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第一章 辺境の町
第153話 グラスラット
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ということで翌日、念願の装備も一通り整ったことだし、革鎧に慣れる為に北の森より安全な東の草原に行くことにした。
今日は討伐中心に、スライム講習会で通った道を進む予定だ。一応、冒険者ギルドから虫根コブ草を納品して欲しいと頼まれているので、その依頼もこなすつもり。
活動時間はお昼前までと短めにして、午後は休む。この町に来てから無休で頑張ってきたし、二人で相談して決めたんだ。
私もこの町どころか突然この世界に来てから一度も休日を取ってないから、いい加減リフレッシュしたいって思ってたんだよね。
早朝から東の草原に向かうのは二人とも初めてだったんだけど、やっぱりこっちは人が多い。
エドさんから聞いた情報では、雨降り後は東門前まで来ていたスライムやヒメフロッグなんかの魔物も大分狩り尽くされ、冒険者達は段々と町から離れた場所に狩場を移しているんだとか。
今、東門の近くで水白茸などの食用茸や野草を採っているのは、ほとんどが町の住民らしいので、狩場が重なる事もなさそう。私達が虫根コブ草の採取をしに向かっても大丈夫だね。
それと、雨降り後のこの時期には、東の草原ではグラスラットの駆除依頼が出る。魔物じゃないんだけど繁殖力が旺盛で、貴重な薬草を食べ尽くしてしまう害虫だ。
小さくてすばしっこいため中々捕まえられない厄介なネズミらしい。
茸類も好物らしく、今もまだ大量に生えてきている水白茸があるので餌が豊富なのもヤバい。
早めに手を打たないと大繁殖待ったなし、町まで侵入されてしまう可能性もある為、東の草原に行く冒険者の強制依頼期間中です。パーティー単位で一日十体、討伐証明は尻尾になる。
私達には虫根コブ草の依頼も出ているので、パーティーで二百コブ集められれば免除してもらえるらしいけど、練習にちょうどいいので見つけたら駆除するつもりです。
グラスラットはリスぐらいの大きさで、魔物と違って人の気配を感じた途端に逃げていく。その為、最初のうちは駆除するのに手間取った。
でも『索敵』スキルがここでもいい仕事をしてくれたおかげで、背の高い草影に隠れている奴らを見つけ出すことができたよ。
数匹から二十匹ほどの群れで生活しているらしく、大きな群れほど発見しやすい。
リノは長剣、私は魔法を使ったんだけど、これを倒すには槍とか弓が欲しいかもしれない。
それでも割りと直線的な動きをすることが多いと気づいてからは、駆除が楽になったよ。
虫根コブ草も場所をマッピングしてあったので、たくさん採取出来た。前回来た時の偽装工作も上手くいったようで、あれから誰も採りに来てないみたい。
高額買取になるし、せっかく見つけたこの場所は他の冒険者に秘密にしときたい。
周りの状況を見て『隠密』スキルを発動させ、私だけでこっそりと集める事にしたからバレてないはず。
その間リノは、新装備を慣らす為に単独での討伐に挑戦していた。ここは北の森より更に弱い魔物しかでないから、個別に動いても安全が確保出来るのがいいよね。
主に出てくるのはグラスラットで、ヒメフロッグには一度も遭遇しなかったけど、スライムとは何回か戦闘をしたみたい。スライム素材を確保してた。
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