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竜王国って、竜の国?
🚷10 守護精霊たち
しおりを挟む私の言葉から名乗りだしたのか、私が意図せず名付けてしまったのか、水の子は、自らをぴちょんと名乗り、私の周りを飛び回っている。
──モモカ、小動物好きなんだよね
そう言って、自称ぴちょんは、手の平の上で跳ねた後、ハムスターかナキウサギか、齧歯目の小動物の姿に形成して、私の肩に収まった。
クリスタル人形みたいで可愛い♡
──あ~っ!! 水の、ズルい~!!
みんなが一斉に騒ぎ出す。
──名前をもらっただけでなく、肩に座る役得まで!!
え? コレ、役得なの?
──いつも一緒に居ます、私達仲良しさんですって感じじゃん
──モモカ! 私もいいわよね?
──僕も名前と頭の上をちょうだい!!
──なんだとー!? じゃ、ボクは右肩だヨネ!?
──私は左の鎖骨の上に座らせてもらおうかの?
──あっ、ヤラシー
──なにがだ?
──ニンゲンのルールだと、衣服の中は伴侶しか障っちゃダメなんダゾ
──これからモモカを守護していくのだから、ある意味伴侶では?
──違うよ、番いのことだよ、同種族じゃないと! ね? モモカ
「あー、うん、まぁ、シャツや肌着の中は、伴侶というか、番いと言うか、旦那様になる人限定で」
──ほら見ろ!
──仕方ないの、頭頂のやや後ろに座らせてもらおうかの
──なんでそんな爺臭い話し方?
──年季の入った感じをニンゲン流に演出してみた
どこが笑いのツボなのか、みんなが一斉に笑い出す。
ぴちょんと契約して守護精霊になったことで、精霊を視ることが出来るようになったら、辺り一面、半透明で色とりどりの蛍火が集まっていることに気がついた。
──さあ、みんないっぺんに契約の約束だよ!!
空中にあるものを抱き寄せるように両手を広げてあげると、蛍火達はぎゅーっと集まって来た。
「みんな、今までありがとう。これからもよろしくね」
──もちろん!!
その一言で、みんなが私の中に染み入ってくる。
冷たかったり温かかったり、風がそよいだり波が押し寄せたり、木々のざわめきが聴こえたり何か優しいものに包まれたり、色んな感覚が押し寄せてきた。
──メラ! 火を焚くと聞こえる音ね?
──ウィン そっちの風って意味?
──光気は光栄な名前だなぁ
──地精の方がよき名前じゃろう
──アーテル(黒)もカッコよいね?
──アルボルというのはどこの言葉なの?
──フロスは可愛い響きよ、私にぴったりね
──プランツならまんまで解りやすくて忘れないよね?
最初こそ私の選択に喜んで受け取っていってたけど、すぐにはいいのが思いつかず名付けが間に合わなくなってくると、私の知識の中から勝手に拾って名乗りだしていく。それでいいのか?
──いいんダヨ、モモカの中からもらったものには違いない
拘る子と拘らない子が居るんやね。
──じゃ、みんなが仲良くモモカの守護精霊になったところで、【魔爪攻守】の使い方に入ろうか?
みんなを代表して、ぴちょんが仕切った。
次話
🚷11 水遁の術を使おう
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