい。




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