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第23話 魔力とは
しおりを挟む「理解が深まるほど習得が早まるので、まず、魔力とは何か、魔法とはどうやって発動させるのか……についてご説明したいと思います」
「分かりました」
「まず魔力には、空気中に漂っている外部魔力と、体の中にある内部魔力の二種類があります。重要なのは内部魔力なので、外部魔力の説明は今、省かせていただきますね」
「はい」
「内部魔力は、血液と同じで無いと生きていけません。生命維持に欠かせないもので、体内に宿っています。これは、この世界で生きる全ての生命体に当てはまるものなんです」
ただし、保有している量には個人差や種族差があるらしい。遺伝も深く関係しており、魔力総量が多い家系だと子孫にその特性が引き継がれていく。
この国では貴族階級の者の方が魔力総量も多く、そうした子供も生まれやすいそうだ。
ただ、生まれながらに持っている魔力量は日々の鍛練次第である程度増やすことが可能出らしい。成人するまでの時期が一番、 成長率が高いと言われている。
魔力が多い方が職にも困らず生きやすいので、平民でも小さい頃から上を目指して魔力操作の訓練を受けるのだという。
なので、魔力操作が出来なくて魔力測定を受けれないというような問題に直面する大人はおそらく、異世界人くらいらしい。
神官さんがうっかり見落としてしまうほど、息を吸うのと同じくらい自然に意識せずやってのけられるそうだから。
そして、自らがどの程度の魔力量を持っているかについては、教会にある水晶玉の測定器で鑑定しないと分からないので、成人した時に全員、調べるらしい。これは義務化されていて、無料で受けられるんだとか。
「まあ、アルフレッドのような騎士や魔術師、冒険者など、仕事柄よく魔力を使用する職業についている者は、自分の状態を常に把握しておく為に、定期的に測定に来るんですけどね」
「へぇ、そうなんですか」
その場合は教会に、お布施納めないといけないそうです。
「……ここまではいいですか?」
「ええ。という事は俺も、魔力を宿せる体になっているんですよね……自覚は無いですけど。この世界に来てから発現したのでしょうか?」
「そうですね。元々、魔力のない世界にいらしたわけですし、そのままでは生きられませんから。多分ですが、聖獣の卵が界渡りして貴方にくっついた段階で、変化は開始されたんだと思います」
「でも、向こうにいたときには聖獣の卵なんて、頭にくっついて無かったような……?」
「それは……多分ですが、卵の状態でも魔力の塊ですから、魔力のない世界では感知出来なかったのだと思われます。この世界の生き物の中でも特に、聖獣は内包魔力が膨大なので」
「……成る程」
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