聖女も勇者もお断り🙅

ピコっぴ

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竜王国って、竜の国?

🚷23 マクロンさんって竜王国の人?

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 評議国で喚び出されて逃げてきたのを伏せて話すために、山中で迷子の異世界人のフリをするはずなのに、隣国の魔法士の名前知ってたらアカンやんか、お莫迦二回目だよ。

「あなた、マクロンを知ってるの?」
「そう言えば、近隣国の魔物被害の調査に行くって、長期出張申請してましたね? マクロン氏」
「いや、精霊がそう言ってたって事だから、会ったとか知ってるって話じゃないんじゃないか?」
「いや、別のマクロンかも? あの一族は魔法に長けてる者を多く輩出してますからね」
「神殿の上位神官、魔導師協会ギルドの理事、宮廷魔導師、薬師や診療回復士。主だった魔法組織には最低一人はマクロン氏族の者がいますよね」
「隠遁の術を使えるとなれば、枢機卿のイサナ・マクロンかしら?」

 なにか盛り上がってんなー。マクロンさんって、今、言ってた中に該当者はいるのかしら。薬師や診療回復士かも?
 いや、もしそうなら、なんで評議国にいるの、薬作らされてるのって話だよね。
 て言うかマクロンって苗字なん? 名前ファーストネームやと思ってたわ。

「とにかく、その隠遁の術、今、出来るかしら?」

 興味津々のアディライトさんと三人。

「だって。みんな、今、やってくれる気になりそう?」
──いいよ~
──何、姿が見えなきゃいいの?
──今の話の流れだと、音や匂い⋯⋯気配を絶てって事じゃない?
──完全に、居るのに居ない気配を絶つやつじゃないの?
──んじゃ、行くよ~

──一・二の⋯⋯それぇ!!

 私からは、自分の手足も、体が消えたりしないそのままで、なんの変化もないのでわからないけど、四人は大興奮である。

「本当に消えたわ!!」
「う~む、この辺に居たはずだが。体温も心音も、衣擦れの音もなにもわからんな?」
「衣服から薫ってた、花の匂いも山の緑の匂いも土の匂いも消えたわ」

 そんな匂いしてたのか⋯⋯

──あれだけ街道を歩けば、土埃の臭いはするよね
──街道に出るまでかなり草を踏み分けて進んだしね
──色んな花の花粉も着いてたよ
──城壁に着く前に払い落としたけど、匂いは残ってたね
──悪い匂いじゃなかったから、分解すんの忘れてたー

 そうだったん、知らんかった⋯⋯



 次話
🚷24 もう、眠いです
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