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第二章 開拓村
第212話 東の草原を抜けて
しおりを挟む――ラグナードの先導され、草原の中の街道を進む。
この道はリノがボトルゴードの町へ冒険者になるために来た道でもあり、スライム講習会の時に私達が通った道でもあるんだよね。
そういえばあの時一緒に講習を受けた少年たち、元気にしてるかなぁ? 狭い町だったのに、あれから一度も会ってないんだけど。
少し前の事なのに懐かしく感じなから歩いていると、ある程度進んだところでラグナードが私達の方を向いて無言で一つ頷き、尻尾をフサリっと一振りした。これは、あらかじめ決めていた『隠密』スキルを発動させるための合図。
リノは持っていないスキルだけれど、彼女には出身村の神父様が持たせてくれたという認識妨害系のアミュレットがあるからね、十分代わりになる。
『隠密』スキルとは違って彼女の姿は隠れないけど、認識しても無関心になるような聖属性の特殊な術歌が込められているというアイテムだ。ラグナードも驚いていたから、結構珍しいんだと思う。
だから、スキルを発動させるのは私と彼だけなんだけどさ。東門から出るまでは、認識障害系の魔法は検問に引っ掛かっちゃって使えないからね。かといって門から出てすぐ、人が多いところで使っても怪しまれるだろうし。
今更だけど、じゃあリノのアミュレットはどうなのって思ったんだけど、それに関しては聖属性だから、常時発動でも大丈夫なんだよとラグナードが教えてくれた。成る程。
と言うわけで、周りを確認して不自然じゃないタイミングを教えてくれることになってたんだけど。許可が出たようなので、早速魔力を流します! 『隠密』スキルはこの世界に来てからずっと使っているので、簡単に発動したよ。
それを確認してからラグナードも同じように『隠密』スキルを発動させ、耳をピクピクさせてから街道から逸れた。ここから草原の中へ入っていくらしい。
周囲に人がいないかを、『索敵』スキルだけじゃなくて音も拾って確認してくれてたんだろうなぁ……彼は狼人族で、聴覚に優れているから。町からもだいぶ離れたし、そろそろ大丈夫だと思って動いたんだろう。
私も『索敵』スキルで周囲を確認しているけど、捜索範囲は到底及ばない。特に今日のような日はね。
何故かと言うと、『索敵』スキルって障害物が多い森の中とかより、遮る物が少ない草原の方が広範囲をカバーできるんだけど、レベルが低いと霧とか雨も障害物として認識してしまうらしくってさ。
私の『索敵』スキルはレベル1のままだから当然、これに該当しちゃうんだよね……困ったもんだ。早くレベルアップさせたいなぁ。技能スキルは中々上がらないみたいだから、地道に頑張るしかないんだけどね。
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