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心を守ってくれた優しい人
🚫7 マクロンさんはスパイ?
しおりを挟むよくわからないけど、落ち人監理局や国軍の治安部隊などを動かしたり、色々総括する人らしいので、どう考えても偉い人でしょう。
しかも、デンカが単なるあだ名ではなく、本当に『殿下』なのだとしたら、王族?
「じゃあ、隣の国で薬剤調合士みたいなことしてたのは?」
「魔物の被害や民の暮らし向き、国の行政のレベルなんかを調査しに潜入?」
「え、マクロンさんスパイ?」
「⋯⋯セイル竜王国のためにやってるのならそうかもしれないけど、ただの個人的な活動だからどうかな?」
国のためでなく、よその国の生活を見に行くの?
なんのために、と訊きたいけど、訊くと面倒臭そうだったので、やめた。
「さ。もう、夕飯時だよ。帰ろうか」
やはり、私を抱き上げたまま、協会を出て行こうとするマクロンさん。
そこへ、治安部隊とどこかへ行っていたイサナさんが戻って来た。
「イサナ。帰城するから先触れ。萌々香の湯浴みや着替えなども手配させて」
「御意」
胸に手を当て、軽く腰を折って頭を下げるイサナさん。
すぐに手のひらに魔力を集めて小鳥の形に換え、どこかへ飛ばす。
魔法って、ちゃんと理解して使えたら、無限に可能性があって、便利そうだなぁ。
ん? 湯浴みはともかく、着替え?
「えっ、あの。着替えは持ってるし、ぴちょん達が毎日真っ新にしてくれるから大丈夫だよ?」
「私が、萌々香に愛らしい服を着せてあげたいんだ」
甘々の、娘可愛いパパさんみたいな笑顔で言い切られる。
マクロンさんにも、私は十歳児に見えてるんだろうか。一応150㎝はあるのに。
「騎乗って、どこへ行くの?」
「私たちの暮らす部屋。予定より早く萌々香がこの国に来てしまったから、準備が出来てなくてすまないけど、不自由はさせないからね?」
私たちの、暮らす、部屋?
私たち──マクロンさんと私? ──の、(一緒に?)暮らす、て、まさかの相部屋!?
ええ? どーゆー状況? それ
次話
🚫8 新しいお父さんが出来ました
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