2 / 33
第2話 いい加減にしてくれ
しおりを挟む再び気を取り直して、久しぶりに日光浴がてら近くの公園で食べようとルンルンしながら歩いていると、またしてもやられた。
ビチャリッ!
うわぁぁぁ、マジかよ。カラスの奴にアホ~っ、と言われながら頭上に不快な落とし物をされてしまったっ。
ちょっ、なんでわざわざそこを選んで落とすんですかね!? もっと他に、いっぱいあるだろ? こんな広い公園、落とし放題の癖に何故ここにしたし!
仕方なく公園の水呑場を使い、ジャブジャブと水をかぶって洗い落としていく。ううっ、冷たい。それに臭い……取れにくいし。連鎖する不幸に、じんわりと涙がにじんできた。
――うん、もう帰っていいかなこれ。
今日は絶対、何もかもうまくいかない日ってやつだよ。
気分転換するつもりが全然ならず、むしろ更なる心の傷を負って会社に戻るはめになった。もう最悪である。
沈んだ気分のまま席に着く。
でもまぁ、これだけ色々起こったんだから午後は平和に過ごせるだろう……過ごせるよね? 過ごせるはず!
でないとそろそろ本格的に泣くよ? と、低空飛行を続ける思考から抜け出せないまま午後の業務を開始した。
……んだけど、気合いを入れ直した途端、早速やらかしてしまう。コロコロとペンが転がっていってしまったのだ。机の下に……はぁ、やれやれ。
嫌な予感がしたけれど、しゃがんでペンを拾うと、慎重に体を起こす。なのにだ、目測を誤り机の角で頭をぶつけてしまいましたよ。……うん、やっぱりね。そんな気はしていた。気をつけていても、こうなるんだよな!?
痛みに悶絶しながら頭を抱えてうずくまっていたら、ちょうど通りかかったドジっ子新人男子が何もない床で躓き、俺の頭上に書類をぶちまけたよね……まあ、予想通りだよ。
一日一回は転んでいるお前が転ぶとしたら、そりゃあもう、今日は俺の前しかないだろうってな。
必死に謝られ、それがフロア中のいらぬ注目を浴びてしまう。おいおい新人だし許してやれよ、みたいな無言の非難が突き刺さって、またまた俺の酷使されてる胃が痛み出したんですけどっ。
いやいやこれって俺が悪いのか!? 違うだろ!?
……。
ふう、なんかこっちが悪いみたいな雰囲気になってますね……これも厄日のせいか? もうしょうがないから速攻許したと言うか逆に謝ってしまいましたよね、こっちがっ。勘弁してくれ……俺のライフはもうゼロよ!?
――しかし今日はやたらと、ピンポイントで頭の上に物が落ちてくるな?
これ以上、アホになりたくはないので、脳ミソに深刻なダメージを与え続けるのは辞めていただきたい。
それでも何とかいつも通りの過剰な残業をこなし、もう何も起こってくれるなとの思いを胸に会社を出た。
――人はこれをフラグと言う。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界のんびり放浪記
立花アルト
ファンタジー
異世界に転移した少女リノは森でサバイバルしながら素材を集め、商人オルソンと出会って街アイゼルトヘ到着。
冒険者ギルドで登録と新人訓練を受け、採取や戦闘、魔法の基礎を学びながら生活準備を整え、街で道具を買い揃えつつ、次の冒険へ向けて動き始めた--。
よくある異世界転移?です。のんびり進む予定です。
小説家になろうにも投稿しています。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる