聖獣と共に生きる~異世界でものんびりさせてもらえない男の奮闘記~

飛鳥井 真理

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第2話 いい加減にしてくれ

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 再び気を取り直して、久しぶりに日光浴がてら近くの公園で食べようとルンルンしながら歩いていると、またしてもやられた。

 ビチャリッ!

 うわぁぁぁ、マジかよ。カラスの奴にアホ~っ、と言われながら頭上に不快な落とし物をされてしまったっ。

 ちょっ、なんでわざわざそこを選んで落とすんですかね!? もっと他に、いっぱいあるだろ? こんな広い公園、落とし放題の癖に何故ここにしたし!

 仕方なく公園の水呑場を使い、ジャブジャブと水をかぶって洗い落としていく。ううっ、冷たい。それに臭い……取れにくいし。連鎖する不幸に、じんわりと涙がにじんできた。

 ――うん、もう帰っていいかなこれ。 

 今日は絶対、何もかもうまくいかない日ってやつだよ。

 気分転換するつもりが全然ならず、むしろ更なる心の傷を負って会社に戻るはめになった。もう最悪である。



 沈んだ気分のまま席に着く。

 でもまぁ、これだけ色々起こったんだから午後は平和に過ごせるだろう……過ごせるよね? 過ごせるはず!
 でないとそろそろ本格的に泣くよ? と、低空飛行を続ける思考から抜け出せないまま午後の業務を開始した。

 ……んだけど、気合いを入れ直した途端、早速やらかしてしまう。コロコロとペンが転がっていってしまったのだ。机の下に……はぁ、やれやれ。
 嫌な予感がしたけれど、しゃがんでペンを拾うと、慎重に体を起こす。なのにだ、目測を誤り机の角で頭をぶつけてしまいましたよ。……うん、やっぱりね。そんな気はしていた。気をつけていても、こうなるんだよな!? 

 痛みに悶絶しながら頭を抱えてうずくまっていたら、ちょうど通りかかったドジっ子新人男子が何もない床で躓き、俺の頭上に書類をぶちまけたよね……まあ、予想通りだよ。
 一日一回は転んでいるお前が転ぶとしたら、そりゃあもう、今日は俺の前しかないだろうってな。

 必死に謝られ、それがフロア中のいらぬ注目を浴びてしまう。おいおい新人だし許してやれよ、みたいな無言の非難が突き刺さって、またまた俺の酷使されてる胃が痛み出したんですけどっ。

 いやいやこれって俺が悪いのか!? 違うだろ!? 

 ……。

 ふう、なんかこっちが悪いみたいな雰囲気になってますね……これも厄日のせいか? もうしょうがないから速攻許したと言うか逆に謝ってしまいましたよね、こっちがっ。勘弁してくれ……俺のライフはもうゼロよ!?



 ――しかし今日はやたらと、ピンポイントで頭の上に物が落ちてくるな?

 これ以上、アホになりたくはないので、脳ミソに深刻なダメージを与え続けるのは辞めていただきたい。



 それでも何とかいつも通りの過剰な残業をこなし、もう何も起こってくれるなとの思いを胸に会社を出た。



 ――人はこれをフラグと言う。




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