聖獣と共に生きる~異世界でものんびりさせてもらえない男の奮闘記~

飛鳥井 真理

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第24話 ゾワゾワする

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「そして人族には、生まれつき得意な属性というものがあります」

 属性には、火、水、土、風の基本的な四属性と、光と闇の稀少属性の六種類があるらしい。人はどれか一つ以上は必ず、属性を持っているようだ。

 そして、得意な属性にあった魔法を身につけていくのだが、発動には決まった呪文や言葉はない。なので、まずは自分にあった方法を見つけることが大事らしい。

 例えば貴族なら、家毎に長年伝承されてきた方法があるし、民間でもいくつもの流派が伝わっている。そこで自分にあった流派に教えを乞うことも出来るんだとか。

 何よりもイメージする力が大切で、自分が想像しやすい言葉に変えて訓練をしていくといいといわれた。
 呪文や魔道具、魔法陣などは魔法を発動させるための起爆剤でしかないという。

 要するに、魔力操作で扱い方を学んだ後は、自力でどうにか工夫しないとってことだな。

 決まった呪文を唱えれば魔法が使えるわけではないので、中にはイメージ力が足りないばかりに魔力はあるのに魔法が使えないという人も一定数いるらしい。ここは頭を柔らかくしてフィーリングでどうにかするしかないかも。


「他には、特殊属性と呼ばれるものもありますね。ちなみに私のような神官ですと、基本属性の他に聖属性魔法が使えます。騎士だと強化魔法が、魔術師だと召喚魔法などがつかえますし、これから引き合わせる予定のエルフ族ですと精霊魔法が、獣人族なんかは変身魔法が使えますね」

「へぇ。職業や種族によっても使える属性が違ってくるんですか」

「そうなんですよ」



 一通り概要を説明してもらったところで、次は実際にやって見ることになった。

「まず、自身の魔力を感じ取る練習からですね。両手を出していただけますか」

「あ、はい」

 差し出した手を、神官さんが握る。

「今から魔力を流します。力を抜いてリラックスしてください。両手に意識を集中して……いきますよ」

 瞬間、繋いだ手から、何かが流れてきてゾワリとする。

「ウォッ!? ワワワッ、何か変!?」

 思わず振り払いそうになった手を、神官さんが固く握り直した。

「落ち着いて、ケイイチ。大丈夫、今のが私の魔力です」

「そう、なんですか? 何か、ひたすら掌がこそばゆいんですけど」

「しばらくすればその感覚に慣れてきますから……ちょっと我慢してくださいね」

「はいっ」

 ムズムズする刺激に、じっと耐えていると……。

「うん、馴染んできましたね。それでは今度は、流す魔力を体内で動かしてみます。集中してそれを追いかけてみて?」

「ひ、ひゃいっ」

 手から流れ込んでくる魔力はゾワゾワするし、先程より多くて熱いんだけどっ。




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